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【鯵/鰺】アジの栄養・効果

アジ(鯵/鰺)イメージ

鯵(アジ)とは

クセが少ないことに加え、安価で購入できたことから日本の大衆魚の一つとされていたアジ。アジフライは食卓・お弁当・外食とどこでも見掛ける存在ですし、鯵の干物は朝食からお酒のおつまみまで使いまわせる便利食品でもあります。洋食レシピとしてもフライ以外にもトマトソースとも合わせたり、マリネなどにも利用できます。
鯵(アジ)という名前は“味が良い魚”が語源と言われていますし、漢字も単なる書き写し間違い説以外に「美味しくて参ってしまうから」という説もあるほど。古くから愛されてきた魚であることが伺えるようなネーミングですね。鯵の押し寿司やなめろう・冷や汁など各地の郷土料理にも利用されています。

何にでも合わせやすい淡白な味わいからアジを白身魚と考えている方もいらっしゃるようですが、魚としては青魚・赤身魚になります。ただし脂質量や味は白身魚に近くサッパリ系の魚ですし、アレルギーの原因となるヒスチジン含有量も少ないので、白身魚として扱われることもあるそう。食べやすく身体への負担も低いと考えられていますから、小さなお子さんや高齢者の方でも取り入れやすいという点もメリットですね。

アジという呼び名はアジ科に含まれる魚の総称で、世界各地の熱帯~温帯地域に生息しています。日本では一般的に“マアジ(真鯵)”のことを指しますが、その他にもムロアジ類(アカアジ・クサヤモロなどを含む)やメアジ(銀アジ)なども食用とされています。ちなみにムロアジ類は鮮度が落ちやすいので練り物の原料やくさやなどの加工品に向いているそう。また体長1mを超える大型の「シマアジ」は高級魚としても名高く、養殖が広く行われるようになるまでは“幻の魚”とも言われていました。こちらはお刺身や寿司ネタ、和食料亭などで汁物や塩焼きとして供されることもあります。

マアジはさらに育った環境や獲れる時期の違いによって、定着型で太っていて脂質が多い“黄アジ(白アジ/本アジ)”系統と、回遊型で脂質が少ない“クロアジ(ノドグロアジ)”系統の大きく二つに分けられます。脂の乗った黄アジの方が人気が高く、また3月下旬〜8月頃までの時期が美味しい季節と言われています。
大衆魚・安価というイメージがあるマアジですが、アジの大トロと言われる「どんちっちアジ」をはじめ「天領あじ」「関アジ」などブランドがあり、シマアジに匹敵するほどの高値で取引されています。しかし近年はブランドアジに関わらず、アジは全体的に漁獲量減少によって価格が上昇傾向にあります。大衆魚とは呼べなくなるかもしれないとの懸念が報じられたこともあります。

鯵(アジ)の歴史

多くの魚類と同様に縄文時代の貝塚からアジも出土されており、先史時代から日本人に食され続けてきた魚であると考えられています。文書としては奈良時代の長屋王家の木簡にアジの干物(塩漬け)が献上された記述があり、平安時代に記された『延喜式』にはアジが神饌や行事食として利用された記述も残っています。
ちなみに同時は“阿遅(アヂ)”という字で書き表しており、後の江戸時代に書かれた注釈書『古事記伝』によるとアヂはウマシと同義語で良いものを意味する言葉でもあるのだとか。神道の神様でも“阿遅”が付く方がいらっしゃいますね。その他に“群集するもの”の意であると言う説もありますが、江戸時代に新井白石が著書でアジの語源について「アジとは味、味が美味しいから」という旨を記述してることもあり、美味しい魚という説の方が支持されているようです。

戦国時代に入ると戦時の保存食として役立つ干物が重宝されますし、ハッキリとは断定出来ませんが小田原北条氏の時代に小田原でアジをはじめとする干物作りが始まったとの伝承もあります。鰹節のように縁起を担いで重宝はされていなかったようですし、記録もさほどありませんが、武士の食事としてもアジは利用されていたのではないかと考えられます。後の江戸時代に記された『本朝食鑑』では小田原のアジ干物を絶賛した記述が残っています。
江戸では漁獲量が多く安価なころ、近海で夕方に獲れたアジを棒手振りと呼ばれる行商人が売り歩いていたため鮮度の良いものが常時入手できるよになります。江戸の町に暮らす庶民の方々に親しまれる存在となりますし、新鮮な魚が常時入手できるため晩酌する際のおつまみにアジの刺身やタタキを食べていたと考えられています。

沢山獲れて安いことから下魚(雑魚)や猫跨ぎと扱われた時期もあるのではとも言われていますが、魚介類の格付けを記した『黒白精味集』では“中”に入っていますし、イワシやサンマなど他の大衆魚とは異なり将軍の食前に利用されることもあったそうですから、そこまで酷い扱いでは無かったのでしょう。『料理物語』の中では“鯵”ではなくて魚偏に“良”という字を使ってアジと読ませていたようです。ちなみにアジの干物を高く評価した『本朝食鑑』や『大和本草』などの書物では、現在高級品とされているシマアジについての評価は低くなっているそうです。

アジに限ったことではありませんが、納豆よりも強烈な日本の珍味とも言われる“くさや”の製法も江戸時代に確立したと言われています。これは伊豆諸島などの塩で年貢を納めていた地域が塩不足に陥り、魚の干物を作る際の塩水を繰り返し使ったためなのだとか。魚から出る成分が混じって発酵した塩水は非常に臭かったものの、食べてみたら味も良くなり腐りにくくなったため“くさや汁”を大切に使って干物を作るようになったのだとか。

鯵(アジ)はこんな方にオススメ

  • 疲労・疲労感が抜けない
  • 筋肉・体力アップに
  • お酒をよく飲む方
  • 肝機能が気になる方
  • 二日酔いの予防や回復に
  • デトックス力を高めたい
  • むくみを軽減したい
  • ドロドロ血液・生活習慣病予防
  • 集中力や学習効率を高めたい
  • 認知症を予防したい
  • アレルギーを軽減したい
  • 免疫力を高めたい
  • 目の疲れ・視力低下予防に
  • 代謝を高めたい方
  • ダイエットのサポートに
  • 肌・髪の健康維持に

真鯵(マアジ)の主な栄養・期待される効果:前半

アジは風味もそうであるように脂質が少なく、栄養成分の面から見ても青魚と白身魚の中間のような存在です。とは言え青魚の代表成分でもあるDHAやEPA(IPA)などのオメガ3脂肪酸も、含有量はさほど多くはありませんが含まれています。カロリーも100gあたり126kcalと魚類の中では低い部類ですし、サッパリとはしているもののうま味成分も多いので使いやすい食材と言えるでしょう。

下記では「真鯵(マアジ)/生」の食品成分表記載数値を元に栄養価や期待できる健康メリットをご紹介致します。他のアジ類との差異につきましては次ページのアジの種類と特徴を御覧ください。

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疲労回復・体力アップ

脂質が魚類の中でも低い部類で、タンパク質を全体重量の約2割と豊富に含んでいるアジは良質なタンパク源と言えます。アミノ酸スコアも100となっており、筋肉分解の抑制や疲労軽減効果が報告されているBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)クエン酸回路を活発化し疲労物質の分解をサポートしてくれるアスパラギン酸なども豊富に含まれています。アミノ酸系のサプリメントも多くありますが、食事などタンパク質摂取からの方が効率的であるという指摘もなされていますから、脂質・糖質量をさほぼ気にせず食事に取り入れられるアジなどの魚は嬉しいですね。

また同じくアミノ酸の一種であるアルギニンもアンモニアを解毒する尿素回路(オルニチンサイクル)に関わる成分で、アンモニアの分解を高めることで疲労回復を促すと考えられています。うま味成分として知られているグルタミン酸も肝臓以外の部分でアンモニアと結合して無毒化する性質があり、ぼんやり感や集中力低下など脳に起因する疲労感の軽減に効果が期待されています。アンモニア代謝低下による体臭(疲労臭)予防にも繋がるでしょう。脂質が少なく消化吸収が良いので胃腸が弱っている時、病中病後やお年寄りの体力回復食などにも適しています。

肝臓サポート・二日酔い対策

アジにはナイアシンが100gあたり5.5mgと、1日摂取推奨量の約1/3含まれています。ナイアシンはビタミンB複合体の一つ(ビタミンB3とも呼ばれる)で補酵素として様々な機能をサポートしており、アルコール脱水素酵素やアセトアルデヒド脱水素酵素の働きを助ける働きもあります。ナイアシンはアルコール摂取で消費され、不足した場合はアセトアルデヒドの分解が滞り、吐き気や頭痛などの二日酔い症状の原因となると考えられています。このためおつまみにアジなどナイアシンを含む食材を摂取することで、悪酔いや二日酔いの予防・軽減に繋がると考えられています。

加えてアジにも肝臓サポートに高い効果が期待される非必須アミノ酸「タウリン」が含まれています。当サイトで成分含有量の目安として利用されている日本食品標準成分にはタウリンの記載は無いので不明瞭ですが、100gあたり100~200mg程度と推測されているようです。タウリンにもアセトアルデヒド分解を助ける働きが報告されていますから、ナイアシンと相乗して二日酔い予防に役立ってくれるでしょう。そのほかタウリンには胆汁酸の分泌を促す・肝細胞の再生を促すなどの働きがあり、ラットを使った実験では脂肪肝の改善が見られたことも報告されています。このためお酒を飲んだ前後だけではなく、肝機能向上や脂肪肝・肝臓疾患予防など肝臓全体の健康サポート効果が期待されています。

【デトックス・むくみ予防】

タウリンやナイアシンなどの働きで肝臓が元気になることで、身体本来が持つデトックス力向上にも効果が期待できます。肝臓は血液中の毒素を濾過する役割を持っていますが、アルコールやカフェイン・脂質・糖分などの摂取が多いと肝臓が疲弊し、解毒機能が低下する可能性があります。このため肝臓の負担を減らすことで解毒機能を高める=デトックス力向上効果が期待できます。

そのほかタウリンには筋肉の収縮力を高めることでむくみを改善する働きや、腸の蠕動運動を促す働きも期待されています。アミノ酸一種であるアスパラギン酸も尿の合成を促進する働きにより利尿効果をもたらすと考えられていますし、体液バランスを保つカリウムやマグネシウムを細胞に取り込みやすくする働きもあります。豊富とは言えないもののカリウムやマグネシウムなどもミネラル類もアジには含まれていますから、相乗してむくみ改善にも効果が期待できるでしょう。

【血液サラサラ・生活習慣病予防】

アジは脂質が多い魚ではありませんが、DHAやEPAなどのオメガ3(n-3)系と呼ばれる不飽和脂肪酸が含まれています。特にEPA(エイコサペンタエン酸)もしくはIPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれている成分は血中の中性脂肪・コレステロール低下作用や血小板凝縮抑制作用を持つ“血液サラサラ成分”として注目され、サプリメント等にも活用されています。このEPAの働きは高血圧や動脈硬化予防に効果的と言われていますし、結果として脳梗塞や心筋梗塞の予防にも役立つと考えられます。

またDHAもコレステロール低下作用が報告されていますし、タウリンも胆汁分泌を促すことでコレステロール低下に繋がると考えられています。加えてアジにはナイアシンやビタミンEなど血管拡張作用を持つビタミン類もまれています。ビタミンEは抗酸化にも働きますから、相乗して動脈硬化など循環器疾患の予防効果が期待できるでしょう。アジは低糖質・低脂質でカロリーも100gあたり126kcalと青魚類の中では少ないので、体重・血糖値が気になる方の糖尿病予防食・糖尿病の方の療養食としても役立ちます。

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投稿日:2017/05/22 (更新)
by SlowBeauty