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【冬瓜】とうがんの栄養・効果

冬瓜(トウガン)イメージ
  1. 冬瓜とは
    1. 冬瓜の歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. 冬瓜の栄養・効果
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ
  4. 冬瓜の民間療法

冬瓜(トウガン)とは

冬瓜はウリ科トウガン属のつる性一年草で、冬野菜と思われがちですが夏が旬の野菜です。“冬瓜”という名前の由来は貯蔵性が高く完熟したものは「丸ごと保存をすれば冬までもつ」ためという説が有力です。古い時代は実の表面に生える細かい毛から、カモウリ(加茂瓜・賀茂瓜)と呼ぶほうが一般的だったそうですが、江戸時代くらいから漢語「冬瓜(トウグヮ)」を日本語で言いやすくした「トウガン」が定着したそう。

現在でも富山県ではカモリ、沖縄県ではシブイなど地域によって呼び方が異なり、沖縄県では冬瓜の呼び名シブイの「シ(4)」と、トウガンの「トウ(10)」をかけて4月10日を「とうがんの日」とするよう提唱しています。1972年の沖縄返還以降、沖縄での冬瓜栽培・品種改良が盛んになっており、苦瓜(ゴーヤー)だけでなく冬瓜も沖縄の名産品の一つと言えそうです。

冬瓜は形状によって、丸みの強い球状の「丸冬瓜」、細長く俵に似た形状の「長冬瓜」、長冬瓜と形は似ているものの完熟しても白粉(ブルーム)が出ない「沖縄冬瓜」の3系統に大きく分けられます。白粉が均一に表皮に付いているものが完熟の証とされていますが、表面を磨いてから出荷されたものや元々粉を吹かない沖縄冬瓜がありますので、スーパーなどで購入する場合は注意が必要です。

近年冬瓜はむくみに良い食材であること、非常に低カロリーな事からダイエットに適した食材としても取り入れられるようになっています。栄養成分的にも夏に適した食材であると考えられますし、サッパリとして優しい風味は夏バテや疲れた胃腸にもピッタリ。エコブームなどの影響から“夏を快適に乗り切るための食材”として夏場に特集されたりもしますね。クセのない淡白な風味には、どこかホットするような優しい味わいです。

冬瓜(トウガン)の歴史

冬瓜の原産地はインドから東南アジア辺りの地域で、3世紀頃には中国にも伝播していたと考えられています。熱を冷ます働きや利尿作用に優れた食材として古くから利用されていたと伝えられていますし、インドのアーユルヴェーダ医学でも利尿・解毒・体の熱を冷ますなどの働きを持つ食材として利用されているそうです。
また漢方では種子を冬瓜子(とうがし)・白瓜子(はくかし)・冬瓜仁(とうがにん)・などと呼んで利尿剤、消炎剤、緩下剤として用い、外皮も冬瓜皮と称して利尿薬に利用するそう。そのほか中国の古い薬学書である『神農本草教』や『名医別録』には、冬瓜の種が“顔を白くする美容クリームの原料になり肌を滑らかにする”というような記載があるそうで、現代で言う美肌・美白効果のある化粧品原料としても利用されていたのではないかと言われています。

日本に伝わった時期はハッキリしていませんが、奈良時代の『正倉院文書』などに“冬瓜”や“鴨瓜”などの記述が見られるため奈良時代に仏教とともに中国から伝わったのではないかと考えられています。平安時代に成立した本草書(薬物辞典)『本草和名』には“白冬瓜、和名は加毛宇利(カモウリ)”と記載されていますし、『延喜式』にも“粕漬冬瓜”という記述があります。このため平安時代には栽培法や利用法などが知られていたと推測されます。冷蔵庫もハウス栽培も無い時代ですから、保存のきく冬瓜は貴重な冬場の食料でもあったでしょう。

江戸時代では一般庶民にも広く食べられる、親しみのある野菜の一つに数えられます。松尾芭蕉の俳句にも登場しますし、冬瓜を切り売りしている様子が描かれた絵なども残っています。ちなみに江戸時代中期の『当世武野俗談』という巷談集には、朝の味噌汁用に冬瓜の切り売りをしことで財を成した“冬瓜仁右衛門”という人の話が収録されています。現在は小ぶりな冬瓜もありますが、当時の冬瓜はかなり大きかったため一つ丸ごと買うのは大変だったようです。

小型で持て余しにくいキュウリが改良され美味しくなったこと・食の洋風化・栄養価という考え方の普及などに伴い、戦後冬瓜の需要・生産量は減少していきます。一時期は産地や薬膳料理で見かけるくらいで家庭料理としてほとんど登場しなくなった時期もありますが、近年のダイエットブームや節電意識の高まりから再び少しずつ注目を取り戻しています。

冬瓜(トウガン)はこんな方にオススメ

  • むくみ・便秘の改善
  • ダイエットサポート
  • 免疫力を高めたい方
  • 風邪予防・回復サポート
  • 夏バテの予防・改善
  • 火照りやのぼせの緩和に
  • 血圧が気になる方
  • 肌のアンチエイジングに
  • 紫外線対策・シミ予防
  • ニキビや肌荒れ予防

冬瓜(トウガン)の主な栄養・期待される効果

冬瓜は夏野菜なので体を冷やす・むくみ解消など夏野菜の特性を強く持っています。キュウリ同様に栄養価の低い食材とされた時期もありますが、水分含有率が高く低カロリーであるのはメリットでもあります。

【むくみ・便秘解消に】

冬瓜は95%以上が水分で、栄養素としてはカリウムを多く含んでいます。そのためむくみの解消や高血圧の改善効果がある低カロリー食として注目されています。冬瓜の100gあたりのカリウム含有量は200mgとキュウリと同等ですが、同グラムあたりの含有量で見ると野菜類の中で特に高いというわけではありません。
利尿効果があるとされるのはカリウムの補給としてだけではなく、水分不足で体が必要以上に水分を保持してしまうことで起こる“むくみ”や、胃腸が弱っていることで低下した水分貯留などの緩和にも役立つためと考えられます。

また冬瓜の食物繊維含有量自体は100gあたり1.5gとさほど多くはないものの、内訳が不溶性食物繊維1.0g・水溶性食物繊維0.5gと、便秘の解消に理想的とされる不溶性:水溶性=2:1のバランスにピッタリ当てはまる数少ない食材の一つ。
野菜の大半は不溶性食物繊維が多く、体質によっては食べ過ぎると便が固くなりすぎて便秘が悪化してしまう可能性がありますが冬瓜はそういったリスクが低いと言えるでしょう。加えて豊富な水分も便が腸の中で固くなりすぎてしまうのを防いでくれます。

【ダイエットサポート】

近年ダイエットに役立つ低カロリー野菜としても注目されている冬瓜。実は1000年以上前の中国のの薬学書『食療本草』にも冬瓜は「痩せたい人は長期間つづけて食べたほうがよく、反対に太りたい人は食べてはいけない」と書かれているそう。昔からダイエットに良い食材として利用されていたのかもしれません。

冬瓜は100gあたり16kcalと非常に低カロリーな食材。グラムあたりのカロリーはモヤシ(大豆)の半分位ですから、空腹感を感じるダイエットをしたくない方のサポートとして心強い存在と言えるでしょう。食物繊維やカリウムもカロリーから考えると豊富に含んでいますから、ダイエット中に起こりやすい便秘・むくみ予防としても役立ってくれるでしょう。

加えて近年は冬瓜に含まれる「サポニン」もダイエットをサポートしてくれる成分として注目されています。研究途中な部分もありますがサポニンには糖や余分は脂肪の吸収・蓄積を抑えてくれる働きがあるとされ、こちらも冬瓜がダイエットに良いとされる理由になっています。

【免疫力向上・風邪予防】

冬瓜は生の場合はビタミンCを100g中39mgと比較的多く含んでおり、同グラムのグレープフルーツを上回るほど。ビタミンCは白血球(好中球)の働きを高める・インターフェロンの分泌促進などの働きがあり、免疫力向上に役立つとされています。また抗酸化物質でもありますから活性酸素による酸化から起こる免疫力の低下を予防する働きも期待できるでしょう。

そのほかサポニンにもナチュラルキラー細胞を活性化することで免疫力向上作用が報告されていますから、ビタミンCと共に免疫機能をサポートしてくれるでしょう。これらの働きから風邪などの感染症予防に役立つと考えられますし、冬瓜は消化がよく胃腸に負担がかかりにくいため病中・病後の回復食としても適しています。

【夏バテ・火照りに】

冷え性の方は食べ過ぎに注意が必要と言われるほど、冬瓜は漢方などで体を冷やす働きと持つ食材と考えられています。水分量がとても多く直接的に体を冷やす他、利尿効果も余分な熱の排出を助けると考えられています。のぼせ・火照りの緩和や解熱用としても利用されてきた存在です。

またカリウムは電解質のバランス保持・神経や筋肉などのコントロールにも関わる存在。カリウム不足は筋肉が脱力状態になることで起こるだるさ・腸活動低下による食欲不振や便秘・疲れやすさ・むくみなどの症状が表れると言われています。カリウム失調は夏バテの原因の一つともされていますから、しっかりと補給することで体を冷やす作用と相乗して夏バテのだるさ・疲労感・食欲不振などの緩和にも役立ってくれるでしょう。

【高血圧・動脈硬化予防】

カリウムはナトリウムの排出を促すことで体液の量の増加を抑え、血圧を下げる働きが期待できるため高血圧の予防や改善にも有効なミネラルとされています。またビタミンCやサポニンはコレステロールや中性脂肪が酸化して出来る“過酸化脂質”の生成を抑える働きがあり、動脈硬化や肝機能低下などの予防にも役立つと考えられています。

【肌のアンチエイジング・ニキビ予防】

冬瓜に多く含まれているビタミンCはコラーゲンの生成促進やメラニン色素生成阻害作用があります。またシミ等のメラニン色素を還元する(無色の還元型メラニンに変化させる)働きもあると言われていますから、「顔を白くする」と言われていたのも強ち迷信とは言えません。抗酸化作用によって肌のシワ予防などアンチエイジング効果も期待できますから、内側からの紫外線対策としても役立ってくれるでしょう。

そのほかビタミンCとサポニンは過酸化脂質の生成を抑制する働きがあると言われています。過酸化脂質は大人ニキビの原因物質と考えられていますからニキビ予防にも効果が期待できますし、体内にこもった熱から起こる肌の乾燥・むくみ等によって老廃物が溜まることで起こる肌荒れの予防にも良いとされています。

冬瓜(トウガン)の選び方・食べ方・注意点

冬瓜は体を冷やす食べ物ですので冷え気味の方や妊娠中の方は食べ過ぎに注意してください。スープなど熱を通して温かい状態で食べるか、体を温める食材や調味料と一緒に食べると冷えを軽減できると言われています。

半年間日持ちすると言われることもある冬瓜ですが、実際の保存期間は3ヶ月程度と考えたほうが良いでしょう。それも丸ごと(玉)の状態であればの話で、カットしたものはあまり日持ちがしませんので冷蔵庫に入れ早めに使うようにしましょう。カット状態で買う場合であれば切り口がみずみずしく、種子が沢山詰まっていることを目安にしてください。

冬瓜のオススメ食べ合わせ

  • 冬瓜+小豆・銀杏・きゅうり・チコリ
    ⇒むくみ予防・改善に
  • 冬瓜+なす・わかめ・油揚げ・エノキ
    ⇒肥満予防に
  • 冬瓜+豆腐・鶏肉・トマト・いんげん
    ⇒夏バテ予防・改善に
  • 冬瓜+きくらげ・豚肉・松の実・ローリエ
    ⇒美肌維持に

冬瓜(トウガン)の民間療法

冬瓜のしぼり汁にハチミツを少し加えて飲むと、利尿剤のような形で働くため“むくみとり”に良いと言われています。夏バテ・疲労回復にも役立ってくれるようです。

冬瓜の種子を乾燥させ、乾煎りしたものを食べるとむくみ・水分代謝の悪さからくるめまいに良いようです。また種子は漢方で穏やかな緩下作用を持つとされていますから、便通の改善にも効果が期待できるでしょう。そのほか冬瓜種子の煎じ汁でおしりを洗うと痔の痛み止めになるそうです。

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