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【杏子】アンズ/アプリコットの栄養・効果

アンズ/アプリコットイメージ
  1. アンズとは
    1. アンズの歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. アンズの栄養・効果
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ
  4. アンズの活用方法

アンズ(杏子)とは

アンズはバラ科サクラ(Prunus)属に属し、植物としてはアーモンドプラム・プルーン、梅などの近縁種に当たります。木や花は梅に似ており、追熟をせず採りたてを食べるという性質から旬は6月下旬~7月頃と短期間です。アンズは英名である「アプリコット」として流通していることも多いですが、味の違いからアンズ=アプリコットに違和感を感じる方も多いようです。一般的には酸味が強い東洋系品種に比べ、ヨーロッパ系品種(西洋品種)のほうが甘みが強い傾向にあると言われています。

日本で栽培されているアンズの多くは酸味が強い品種が多いため、そのまま食べるというよりはドライフルーツやアプリコットジャム・シロップ漬けなどに利用されることが多い存在です。「杏露酒(シンロチュウ)」などの果実酒を思い浮かべる方も多いかもしれません。ちなみに杏露酒は中国酒と思われていますが日本の会社であるキリングループ永昌源社さんのオリジナル商品です。
見た目にも鮮やかな“杏色”と呼ばれるベージュがかったオレンジ色から、近年はフルールタルトなどの洋菓子系によく利用されていますね。煮たり漬けたりしなくても食べられる、生食用により適した甘みの強い品種もありますが、日持ちがしないため流通量はさほと多くありません。

そのほかにアンズは果実酒や薬用酒としても古くから利用されてきまた。というのも古い時代、中国や日本でアンズは果物としてよりも種子の中にある仁“杏仁(キョウニン)”を薬として利用する方がメジャーでした。中国で杏仁は薬用として利用される苦みの強い苦杏仁と、生食用の苦みの弱い甜杏仁の2つに大分されるそうです。
日本で親しまれている杏仁豆腐も元々は薬膳料理で、咳止めなどの効能があるものの苦味のある苦杏仁を食べやすくしたものです。現在私達がスイーツとして食べているものは、杏仁と似た香りのアーモンドエッセンスが利用されています。逆にアーモンドの香りと称されるリキュール「アマレット」は杏の種を利用しています。

アンズ(杏子)の歴史

アンズの学名“Prmus armeniaca”はアルメニアなどアジア西部原産と考えられて居たために命名されたましたが、現在は中国原産説が有力です。中国では2000~3000年前からアンズの栽培が行われていたと言われます。当時は果物としてではなく生薬用の種子(杏仁)の採取が主で、中国最古の薬学書とされる『神農本草経』にも杏仁についての記述が見られます。中国では桃・スモモ・棗・栗と合わせて五果と呼ばれ重宝されてきました。

アンズは中国から紀元前のうちにペルシアへと伝えられ、1世紀頃にはギリシアやローマにも伝播していたと考えられています。品種改良などによって中国を中心とした東洋系品種とは異なり、甘みの強い西洋系品種へと変化していったと考えられています。14世紀にイギリスへ、18世紀にはアメリカへ伝えられ、現在カリフォルニア州が世界的な産地となっています。

日本にアンズが伝来した時期は定かではありませんが、梅とともに奈良時代に伝えられたのではないかとする説もあります。平安期に書かれた『本朝和名』や『倭名類聚鈔』に加良毛毛(唐桃)という記述が見られることから900年頃には渡来していたと考えられます。ちなみにアンズという呼び名が文献に登場するのは1612年に記された林道春の『多識編』とされています。
日本には漢方薬(生薬)として伝来し、長い間生薬として仁のみが利用されてきました。果肉を食用として利用したのは1800年頃、江戸で「杏干」として販売されたものが初と言われています。明治時代になるとヨーロッパ品種が導入され、ドライフルーツやジャムなど加工品・糖度が高く生食向きのものが流通するようになっていきます。

アンズ(杏子)はこんな方にオススメ

  • 運動時などののエネルギー補給
  • 疲労時・夏バテ対策として
  • 食欲が無い時に
  • むくみ・便秘の予防に
  • 腸内フローラ改善に
  • 鉄欠乏性貧血の方
  • 冷え性・代謝が悪い方
  • 免疫力を高めたい
  • 風邪をひきやすい方
  • 目の疲れ・視力低下予防に
  • ドライアイ・かすみ目
  • 暗いとものが見えにくい方
  • 老化を予防したい方
  • 乾燥・肌荒れ・くすみケアに

アンズ(杏子)の主な栄養・期待される効果

アンズは果物類の中でトップクラスのβ-カロテンを含む他、食物繊維やクエン酸などの有機酸が豊富に含まれています。そのほか鉄分やカリウムなどのミネラルも比較的豊富ですが、干しあんずの場合は100g換算で288kcal、やや糖質が多いため食べ過ぎには注意が必要です。

【疲労回復・エネルギー補給】

独特の酸味があることから品種によっては生食に適さないとも言われるアンズですが、この酸味は主にクエン酸やリンゴ酸などの有機酸によるものです。そのためエネルギー代謝にもっとも重要とされるクエン酸回路(TCAサイクル)の活性化を促し、疲労回復などを助ける働きがあると考えられています。

よく疲労物質として悪者扱いされる“乳酸”は糖代謝の過程で生成される物質であり、クエン酸回路の中で別の物質へと分解(代謝)が行われます。そのためクエン酸回路が活性化することで乳酸の分解がスムーズになり、疲労や筋肉痛などの改善を促す働きが期待出来ます。アンズにはエネルギー転換の早いブドウ糖も含まれていますから、運動前のエネルギー源としての摂取にも適しています。

【むくみ・夏バテ対策】

アンズに含まれているクエン酸などの有機酸は胃液の分泌を促すことで、食欲を高める・消化を助ける働きもあります。また汗などで流出することで夏バテを引き起こすと言われているカリムも多く、干しあんず2個(15g)でもイチゴやマンゴー100gを上回る量のカリウムが摂取できますから、相乗して夏バテ時の栄養補給・夏バテ状態からの回復をサポートしてくれるでしょう。

カリウムが多いことからデイリーなむくみ対策としても効果が期待できます。ドライフルーツの場合はカロリーが高いので食べ過ぎ注意ですが、朝食やおやつとして取り入れるとむくみ・高血圧予防としても役立ちます。

【便秘改善】

また干しあんずは100gあたり9.8gと食物繊維も豊富で、個(15g)で1.47g=バナナ1.5本分くらいの食物繊維を補給出来る計算になります。食物繊維の比率から見ても水溶性食物繊維4.3g ・不溶性食物繊維5.5gと水溶性食物繊維の量が多く、便が固くなる心配が少ないので便通改善に高い効果が期待できます。緩下作用があると言われるのも納得ですね。

加えて水溶性食物繊維は腸内で善玉菌の餌となってくれますから、善玉菌活性化・腸内環境改善にも役立ってくれます。腸が元気になることで便秘をしにくい体質への改善にも繋がりますし、腸内フローラによる様々な恩恵にも効果が期待できるでしょう。便秘の時は生で、下痢の時は揚げたものを食べると良いと言われています。

【貧血・冷え性改善】

アンズは果物の中で鉄分含有量が多い部類に属します。気軽に食べられる存在であるドライフルーツの場合の鉄分含有量は100gあたり2.3gとレーズンと同じくらい、貧血に良いと言われているプルーン(乾)の2倍以上の量を含んでいます。ドライあんずだけで鉄分を補えるというわけではありませんが、一日の摂取品目の中に加えることで不足しがちな鉄分摂取をカバーしてくれる存在と言えます。

鉄分の補給で貧血が緩和されることに加え、クエン酸はキレート作用によってミネラルの吸収を助ける働きや、体をアルカリ性にすることで血液サラサラ効果などもあると考えられています。豊富な食物繊維は腸内フローラの活性化による代謝向上に繋がりますから、相乗して新陳代謝を高める=熱生成量アップにも役立つと考えられています。漢方・薬膳においても杏は体を温める性質「温性」に分類されていますから、冷え性の緩和などにも効果が期待できるでしょう。

【免疫力向上・視力保持】

アンズの栄養成分の中で際立っているのがβ-カロテン生100gあたりのβ-カロテン量は1400μgで柿の3倍以上の量が含まれており、乾燥アンズの場合は4800μgと更に多くなります。ドライフルーツを100g食べるというのはあまり現実的ではありませんが、干しあんず2個(15g)であっても720μg=柿150g、オレンジ600g以上のβ-カロテンが摂取できる計算になります。

β-カロテンは体内でビタミンAに変換され皮膚や粘膜を補強する働きがあり、粘膜強化によってィルスの侵入を抑える働きが期待出来ます。β-カロテン自体の抗酸化作用によって活性酸素による免疫力低下を防ぐ働きもありますから、風邪予防などに取り入れると良い栄養素の一つも数えられています。
またビタミンAは「目のビタミン」とも呼ばれるようにロドプシンの合成物質でもありますから視機能保持、特に夜盲症やドライアイの予防に効果が期待出来ます。

【老化予防・美肌維持】

アンズに豊富に含まれているβ-カロテンは抗酸化作用を持つため体内・体外の酸化を防ぎ、老化現象を抑制する働きがあります。またβ-カロテンから変換されるビタミンAは皮膚の保護にも利用されますので、乾燥肌や肌荒れの予防にも役立ってくれます。酸化によるシミ・シワ、乾燥小じわ、ストレス性の肌荒れなどを改善し、滑らかな肌を維持するサポートをしてくれるでしょう。

そのほかにクエン酸によるミネラル吸収促進、水溶性食物繊維による腸内フローラ改善なども、肌に必要な栄養成分の不足を無くすことから美肌維持に繋がります。アンズは血液補充や血流改善の働きもありますので、血行不良によるターンオーバーの乱れや肌のくすみ改善にも効果が期待できます。生・ドライ共にビタミンCはほとんど含まれていませんので、ビタミンCが豊富なものと合わせて摂取するとより効果的です。

※そのほか期待される働き

アンズにはアミノ酸の一種であるGABA(ギャバ:γ-アミノ酪酸)が含まれていると言われています。GABAは抑制系の神経伝達物質として働くため、神経系の興奮を鎮めたりストレスを緩和する働きがあります。このためアンズは抗ストレス果物としても役立つのではないかと考えられています。

東洋医学ではアンズには去痰・鎮咳など喉の不快感を改善する働きがあると考えられています。おそらくβカロテンによる粘膜保護作用などの働きだと考えられます。漢方薬として利用される杏仁(苦杏仁)の場合はアミグダリンという成分が有効に働くと言われていますが、経口摂取には危険があるため注意が必要です。

アンズ(杏子)の選び方・食べ方・注意点

アンズの種子である「杏仁」にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれています。アミグダリンの働きからガン予防に良い・鎮痛効果があるなどと紹介されることもありますが、アミグダリンは胃で青酸を発生し最悪の場合は死に至る危険性もある物質です。自己判断で種の中の仁を取り出して食べるのは止めましょう。
また未成熟の生の果実にも微量の青酸配糖体が含まれているため成熟したものを食べるようにし、食べ過ぎには注意してください。

アンズ(杏子)のオススメ食べ合わせ

  • あんず+クルミ・アーモンド・アボカド
    ⇒美肌・アンチエイジングに
  • +あんず+リンゴ・ブルーベリー・トマト
    ⇒便秘改善に
  • 干あんず+ピーマン・ブロッコリー・パパイヤ
    ⇒貧血の予防・改善に
  • あんず+オレンジ・生姜・酒(焼酎など)
    ⇒精神安定に

アンズ(杏子)活用方法

日本では流通しているアンズはほとんどドライフルーツほか加工されたものですが、時期によっては生のものを入手することも出来ます。傷みやすいので量が多い場合はジャムやシロップ漬けなどにしますが、焼酎やホワイトリカーなどに漬けて果実酒を作るのもオススメです。あんず酒は薬用酒として冷え性や虚弱体質の改善に良いと言われています。

食用以外では近年アンズの仁から採油されたアプリコットカーネルオイル(杏仁油)がオレイン酸を豊富に含むことから基礎化粧品・ヘアケア用として人気を集めています。アプリコットカーネルオイルは肌の保湿・ハリアップなどに役立つと考えられているほか、イボ取り(イボを小さくする)効果も期待されています。また細かく砕いたアプリコットの種はピーリング成分“アプリコットスクラブ”として化粧品などに配合されてます。

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