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【百合根】ユリネの栄養・効果

北海道真狩産 百合根
  1. ユリ根とは
    1. ユリ根の歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. ユリ根の栄養・効果
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ
  4. ユリ根の活用・民間療法

ユリ根とは

ホクホクとした食感と、割りと淡白ながらホッコリとした優しい甘さが魅力のゆり根。近年は北海道の農家さんが妊婦さん向けのキャンペーンを行っていますし、ネットショッピングでのお取り寄せなどもしやすくなりましたが、家庭の食卓に馴染み深いとまではいかない存在かもしれません。高級和食やおせち料理・薬膳料理などでよく見かける食材で料理するのが難しそうというイメージがある方・レシピが思いつかないなどもあるかもしれませんが、アルミホイルで包み焼きにしたり、裏ごししてマッシュしたりとほぼジャガイモと同感覚で使うことが出来ます。

百合根(ユリネ)はんで字のごとく、ユリ科ユリ属の植物の鱗茎(球根)です。広義ではユリ属全体の球根を指しますが、普段見かけるような観賞用品種の鱗茎は灰汁が多くて苦味が強いため“食用に適したユリの球根”を表す時に使われています。園芸種の鱗茎も害はないと言われていますが、食べるのはおすすめできません。
ユリ属は栽培品種まで含めると多くの種類がありますが、美味しく食べられるのはほんの数種類程度。現在食用として販売されているものはコオニユリ(小鬼百合)・オニユリ(鬼百合)の2種の系統が多く、北海道で作られている「白銀」と呼ばれるコオニユリを交配親とする品種の流通量が多くなっています。そのほか食用に適したものとしてはヤマユリ・カノコユリもなどがあります。

ゆり根の主産地は北海道ですが北海道での消費量はさほど高くなく、本州(特に関西エリア)での消費が多いようです。京都ではゆり根の生産も行われていますし、京料理にもよく利用されていますね。収穫時期は本州では8月頃から、北海道では10月頃からとなっています。ただし旬に関してはカボチャなどと同様にに収穫してから1~3ヶ月程度熟成期間があった方がデンプンが糖に変化して甘味が増すため、10月~2月くらいが最も流通量が多く美味しく食べられる時期と言えるでしょう。

食用ゆりは栽培から収穫まで非常に時間が掛かり、球種から始めると植え付けまで2~3年・植え付けてから2~3年と言われ、収穫までには早くとも4年(平均6年)はかかると言われています。連作が出来ず毎年畑を変えること・一度植えた畑は7年程度空ける必要があること・非常にデリケートで全て手で収穫するなど、栽培に時間と労力がかかりますから高級食材とされるのも納得ですね。
ただしお正月用という需要が高まるイベントが終了し、旬も終わりに近づく1月中旬位からは価格が下がります。農家さん直送など人気のあるお店では売り切れ・販売終了も多いですが、普段使い用や冷凍保存用に狙ってみても良いかもしれません。

ユリ根の歴史

ユリは北半球アジアを中心に世界中に分布していますが、球根(百合根)を食用とするのは中国と日本だけと言われています。中国最古の薬物書『神農本草書』の中品にも“百合(ビャクゴウ)”として収録されていますから、今から約2000年前には薬効のある食材と考えられていたようです。
現在でも中国伝統医学(漢方)ではら滋養強壮・鎮咳・去痰・利尿などに利用するほか、精神的な症状緩和にも百合根を取り入れています。古来よりイライラなどの症状に百合をよく処方したことから、ヒステリーを「百合病」と呼ぶこともあるそう。日本だと旬を逃すとなかなか食べられないゆり根ですが、中国では乾燥百合根が多く流通しており生薬としても料理用としても乾燥タイプが利用されているそうです。

日本ではいつ頃から薬用・食用として利用されていたのか定かではありませんが、藤原京時代(西暦700年頃)には祭事に用いられていたと言われています。奈良時代前後には中国から様々な生薬が伝わっていたこと・万葉集や本草和名にも名前が記載されていることなどから、平安時代には栄養(滋養)に優れた薬用食材として既に利用されていたのではないかと考えられています。江戸時代になると栽培がなされるようになり、苦味が少なく食べやすい「オニユリ」も記録に登場するようになります。
古い時代のユリの栽培は観賞用よりも食用・薬用にする百合根を採るためであったと考えられます。しかし医師シーボルトや植物学者ツンベルクらが欧米に紹介したことで日本の百合が賞賛され、明治初期には観賞用としての需要も高まります。大正時代には北海道での栽培も行われるようになり、冷涼な気候が百合根の栽培に適していたため現在ゆり根の国内生産の9割以上は北海道が占めています。

ちなみに江戸期の書物には「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という表現も登場するようになります。この言葉は現在美しい女性を表す言葉として見られますが、元々は女性の不調とそれに用いる生薬を例えた言葉と言われています。芍薬(シャクヤク)は女性の不調に処方される“当帰芍薬散”や“加味逍遥散”などの漢方に弛緩・鎮痙剤として、牡丹も根の皮の部分が牡丹皮(ボタンピ)という生薬で駆瘀血薬として“桂枝茯苓丸”などに配合されています。立てば芍薬=ピリピリしている(気が立っている)女性には芍薬・座れば牡丹=すぐ座ってしまうような疲れやすい女性には牡丹が良い、と言うことなのだそう。
また百合(百合根)は鎮静作用ある生薬という意味合いが強いようです。ヒステリーというと頭に血が上りキィーっとわめくような印象がありますが、中医学的には精神的な不調・障害やストレス等精神面に起因する不調全般を表すのだそう。このため歩く姿は百合の花=ストレスや気疲れで頭が重くなったら百合根が良い、と読むようです。

ユリ根はこんな方にオススメ

  • 体の調子を整えたい方に
  • むくみやすい方に
  • 疲労感やだるさが抜けない
  • 便秘・腸内フローラ改善に
  • 血圧が気になる方
  • 血糖値が気になる方
  • 生活習慣病を予防したい
  • ダイエットのサポートに
  • ストレス・神経疲労軽減に
  • イライラ緩和や精神安定に
  • 不眠気味の時に
  • 妊活・妊娠中の栄養補給に

ユリ根の主な栄養・効果

ゆり根は良質のでんぷん(炭水化物)が主成分で100gあたり125kcalとカロリーはやや高めですが、ビタミン・ミネラル・食物繊維など幅広い栄養素をしっかり含んでいます。

【栄養補給】

体を維持するために必要や必須ビタミン・ミネラルが全て含まれているというわけではないものの、ゆり根はビタミン類やミネラル類を豊富に含んでいます。特にカリウム量は100gあたり740mgと青果(野菜・果物)類の中ではトップクラスで、同グラム比較であればスイカの6倍以上・キュウリ冬瓜の3倍以上のカリウムが含まれています。そのほか亜鉛・鉄分・マグネシウムなども比較的多く含まれていますが、ミネラルではカルシウムの含有量が少ないので牛乳と合わせてポタージュにするなどカルシウムと組み合わせて摂取するとバランスが良いでしょう。

ビタミンも際立って多くはないもののビタミンC、ビタミンB群、ビタミンEを含んでいます。ビタミンC含有量自体は生100gあたり9mgと多くはありませんが、ゆり根のビタミンCもじゃがいもなどと同様に熱に強い性質を持っていおり茹で100gでもビタミンC含有量は8mgとほとんど減少しません。このため調理後の吸収を考えると補給源としてしっかりと機能してくれるでしょう。
炭水化物が多くエネルギーになることは勿論ですが、タンパク質もじゃがいもの2倍と言われています。現代のように季節を問わず様々な食材を取れなかった昔の人々にとっては冬場の栄養補給源であり、滋養強壮に高い効果がある食材と言われてきたもの納得です。野菜というよりは穀物・芋類感覚で取り入れると良いでしょう。

【むくみ・慢性的な不調軽減】

ゆり根は生100gあたり740mgと野菜類トップクラスのカリウムを含んでいますし、茹でた状態でも100gあたり640mgと葉野菜などのように調理による損失が少ないことも特徴です。カリウムはナトリウム濃度を調節する働きがあり、血中ナトリウム濃度を保持するために起こる血液量増加によって引き起こされる高血圧やむくみの予防・改善をサポートしてくれます。ゆり根はカリウムが豊富なことに加え、カリウムの運搬や正常な体内循環をサポートしてくれるマグネシウムも含まれています。

またカリウムやマグネシウムが不足すると疲労感やだるさ・倦怠感などを引き起こす可能性もあります。ゆり根には同様に不足することで様々な不調を引き起こす鉄分や亜鉛なども少しずつ含まれていますし、エネルギー源となる炭水化物・糖質の代謝をサポートするビタミンB1を筆頭としたビタミンB群も含まれています。栄養バランスがしっかりと整うことでホルモンバランスの乱れや、病気ではないものの体調がパッとしない状態の予防や軽減にも役立ってくれるでしょう。不足している気や体液を補う・情緒不安定さを和らげると言われているのにも、栄養の欠乏症状が改善されるという意味もあると考えられます。

【便秘・腸内フローラ改善】

ゆり根は食物繊維総量が100g中5.4gとゴボウに迫るほど多く含まれています。かつ100gの食物繊維の内訳が不溶性食物繊維2.1gに対しグルコマンナンなどの水溶性食物繊維3.3gとなっており、水溶性食物繊維量が多いことも大きな特徴と言えるでしょう。ちなみに水溶性食物繊維はゴボウよりも多く、乾物やスパイスなど実質100gを食べない食材を抜くと野菜果物のトップクラスと言える存在です。食物繊維が豊富なことに加え、不足しがちな水溶性食物繊維や便を柔らかく保つ働きがあるマグネシウムやビタミンCも含まれていますので、ゆり根は便通改善に役立つ食材と言えるでしょう。

たグルコマンナンなどの水溶性食物繊維やビタミンCは腸内で善玉菌のエサとして利用されることで、善玉菌の活発化や増加・腸内フローラのバランスを整える働きがあります。加えてデンプン質の一部は加熱料理後に冷ますことで消化吸収がされにくく食物繊維とよく似た働きをもつ「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」に変化します。レジスタントスターチはタイプとしては不溶性食物繊維に分類されますが、腸内細菌の代謝で有機酸に変化し、悪玉菌が活動しにくい弱酸性に腸内を保つ=善玉菌の増殖をサポートする働きもあります。
このためゆり根は単に便通を良くするだけではなく、腸内フローラのバランスを整えてくれる効果も期待できます。ただしレジスントスターチは温め直すとデンプンに戻ってしまいますので、レジスタントスターチに効果も期待する場合には和え物・軽く蒸して冷やしたものをトッピング感覚で使う・はちみつ漬けにするなど“冷えたまま”食べるようにしてください。

【生活習慣病予防・ダイエットサポート】

ゆり根の食物繊維に含まれるグルコマンナンは胆汁酸を運ぶ働きによりコレステロールの上昇を抑える・糖の吸収を抑え血糖値を抑制するなどの働きも報告されており、糖尿病や動脈硬化、脂質異常症などの予防にも役立つと考えられています。冷やした状態で摂取することができるレジスタントスターチも血糖値の上昇を抑制する働きが認められていますから、コレステロール値や血糖値が気になる方の健康維持に役立つと考えられています。ナトリウムの排出を促すことで血圧を正常に保持するカリウム含有量も高いので、濃いめの味付けが好きな方や血圧が気になる方にもオススメです。

糖質の含有量が高いのでダイエット中にはNGと思われがちですが、グルコマンナンやレジスントスターチの働きで血糖値が急激に上がる心配は少ないと考えられます。血糖値が急上したいことで血中の糖を脂肪として蓄えにくくなります。また食物繊維が胃の中で膨張し食欲減退・満腹感維持効果があることや、一緒に食べた脂質・糖・塩分などの吸収を妨げる働きも期待できます。
むくみ改善に役立つカリウムや、ダイエット中に不足しやすいミネラル・ビタミンB群も多く含まれていますのでダイエット中の食事にも適していると考えられています。焼き立て・揚げたてのゆり根は美味しいですが、ダイエット中であれば冷やして食べたほうが良いでしょう。とはいえゆり根は100gあたり125kcalと低カロリーとは言えない食材。忌避する必要はありませんが、食べ過ぎには注意が必要です。

【精神安定・不眠に】

ゆり根は生薬として鎮静作用があるとされ、煩躁・動悸・神経過敏・不安・不眠などに利用されてきた存在です。成分的にもゆり根には微量ながらも多数のアルカロイドが含まれていることが分かっており、アルカロイド類の働きで神経の昂ぶりを鎮める効果があるのではないかと考えられています。この鎮静作用によって気持ちを落ち着けて精神を安定させたり、不眠やストレスに起因する胃痛などの肉体症状・自律神経失調症などの軽減効果が期待されています。精神的な疲労感・神経衰弱気味と感じる時には贅沢な気分でゆり根を食べて見ると良いかもしれません。

また鎮静作用があるため、生理前(PMS)や更年期障害などホルモンバランスの乱れから起こるイライラや情緒不安定にも緩和にも役立つと考えられています。女性特有の不調緩和用としてはホルモン様物質やホルモン分泌促進作用のある食品もありますが、サプリメントなどによる過剰摂取は逆にホルモンバランスを崩すなど症状を悪化させる可能性・発がんリスク増加なども指摘されています。自然のままの食材からの摂取での危険性は低いと言われていますが、より安全性を求める場合はゆり根などホルモンバランスに直接作用しない食材を取り入れてみてください。

【妊活・妊娠中の栄養補給にも】

ゆり根には胎児の細胞分裂などに関わり、妊娠中の女性に摂取が推奨されている葉酸が100gあたり77μgと多く含まれています。また妊娠前から葉酸を摂ることで先天異常のリスクを低下させる・着床率(妊娠する確立)が高くなるという報告もなされており、妊活中であれば男女共にしっかりと摂取したほうが良いとも言われています。ゆり根には葉酸以外にも女性ホルモンのバランスを整える働きのある亜鉛やビタミンB6なども含まれています。

また妊娠中に起こりやすい便秘改善に役立つ食物繊維・むくみ改善に役立つカリウムの補給源としても役立ちます。特に妊娠中は便秘薬(下剤)を使いたくない状態ですから、食物繊維、とくに便を柔らかく保ってくれる働きのある水溶性食物繊維が多いゆり根やアーティーチョークなどの野菜は重宝しますね。ゆり根には穏やかな精神安定・安眠作用も期待されていますので、精神的な面からも健やかな妊娠期間をサポートしてくれると考えられています。

ユリ根の選び方・食べ方・注意点

ゆり根は意外と火の通りが早く、沸騰したお湯で茹でる場合は2~3分程度で火が通ります。茹で過ぎると溶けてしまい食感が失われてしまいます。レンジの場合は1分ずつひっくり返しながら様子を見るようにしましょう。鱗片を一枚ずつ剥がして使うのが基本ですが、ホイル焼きなど“蒸す”料理法であれば丸ごと使うことも出来ます。

保存はおがくずに埋めたまま冷暗所での保管が一番ですが、おがくずがない場合は乾いた新聞紙で包んだものを袋に入れ冷蔵庫で保存してください。冷蔵庫での保存は大体一ヶ月程度保つと言われていますが、おがくずなしのものはもう少し早めに使い切ったほうが無難です。鱗片をばらしてあるものは痛みが早いため、固めに茹でるか蒸すかしたものを1つずつラップで包んで冷凍しましょう。

ユリ根のオススメ食べ合わせ

  • ゆり根+梨・ナツメ・ハスの実
    ⇒不眠の解消に
  • ゆり根+牛乳・鶏卵・ハチミツ
    ⇒精神安定・イライラに
  • ゆり根+小豆・冬瓜・キュウリ
    ⇒利尿・むくみ改善に
  • ゆり根+レンコン・ゴボウ・銀杏
    ⇒咳止めとして

ユリ根活用方法・民間療法

ユリ根をハチミツで和えたものを寝る前に食べると不眠改善に役立つとされています。月経不順・生理痛や更年期障害・PMSなど女性特有の不調の軽減に役立つという説もあります。

すりおろしたユリ根に酢を混ぜたものを打ち身に塗ると治りが早くなる、ユリ根を潰して絞った汁にお湯とハチミツを加えたものを飲むと咳止めになると言われています。

生薬としての百合根の効能

生薬としての百合根は上記でご紹介した気持ちを落ち着かせる・便秘やむくみの緩和以外に、体液を増やして肺を潤す働きがあるとして咳止め・喉の痛み・気管支炎円などの呼吸異型の不良緩和にも取り入れられています。また肌にも潤いをもたらす働きがあると考えられており、乾燥肌やシワなどの肌トラブルの改善にも有効とされているそう。

注意点としては微寒性(やや体を冷やす性質)の食材に分類されており、寒気がある方やお腹が冷えて下痢をする方などは控えたほうが良いとされています。のぼせ気味の方には適していますが、冷え性の方の場合は生姜など体を温める作用のあるものと組み合わせて摂るようにしてみてください。胃腸の調子が悪い時や下痢をしている時は控えたほうが無難です。

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