アーティチョークの特徴と栄養成分・期待できる健康メリットとは

食べ物辞典:アーティチョーク

イタリアンやフレンチで使われる、ドラドンフルーツのようなトゲトゲ感が特徴的なアーティチョーク。日本でも見かける機会が増えてきている西洋野菜の一つではありますが、家庭の食卓に浸透したとまでは言い難い食材です。アメリカではアーティチョークが抗酸化力が高い野菜として注目された時期もありますし、イヌリンなどの水溶性食物繊維が多いことから腸サポートやダイエットにも取り入れられています。そんなアーティチョークの栄養価や注目されている成分、食の歴史や食べ方について紹介します。

アーティチョークのイメージ画像:食べ物辞典トップ用(slowbeauty)

和名:朝鮮薊(チョウセンアザミ)
英名:Artichoke/Globe artichoke
学名:Cynara scolymus

アーティチョークのプロフイール

アーティチョークとは

フランス料理やイタリア料理で目にする機会の多いアーティチョーク。フキノトウを肉厚かつ球状にしたような、菊の花の蕾のような見た目と、ゆり根や豆に例えられるホクホクとした食感が特徴です。可食部分は鱗片のような蕚(苞片)部分と真ん中の花托から茎に繋がる部分のみと少なく、外側部分は歯でしごくようにして食べるので面倒くさいというイメージもありますよね。初めて目にしたときは食べ方がわからず困った経験のある方も少なくないのではないでしょうか。日本では食卓の定番というほど馴染みがなく、レストランなどで出てくる高級なイメージのある野菜なのは、流通量の少なさだけではなく食べるのが面倒ということもあるかもしれません。

アーティチョークの味は百合根に例えられることが多いものの、ふんわりした甘みの奥に少し青臭いような苦味があります。この風味は好き嫌いが別れ、栽培条件が合わないこともあって日本では長らく普及しませんでした。この数十年かの間にイタリアンブームなどで食べてみてハマった方が増えたこと、食物繊維や抗酸化物質が豊富だと紹介される機会が増えたことから認知度が高まりました。対して欧米、特に地中海沿岸地域地域ではアーティチョークがよく利用されており、家庭料理にも使われています。アーティチョークの本来の旬は春なので「春を感じる味覚」として親しまれてきた歴史がありますが、近年は通年流通しており下処理のいらない瓶詰めや缶詰製品も多いのだとか。アーティチョークの中央にパンやひき肉を詰めた郷土料理も各地にあるそうですよ。

地中海沿岸地域を中心に愛されているアーティチョーク。原産も地中海沿岸地域と推測されていますが、和名は“朝鮮薊(チョウセンアザミ)”。と言っても朝鮮半島から日本に伝わったわけでもなく、単に「外国の」という意味で付けられたのだそうです。植物分類ではアーティチョークはキク科チョウセンアザミ属に分類される多年草。食用されているのは開花直前のつぼみ部分なので野菜としては花菜類に分類されます。野菜として食べる以外にアーティチョークはハーブティーにも活用されており、インドやベトナムなどアジア圏でも親しまれています。そのほかアーティチョークフレーバーのリキュール、アーティチョークを凝固剤として使ったチーズもあります。アーティチョークは古くから様々に用いられてきた植物のため、様々な食用品種も作られています。日本だと緑以外を目にする機会は滅多にありませんが、品種としては紫色と白色のものもあります。

余談ですが、英語ではキクイモのことを“Jerusalem artichoke(エルサレム・アーティチョーク)”と言い、おせち料理で見かけるチョロギのことも“Chinese artichoke(チャイニーズ・アーティチョーク)”と言います。キクイモはキク科でもヒマワリ属と別属ですし、チョロギに至ってはシソ科とかなり離れた存在。食用部位も違うのですが全て「Artichoke」のため、区分するためにチョウセンアザミ属のアーティチョークは“globe artichoke(グローブ・アーティチョーク)”と呼ばれることもあります。ちなみに日本で山菜として親しまれているアザミもキク科ではありますが別属、食べるのは基本的に葉と柔らかい茎部分です。

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アーティチョークの歴史

アーティチョークの野生種と考えられているカルドン(学名:Cynara cardunculus)は地中海地域に自生しており、人々は紀元前からこれを採集して食べていたと考えられています。古代は蕾を食べるものではなく葉と茎をメインに食べていたと推測されています。花菜としての特化・作物化の始まりは分かっておらず、諸説ありますが、紀元前の古代ギリシア時代から栽培化されていたのではないかという見解も。その根拠となっているのは植物学者で「植物学の祖」とも称される古代ギリシアのテオプラストスが“イタリアとシチリアで栽培されている”と記録しているからなのだそう。ともあれカルドン・アーティチョークの原型と言える植物は古代ギリシアやローマでは既に食べられていたようです。

古代ローマではアーティチョークが美食家達に愛されていたほか、大プリニウスは胃腸を整えたり息を爽やかに保つ食材としても評価していたと伝えられています。そのほか媚薬・精力増強効果がある、食べると男の子を授かりやすくなるという伝承もあったそうですよ。ちなみに、現在でもアーティチョークを使ったオイル煮“Carciofi alla romana(カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ)”と、アーティチョークを花のように広げて揚げた“carciofi alla giudia(カルチョーフィ・アッラ・ジュディーア)”はローマ料理の定番に数えられています。ローマ帝国で愛されたアーティチョークですが、ローマ帝国の衰退後はヨーロッパでの栽培が一時衰退してしまいます。しかしアラブ地域で栽培・食用され続けました。アーティチョークという言葉の語源がアラビア語「al’qarshuf」とされているのも、このためではないかと考えられています。

15世紀頃になるとアーティチョークはアラブからナポリに再導入され、イタリアを中心に本格的な栽培や品種改良が行われるようになります。これがヨーロッパの他の地域へも徐々に普及してきますが、16世紀にはフィレンツェからカトリーヌ・ド・メディシス(メディチ)がフランス王家に嫁いだ際、アーティチョークもフランスへと持ち込まれたと伝えられています。カトリーヌ・ド・メディシスは残虐な王妃・悪女と悪名高い人物で様々な逸話がありますが、その中に「初夜にアーティチョークを食べ過ぎてお腹を壊した」というエピソードもあったりします。真偽はさておき、食い意地が張っていて大好物のアーティチョークを食べ過ぎたというわけではなく、当時媚薬効果があると考えられていたアーティチョークを食べて初夜に備えたという見解もあるようですよ。

ヨーロッパ中に広がったアーティチョークは移民とともにアメリカ大陸へと渡り、19世紀ころからはカリフォルニアで大規模な栽培が行われるようになりました。現在でもカリフォルニアはアメリカ国内有数のアーティチョーク産地で、アーティチョーク生産ナンバーワンと言われるキャストロビルという町では1948年アーティチョークフェスティバルというお祭りも毎年開催されています。お祭りの中では「アーティチョーク・クイーン」なるミスコンもあり、初代クイーンはマリリンモンローなのだそう。ちなみに日本にアーティチョークが伝わったのは意外と古く江戸時代。『草木図説』では花床や蕚片が食べられると紹介されていますが、実際に食べる方はおらずもっぱら観賞用だったようです。食材として普及するようになったのは21世紀に入る頃とごく最近で、現在でも家庭の食卓まで定着しているとまでは言えないポジションですね。

アーティチョークの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

アーティチョークは三大栄養素の中では炭水化物を多く含んでいる食材で食物繊維が非常に豊富です。食物繊維量が多いため糖質(利用可能炭水化物)量は少なく、カロリーも100gあたり48kcalと低め。また、アーティチョークはポリフェノール化合物が多く含まれており、野菜類のなかで総抗酸化物質含有量が高いと報じられたことから抗酸化食材としても注目されています。

アーティチョークのイメージ画像

アーティチョークの効果効能、その根拠・理由とは?

便秘・腸内環境のサポートに

アーティチョークは生100gあたり8.7gと食物繊維を非常に多く含む食材で、同グラムで比較するとゴボウの約1.5倍の食物繊維が含まれています。この食物繊維量は乾物類を除けば野菜類でもトップクラスで、100g食べると厚生労働省発表の『日本人の食事摂取基準(2015年版)』で設定されている成人女性1日の食物繊維摂取目標量である18gの約半分が補給できる計算になります。さらにアーティチョークは食物繊維総量の内訳として、100gあたり水溶性食物繊維が6.1g、不溶性食物繊維2.6gと水溶性食物繊維料が多いことも特徴。

アーティチョークに豊富に含まれているイヌリンなどの水溶性食物繊維は、呼び名の通りに「水に溶ける」という性質があります。水分と結合すると粘性のあるゲル状に変化するため、便の水分量を調節して適切な固さに保つ働きが期待できるでしょう。加えて水溶性食物繊維はプロバイオティクスとしての機能=腸内善玉菌の栄養源となり腸内細菌叢のバランスを整える働きも認められています。腸内環境が整うことからも下痢や便秘をしにくい体質へのサポートに繋がるでしょう。アーティチョークには「放屁の回数と臭いを抑える」というメリットも囁かされいますが、これも腸内環境が整うことが大きく関係しているのではないかと思われます。

抗酸化・生活習慣病予防に

アーティチョークはUSDA(アメリカ農務省)がかつて抗酸化能力の指標として発表していた“ORAC(Oxygen radical absorbance capacity/酸素ラジカル吸収能)”という数値のランキングで上位にランクインしていたことから、抗酸化食材の一つとしても注目される野菜となりました。現在ORACの値は抗酸化能の評価として十分ではないと削除されていますが、クロロゲン酸・シナリン・スコリモサイド・アピゲニン・ルテオリンなどのポリフェノール化合物が含まれていることが報告されているため抗酸化を意識して取り入れている方もいらっしゃるようです。

アーティチョークのポリフェノールについては野菜としての可食部分ではなく葉のほうが多いことも指摘されていますが、ORACでも“野菜”としてカテゴライズされていましたから、ポリフェノールも皆無では無いでしょう。また、アーティチョークの蕾・萼状の部分には抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEも含まれています。抗酸化物質を含む食品の摂取は体を若々しく健康な状態に保つ手助けをしてくれると考えられており、アーティチョークも老化や病気、特に心血管疾患の予防に効果が期待されています。

抗酸化物質の補給によって酸化を抑えることで動脈硬化予防やスムーズな血液循環の保持に繋がる可能性がありますし、研究ではクロロゲン酸やルテオリンには悪玉(LDL)コレステロールの減少効果を持つ可能性が示唆されています。また、豊富に含まれているイヌリンなどの水溶性食物繊維は水に溶けてゲル化することで食物が消化管を移動するスピードをゆっくりにし、血糖値の急激な上昇を抑える働きもあります。この働きから肥満・2型糖尿病予防に有益と考えられていますから、アーティチョークはメタボリックシンドロームや生活習慣病の予防に役立つ可能性もあるでしょう。

肥満予防・ダイエットに

アーティチョークは低カロリー・低糖質のファイバーフードとしてダイエットにも活用されています。食べごたえがあるだけではなく、水溶性食物繊維が血糖値の上昇を抑えることからインスリン分泌が軽減されることで糖が脂肪に蓄えられるのを防ぐ=太りにくくなるのではという期待も寄せられています。2007年『Nutrition Research』に発表されたギリシャ・アテネのハロコピオ大学の研究チームによる研究では、アーティチョークの近縁種カルドンを茹でたものを食べたグループに食後血糖およびインスリン反応を低下が見られたことも報告されています。

ただし同研究では“メタボリックシンドローム患者には影響を及ぼさなかった”ことも報告されており、実験に使われた食材も別のため「糖吸収のブロック」に役立つかは疑問です。しかし抗酸化物質の補給や腸内フローラの改善からも代謝低下予防に繋がりますから、ダイエットに全く無意味ではありません。アーティチョークには三大栄養素の代謝に必要なビタミンB群やマグネシウムとマンガン、ダイエット中に不足しがちなカルシウムも含まれています。食事の見直しや運動など健康的なダイエットを行う中で取り入れていくならば、十分にダイエットのサポーターとしても役立ってくれるでしょう。カリウムが豊富なのでむくみ予防にも期待できますよ。

免疫機能のサポートに

人の体の中で最大規模の免疫器官は腸にあることが報じられ、腸管免疫系と腸内細菌の関わりがメディアでも多く取り上げられています。腸内フローラのバランスを整えることで免疫力向上やアレルギー緩和に繋がる可能性が示唆されており、免疫サポートを目的としたサプリメント類にもプレバイオティクスが配合されています。アーティチョークはプレバイオティクスであるイヌリンなどの水溶性食物繊維を非常に多く含んでいることから、腸内環境を介して免疫機能の正常化を手助けしてくれ

る可能性もあるでしょう。そのほか人間に対して十分な証拠とは言い難いものの2005年『Fitoterapia』にはアーティチョークの葉・頭・茎それぞれの抽出物に抗真菌活性が見られたという中国の研究も発表されています。

骨や歯の維持・貧血予防にも

アーティチョークは生100gあたりカルシウムが52mg、鉄分が0.8gと野菜類の中では比較的カルシウムと鉄分の多い食材。カルシウムは骨や歯を丈夫に保つために必要なミネラルで、骨粗鬆症予防にも意識的に摂取したい栄養素の一つ。鉄分は赤血球中のヘモグロビンを構成するために必要なミネラルで不足すると貧血(鉄欠乏性貧血)を起こします。この2つのミネラルは日本人女性に不足しがちなことが指摘されていますから、食事にアーティチョークを取り入れることで不足の緩和にも繋がるでしょう。

美肌作り・アンチエイジングに

ビタミン類やポリフェノールなどの抗酸化物質を含み高い抗酸化力が期待されているアーティチョークは、お肌を綺麗に保つサポーターとしても活躍してくれるでしょう。活性酸素/フリーラジカルの増加は肌細胞にダメージを与え、シワやたるみ・乾燥・くすみなど皮膚の老化を促進する可能性があります。抗酸化物質の補給によってダメージが軽減されることで若々しい肌の維持に繋がるでしょう。アーティチョークにはコラーゲン生成促進・メラニン色素生成抑制に役立つビタミンCも含まれています。抗酸化プラスαの美肌サポートが期待できそうですね。

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アーティチョークの葉について

アーティチョークの葉が野菜感覚で食べられることはほとんどありませんが、アジアからヨーロッパまで広範囲でハーブの一つとして自然療法に利用されており、ハーブティー(健康茶)としても親しまれています。アーティチョークの機能性成分として研究されているフィトケミカル類は葉の部分に多く含まれていることが分かっており、作用や有効性を評価する実験も大半が“アーティチョーク葉抽出物”を利用したものとなっています。現時点で有効性が断定されているものはありませんが、注目されている成分と働きについていくつか紹介します。

肝機能サポート

アーティチョークの葉は伝統医学や民間療法の中で肝臓に良い食材と考えられ、時に二日酔いのケアなどにも活用されてきました。現代の研究でもアーティチョークの葉に含まれるヒドロキシケイ皮酸類の一種シナリンには肝臓保護作用や胆汁分泌促進作用・フラボノイド配糖体のスコリモサイドには胆汁分泌促進作用が見られたことが報告されており、アーティチョークの根と葉抽出物に肝細胞の再生を助ける可能性があると示唆している研究報告もあります。2019年『Phytotherapy Research』に掲載されたアーティチョークの動物実験に対しての系統的レビューではアーティチョーク抽出物の投与で肝臓の酵素(SOD、カタラーゼ、グルタチオンおよびGPx)のレベルが増加したことも紹介されています。

伝統的にもアーティチョークは肝機能を高めてデトックスを促したり、脂っこい食事の消化を助けるハーブとして利用されてきた食材。何らかのメリットがある可能性もありそうですね。ちなみに「アーティチョークを食べた後に摂取するものは甘く感じる」と称されるのもシナリンの味蕾の甘味受容体を阻害する作用によるものなので、通常食べる部位にもシナリンは含まれていると推測できます。

抗酸化・生活習慣病予防

アーティチョークの葉は花部分よりも抗酸化ポリフェノールが高濃度で含まれていることが認められています。細胞・脂質の酸化を抑えるという面から高血圧や動脈硬化により効果的だと考えられますし、アーティチョークの葉に含まれるシナリンやスコリモサイドは胆汁酸分泌を促進することで血中コレルテロールや中性脂肪を減少させる働き・脂肪合成を抑制する働きも示唆されています。

アイオワ州立大学の研究ではアーティチョーク葉抽出物を投与したハムスターに総コレステロール・非HDLコレステロールの有意な減少が見られたことも2017年『Phytotherapy Research』報告されています。そのほかアーティチョーク葉抽出物に空腹時血糖値の低下・食後血糖値とインスリン値の低下が見られたなどの報告もあることから、肥満予防や糖尿病予防への有効性についても注目されています。

しかし、有効性を示さなかったという報告もあり、現時点では未解明。2018年に発表されたイランの研究者によるアーティチョークの肥満管理における有効性のレビューでは“アーティチョーク単独ではBMIや体重に有意な影響はない”としつつ、胆汁分泌促進や脂肪代謝の強化・血糖値抑制などの働きから肥満患者にも有益である可能性があることも示唆されています。

目的別、アーティチョークのおすすめ食べ合わせ

アーティチョークの選び方・食べ方・注意点

アーティチョークは食べる前の下ごしらえが大変な部類の食材。基本的な下処理としては、アーティチョークを洗う→苦味の強い茎の部分を切る→下茹でするという流れ。大きなものや花が開きかかっているものほどアクが強いので、気になる場合は水に少量の塩と酢を加えたもので茹でると良いでしょう。下茹でには丸るごと下茹でする方法と、可食部分だけに分解してから下茹でする方法があります。丸ごと湯でる場合でも予め外側のガクのような部分(苞片)の先端は全てカットし、沸騰させずに40~50分程度蒸し煮。串がサクッと通り、ガクを引っ張ると抵抗なく剥がれる様になったら下茹で完了です。

可食部分をバラしてから下茹でする場合はガクを一枚一枚剥がし、間にあるワタをスプーンなどで取り出して芯の部分を剥き出しにします。アーティチョークは空気に触れることで酸化して黒ずんでしまうので、変色防止用としてレモン汁や酢を入れた水を用意し、切り口もしくは剥いた部分にハケで塗り(浸しても可)調理直前までそのまま置いておくと良いでしょう。バラバラの場合は沸騰したお湯で5分程度煮ると柔らかく食べられるようになります。

こうしたオーソドックスな下茹で以外に、苦味が平気な方であれば、塩・レモン汁もしくは酢を入れた水を薄く塗ってからラップで包み電子レンジで加熱する方法もあります。レンチンや蒸して熱を通したほうが、ビタミン類やカリウムなど水溶性の栄養素・ポリフェノールの流出を抑えられるでしょう。

美味しいアーティチョークの選び方・保存方法

アーティチョークは花が開く前、蕾の状態で食べる食材。まず蕾が開いていないことを確認し、食用部位であるガク(鱗片状の部分)が肉厚でふっくらとしているものを選びます。全体的にふっくらとした丸みがありハリの感じられるもの、緑色が鮮やかなものが良品。お尻の部分にある切り口が瑞々しいかで鮮度を見分けます。

他の花菜と同様、アーティチョークもあまり日持ちはしません。乾燥しないようにラップやポリ袋に入れて冷蔵庫(野菜室)に入れても消費期限は3日程度。日に日に鮮度が落ちてしまうのでできるだけ早めに食べることをお勧めします。数日中に食べられない場合は固めに茹でて冷凍保存がお勧め。そのほかオイル漬けにして気密容器で保存するという方もいらっしゃいます。

アーティチョークの注意点

アーティチョークはキク科植物のため、キク科に対してアレルギーのある方は接触や食用によってアレルギー反応が出る場合もあります。また、胆汁酸産生を刺激する可能性があるため、胆石や胆管閉塞の病歴がある方はアーティチョークのお茶・抽出物(サプリメント)の使用を避けるか医師に相談することをお勧めします。

アーティチョークはフォドマップ(FODMAP)の高い食品にカテゴライズされています。過敏性腸症候群(IBS)など腸にトラブルのある方は消化不良を引き起こす可能性があるため注意が必要です。そのほか食物繊維が多いことから医薬品の吸収を阻害する可能性もあります。医薬品を服用中の方は薬剤師の方に相談すると確実でしょう。

【参考元】