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【蜆】シジミ貝の栄養・効果

蜆(シジミ)イメージ
  1. シジミとは
    1. シジミの歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. シジミの栄養・効果(前半)
    シジミの栄養・効果(後半)
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ
  4. シジミの活用・民間療法

蜆(シジミ)とは

二日酔いのレスキュー味噌汁・お酒を飲む方の肝臓を助けるというイメージを持たれている方も多い「しじみ」。シジミエキスやシジミ由来のオルニチンサプリメントなど、健康食品でもよく見かける食材ですね。しじみの食べ方と言えばアサリと並ぶお味噌汁の具の定番で“しじみ汁”の印象が強いかもしれませんが、佃煮や酒蒸し・パスタなどにも使うことが出来ます。ちなみに韓国や台湾でも薬効のある食材として伝統的に利用されているそうですし、薬膳料理にも利用されています。

「しじみ」という言葉はシジミ科に属す二枚貝の総称で、食用二枚貝類の中では小さく、殻が縮んで見えることから“縮み”と呼ばれていたことが名前の由来とされています。日本本土の在来種としてはシジミ科シジミ属のヤマトシジミ(大和蜆)、マシジミ(真蜆)、セタシジミ(瀬田蜆)の三種類があります。ちなみにTVなどで取り上げられる沖縄の手のひらサイズの巨大シジミはマングローブシジミ属(ヒルギシジミ属)という別属のもので、私達が普段食べているしじみが巨大化したものというわけではないそう。

日本で一般的に流通している“しじみ”はヤマトシジミで、北海道か九州までとほぼ日本全域で獲られています。ヤマトシジミの特徴としては貝殻の表の輪脈が浅め・殻の内側が白紫色をしていることが挙げられます。対してマシジミとセタシジミは淡水性で、どちらも貝殻の内側の色が紫色っぽいことが特徴。マシジミはかつて本州・九州・四国に広く分布していましたが、現在は外来種であるタイワンシジミ類の侵入・化学肥料や農薬の影響・コンクリートによる護岸などの影響でほとんど見ることは出来ないそう。セタシジミは滋賀県琵琶湖の固有種(現在は秋田県八郎潟や諏訪湖などにも移植されている)で、三種のしじみの中で味が最も良いと言われています。

しじみというとキャンプなどに行った際に“シジミ狩り(シジミ採り)”をした記憶がある方もいらっしゃるかもしれません。シジミ狩りは夏の風物詩・イベントとして知られていますし「夏のしじみは腹薬」という言葉もありますね。しかしシジミ自体は年中獲れる貝です、旬の時期についても身が絞まった冬のシジミを「寒しじみ」と呼び分けたり、初夏くらいまで(産卵前)が栄養を体に蓄えていて美味しいなど諸説あります。
江戸時代の『料理秘伝記』には「十二月より三月迄よし」と書かれていますし、真夏のしじみについては美味しいのではなく体を整えるのに役立つためと考えられますから、現在は冬~春がシジミの美味しい時期と考える方が多いようです。とは言っても魚や牡蠣などのように激しい差はありませんので、年中美味しく頂けると言えそうです。

蜆(シジミ)の歴史

しじみがいつから食用とされたかは定かではありませんが、縄文時代の多くの貝塚からシジミ貝殻が出土しているため1万年以上前から既に食用とされていたと考えられています。中でも富山県にある“蜆ヶ森(しじみがもり)貝塚”はその名前の通りシジミの貝殻が大半を占めていることが知られていますし、セタシジミの産地である琵琶湖にある粟津湖底遺跡なども有名ですね。現代でいう潮干狩り感覚で比較的簡単に、漁労や槍などを使う狩猟などと比べて安定した量を獲ることが出来たこともしじみが多く食べられていた要因と言えます。

文献上は奈良時代末期に成立した『万葉集』に“四時美(しじみ)”として表記された恋の歌が収録されています。四時美という漢字は「春夏秋冬どの季節でも美味しく食べられること」からこう書かれるようになったと言われていますから、奈良時代においても身近な食材だったと言えるでしょう。
また中国や韓国でもしじみの食用文化は古くからあったそうですし、薬学書『本草綱目』でもしじみは熱を冷ます・目を明るくする・酒毒を治すなどの薬効があると記載されており、肝に良い食材(補肝)と食されていたそうです。
日本でも江戸時代の『食品国家』や『本朝食鑑』などの書物には同じように“二日酔いに良い”や“黄疸に効く”などの効能が書かれるようになりますし、夏に弱った肝臓を回復させることで夏バテ用としても親しまれていました。

江戸には○○売りと呼ばれる声をかけながら食材を売り歩く仕事が多くありました。蜆売りもその代表の一つで、蜆は豆腐と並んでお味噌汁の具として一般的だったため、朝に長屋周りに蜆売りが来るというのも日常的な光景だったそうです。また現在のように漁業権などが定められていなかったため、深川・佃島あたりの貧しい子どもたちが自分達で獲ったしじみを売って家計を助けることも多かったようです。
川柳でも「佃から十五童子の蜆売り」など子どもの売りを描いたものがありますし、一方で「蜆売り、黄色なつらに高く売り」という黄疸が出ているような病人にしじみを高く売りつけていることを揶揄したものもあります。江戸庶民は漢方の知識だけではなく経験的にも、二日酔いや肝臓の不調にしじみが良いことを知っていたのではないかと言われています。

蜆(シジミ)はこんな方にオススメ

  • お酒をよく飲む方
  • 二日酔いの予防や回復に
  • 飲んだ翌日の体臭・口臭に
  • 疲れが抜けない方・疲労臭
  • 体力・筋肉量アップに
  • ストレスが多い・神経疲労
  • 情緒不安定・寝付きが悪い
  • 鉄欠乏・貧血・冷え性
  • 男性の精力アップに
  • 月経不順気味の方に
  • 妊活・妊娠中の栄養補給に
  • 老化を予防したい方
  • 脂肪肝・生活習慣病予防に
  • 免疫力アップ・風邪予防に
  • 目の疲れ・視力低下予防に
  • 代謝アップ・ダイエットに
  • 紫外線ダメージやシミがある方
  • 乾燥肌や肌トラブルがある方
  • 肌のハリ低下やシワが気になる
  • 髪や爪の痛みが気になる
  • 肩こりや腰痛が改善しない
  • 神経痛や関節痛がある方
  • 認知症の予防に

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蜆(シジミ)の主な栄養・期待される効果:前半

しじみは三大栄養素の中ではタンパク質含有量が高く、アミノ酸スコアも貝類の平均が70~80とされる中でシジミは“100(※95とする説もあり)”とされいますから、良質のタンパク補給源と言えるでしょう。ビタミンB群(特にビタミンB2とB12)や鉄分の含有率が高く、ビタミンEやカルシウムなどのミネラルもしっかりと含んでいます。
100gあたりのカロリーは51kcalと貝類の中でも低カロリーな部類に属します。

【肝機能のサポート・回復】

しじみに期待できる健康メリットとして最もよく知られているのが“肝臓疲労の回復”や“二日酔いの予防”などの肝機能を高める働きです。しじみには肝機能保持や肝臓の修復・アルコール分解に必要なアミノ酸「アラニンや、肝臓の老廃物や脂肪・毒素を体の外に排出させる「メチオニンなどのアミノ酸が含まれています。
またしじみの代表成分とも言える非必須アミノ酸の「オルニチン」も肝臓でアンモニアを尿素などへと無毒化する過程であるオルニチンサイクル(尿素回路)に働きかけ、アンモニア分解を促進する働きがあります。加えててアラニンの働きをサポートする働きもありますので、肝機能の改善やアルコール分解を助けてくれるでしょう。

加えてシジミにはアルコールの無毒化(分解)過程で発生する“アセトアルデヒド”の分解を高めるタウリンや、アルコール脱水酵素がアルコールを分解するときに必要とされる亜鉛なども含まれています。アラニンやオルニチンの働きと相乗して二日酔いの予防・改善にも役立ってくれます。
お酒を飲んだ翌日の口臭・体臭についても血中のアセトアルデヒド濃度が高くなることが主原因とされていますし、アンモニアもまた体臭や口臭の原因物質として知られています。アセトアルデヒドやアンモニアの分解を助ける「しじみの味噌汁」は飲んだ後の気分の悪さだけではなく、ニオイ対策としても役立ってくれるでしょう。

【疲労回復・体力増強】

しじみに含まれているオルニチンはアンモニアの代謝(無毒化)を行うオルニチンサイクルを活発化してくれます。アンモニアはエネルギー代謝などで自然に生じる老廃物ですが、過剰に発生する・無毒化が遅れてしまうと全身の疲労感の原因となります。うま味成分であるグルタミン酸にもアンモニアと結合して無毒化する性質があり、脳疲労などの改善に役立つと言われています。アンモニア分解を促すことでも疲労感の改善が期待できますし、オルニチンは成長ホルモンの分泌を促進することで細胞の新陳代謝を高める働きもあります。

アミノ酸スコアが100とされる(※95とするものもある)だけにBCAA=イソロイシン、バリン、ロイシンをはじめグルタミン酸・アスパラギン酸・タウリンなど疲労回復や体力増強に役立つとされるアミノ酸も含んでいますし、ビタミンB群やマグネシウムなどのエネルギー代謝を助ける栄養成分もバランス良く含有しています。これらが相乗して疲弊した細胞を回復・新生させることからも疲労回復効果が期待できます。体力を高めたい方や筋肉を付けたい方にも役立ってくれるでしょう。

【ストレス緩和・精神安定】

肉体的な疲労もしくはアンモニアなどの毒素滞留による疲労感の改善効果が期待できるしじみは、疲労からくるストレスの改善にも役立ってくれます。実験ではオルニチンを摂取した後はストレスマーカーとして利用されるホルモン「コルチゾール」の分泌量に改善が見られた・メンタルストレス軽減効果や睡眠改善効果が見られたことも報告されています。このことからオルニチンは精神的なストレスの緩和や情緒不安定さの改善などにも役立つと考えられ、うつ病の予防改善などにも効果が期待されています。

しじみにはオルニチンだけではなく、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の材料となるメチオニンなどのアミノ酸神経伝達物質の合成を助ける亜鉛やビタミンB12も豊富に含まれています。このため神経伝達物質の不足による不安定さや集中力・記憶力低下を予防して脳を活性化する働きも期待できます。また100gあたりのカルシウム含有量も130mgハマグリと共に貝類トップクラスですから、神経の過剰な興奮を抑制しイライラや神経過敏の予防にも役立ってくれるでしょう。

【貧血・冷え性の改善】

オルニチンなどのアミノ酸が有名であまり注目されることはありませんが、しじみは100gあたり5.3mgと魚介類の中でもトップクラスの鉄分を含有している貝です。貧血に良い貝として牡蠣が知られていますが単純に100gあたりの鉄分含有量で比較した場合、しじみは牡蠣の2.5倍以上の鉄分を含んでいる計算になります。実際にしじみ100gを食べることはほとんどありませんので摂取量はさほど多くありませんが、鉄欠乏性貧血の予防や改善用として十分に役立ってくれるでしょう。

また丈夫な赤血球膜の合成に必要とされる亜鉛赤血球生成に関わるビタミンB12や銅などもしじみにはバランス良く含まれています。造血に関わる栄養素としては葉酸がやや少ないのでミネラルの吸収を高めるビタミンCと葉酸を含む野菜類と組み合わせて摂取すると、鉄不足以外の貧血に対しても効果的でしょう。
血液不足(貧血)の改善に役立つことに加え、オルニチンなどアミノ酸類の働きによって肝機能が整うことで基礎代謝向上・体温維持機能の正常化にも繋がります。シジミにはアミノ酸の他にも末梢血管を拡張するビタミンEなど体内循環や代謝に関わるビタミン・ミネラルも含まれていますから、相乗して冷え性や血行不良の改善にも効果が期待できます。

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投稿日:2016/12/03 (更新)
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