バジルシードの栄養成分と働き
|食物繊維量はチアシードよりも優秀?!

食べ物辞典:バジルシード

水を入れるとプルプルに膨らむバジルシード。飲料類のアクセントとして加えられることもあります。チアシードと似た印象がありますが、食物繊維量はチアシードよりも多いと考えられることから便秘対策やダイエットサポートにも取り入れられています。そのほかカルシウムや鉄分などにミネラル、オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸ほか不飽和脂肪酸類を含んでいることも注目されています。そんなバジルシードについて、食用の歴史・期待される健康メリット・利用方法と注意点などを詳しくご紹介します。

バジルシードのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:バジルシード / 目箒(メボウキ)
英名:Basil seeds / Sabja seeds / Tukmaria seeds
学名:Ocimum basilicum

バジルシードのプロフイール

バジルシードとは

芯のある小粒タピオカにも、カエルの卵のようにも見える、特徴的なビジュアルでお馴染みのバジルシード。水を吸うと表面に半透明のゲル状の膜を形成し、最大では約30倍にも膨張するという性質からダイエット食材・健康補助食品として注目されるようになりました。ジュースの中にバジルシードが入ったバジルシードドリンクも、スーパーやドラックストア・100円均一ショップなとで見かけることが多いのではないでしょうか。初めて食べるときには少し勇気がいる見た目ではありますが、タピオカを柔らかくしたような、クラッシュゼリーを入れたような独特のプルプル感が楽しい食材です。

バジルシードは呼び名からも想像がつくように、バジルの種子部分のこと。使用する部位が違うだけでバジリコとも呼ばれる、ジェノベーゼやマルゲリータなどのイタリアンに欠かせないハーブの“バジル(スイートバジル)”と同じ植物です。植物分類ではシソ科オシウム属(メボウキ属)に分類され、学名はOcimum basilicumイタリアンやフレンチなど洋食系のレシピで使用するハーブ・香辛料という印象が強いバジルですが、原産は熱帯地域、断定はされていないものの中央アフリカから東南アジアにかけてのエリアであると考えられています。英語ではbasil以外にsabja、subja、takmaria、tukmariaなど様々な表記がされていることもあります。これはヒンディー語など各地でのバジルの呼び名をそのまま使ったものだとか。

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原産地候補であるインドやタイ料理でもバジルは使用していますし、東南アジアからアフガニスタン辺りのエリアでは葉をハーブとして利用するだけではなく種子(バジルシード)を食べる文化もあります。バジルシードを使うものとして代表的なのがインドやパキスタンなど南アジアで呑まれている“Falooda(ファールーダ)”という冷たい飲料。セヴィヤンという麺を細かく刻んだものにバジルシード・タピオカ・ゼリーなどを加え、ココナッツミルクや牛乳・水・アイスクリームなどを加えた甘いドリンクです。イランなど西アフリカで飲まれている冷たいソフトドリンク“Sharbat(シャーバット)”にもバジルシードを加えたものがあります。

ちなみに、水に浸けておくとゲル状になるという性質からバジルシードとチアシードと似たような印象があります。乾燥状態での見分け方としてはブラックチアシードよりもバジルシードの方が色が黒黒としていて、色の付き方が均一なことが特徴。水に浸けるとチアシードは透明のジェル系粘液質でコーティングされますが、バジルシードを覆うゼリー状の物質は半透明で少し固め。ツブツブ感が強く、膨張しても一粒一粒を覆う膜がどこまでなのかハッキリ見て取れます。使用方法はチアシードとほぼ同じですが、バジルシードは水に浸さないと食べられないので注意。

バジルシードの歴史

バジル全体としてみると、古代から人間が使用してきた歴史あるハーブの一つ。原産地が断定されていないのも人との関わりが古いためなのだとか。原産エリアとして有力視されているインドでは5000年以上も昔からバシルを利用していたと伝えられていますし、エジプトでも紀元前2000年頃からバジルを栽培していたのではないかという説もあります。古代ギリシャのアレキサンダー大王がインド遠征を行った際にヨーロッパへと持ち帰ったという伝説もありますが、アレキサンダー大王以前の時代からエジプトではバジルが発見されているため、アジアから伝わったのか、エジプトから伝わったのは分からないそう。

紀元前からユーラシア大陸の広い範囲で利用・栽培されていたバジル。薬用利用の歴史も古く、インド伝統医療であるアーユルヴェーダや中医学ではバジル・バジルシードを古くから使用してきたと伝えられています。共に体内の毒素排出を助ける生薬と考えられていたそうですし、アーユルヴェーダでは「バジルの種子は冷却効果を持つ」ものと考えられていました。夏に適した冷たいドリンクにバジルシードが使われているのも、冷やす作用を持つと考えられたからかもしれません。そのほか消化器系のケアや、風邪や咳・喘息などの治療にも用いられていたそうです。民間療法では砕いたバジルシードとココナッツオイルに浸して加熱したものを肌や髪や塗るという方もいらっしゃいますから、広い用途で使用されていた可能性もありますね。

日本にバジルが伝わったのは16世紀頃、中国から生薬の一つとして紹介されました。と言っても江戸時代頃まではハーブや薬味としてバジルを使うことはほぼ無く、薬としての利用が主。薬として使用されたのは葉ではなく種子で、水に浸すとゼリー状の物質に変化するバジルシードの特徴を生かして、目のゴミを拭い去るために使用したのだとか。この使用方法が“メボウキ(目箒)”という和名の由来になっています。逆に目を痛めそうですけどね…。その他にバジルシードから生じつ粘液質は咳止めや鼻炎・下痢止めなどの薬としても利用されていたようですが、現在は目の洗浄はもちろんのこと、薬用としてもバジルやバジルシードを利用することは基本的にありません。

日本でも生薬として使われていた歴史のあるバジルシード。しかし飲み物やスイーツなど通常の食品としてバジルシードを食べていたのは、インドからイラン辺りまでと限られた地域だけでした。日本では21世紀に入った頃に健康番組で取り上げられたことでダイエット用として流行しましたが、すぐにブームは下火に。2014年頃からチアシードが流行したことで、同じ様な性質・栄養価を持つ可能性があると再注目されました。欧米でも同じくチアシードに類似した「スーパーフード」ではないかと注目され、西アジアやインドなどのエキゾチックさも合わせて人気になっているそう。アメリカ大陸産のチアシード、ユーラシア大陸産のバジルシードと言ったところでしょうか。

バシルシードの栄養成分・効果について

バジルシードは全体重量の約半分が食物繊維となっており、手軽な食物繊維補給源としてダイエットなどにも取り入れられています。それ以外にもカルシウムや鉄分などのミネラル、オメガ3(n-3)に分類される多価不飽和脂肪酸を含むことも認められており、チアシードと共に健康メリットの高い食品として注目されています。

※バジルシードの栄養成分は『日本食品標準成分表』や『USDA Food Composition Databases』など信憑性が高いデーターベースには掲載されていません。当サイトでは複数サイトに掲載されている栄養成分を対比させながら紹介させていただいていますが、バジルシードの栽培条件や製造社によって栄養成分にはかなり差が生じる可能性が高いため、参考程度にお考え下さい。

photo by by Marco Verch,on Flickr

バシルシードの効果効能、その根拠・理由とは?

便秘予防・改善に

バジルシードは水に浸けておくと、種子表面にゼラチンのような膜を形成することが特徴。この膜の主成分はグルコマンナンなどの食物繊維類のため、バジルシードは似た性質を持つチアシードと同様に食物繊維が豊富な食材であると考えられています。バジルシードの食物繊維量についてはメーカーやメディアによって異なりますが、およそ全体重量の約50%が食物繊維であるという見解が主。『healthline』でも“バジルの種子1杯(13グラムまたは0.5オンス)で7グラムの繊維”と記されています。

食物繊維7gというのはSサイズのリンゴ2個分以上、ごぼう100gをも上回る量。実際に図ってみるとバジルシード13gというのは結構量がありますが、一日に5g~6g程度を摂取するとしても十分に食物繊維補給のサポートとして役立ってくれると考えられます。食物繊維は消化されず、便の量を増やすことで腸を刺激して蠕動運動を促す働きがあります。腸内に残っている老廃物・有害物質などを吸着することで排泄させる働きもありますので、便秘改善や腸を綺麗に保つ手助けをしてくれるでしょう。バジルシードにはペクチンやグルコマンナンなどの水溶性食物繊維も含まれているため、便が固くなるのを防いだり、腸内善玉菌の活性化させて腸内環境を整える働きも期待できます。

ミネラル補給に

バジルシードはミネラル、特にカルシウム・鉄分・亜鉛を豊富に含む食材であるという見解もあります。食物繊維量と同じく『healthline』のページにはバジルシード13gの摂取でカルシウムは基準1日摂取量(RDI)の15%、マグネシウムおよび鉄についてRDIの10%は補給できると紹介されています。ここから新RDIでの摂取量を使って計算するとバジルシード100gあたりのカルシウム含有量は1500mg、マグネシウムは307.6mg、鉄分は13.8mgとなります。対して『tukmariaseeds.com』に掲載されている含有量は100gあたりカルシウム2240mg・マグネシウム711mg・鉄分89.8mg。どれも約2倍量ですね。

『tukmariaseeds.com』はバジルシードの販売も行っているサイトですから、計測した中で最も多い数値を掲載している可能性が高く、平均値や客観性としては『healthline』の方が高いと考えられます。栽培条件・製品差もあるでしょうし、算出に使われているRDIが旧バージョンのものである可能性もありますから明確な基準値は分かりませんが、一日バジルシードを10g摂取するとしても十分にカルシウムや鉄分の補給に繋がる可能性は高そうです。西アジアや南アジアでバジルシードが食べられてきたのも、宗教上の理由から動物性食品を控えている方のミネラル源に適していたという見解もありますよ。

カルシウムは丈夫な骨や歯の形成・維持する働きがあり、お子さんの成長のサポートや加齢による骨粗鬆症予防にも意識的に摂取したいミネラル。マグネシウムはカルシウムと対になるような形で、バランス取り合いながら働いています。鉄分は赤血球を作っているヘモグロビンの成分として利用され、不足すると鉄欠乏性貧血の原因にも。この3つのミネラルは日本人、特に女性は不足傾向にあることが統計として出されていますので、食事改善の一環として取り入れて見ても良さそうですね。含有量については曖昧な部分もありますので、きちんとバランスの良い
食事を心がけた上での補強として利用して下さい。

血糖値対策・肥満予防に

バジルシードは水に浸しておくことで元のサイズよりも約20〜40%膨潤し、表面にゲル状の膜のようなものを形成します。ゲル状の部分も含めると一粒がかなり大きくなりますし、消化期間内までと通して見ると最大30倍にまで膨張するとも言われています。食事の前にバジルシードを加えたドリンクなどを摂取することで満腹感を感じ、過剰他食欲を抑えたり食べ過ぎ防止に役立ってくれるでしょう。バジルシードに含まれているペクチンやグルコマンナンなどの水溶性食物繊維類はコレステロール吸収を抑制したり、消化スピードを遅らせることで食後血糖値の上昇を抑える働きも期待できます。2016年『Biomed and Pharmacotherapy』に発表されたラットを使ったインドの研究では、バジルシードの水抽出物に血糖値を下げる可能性があることも報告されていますよ。

血糖値対策としての働きが研究されていますし、満腹感を与えてくれること・血糖値を揚げにくい=太りにくいと考えられることからバジルシードはダイエットにも取り入れられています。ダイエット中に不足しやすいカルシウムや鉄分などのミネラル・ビタミンB群の補給位役立つことからも代謝低下予防に繋がるでしょう。食物繊維が豊富な食材でもありますから、便秘でお腹がポッコリ出てしまうような方や、ダイエットで食事量を減らすと便秘になって体重が落ちにくい方にも適していると考えられます。ちなみに、バジルシードのカロリーについては日本の健康サイトだと100gあたり100kcal前後と記載されていることが多くいですが、『healthline』では13gあたり60kcalとチアシードと同等、『tukmariaseeds.com』では100gあたり233kcalと紹介されています。見事なまでにバラバラですが、カロリーが低いとは考えない方が無難ですね。

老化・生活習慣病予防に

バジルシードもフラックスシードやチアシードと同じく、オメガ3(n-3)多価不飽和脂肪酸の1つであるα-リノレン酸(ALA)を含んでいることが認められています。遺伝と栽培環境によってバジルシード中の脂肪酸バランスは変化することが報告されているため差は大きいと考えられますが、リノール酸・オレイン酸・α-リノレン酸を含んでいることは間違いないようです。α-リノレン酸に悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪の低減効果が報告されており、冠状動脈性心臓病や高血圧のリスクを軽減・血小板機能を改善する働きが期待されています。

また、米オハイオ州立大学の実験で血中のオメガ3脂肪酸の割合が高いほどテロメアが長くなる可能性を示唆した報告もあります。テロメアは染色体の先端に存在し、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていくことから細胞の老化との関係性が研究されている物質。このためω-3脂肪酸の摂取も老化予防に繋がるという見解もあります。オメガ3とテロメアの関係は研究段階で確証のあるものではありませんが、バジルシードにはビタミンEやフラボノイド系ポリフェノールも含まれています。酸化ダメージを抑制することからも老化予防・生活習慣病のサポートが期待できます。

免疫力保持・アレルギー軽減に

リノール酸などオメガ6(n-6)脂肪酸は健康に害のあるだけの脂肪酸ではなく、私達の体を維持するためには必要な栄養素の一つです。オメガ6系脂肪酸が“摂りすぎに注意”とされる理由はいくつかありますが、過剰摂取によって起こると考えられている不調の一つに免疫バランスの乱れやアレルギーがあります。これは大まかにオメガ6系脂肪酸は炎症反応を起こす物質に、オメガ3系脂肪酸は炎症抑制物質に変換されるという性質があるため。本来は対になるような形でバランスを取り合いながら免疫反応などを正常に機能させていますが、オメガ6系脂肪酸摂取量が増えオメガ3系脂肪酸が不足すると炎症物質が多くなる=アレルギーなどを起こしやすくなる可能性があることが指摘されています。

このためオメガ3系脂肪酸を適切に補給して必須脂肪酸の摂取バランスを整えることが、免疫バランスを整えることに繋がるのではないかと考えられています。α-リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸は抗炎症物質の生成に働きかけるため、抗炎症サポートとしてアトピー性皮膚炎や花粉症などアレルギー性疾患の緩和に繋がる可能性もありますね。そのほかバジルシードに含まれているグルコマンナンもアレルギー性の炎症の原因であるIgE抗体を減らすという報告があること、腸内環境を整えることからも免疫機能正常化に繋がることから、オメガ3系脂肪酸の補給と合わせてアレルギー予防や軽減サポートが期待されています。

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脳機能向上・うつ予防にも

オメガ3(n-3)脂肪酸の中でも、DHA(ドコサヘキサエン酸)には脳内に取り込まれることで細胞膜を柔らかくする・シナプスを活性化することで脳の伝達性を高める可能性があることが報告されています。また、血管障害などによって脳の一部機能が低下していてもDHAは残っている脳細胞を活性化して認知症や記憶障害の改善する働きが期待されており、子供から高齢者まで様々な方の“脳・神経機能”をサポートする可能性がある成分として研究が行われています。認知症予防や記憶力向上だけではなくメンタルヘルス、特にうつ病との関係性についても研究が行われており、1998年『The Lancet』に発表されたHibbeln氏らによる9カ国のうつ病の発症率調査ではオメガ3系脂肪酸を豊富に含む魚を多く食べる国ほどうつ病の発症率が低いことが報告されています。

α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに代謝されるため、α-リノレン酸を含むバジルシードも認知症予防やうつ病・気分障害などの精神疾患リスク低減に繋がる可能性があります。ただし、バジルシードはフラックスシードなどと比較すると含有するα-リノレン酸が少ないですし、α-リノレン酸からDHAへの代謝効率はそう高くないことも指摘されています。オメガ3脂肪酸の働き自体も研究数が少なく有効性は分かっていませんから、過度な期待は避けるようにしましょう。

美肌作りのサポートに

α-リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸は、細胞を包む細胞膜や細胞間脂質の原料として使われる成分でもあります。必須脂肪酸が不足すると体全体の機能低下、肌に関してであれば水分保持力や新陳代謝低下の原因となる可能性があります。このため適切なオメガ3脂肪酸の摂取は肌の水分保持力の向上や乾燥肌、シワ・たるみ・くすみなどの予防改善に役立つと考えられます。バジルシードにはビタミンEやフラボノイドと言った抗酸化物質、健康な肌を保持するのに必要なビタミンB群も含まれていますから、合わせて若々しく健康的な肌の維持をサポートしてくれるでしょう。

そのほかオメガ3系脂肪酸には抗アレルギー・炎症抑制作用などが期待でき、豊富な食物繊維によって腸が綺麗になることと合わせて肌荒れ予防に繋がる可能性もあります。スムーズな血流を保持してくれる不飽和脂肪酸類、血液の元となる鉄分、末梢血管を拡張するビタミンEの補給から血行不良性のくすみを改善・肌の新陳代謝向上にも効果が期待できます。

チア・バジル・フラックスシードの栄養比較

フラックスシード、チアシード、バジルシードはどれも健康メリットやダイエットサポーターとしての役割が期待され、揃って「スーパーシード(スーパーフード)」と呼ばれることのある食材。どれも日本では近年まで種子形状で食べることに馴染みのなかった食材ということもあり、ふわっとした何となくのイメージで使い分けているのではないでしょうか。3シード類にはそれぞれ異なった特徴があります。特に植物として見てもチアシードはシソ科アサギリ属(サルビア属)・バジルシードはシソ科オシウム属(メボウキ属)と近いですが、フラックスシードはアマ科と別物で粒も大きめ。食品としてもフラックスシードは前記2つとは違いが明確です。

バジルシードのポイント

バジルシードは外見も水に浸すとゼリー状になる点もチアシードに似ていますが、チアシードは水につけておくとドロリとした柔らかく透明のジェル状に、バジルシードは半透明でチアシードよりも弾力性が高めの膜が形成されます。チアシードもバジルシードも乾燥時は同じ様なサイズですが、水に浸した後はバジルシードの方が一粒一粒のサイズが大きく見えます。

『日本食品標準成分表2015年版』にはバジルシードの項目がないため公平性は劣りますが、三種類のシード類の中ではカロリーも最も低いのではないかと推測されています。カロリーが低いこと考えるとオメガ3系脂肪酸やアミノ酸などの栄養補給目的ではフラックスシードやチアシードに劣る可能性が高いので、摂取カロリーが気になる方や食べ過ぎ防止、便秘の解消をメインに摂取したい場合に適した食材と言えそうですね。

チアシードのポイント

チアシードはフラックスシードよりも脂質量が少なく、食物繊維量が多いことが特徴。『日本食品標準成分表2015年版』に記載されている100gあたりのカロリーは494kcal、食物繊維総量は36.9gとなっています。ただし食物繊維総量は多いものの、不溶性食物繊維が多く、水溶性食物繊維量についてはフラックスシードの方が上。水分を含むと10~15倍に膨張する性質があり、腹持ちも良いので間食を控えたい方・食べ過ぎを予防したい方にも適していると考えられます。

オメガ3系必須脂肪酸(α-リノレン酸)量も100gあたり19.43gと、23.50gあるフラックスシードよりはやや少なめですが豊富と言っても差し支えのない量ではあります。そのほか必須アミノ酸をバランスよく含み、カルシウムも豊富。健康維持のために栄養バランスを整えたい、健康的なダイエットを心がけている方のサポーターとして役立ってくれそう。バジルシードよりもオメガ3系脂肪酸が多いと推測できますから、カロリーカットと栄養補給両方のバランスが良い食品と言えるかもしれません。

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フラックスシードのポイント

フラックスシードはオメガ3系必須脂肪酸(α-リノレン酸)の含有量が高いこと、亜麻仁リグナンと呼ばれる不意とエストロゲンを含むことが特徴。特に亜麻リグナンもしくはフィトエストロゲンとなるリグナン類についてはチアシードとバジルシードには含まれていませんから、更年期障害が気になる方・ホルモンバランスが気になる方であればフラックスシードを取り入れてみても良いかもしれません。

『日本食品標準成分表2015年版』に記載されている100gあたりのカロリーは562kcal。3種のシード類の中ではオメガ3系必須脂肪酸(α-リノレン酸)の含有率も最も高いですが、カロリーも最も高いです。チアシードやバジルシードのように水につけてもゲル状に膨らみません。水につけてもゲル化しないので食事のカサ増しとしては微妙ですが、粉末化したものは小麦粉の代用品として活用できる・和え物などにも使えると調理幅が広いことがメリット。

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バシルシードの食べ方・注意点

バシルシードの注意点

バジルシードは食物繊維を豊富に含む食材であることが評価されていますが、食物繊維は摂取しすぎるとミネラルなどの栄養素の吸収阻害や消化器官へのダメージを与える危険性もあります。体質によっては腹部膨満感・腹痛・下痢・悪心などを起こす場合もありますので、体調を確認しながら少量ずつ取り入れるようにしましょう。お腹の調子が悪くなったと感じた場合は食べ続けずに量を減らすか一旦使用を中止しましょう。

嚥下障害のある方・医薬品を服用中の方はバジルシードの摂取を控えるか、医師に相談の上で取り入れるようにしましょう。妊娠期、授乳期の方や小さいお子さんへの安全性についても十分なデータがなく、バジルシードはエストロゲン濃度に関与するという見解もあります。不安な方は摂取を控えるか、かかりつけの医師に相談することをお勧めします。

そのままでも食べられるチアシードに対して、バジルシードは水に浸してからでないと食べることが出来ません。必ず温水を注いで20分程度置いてから食べるようにしましょう。また、輸入物のバジルシードにはカビが発生しているものがあることが指摘されており、猛毒であるアフラトキシンを産生するカビが生えているものが含まれている危険性もあります。検査をしっかりと行っている安心できるメーカー・輸入元の商品を選んで購入しましょう。

バジルシードの利用法について

バジルシードはドリンク類に加えられることが多いですが、チアシードと同様にクリームソース類などの増粘剤としてしようしたり、焼き菓子類に加えることも出来ます。バジルシード13gをすり潰し45ml~50mlくらいの水に浸して膨らませたものは、卵1個分の代替え品にもなります。レシピ内の卵全てをバジルシードで置き換えようと思うと上手くいかないことが多いようですが、全体量の25%くらいまでならバジルシードに置き換えても問題なく作ることが出来ましたよ。

【参考元】