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【秋刀魚】サンマの栄養・効果

秋刀魚(サンマ)イメージ
  1. サンマとは
    1. サンマの歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. サンマの栄養・効果
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ

サンマとは

秋の味覚の代表ともされ“旬”を味わえる食材であるとともに、価格の安い大衆魚として親しまれている「サンマ」。一年中食べられる安くて便利な「さんまの蒲焼缶」も国民的商品ですね。
漁獲解禁~秋にかけての脂ののったサンマは香ばしく塩焼きし大根おろしを添えたものがメジャーですが、蒲焼きやみりん干し・煮魚・刺し身・フライ・擦り潰して“なめろう”や“つみれ”など、様々な料理法で食べられるのもまたサンマの魅力。最近は飲食店でも期間限定メニューとして「サンマのパスタ」などが登場していますし、バター・トマト・チーズなどとの相性の良さから洋食風のレシピも多く紹介されています。

サンマはダツ上科サンマ科サンマ属に分類され、秋刀魚と記されるように刀に似た細長い形状が特徴の青魚です。学名はCololabis sairaで、種子名はサンマの古い名称の一つである「サイラ(佐伊羅魚)」に由来しているそう。名前の由来については諸説ありますが、細長い魚を意味する“サマナ(狭真魚)”が変化したとする説がよく知られています。
胃がなく腸も短いことから、餌を食べてから排出する時間が30分程度と短いことも特徴と言えます。苦味を好んで内臓(ワタ)ごと食べる方も多いですが、そのまま食べられるのはこの消化管の構造で排泄までの時間が短いため。

サンマは日本沖合から北米大陸西岸まで北太平洋の広い地域に分布しています。回遊魚であり広範囲を移動していると考えられていますが、回遊経路については未だ不明な部分も多くあるそう。春~夏にかけて北海道・千島列島辺りへと北上し、8~9月頃になると太平洋側・日本海側ともに南下してきますが、流通しているサンマの多くは太平洋側で捕れたものです。解禁時期・南下などの関係もあり、北海道や東北などが漁獲量トップを占めています。日本の他に韓国・台湾・ロシアなどでもサンマを食用としていますが、消費量的にみて日本人が世界で一番サンマを食べていると言われています。

サンマの歴史

家庭の食卓でもお馴染みの魚と言えるサンマですが、実は一般的に食べられるようになったのは江戸時代中期~後期頃とされています。江戸時代の前~中期に当たる1697年に刊行された『本朝食鑑』においてサンマは脂を取って燈脂を作る魚と記されていますし、1712年に成立した『和漢三才図絵』には“伊賀大和の土民が好んでこれを食べるが、魚中の下品”と記されていますから食用魚としての需要・評価はかなり低かったと考えられます。

サンマが庶民の食卓に定着したのは江戸時代中期頃、『梅翁随筆』によれば安永元年(1772年)頃に魚屋が、「安くて長きはさんまなり」と壁書したことがきっかけで庶民に流行りだしたと伝えられています。寛政(1787年~)になると裕福な町人・商人などにもサンマを食べる人も出てきますが、武家や富裕層にとっては「下賤な魚」という認識が強くあまり取り入れられることは無かったようです。
1700年台後半になってサンマが流行した理由としては「食べてみたら安い割に美味しかった」ということもあるでしょうが、脂が乗っていたサンマは傷みやすかったため加工技術・輸送手段が発達したこの時期まで流通させにくかったという点も考えられています。この頃に食されていたサンマは干物もしくは塩蔵品がほとんどだったようです。

サンマといえば落語の「目黒のさんま」と言う滑稽談もよく知られています。これは目黒まで遠乗りをした殿様が庶民の家でサンマを食べて大層気に入り、屋敷でも食事にサンマを所望します。しかし料理人は脂がのりすぎているサンマは体に悪いと脂を抜き、骨と全て抜くと身が崩れたので椀に入れて提供します。気に入ったものと全く別物のサンマを出されたお殿様が「サンマは目黒に限る」と宣言すると言うお話。目黒がサンマの名産地と信じているお殿様の世間知らずさがオチですが、サンマは低級な魚とされ庶民はそのまま食べていたが、身分のある人(家)では食べられていなかった事がうかがえる話でもあります。

ちなみにサンマを「秋刀魚」と書くようになったのは明治後期以降のことで、大正10年に佐藤春夫の詩『秋刀魚の歌』が発表されたことでこの漢字表記が広く普及するようになったと言われています。夏目漱石が明治39年に発表した『吾輩は猫である』の中では“三馬”という漢字表記が使われていますし、その他に三摩・青串魚・秋光魚などと記されることもあったようです。現在は刺し身・寿司ネタとしても利用されていますが、秋刀魚の生食が広まったのは1990年代後半以降とごく最近のことです。

サンマはこんな方にオススメ

  • 疲れが抜けにくい
  • お酒をよく飲む方
  • 風邪をひきやすい
  • 運動をする・筋肉を増やしたい
  • 血液をサラサラにしたい
  • 血圧・コレステロールが気になる
  • 生活習慣病予防に
  • 集中力や学習効率を高めたい
  • 認知症を予防したい
  • アレルギー・生理痛を緩和したい
  • イライラ・情緒不安定気味
  • 貧血気味の方
  • 血行不良・冷え性
  • 目の疲れ・視力低下の緩和

サンマの主な栄養・期待される効果

サンマは牛肉に匹敵すると言われるほど高い必須アミノ酸を含むタンパク質、健康に良い油として注目されるn-3系脂肪酸(EPA・DHA)を豊富に含んでいます。ややバラつきはありますがビタミン・ミネラル類も幅広く含んでおり、お年寄りの骨粗鬆症予防や認知症予防、妊娠中の栄養補給などにも役立つと考えられています。

脂質量が多いため100gあたり310kcal、一尾(可食部69gとした場合)214kcalとカロリーは魚類の中でもやや高めになっています。体に良い脂質が多い・太りにくいとは言われていますが、食べ過ぎには注意した方が良いでしょう。

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【疲労回復・体力増強】

タンパク質は脂質炭水化物とともに“三大栄養素”とされており、エネルギー源として働く他、内蔵・筋肉・皮膚などをはじめ体を構成する様々な細胞の主成分となる成分です。大きく分けて肉・魚・卵などの動物性蛋白質と、豆・ナッツなどに含まれている植物性タンパク質がありますが、概ね動物性タンパク質のほうがアミノ酸のバランスが良いとされています。サンマもアミノ酸スコアが100(最高値)ですから良質なタンパク源と言えますし、タンパク質の代謝・合成に関わるビタミンB6やB12も豊富に含まれています。

アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は筋肉疲労の予防・回復促進に有効とされていますし、体力や筋肉の向上にも欠かせない存在です。また細菌やウィルスと戦う抗体にもタンパク質は使われていますから、不足なく補うことで免疫力低下を防ぐことにも繋がります。「サンマが出ると按摩がひっこむ」なんて言葉があるのも、これらの働きに由来しているのだとか。
運動を取り入れている方や成長中のお子さんなどに役立つのは勿論ですが、疲れやすい方・風邪をひきやすい方などもタンパク質を意識し的に摂取したほうが良いと言われています。サンマにはアルコール分解に関わるナイアシンも豊富に含まれていますから、お酒を飲み過ぎた後の回復にも役立ちます。

【血液サラサラ・生活習慣病予防】

青魚の一つであるサンマの油には不飽和脂肪酸の一種で、オメガ3(n-3)系脂肪酸に分類されるEPADHAが多く含まれています。EPA(エイコサペンタエン酸)は国際的にはIPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれている成分で、血管・血液を健康に保つ成分として世界的に注目されています。血液サラサラ効果がよく報じられていますが、これは血小板の凝集を抑制する働きや悪玉コレステロール・中性脂肪の低下、血圧降下作用があるためで、結果として動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの予防に役立つと考えられています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)にも悪玉コレステロールの減少作用があるのではないかと言われていますが、DHAを含む魚油にはEPAが含まれているため単体のデータが少ない・血中濃度が上昇しにくいことなども指摘されています。そのため高純度のものは医療用医薬品として閉塞性動脈硬化症、高脂血症治療などにも利用されているEPAの方が、血液サラサラ効果・生活習慣病予防として役立つと考えられています。

サンマ100gあたりのEPA含有量は844mg、DHA含有量は1,398mg。
魚類の中では多くn-3系不飽和脂肪酸を多く含む部類に属します。EPAやDHA含有量トップの魚としてマグロが知られていますが、これはマグロのトロ部分のみの数値。どちらも突き詰めれば脂質ですから、脂肪分の少ないマグロの赤身部分はEPA27mg・DHA115mgとサンマよりもかなり少なくなります。ちなみに調理食(加熱済)の場合は「焼きサンマ」が含有量トップクラスになります。

近年はサンマに含まれている「含硫アミノ酸(アミノ酸の構造の中に硫黄が含まれているもの)」は焼くことで糖と結合し抗酸化性を持つこと・中性脂肪や悪玉コレステロールの低下作用があることも報告されていますから、相乗効果も期待できるでしょう。

【記憶力向上・認知症予防】

青魚に含まれているn-3系不飽和脂肪酸のEPAは血液や血管を綺麗にする働きに優れているとされる一方、DHAは脳細胞の活性化や記憶力・学習能力向上に高い効果が期待されている成分です。「魚を食べると頭が良くなる」という言葉の由来となった成分とも言われていますし、注目されるきっかけも英マイケル・クロフォード博士が“日本の子どものIQが高いのは魚食だからではないか”と着眼したためと言われています。

全身の細胞に取り入れられるEPAに対して、DHAは脳や網膜など一部の細胞に選択的に取り入れられます。DHAは血液脳関門を通過できる数少ない栄養素の一つであり、脳内に取り込まれることで細胞膜を柔らかくする・シナプスを活性化することで脳の伝達性を高める働きがあると考えられています。また記憶を司るとされている「海馬」にはDHAが脳の他部位に比べ2倍近く含まれていることが認められており、ラットによる実験では記憶力向上効果が認められています。

DHAは特に妊娠中の方やお子さんへの摂取が勧められている成分ですが、脳細胞の減少が始まってしまった大人であっても記憶力・学習能力向上に役立つと考えられています。加えて血管障害などによって脳の一部機能が低下した場合でも、DHAは残っている脳細胞を活性化することで認知症や記憶障害の改善にも効果が期待されています。
また血流障害による脳血管型認知症の場合はEPA・DHAによる血液サラサラ効果が予防として役立ちますし、近年アルツハイマー型認知症の場合は海馬のDHA量が減少することが報告されています。これらのことからDHAやEPAを含むサンマなどの青魚は認知症予防・改善効果に注目されています。

【アレルギー・生理痛緩和】

多価不飽和脂肪酸はオメガ3(n-3)系脂肪酸とオメガ6(n-6)系脂肪酸の2つに大きく分かれています。どちらも必須脂肪酸とされる私たちが生きていくために摂取する必要がある脂質ですが、大まかにn-6系は炎症促進・n-3系は炎症抑制方向に働き、対になってバランスを保っていると考えられています。現代の日本では植物性油脂に含まれているリノール酸などn-6系脂肪酸の摂取に偏っているため、体内の免疫バランスが崩れてアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を発症しやすくなっている可能性があります。

サンマなどの魚に含まれているn-3系脂肪酸(EPA・DHA)を摂取し、調理油やインスタント食品に含まれているn-6系脂肪酸の摂取を減らすことで脂質のバランスが取れ、リノール酸過剰によってアラキドン酸から生じるロイコトリエンなどのアレルギー原因物質を抑制する働きが期待されています。
またアラキドン酸由来の生理活性物質には女性の生理痛の原因物質と考えられているプロスタグランジン(E2)も含まれています。γ-リノレン酸や魚油に含まれているEPA・DHAは炎症を抑える働きのあるプロスタグランジンE1、E3の生成を促すことも報告されていますので、生理痛や炎症の緩和にも役立つのではないかと考えられています。

【精神安定・うつ予防】

ハッキリとしたメカニズムなどはまだ分かっていませんが、DHAやEPAはうつ病や攻撃性を抑える働きがあるのではないかとする説があります。魚の消費量が多い国ほどうつ病患者が少ない・うつ病の程度が強いほど赤血球膜のEPA比率が低いなどの統計報告や、DHAを摂取すると敵意性の低下が見られるなどの実験結果が報告されており、脳内のセロトニン分泌や利用経路などと関係があるのではないかと考えられています。

DHA・EPAに以外にも、サンマは際立って多くないものの脳神経の正常な働きを助けるナイアシン、不足することでイライラや情緒不安定を引き起こすカルシウムなどを含んでいます。タンパク質の不足も無気力やうつ症状を引き起こしやすいことが指摘されていますので、これらを含むサンマなどの魚を中心にした食事は精神面の健康維持にも役立つと考えられています。

【貧血・冷え性改善】

サンマは魚類の中では比較的多く鉄分を含んでおり(1.4mg/100g)、吸収・利用率の高いヘム鉄であることから鉄分補給源としても役立つと考えられています。葉酸とともに赤血球合成を助けるビタミンB12も非常に多く含まれています。鉄分もビタミンB12も血合いやワタなど苦く避けられる部分に多く含まれていますから、貧血が気になる方はサンマを丸ごと食べるようにすると効果的と言われています。大根おろしを加えると食べやすくなりますし、ビタミンや鉄分の吸収も良くなると言われています。

EPAなどのn-3系不飽和脂肪酸には血液サラサラ効果が期待できますし、サンマには抗酸化作用や末梢血管拡張作用によって血流をサポートするビタミンE、同じく毛細血管拡張や血液を綺麗にする働きのあるナイアシンなども含まれています。これらの成分が相乗して血液循環を改善することで、血行不良による冷え性の改善・肩こりなどの改善にも効果が期待出来るでしょう。

【視機能回復】

DHAは眼の網膜(リン脂質)にも含まれており、脳以上に高濃度で含有されていることが分かっています。DHAは脳内の細胞膜と同様に、網膜細胞を柔らかく保つ働きがあり、網膜細胞が柔軟になることで視覚情報の伝達がスムーズになると考えられています。DHA入りのパンやサプリメントを被験者に摂取してもらった実験では視力の改善が見られたことも報告されていることから、アイケア用のサプリメント等にもDHAが配合されるようになっています。

サンマにはビタミンA(レチノール)が含まれているため目に良いとする説もありますが、サンマ100gあたりのビタミンA含有量は13μgと決して多くはありません。同グラムで比較した場合はシラス干しの十分の一程度の量ですから、サンマからビタミンAを摂取しようとは考えないほうが無難でしょう。

サンマの選び方・食べ方・注意点

新鮮で美味しいサンマを選ぶポイントとしては

  • お腹がパンと張って硬いもの
  • 背中が青黒く光っているもの
  • 腹が白銀色に光っているもの
  • 黒目の周りが透明で澄んでいるもの
  • ぶら下げた時に直線に近い真っ直ぐなもの

を選ぶと良いとされています。
口先が黄色っぽいものほど脂が乗っているという説もありますが、こちらはあてに出来る・外れるの両説がありますのでさほど重要視しないほうが良いようです。

脂が乗っているものほど腐りやすいと言われていますし、サンマ自体が脂質量の多い魚ですから、基本的には買った日中に食べるか冷凍するようにしてください。ウロコや内臓を取り、軽く塩をしておくと冷蔵庫でも2~3日くらいは持ちます。

旬のサンマは生食も出来ますが、寄生虫などの問題もありますのでお家で捌いて食べる際には加熱調理をした方が安全です。刺し身にする場合は身の部分をよく見るようにし、妊娠中の方は生で食べないように気をつけてください。

秋刀魚のオススメ食べ合わせ

  • サンマ+白菜・大根・山芋・鰹(カツオ)
    ⇒胃腸機能強化に
  • サンマ+ミョウガ・生姜・ラッキョウ
    ⇒冷え性改善に
  • サンマ+胡麻・サツマイモ・オクラ・落花生
    ⇒老化予防(アンチエイジング)に
  • サンマ+モロヘイヤ・玉葱・セロリ・チンゲン菜
    ⇒美肌作り・血栓予防に

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投稿日:2016/10/03 (更新)
by SlowBeauty

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