牡蠣(カキ貝)の栄養成分・効果効能
|女性にも嬉しい栄養源だが、食べ過ぎ注意

食べ物辞典:牡蠣

口いっぱいに広がる濃厚な海の風味と、クリーミーな食感が美味しい牡蠣。生でサッパリと頂くことも出来ますし、カキフライなど加熱料理でも様々に活用されている、親しみのある貝の一つではないでしょうか。タウリン・グリシン・グルタミン酸、亜鉛や鉄分などミネラルを多く含む食材としても注目されており、強壮系サプリメントなどにも使われていますね。男性向けの印象を持たれたちですが、女性の健康や美容サポートにも嬉しい栄養素がしっかり詰まっていますよ。そんな牡蠣の歴史や栄養効果について詳しくご紹介します。

牡蠣(カキ)のイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:牡蠣(かき)
英語:oyster/Japanese oyster

牡蠣(カキ/牡蛎)のプロフイール

牡蠣とは

クリーミーかつ濃厚な食味と、高い栄養価から「海のミルク」という別名もある牡蠣生でツルンと食べるのも美味しいですし、焼く・揚げる(フライ)などの料理法、炊き込みご飯、カレーやパスタまで幅広く料理にも使われています。お酒のアテやカキフライ定食などとして身近な食材でもありますが、お正月などハレの日に食べる縁起物としても牡蠣は親しまれています。これは牡蠣の音が“賀喜”もしくは“嘉喜”、福を掻き込むなどに通じる=縁起が良い食べ物と考えられた名残だとか。そのほか牡蠣はオイスターソースやカキ醤油などの調味料にも活用されています。

そんな牡蠣はウグイスガイ目イタボガキ科に属するニ枚貝の総称で、世界中に約100種類、日本沿岸にも約20種類が分布しています。ちなみに牡蠣という漢字表記は、雌雄の見分けがつきにくいため牡(雄)しかいない貝と考えられていたと考えられています。広義での牡蠣は世界各地の沿岸地域で食用とされていますし、貝殻も肥料・薬用・化粧品・顔料・建築資材など様々なことに利用されています。漢方の生薬にも“牡蠣(ボレイ)”というものがありますが、これも牡蠣のむき身ではなく貝殻を焼成してから粉砕したものですよ。

様々な種類がある牡蠣ですが、私達が食用としている牡蠣は”マガキ属”に属すものが大半。英語で「Japanese oyster(日本の牡蠣)」とも呼ばれる真牡蠣(マガキ)をはじめ、夏が旬の岩牡蠣(イワガキ)などもマガキ属です。そのほか瀬戸内海地方の名産品であるイタボガキ、フレンチ料理で利用されるヨーロッパヒラガキなど“イタボガキ属”に分類される牡蠣も人気ががありますが、数が少なく入手は困難となっています。特にヨーロッパヒラガキの減少は大きく、フランスでも現在はマガキがよく食べられるようになっているのだとか。

また牡蠣は食用に適した時期と、食べられない時期がハッキリ分かれる魚介類としても知られています。これは産卵期になると精巣と卵巣が増大するため。マガキの場合は秋~冬が旬で、「花見を過ぎたら牡蠣を食うな」という言葉があるように夏は食用に適さないシーズンとなっています。イギリスにも「Rの付かない月に牡蠣を食べるな」という諺があり、May,June,July,August(5~8月)とマガキの産卵期と一致しますね。ただしイワガキなど夏場を旬とする牡蠣もありますし、地域・水温等によっても異なりますので一概に夏頃のカキは食べられないというわけでもありません。流通や冷凍技術が発達した現代では通年、何らかの牡蠣が食べられていますね。

牡蠣の歴史

牡蠣は約2億95千万年前から始まるペルム紀から出現し、約2億年位前(三畳紀)にはかなり広い範囲に生息域を広げていました。初期の人類とされるアウストラロピテクスが登場するのが約400万年前ですから、かなり古い時代から地球上に存在していた生物と言えるでしょう。そのため世界中の沿岸地域において先史時代から牡蠣を食していたことが分かっています。ヨーロッパの貝塚からも牡蠣の貝殻が発掘されていますし、日本でも縄文時代の貝塚からも牡蠣が出土しており、ハマグリに次いで多く食べられていたと考えられています。

古代ギリシャではダーダネルス海峡から牡蠣を取り寄せて食し、殻は投票用紙として利用されていたと伝えられています。美食を追求したことで知られるローマ帝国でも牡蠣は愛され、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は美味しい牡蠣を求めてイギリス遠征を行ったとも言われるほど。東洋でも牡蠣は紀元前から食べられており、中国では現在のオイスターソースの起源とされる“蠔油”という調味料も利用されていました。この蠔油は干し牡蠣を作る工程で出来た上澄みとされていますから、干し牡蠣もまた古くから食されていたと考えられますね。

日本でも平安時代に編纂された『延喜式』の記述から牡蠣を干し牡蠣に加工し、交易品と使用したことが記されています。自然に生息していたものを食べる文化は古くからあったと考えられますが、日本で牡蠣養殖が行われた時期については断定されていません。貝塚付近から等間隔に打たれた木の杭周辺に牡蠣が付着していたことが発見されており、縄文人は牡蠣の栽培を行っていたのではないかという説もあります。しかし文献としては天文年間(1500年台半ば)に広島県で垂下式養殖法が発明されたことが最古。

ちなみに西洋では4世紀末頃には牡蠣の養殖が行われていたという見解が有力。ローマ軍は美味しい牡蠣を求めて遠征したと言われるだけではなく、軍の食料確保も兼ねて進軍の道筋に沿って牡蠣の養殖を行ったと考えられています。この時に牡蠣を海から取ってそのまま食べる“生食”が定着したのだとか。現在に至るまでヨーロッパで牡蠣は生で食されていますし、アメリカ・オーストラリアなどでもベーシックは牡蠣=生で食べられる貝として認識されています。特にフランスでは牡蠣の生食・活き造りに強いこだわりがあり、殻付きの生牡蠣をそのまま提供するのが定番なのだそう。

他国よりも生食文化の発達した「刺し身の国」の日本ですが、実は牡蠣の生食は後進。洋食文化が伝えられた明治になって、はじめて牡蠣を“生”で食べることが浸透しました。魚介類の生食というと欧米の方は嫌悪感を持つという印象がありますが、牡蠣は欧米が生食していたのに対し日本は加熱していたという少しイレギュラーな存在と言えるかもしれません。

牡蠣(カキ/牡蛎)の栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

牡蠣は三大栄養素の中ではタンパク質の割合が多く、タウリン・グリシン・グルタミン酸などアミノ酸も幅広く含んでいます。ミネラル類の中では食品中トップクラスに入るほど亜鉛が多く含まれており、ビタミン類ではB12を筆頭としたビタミンB群が多く含まれています。栄養価が高いだけでなく、100gあたり60kcal、個体差がありますがむき身一個を20gとした場合は12kcalと低カロリーなのも嬉しいですね。

牡蠣(カキ)のイメージ

牡蠣の効果効能、その根拠・理由とは?

疲労回復・肝臓サポートに

牡蠣のタンパク質にはBCAA(イソロイシン、バリン、ロイシン)やアスパラギン酸、タウリンなど疲労回復や体力増強に役立つとされるアミノ酸が幅広く含まれています。特にタウリンは胆汁酸の分泌を促す働きや肝細胞の再生を促すなどの働きから、肝臓機能を高めることで疲労回復に役立つと考えられており、栄養ドリンクなどにも良く配合されていますね。これらの成分が複合して働くことで、牡蠣は疲労回復を早めたり筋肉・スタミナアップに役立つと考えられています。

タウリンは肝臓の働きをサポートすることで肝臓疲労の軽減・回復にも役立つとされていますが、その他にアルコールを肝臓で無毒化(分解)する代謝途中で発生する“アセトアルデヒド”の分解を高める働きもあります。牡蠣にはアルコール脱水酵素がアルコールを分解するときに必要とされる亜鉛も豊富に含まれていますので、肝臓そのもののケアは勿論のこと二日酔い対策にも役立ってくれます。タウリンは加熱料理で流出してしまうので、お酒のお供は生牡蠣を食べる・煮汁まで食べられる鍋のようなものを選ぶと良いでしょう。

むくみ改善・デトックスサポート

肝臓は血液中の毒素を濾過する役割を持っています。アルコールやカフェイン、脂質、糖分などの摂取が多いと肝臓がオーバーワークとなってしまい、本来持っている解毒作用も低下してしまいます。牡蠣に含まれているタウリンが肝臓機能をサポートすることは解毒機能控除・デトックス力向上にも繋がると考えられています。

タウリンには筋肉の収縮力を高めることでむくみを改善する働きや、腸の蠕動運動を促す働きも期待されています。胆汁酸の分泌を増やすことで便の水分量を調節するという説もありますので、便秘改善を手助けしてくれる可能性もありますよ。牡蠣には亜鉛やマグネシウムなどの補酵素として働くミネラルも含まれていますから、血液などの体液循環のサポートにも役立ってくれます。

貧血予防・冷え性軽減に

牡蠣は貧血の方に勧められることも多い食材です。貧血改善に役立つ栄養価の代表格でもある鉄分の含有量は100gあたり1.9mgと際立って多いわけではありませんが、補給源としては十分に役立つと考えられています。また100gあたり13.2mg牡蠣に豊富に含まれている亜鉛も赤血球膜の生成に必要とされる物質で、不足すると赤血球が壊れやすくなる=活動できる赤血球数が減少して貧血状態(亜鉛欠乏性貧血)を引き起こす可能性があります。

その他にも牡蠣は赤血生成に関わるビタミンB12や銅なども補給することが出来ますし、含有量は多くないものの葉酸も含まれています。これらの造血に関わる栄養素を広く含むため、牡蠣は貧血の予防や改善サポートとして優れた食材とされています。ミネラルの吸収を高めるビタミンCと葉酸を含む野菜類と食べ合わせると効果的です。

中国医学(漢方や薬膳)の考え方で牡蠣は体を温める性質「温性」に属し、血行不良の改善などにも役立つと考えられています。栄養成分的に見ても造血・体内循環・代謝に関わるビタミン・ミネラル・アミノ酸が幅広く含まれていますから、目覚ましい働きは期待できなくとも冷え性の緩和に役立つ存在と言えるでしょう。

老化予防・免疫力保持に

亜鉛は直接的に抗酸化作用を持つわけではありませんが、人間の体内に存在する活性酸素除去酵素=SOD(Super Oxide Dismutase)の材料として利用されます。このため亜鉛は酸化ダメージを抑制する体本来の抗酸化力を高めてくれると考えられており、抗酸化ミネラルの一つに数えられています。そのほか牡蠣に含まれているタウリンに抗酸化酵素(グルタチオン)活性化作用があるという報告もなされています。

また亜鉛は細胞分裂や酵素の働きを補助する働きや、粘膜の健康を維持するつビタミンAを体の中に留める働きがあります。抗酸化を助ける働きと合わせて免疫力低下を防いでくれると考えられますし、牡蠣には亜鉛以外にも免疫力に関わるビタミン類・免疫細胞の主原料であるタンパク質(アミノ酸)などを含んでいます。抗酸化物質の働きも活性酸素(酸化)による免疫力低下抑制に繋がりますから、免疫力アップや風邪予防としても効果が期待されています。

男性機能の保持・強壮に

牡蠣には100gあたり13.2mgと非常に多くの亜鉛が含まれています。亜鉛は「セックスミネラル」とも呼ばれている様に、性機能の保持や向上にも関わる存在です。男性の場合は男性ホルモンのテストステロンの生成に関わったり、精子の生成に利用されています。精子の合成にも亜鉛は関わっており、射精数が増えるほど亜鉛の消費量が増加することが分かっています。亜鉛不足は精力減退や精子量減少・勃起不全・前立腺障害など、男性機能トラブルの原因となることが実験によって認められています。

このことから適切な量の亜鉛摂取は男性の精力アップに役立つと考えられています。加えて適切な亜鉛摂取は精液の濃度が高まる・精子の運動率向上などにも繋がり受精確率を高めるという説もあります。男性用の妊活サプリメントにおいても牡蠣エキスや亜鉛が配合されているのはこのためです。加えて男性ホルモンのテストステロンは筋肉を増大させ男性らしい体型を作ったり、やる気や闘争本能を高めるなどの作用もあります。「英雄色を好む」という言葉ではありませんが、性機能だけではなく精神的な意味合いでも強精・強壮に役立ってくれるかもしれません。

女性サポート・妊娠中の栄養補給に

亜鉛は男性ホルモン以外にも様々なホルモン生成を補助しているミネラルであり、女性の健康維持にも欠かせない存在です。適切な亜鉛の摂取は卵胞刺激ホルモン(エストロゲン)・黄体形成ホルモン(プロゲステロン)の分泌を正常に保つことに繋がるため、不足を改善するは生理不順や無月経などの月経トラブルの予防や改善に繋がる可能性があります。

また月経周期が安定することで妊娠しやすい体作りにも役立ちますし、亜鉛の抗酸化作用は卵子の老化予防にも繋がるとされており、妊活用としても亜鉛は重要な栄養素と考えられています。亜鉛は細胞分裂にも必要とされますので、胎児の健康な成長にも関わってきます。生牡蠣の場合は食中毒などの問題がありますので避けるべきですが、しっかりと火を通した牡蠣であれば妊娠中の栄養補給源としても適しています。ただし食べ過ぎは良くありませんので1日2~3個程度にしてください。

生活習慣病予防もサポート

亜鉛はインスリンの生成・分泌にも関係しており、不足すると高血糖や糖尿病悪化の原因となります。またタウリンにも膵臓機能を高めることでインスリン分泌を促進するという研究報告がなされていますから、亜鉛とタウリンを豊富に含み、糖質量の少ない牡蠣も糖尿病予防や療養食として役立つのではないかと期待されています。

加えてタウリンは血圧を安定する働きがあるため高血圧予防に役立つと考えられていますし、胆汁分泌を促すことでコレステロールや中性脂肪の増加を抑制する働きも期待されています。亜鉛はSOD酵素の生成をサポートして抗酸化に役立ってくれますから、動脈硬化を予防し心筋梗塞・脳梗塞のリスク低減にも繋がると考えられています。ただし100gあたり184.5mgとプリン体が多いため痛風・尿酸値の高い方は食べ過ぎに注意が必要です。

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イライラ・不眠緩和

牡蠣は100gあたり88mgのカルシウム74mgのマグネシウムを含んでいます。カルシウムには神経の興奮を鎮静することで気持ちを落ち着ける働きがあるとされていますが、カルシウムを細胞に取り込むにはマグネシウムも必要になるためバランスの良い摂取が必要とされます。カルシウムとマグネシウムの理想的な比率は諸説ありますが2:1くらいの割合とされています。

牡蠣の場合はカルシウムがやや多くなりますが、日本人は慢性的にカルシウム不足の傾向にありますのでバランスをとるという点からも役立ってくれるでしょう。加えて牡蠣の糖質の大半を占めるとされる多糖類のグリコーゲンも、必要に応じてブドウ糖に分解されることで脳の栄養源として働きます。結果として脳機能を活性化させることで集中力や記憶力を高める、脳のエネルギー不足によるイライラを予防・緩和するなどの働きが期待できます。

また神経機能を正常に保つメチオニンやイソロイシンなどのアミノ酸、ビタミンB12、亜鉛も牡蠣には豊富に含まれています。このため牡蠣はセロトニンやノルアドレナリンなど脳内神経伝達物質の生成や神経伝達をサポートし、イライラなどの情緒不安定さや、不眠などの緩和にも効果が期待されています。

美肌のサポーターとしても

亜鉛は細胞分裂を活性化させ皮膚の再生を促進する働きがあるため、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)促進に役立つと考えられています。牡蠣には亜鉛の他にも鉄分・ビタミンB12など造血に関わる栄養素や、血液循環を促すビタミンEなども含まれていますから、相乗して肌代謝向上やくすみ改善に役立つと考えられます。

また亜鉛はビタミンCと共にコラーゲンの生成にも利用されていますし、牡蠣には亜鉛以外に天然保湿成分(NMF)やコラーゲンの元になるグリシンなどのアミノ酸も含まれています。相乗して乾燥肌や角質化の予防や改善にも役立ってくれるでしょう。新陳代謝向上効果と合わせて、シワ・たるみなどの肌老化予防にも効果が期待できます。

美髪・薄毛予防に

牡蠣と言えば強精・強壮のほか“薄毛予防に役立つ”という印象を持たれている方も少なくないかと思います。牡蠣が薄毛予防に役立つと言われているのは第一に亜鉛含有量が高いことが挙げられるでしょう。髪はタンパク質(ケラスチン)を亜鉛が変換することで作られますし、亜鉛は代謝に作用していることから髪の生え変わりを促す働きもあります。傷んでしまった髪の修復にも効果が期待できるでしょう。

亜鉛不足のサインとしても髪の毛が細くなる・抜け毛や白髪が増えることが挙げられていますから、逆を言うと亜鉛を不足なく補うことは髪の維持に役立つと考えられます。牡蠣には亜鉛に加えて髪の毛の元となるタンパク質(アミノ酸)も含まれていますし、髪の生成を助けるビタミンB2やB6・毛髪の健康維持に必要なビオチンなどのビタミン類も含まれています。ただしビタミン類は多くありませんので他の食材と組み合わせるようにするとより効果的です。

視機能保護・回復にも期待

タウリンは目の網膜にも利用される成分で、網膜の光受容体(光を完治して脳に伝える細胞)に存在し網膜を刺激から守っています。そのためタウリンの補給は目の負担軽減・疲労回復などに繋がると考えられており、目の新陳代謝を活発にする・角膜の修復を助けるという報告もあります。目薬など外側からのケアにも取り入れられていますね。牡蠣はタウリンを豊富に含むことから、目の疲労回復や視機能改善など目の健康維持も手助けしてくれるのではないかと考えられています。

目的別、牡蠣のおすすめ食べ合わせ

牡蠣(カキ/牡蛎)の選び方・食べ方・注意点

亜鉛や鉄分はそのままでは体内への吸収率が低いのが難点ですが、クエン酸やビタミンBと合わせて摂取することで吸収を高める事ができます。ビタミンCはタウリンの損失を防ぐ働きもあるとされていますので、レモン汁や酢を使った調味料と組み合わせるようにして食べると効果的でしょう。

殻付きの牡蠣を選ぶ場合には、殻に丸み・厚みのある牡蠣を選ぶようにします。細長いタイプよりもゴロンとした形状で、同じくらいの大きさなら重い方を選ぶと身が大きい可能性が高まります。外側に傷が少なく、殻が固く閉じているもの・触れると口をギュッと閉じるものが鮮度の良い証拠。

また新鮮なものほど美味しいので、パック詰めされている剥き身を購入する場合は日付や時間を確認しましょう。牡蠣の身の色は鮮度と共に白っぽく変化していくので、身全体が黄色がかった色をしているものが新鮮。貝柱に透明感があり、プリッとした弾力性を感じられるものを選ぶと良いでしょう。

牡蠣の注意点

牡蠣は100gあたり13.2mgと非常に多くの亜鉛を含んでいます。亜鉛による様々な健康メリットが期待できる反面、過剰に摂取すると急性亜鉛中毒と呼ばれる胃腸障害や、他ミネラルの吸収が阻害されることで貧血・めまい・神経症状などを引き起こす可能性がありますので注意が必要です。一日あたりの亜鉛推奨摂取量は女性7mg・男性9mg、上限量は30mgとなっていますから、サプリとの併用や牡蠣の食べ過ぎには注意しましょう。

生牡蠣による食中毒について

流通している牡蠣は“生食用”と“加熱用”に分かれていることがほとんどです。この区分は食中毒を極力回避できるよう定められた基準・規定によるものですので、生食用のほうが鮮度が良いというわけではありません。牡蠣の毒(ウィルス)は内臓に蓄積されていて洗ってとれるものではありませんので、生で食べる場合には必ず“生食用”を購入するようにしましょう。

牡蠣による中毒の大半はノロウィルスによるもので、カキの食中毒が多く感じるのは生もしくは半生で食べられる機会が多いためとも言われています。ノロウィルスは牡蠣の中心温度が85℃以上の状態で1分間以上加熱すると死滅しますし、他細菌類も概ねこの温度以下で加熱することで死滅しますので、不安がある方はしっかりと加熱調理することでリスクをかなり低減させることが出来るでしょう。

加熱用・生食用という区別は穫れた海域や殺菌などの措置によって決められています。加熱用として販売されているものは劣る…と誤解されがちですが、生食用のように殺菌処理をされていないため身が厚い・栄養価が高いなどのメリットがあるという見解もあります。加熱用の方がお値段も若干リーズナブルなことが多いので、加熱して食べる場合には加熱用を買うようにする方がオススメです。

参考元:8 Wonderful Benefits Of Oysters亜鉛の働きと1日の摂取量生食用と加熱用の違いは?牡蠣にあたらない方法