【西瓜子仁】スイカの種の栄養・効果

スイカの種(西瓜子仁)イメージ

スイカの種の主な栄養・期待される効果:後半

むくみ・便秘の改善

スイカの種はナトリウム量・体内の水分量を調節する働きからむくみ解消に役立つとされるカリウムを100g中に640mg含んでいます。ナトリウム量の調整機能や血液・リンパ液の循環を正常に保つのに役立つマグネシウムも410mgと豊富に含んでいますし、ナトリウムバランス調整機能による利尿効果が報告されているビタミンEの一種である「γ-トコフェロール」が豊富に含まれています。
カリウムの補給源として考えた場合は、実際に食べる量が多いスイカ果肉のほうが適していますが、スイカの種はカリウム以外の成分との複合効果が期待できます。そのため果肉と同等・それ以上のむくみ改善効果が期待できると考えられています。

また生薬(西瓜子仁)としては潤腸作用があるとされており、便通の改善にも利用されています。成分的に見ても便の量を増やし腸の蠕動運動を促進させる食物繊維が豊富なほか、便に水を含ませて柔らかく保つ働きがあるマグネシウム、腸内で潤滑油として便のスムーズな移動・排泄を助けるオレイン酸などが含まれています。これらの成分が相乗することで便秘の改善にも効果が期待できます。

冷え性改善・ダイエットサポート

スイカの種はタンパク質・アミノ酸を多く含んでいます。特に質の良い筋肉を作る上で必要なBCAAと呼ばれる必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の含有量が多く、加えて代謝を助けるマグネシウムやビタミンB群などの栄養成分も含まれています。これらの栄養成分の補給から、代謝向上や脂肪燃焼に必要な筋肉の維持・合成のサポート効果が期待できるでしょう。

また精神状態を整える栄養成分を含むことから、ストレスによって分泌され筋肉分解・脂肪合成・老化など嬉しくない働きを持つ「コルチゾール」というホルモンの分泌を抑制する働きも期待できます。コチゾール分泌抑制やむくみ緩和から摂取することでもある程度のスタイルキープ効果は期待できますが、スイカの種は食事制限のみのダイエットよりも運動を取り入れたダイエットのサポートに適した食材です。

体内の水分バランスが整うこと、筋力が付くことで代謝(脂肪燃焼)効率が高まることなどから、スイカの種は副次的に冷え性の緩和にも役立つと考えられます。スイカは体を冷やす性質(寒性)に分類され冷え性の方は注意が必要とされていますが、スイカの種は「平生」に分類されるため食べることで体を冷やす心配も低いと考えられますから、冷え性が気になる方でも安心して摂取できます。

老化防止・美肌・美白

スイカの種に含まれるγ-トコフェロールは同じビタミンEであるα―トコフェロールよりも抗酸化力は劣るものの、チロシナーゼ阻害作用による美白効果が報告されています。劣るとは言われていますがγ-トコフェロールにも抗酸化作用はありますし、抗酸化を助ける亜鉛・マンガン・セレンなどのミネラルもスイカの種には含まれていますから肌のアンチエイジングや紫外線対策・シミ予防などに効果が期待できるでしょう。

ストレスの緩和や便通の改善は肌荒れの予防・緩和に、貧血改善からは血行不良によるくすみ改善やターンオーバー改善効果も期待できます。ビタミンCを含む食材と合わせて摂取するとよりミネラルの吸収率も向上しますし、美肌作りに必要な栄養成分のバランスも良くなります。

ひまわりの種・かぼちゃ種との比較

ナッツ・シード類イメージ

日本ではあまり「食材」として認識されていなかったカボチャ・スイカ・ヒマワリの種。三大栄養素の比率などは比較的近いですが、ビタミン・ミネラルの含有量にはハッキリと違いが見られます。どちらも食品ですから選ぶ場合には風味が大きなポイントとなるのはもちろんですが、サプリ感覚で食事に加える場合は成分を考えて選んでみると良いかもしれません。

大まかにはビタミン系ならヒマワリの種ミネラル系ならカボチャの種バランス型であればスイカの種と言えるでしょう。カボチャの種はミネラル含有量(カルシウム以外)が高いこと、ヒマワリの種は脂質・糖質が高くタンパク質が少ないこと、ビタミン類の含有量が傾向にあります。スイカの種は良く言えばバランス型、タンパク質の割合が多くカロリーが最も低いのでダイエットにも向いています。

また女性ホルモン(エストロゲン)作用が期待されるリグナン類を含むカボチャの種、含まないヒマワリ・スイカの種という点も大きな違いになります。リグナンは食品から少量を摂取する程度であれば妊娠中でも問題ないとされていますが、フィトエストロゲンの摂取に不安がある方・妊娠中は控えたほうが良いとする声もあります。デリケートな時期においてはヒマワリの種・スイカの種のほうが安心感が高いかもしれません。

カボチャ種・ヒマワリの種・スイカの種栄養比較

スイカの種の特徴

スイカの種の特徴としてはカロリー・脂質が低く、カボチャの種よりはやや多いものの炭水化物量も少ないことが挙げられます。多くの成分において著しく多い・少なく成分が少ないバランス型ですが、抗酸化作用の強いビタミンE(α―トコフェロール)が豊富なヒマワリの種、ビタミンEは少ないものの抗酸化物質であるリグナンを含むカボチャの種と比べると、抗酸化・アンチエイジングという点ではやや劣ると考えられます。

どの種も共通ですが、一日の摂取量は10~15g程度が良いとされています。高カロリー・高脂質の食材ですから食べ過ぎには注意が必要ですが、どちらも1日10gの摂取とした場合カロリーは60kcal前後・脂質量は5.5g前後・糖質は2g以下ですからさほど心配はありません。カロリー・糖質・脂質を少しでも控えたいという場合にはスイカの種が方が良いでしょう。

ヒマワリ・カボチャの種の特徴

カボチャの種は鉄分含有量はヒマワリの種の約1.8倍あるものの葉酸含有量が少ない、トリプトファンが豊富ですがセロトニン合成を助けるビタミンB6や精神安定に役立つカルシウム少ないなどのバラつきがあります。鉄分・カリウム・トリプトファンなど単体で補給したい成分がある場合にはカボチャの種の方が効率が良いですし、関連する栄養成分のバランスを重視するならばヒマワリの種が適しています。
妊娠時に必要とされる葉酸やカルシウムの含有量が高いことや、リグナン(フィトエストロゲン)を含まないことから妊娠中の栄養補給源としてもヒマワリの種に軍配が上がります。

⇒ヒマワリの種の詳細

しかしカボチャの種はリグナンを含むほか、ホルモンバランスに関わる亜鉛などのミネラルも豊富ですから、エストロゲン不足による更年期障害や骨粗鬆症の予防や緩和、ホルモンバランスの乱れが気になると言った場合はカボチャの種のほうが適していると考えられます。

⇒カボチャの種の詳細

スイカの種の食べ方・注意点

中国などで食べられている「西瓜子」は私達が果物として食べているスイカとは別の品種で、種が大きく平たい形状をしています。いわば“種を食べることに特化した”採種用スイカなのだそう。若干剥きにさなどはあるものの、普通のスイカを食べた後に残る種子も食べることが出来ます。

スイカの種の調理法

果物を食べた後、水洗いしたスイカの種を1~3日くらい天日干しにします。日干のみでも食べられるようですが、お好みで塩を振ってフライパンもしくはオーブントースターで、外側がぷっくりと膨れてくるまでローストした方が食べやすいでしょう。

販売されているものは塩味だけではなく醤油味や香辛料をふんだんに効かせたものも多いようです。お塩以外の調味料で炒めてみたり、アンチエイジング効果が期待できるスパイスを加えてみるなど、自分オリジナルの味作りをしてみるのも楽しいかもしれません。炒めるもではなく、煮込んだ料理もあるそうです。

スイカの種の食べ方について

スイカの種も外側の黒い部分は食べず、外殻を剥いた中の白~淡黄色をした部分を取り出して食べます。中国の方などはヒマワリの種と同様に口に入れて器用に殻だけを吐き出して食べるそうですが、外殻が固いスイカの種は更に難易度が高いです。先端部分(涙型の細い方)に歯を立てるようにするのがコツだそうですが、無理をして噛むと歯が欠けてしまう危険性もありますので、手間はかかりますがキッチンバサミなどを使ったほうが良いでしょう。

保存は湿気を防ぐために密閉容器に入れ、冷蔵庫もしくは冷暗所に置くようにしてください。

スイカの種の活用方法・民間療法

基本的にはそのまま食べますが、ナッツ感覚でミュズリー・グラノーラなどに入れたり、クッキーやパンなどの焼き菓子に加えても美味しくいただけます。

よく炒ったスイカの種を砕いたものに熱湯を注ぎ、色が出るまで蒸らしておくとお茶として飲むことも出来ます。こちらは民間療法として解熱・鎮静(イライラ緩和)・利尿用などに用いられているそう。ややクセがありますがコーン茶などに近いあっさりめの味、飲みにくいと感じる場合は味・香りの濃いものとブレンドして飲むと良いでしょう。