モロヘイヤとその栄養成分や効果効能
|栄養豊富? 毒性・注意点についても紹介

食べ物辞典:モロヘイヤ

健康野菜の代表格の一つで「野菜の王様」とも称されるモロヘイヤ。葉を細く切ると出てくるネバネバも特徴的ですね。ネバネバ成分ではなくビタミンやミネラルを多く含む食材で、古くからモロヘイヤを食してきたエジプトでは“古代エジプト時代の王様がモロヘイヤスープを食べて健康を取り戻した”という伝説もありますよ。近年はメディアで「クレオパトラの美容食」として紹介されることもあり、美容効果にも期待が集まっています。そんなモロヘイヤの歴史や栄養効果について詳しくご紹介します。

モロヘイヤのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:モロヘイヤ/シマツナソ
英語:Mulukhiyah/nalta jute/Arab’s mallowなど

モロヘイヤのプロフイール

モロヘイヤ(シマツナソ)とは

少し前までは青汁やグリーンスムージーなどの健康食品原料として見かけることが多かったモロヘイヤ。近年は全国的に“生野菜”として販売されることも増え、細かく切ると粘りが出るという特徴を生かした料理も多く考案されています。夏が旬の食材であること・栄養豊富なことから、夏バテ対策としてオクラやツルムラサキなどと合わせてネバネバ丼・ネバネバサラダなどにも利用されていますね。

そんなモノヘイヤは学名をCorchorus olitoriusという、アオイ科ツナソ属に分類される植物。野菜として販売されているモロヘイヤは若葉の状態のもので、成長すると3m以上の高さになります。属名からもうかがえるように、モロヘイヤは繊維の“ジュート(黄麻)”が取れるツナソの近縁種。実は食用として以外に繊維原料としても利用されています。モロヘイヤという呼び方のほうが定着していますが、シマツナソ(縞綱麻)という和名もありますよ。

モロヘイヤという呼び名はアラビア語(エジプト訛りとも言われる)で「王様の野菜」を意味する言葉が語源とされています。古くからモロヘイヤを栽培・食用していたエジプトでは“不治の病で苦しんでいた古代エジプトの王様がモロヘイヤスープを食べて健康を取り戻した”という伝説があることから呼ばれ始めたのだとか。ちなみに英語での表現は人により様々。原産地の呼び方と同じくモロヘイヤという呼び方が定着しつつあるようですが、音から拾っているのでスペルはMulukhiyah, mloukhiya, molokhia, molohiya, mulukhiyya,moroheiyaなどなど様々。それ以外にも植物の産地・分類からArab’s mallowやnalta jute, tossa jute, Jew’s mallowなどと表記される場合もあります。

戦後早い時期にモロヘイヤは日本に伝わりましたが、本格的な普及・栽培が始まったのは1980年代と比較的最近のこと。クレオパトラが美容と健康のために取り入れていたという説・栄養豊富な健康野菜というイメージの普及に伴って需要も増え、近年のスーパーフードブームによっても再び注目されています。栄養価が高いだけではなく、国産が多く流通していること・家庭菜園やプランター栽培で自分で作ることが出来るのも魅力ですね。自分で植えたモロヘイヤでグリーンスムージを作ってみても楽しいかも知れません。

古くからモロヘイヤを食してきたアラブ圏に倣ったスープやシチューなど汁物としての利用のほか、和食としてお浸し・和え物・お味噌汁の具・天ぷらなどにも使われています。そのほか卵とじやチヂミ・パスタなど様々な創作レシピも考案されています。またモロヘイヤの産地ではパンやお菓子・麺類などに練り込んだ特産品も作られていますから、近くて売っていない・ネバネバ食材が苦手という方はそちらから取り入れてみるのもおすすめですよ。

モロヘイヤの歴史

モロヘイヤの原産地はインド説とアフリカ説があります。ただし近縁種であるコウマ(ジュート)がインド~中国と東側で多く栽培されているのに対し、モロヘイヤはエジプトを中心としたアラビア半島~アフリカにかけての地域で古くから栽培が行なわれていたとも言われています。ジュートの葉は苦味がありますが、モロヘイヤは苦味が少なく食べやすかったため野菜としても使われるようになったのでしょう。

モロヘイヤ(王様の野菜)という呼び名が王の病を治したという伝説に起因するとも言われるように、古代エジプトでは既に野菜・薬草として利用されていたと考えられています。また病快癒の伝説ではなく“王族以外は食べる事が禁じられていた野菜”だったとする説もありますから、栄養価の高さ、当時では薬効高い食材として珍重されていた可能性もあるでしょう。古代エジプト(プトレマイオス朝)最後のファラオであり「世界三大美女」の一人とも言われるクレオパトラも、美容と健康を保つために好んで食べていたという伝承がありますよ。

古代エジプトで王族しか食べられなかったのかはさておき、熱く水の少ない地域でも成長するモロヘイヤは熱帯アジア・アフリカ各国の家庭で野菜として親しまれてきました。みじん切りにしたモロヘイヤを鶏肉や羊肉などの煮込みに加える事が多く、モロヘイヤの粘りから日本人から見ると“スープ”と言うよりもシチューやカレーの様な印象なものが伝統料理として食されています。このモロヘイヤスープが定番の家庭料理というエジプトでは、家庭に一つ「マハラタ(マハラテ モロヘイヤ)」と呼ばれるモロヘイヤ専門の包丁があるそう。マハラタはハーブカッターのように湾曲した刃の左右に持ち手が付いた形状で、左右に揺らしてみじん切りにします。

日本でのモロヘイヤの普及には1980年代に飯森嘉助氏らが設立した『全国モロヘイヤ普及協会』の尽力が大きかったと言われています。『全国モロヘイヤ普及協会』では栽培法から料理法まで広く指導したこと・「奇蹟の栄養野菜」などというフレーズと共にモロヘイヤの存在を各方面に紹介したそうです。モロヘイヤという呼び名も、普及させるために飯森嘉助氏らが調べて選んだとされていますよ。栄養価の高さももちろんですが、夏場に収穫して食べられる青菜類ということも好評となり、モロヘイヤは日本で一気に普及していきました。

参考元:野菜の物語/モロヘイヤ | たんじゅん野菜 × iCas

モロヘイヤの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

モロヘイヤは健康野菜・野菜の王様とも称されるように栄養価が非常に高く、ビタミンやミネラルを多く含む食材です。ホウレンソウと比べてもβ-カロテンが約2.5倍・カルシウムが約5倍などモロヘイヤが上回る部分が多く、ネバネバ成分であるムチンやマンナンなどの食物繊維類も含まれているため様々な健康効果が期待されています。

ちなみにモロヘイヤはカロチンがホウレンソウの4.6倍・カルシウムが9倍・ビタミンB1とB2が5倍などという説もありますが、当サイトで栄養成分含有量の参考にさせていただいている『日本食品成分表(2015年版)』においてはそこまでの差異はありません。産地・個体差もあるとは思いますが、過度の期待や過信は避けたほうが良いでしょう。

モロヘイヤイメージ

モロヘイヤの効果効能、その根拠・理由とは?

胃の健康維持に

モロヘイヤの食味として印象的なネバネバには、オクラ山芋と同じく多糖類の一種であるムチン型糖タンパク質が含まれています。ムチンというのは私達の体内でも胃液・唾液・涙など様々な部位に存在する粘液性物質で、粘膜を保持したりその働きを高める役割があります。

モロヘイヤに含まれているムチン型糖タンパク質は私達の体内にあるムチンとは別物ですが、ムチンと似た構造をしていることからムチン様の働き・ムチンをサポートする働きを持つのではないかという説があります。ムチンは強い酸性を持つ胃酸から胃の粘膜を守り、胃炎や胃潰瘍を防いでくれる成分。このためムチン型糖タンパク質を含むモロヘイヤの摂取は胃腸を助ける働きが期待されています。

疲労回復・夏バテ対策に

ネバネバ成分は粘膜を保護・修復して胃の働きを高める手助けだけではなく、構成物質であるタンパク質分解酵素によって食べ物からのタンパク質吸収を助けてくれると考えられています。モロヘイヤにはタンパク質代謝に必要なビタミンB6も100gあたり0.35mgと多く含まれており、ビタミンB1,B2,パントテン酸など3大栄養素の代謝に関わるビタミンB群が全体的に多い傾向にあります。

こうした成分の補給に役立つモロヘイヤは代謝を促して疲労回復を手助けしてくれると期待されています。加えてモロヘイヤはビタミンCも100gあたり65mgと非常に多く、それ以外のビタミン・ミネラルも広く含んでいるので栄養補給源としても役立つ食材です。胃腸をいたわりつつ栄養成分をバランス良く補える食材として、疲労回復や夏バテ予防に繋がる可能性があるでしょう。

便秘・腸内環境改善サポートにも

モロヘイヤは便秘対策としてレシピに取り入れられることも多い食材で、実際に食物繊維量も生100gあたり5.9gと豊富です。ごぼう生100gあたりの食物繊維量が5.7gですし、同じく粘りのあることで一緒に紹介されることの多いツルムラサキは2.2gとなっていますから、野菜類の中でもトップクラスで効率の良い食物繊維補給源と言えますね。ビタミンCも便を柔らかく保つ・腸内善玉菌の増加を助ける働きが期待されていますから、相乗して便秘改善をサポートしてくれるでしょう。

また粘り成分であるムチン型糖タンパク質も食物繊維に分類される成分で、腸内で善玉菌のエサとなって腸内環境を改善する働きが期待されています。そのほか排便時に潤滑剤の様な形で働くのではないか・腸粘膜の状態を整えることで腸内細菌(善玉菌)の定着を助けるのではないかという説もあり、多方面からの便通・腸内フローラ改善に効果が期待されている成分でもありますよ。

貧血・骨粗鬆症の予防に

モロヘイヤは葉酸や鉄分吸収を助けてくれるビタミンCが豊富に含まれていることから、貧血対策にも良いと紹介されます。しかし葉酸含有量こそ100gあたり250μgとほうれんそうを上回りますが、実はモロヘイヤの鉄分含有量は生100gあたり1mgとほうれんそうの半分ほど。栄養バランスを気にしている方や貧血予防という面では役立ちますが、鉄分を補給したいという場合はほうれんそうの方が適しているでしょう。

鉄分こそホウレンソウには劣るものの、モロヘイヤはカルシウムを非常に多く含む野菜。100gあたりのカルシウム含有量は260mgと、生野菜の中では実質トップと言っても過言ではないほど。カルシウムは骨や歯の形成に欠かせない成分で、不足すると骨に蓄えられているカルシウムが血液中へと送られます。モロヘイヤには摂取したカルシウムが骨に沈着するのを助けてくれるビタミンKも豊富に含まれていますから、骨粗鬆症予防に役立つと考えられています。またカルシウムは骨や歯の形成以外に新しい細胞を作るためにも使われますから、育ち盛りのお子さんの成長サポートにも嬉しいですね。

ストレス対策・軽減に

β-カロテンやカルシウムの多さが特出しているため印象が薄いですが、モロヘイヤは生100gあたり65mgとビタミンCを多く含む野菜でもあります。ブロッコリーパプリカなどよりは少ないですが、オレンジなどの柑橘類の約1.5倍の含有量ですから十分に補給源として役立ってくれるでしょう。ビタミンCは抗酸化作用を筆頭に様々な働きを持つとされるビタミンですが、ストレス耐性を高める働きも期待されてていますよ。

ビタミンCがストレス対策にも役立つとされるのは、副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成にも関係しているためです。副腎皮質ホルモンはストレス下で分泌されることが多いため別名「抗ストレスホルモン」とも呼ばれる存在。ストレスかの状況が多い=副腎皮質ホルモンの分泌量が増えるとビタミンCの消費も激しくなることが分かっています。このためビタミンCの補給は副腎皮質ホルモンの正常な分泌を保持し、ストレス抵抗力の低下予防・向上に繋がると考えられています。

モロヘイヤにはビタミンCと同じく副腎皮質ホルモンの生成に関わるパントテン酸も多く、ビタミンCを始めとする抗酸化ビタミン類・カロテノイド・ケルセチンなどもストレスによって生じた活性酸素の抑制にも繋がると考えられます。正常な神経伝達保持に関わるカルシウムも多く含まれていますから、精神疲労や疲労感の軽減・情緒不安定さの軽減にも効果が期待されています。「イライラしやすい方に良い」と言われるのもこうした栄養成分の多さからでしょう。

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免疫力サポート・風邪予防に

モロヘイヤやオクラなど粘りのある食材に含まれているムチン型糖タンパク質は胃粘膜だけではなく、私達の身体に存在する様々な粘膜を保護する働きが期待されています。β-カロテンも体内でビタミンAとして働くことで、ムチン型糖タンパク質と同様に粘膜保護によるウィルス侵入抑制効果があると考えられています。モロヘイヤは生100gあたり10000μgと桁違いのβ-カロテンを含み、同グラムで比較すると「カロテンの王様」と称されるニンジンをも上回るほど。ビタミンA(レチノール)として補給するのと異なり、β-カロテンとして摂取した場合は過剰摂取による副作用リスクも低いので理想的な補給源と言えますね。

そのほかモロヘイヤに抗ウイルス作用を持つインターフェロンの分泌促進作用など免疫系に対する様々な働きかけが報告されているビタミンC、ビタミンCと協力してコラーゲン生成を促しウィルス侵入を防いでくれるケルセチン(ビタミンP)も多く含んでいます。β-カロテン・ビタミンC・ビタミンE・ケルセチンなどは抗酸化物質として働くことでも酸化による免疫機能低下を予防してくれますから、様々な方面から免疫力の保持や風邪予防をサポートしてくれるでしょう。

抗酸化・生活習慣病予防のサポートにも

生100gあたり10000μgとモロヘイヤに非常に多く含まれているβ-カロテンは抗酸化作用を持つ成分でもあります。β-カロテン以外に抗酸化作用を持つビタミンC・ビタミンEもモロヘイヤは野菜類トップクラスと言えるほど多く、フラボノイド系ポリフェノールのケルセチンが含まれていることも認められています。このためモロヘイヤは高い抗酸化力を持つ野菜としても注目され、正常な体の機能・若々しさを保持する働きが期待されています。

抗酸化物質の補給は、血中脂質が酸化がリスクファクターとされている動脈硬化や心筋梗塞の予防にも繋がるでしょう。モロヘイヤのネバネバ成分(水溶性食物繊維類)はコレステロールの吸収を抑制する・排出を促す働きがあることも報告されていますし、ナトリウム排出を促すことで高血圧予防に役立つカリウムも含まれています。また水溶性食物繊維は糖質の吸収スピードをゆっくりにすることで血糖値上昇を抑制する働きも期待されていますから、高血圧・動脈硬化・糖尿病など様々な生活習慣病の予防にも繋がるでしょう。

むくみ・肥満予防に

モロヘイヤはカリウムを100gあたり530mgと多く含んでいます。カリウムはナトリウムの排出を促すことで水分バランスを適正に保津働きがあるため、むくみ改善に役立つミネラルと考えられています。モロヘイヤにはカリウムの運搬・正常な体液循環をサポートしてくれるマグネシウム、血行を整えてくれる抗酸化物質も含まれていますから、塩分過多以外によるむくみの軽減にも効果が期待できます。豊富な食物繊維類による便秘改善と、むくみ軽減からモロヘイヤは見た目をスッキリとさせたい時のサポートとしても役立ってくれるでしょう。

また水溶性食物繊維類による血糖値の上昇抑制作用により、インスリン分泌を穏やかにし、インスリンが過剰な糖を脂肪として蓄積させるのを抑制する可能性もあります。代謝に関わるビタミンB群も多く含まれていること・抗酸化物質などの働きで血液循環が良くなることからは代謝向上効果が期待できます。このためモロヘイヤは肥満予防・ダイエットとのサポートにも取り入れられています。100gあたり38kcalと低カロリーな点も嬉しいですね。

目の健康維持にも

β-カロテンから変換されるビタミンAは、網膜で光を感知する色素タンパク質“ロドプシン”の生成にも利用されています。ビタミンAが不足すると網膜の光に対する反応の鈍化に繋がるため、β-カロテンやビタミンAの摂取は夜盲症の予防や改善にも有効とされています。またロドプシンは目に写った映像を脳へと伝える役割も担っていますから、ビタミンA(β-カロテン)の補給は目の疲れの緩和・視界をクリアにすることにも繋がるのではないかと考えられています。

加えてビタミンAは目や呼吸器などの粘膜を正常に保持する働きもあります。ネバネバ成分である多糖類(ムチン型糖タンパク質)にも目の潤いを保つサポートが期待されています。これは目に“ムチン層”と呼ばれる保護層があり、眼球付近に存在するムチンが涙の安定性において重要である可能性があることが報告されているため。食品からムチン(ムチン型糖タンパク質)を摂取してどの程度“目”のサポートに繋がるかは定かではないものの、β-カロテンの補給と合わせてドライアイの予防・軽減に役立つ可能性もあるでしょう。

妊娠中の栄養補給に

モロヘイヤは妊娠中~授乳中の栄養補給としても適した食材であると考えられます。赤ちゃんの正常な発育に必要とされる葉酸が生100gあたり250μgと多く含まれており、骨や歯をつくるために必要なカルシウムも100gあたり260mg含まれているため補給源として最適というのが第一の理由。お母さんのカルシウム量が不足していると骨のカルシウムが利用され、将来の骨粗鬆症リスクを高めることも指摘されていますから、母体・赤ちゃん両方のために補給したい栄養素の一つと言えますね。鉄分補給にも繋がりますし、ビタミンCやβ-カロテンは風邪予防にも役立ってくれますよ。

美肌保持・肌荒れ予防に

モロヘイヤに多く含まれているβ-カロテンは体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜健康維持を助けたり、肌の新陳代謝を促してくれますビタミンA(β-カロテン)には肌荒れをや肌の乾燥を防ぐ働きもあると考えられていますし、ネバネバ成分であるムチン型糖タンパク質にも皮膚の保護・保水性を高めて乾燥を予防する働きが期待されています。モロヘイヤにはタンパク質の代謝に必要とされ、不足すると皮膚炎や口角炎などの原因にもなるビタミンB6も豊富に含まれているため、合わせて肌荒れや乾燥肌の予防効果が期待できます。

また体内でビタミンAへと変換されなかったβ-カロテンはそのまま抗酸化物質として働きます。他にもビタミンC・ビタミンE・フラボノイド(ケルセチン)などの抗酸化物質が豊富に含まれていますから、複合して紫外線やストレスなどで発生した活性酸素を抑制してくれると考えられます。肌細胞の酸化はを抑えることで肌のアンチエイジング(シワやたるみなどの肌老化予防)にも役立ってくれるでしょう。ビタミンCやケルセチンはコラーゲン生成を促進する働きもあるため、肌のハリを高める働きも期待できますよ。モロヘイヤは「クレオパトラが食べていたエジプトの美容食材」として紹介されることもある野菜。実際に食べていたかはさておき、美肌作りなど美容に役立つ食材である可能性は高いと言えます。

紫外線対策・美白サポートにも

抗酸化物質類は活性酸素の増加を抑制することでシミやシワなどを予防する働きが期待されていますが、ビタミンCはより直接的にシミやソバカスの原因となるメラニン色素を作るチロシナーゼの働きを防ぐ働きがある事が認められています。ビタミンCのメラニン色素生成抑制はあくまでも紫外線対策やシミ予防という意味での美白効果ですが、モロヘイヤには末梢血管を拡張することで血液循環を促してくれるビタミンEも生100gあたり6.5mgと多く含まれています。抗酸化作用と合わせて血行不良によるクマ・くすみ肌対策にも繋がりますから、肌の透明感を高めるという方向でも美白サポート効果が期待できるでしょう。

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目的別、モロヘイヤのおすすめ食べ合わせ

モロヘイヤの選び方・食べ方・注意点

モロヘイヤは生でも食べられないわけではありませんが、独特のえぐみがること・シュウ酸を多く含むことから、生食よりも軽く(10秒程度)茹でて食べたほうが適していると考えられます。特にある程度以上の量を食べる場合にはシュウ酸の問題もありますので軽く茹でてから利用するようにした方が無難でしょう。汁物に使う場合もアクが出るので、一度軽く別の鍋で下茹でした方が美味しく頂けます。

モロヘイヤの利用法としては細かく刻む(叩く)ことで“とろろ”の様なネバネバのペーストを作ることが知られていますが、サッと下茹でしたものはお浸し・和え物・味噌汁の具など普通の葉野菜感覚で様々に使うことが出来ます。茹でることでも若干の粘りは出ますが、細かく刻んだときのように強い粘りではないので炒め物にも合いますよ。エジプトや中東風の煮込み料理やカレーに使われることもありますが、加熱時間が長いとビタミンCが減少してしまいますので最初から入れず後入れにする方法がオススメです。

美味しいモロヘイヤの選び方・保存方法

モロヘイヤを選ぶ時は葉の緑色が濃く鮮やかなもの、葉先・茎の切り口部分が瑞々しくハリのあるものを選ぶようにします。茎が太く立派なものは加熱しても固さが残ってしまうので、細め・手で簡単に折れる程度の柔らかさがあるものの方が使いやすいです。また鮮度が落ちることでも固くなると言われていますので、早めに食べきるようにします。茎が太いもの・とろろのように使うなど茎の食感に邪魔されたくない利用法の場合は取ってしまった方が良いでしょう。

モロヘイヤは生場の状態だとさほど日持ちはしませんし、鮮度が落ちると固くなってしまいます。そのため生状態であれば1~2日程度、長くても3日以内に食べ切るようにしたほうが良いと言われています。保存は冷蔵庫の野菜室で、乾燥を避けるように湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋など密閉できるものに入れて行いましょう。数日中に食べきれないという場合は冷凍保存がオススメ。軽く茹でて水気をしっかりと切った後、一枚ずつラップに挟んで冷凍すると使いやすいでしょう。予め刻んで“とろろ”状態にしてから冷凍することも出来ます。

モロヘイヤの毒性について

モロヘイヤの果実は毒性があり、成熟した種子・サヤや花にはストロファンチジン(strophanthidine)という強心配糖体類が含まれていることが分かっています。ストロファンチジンの摂取は軽度であればめまいや嘔吐、重度になると鬱血性心不全を起こし死亡する危険性もあります。その毒性の高さからアフリカの狩猟民族が矢毒に利用していたとも言われるほど。日本でも人への被害こそ無いものの、モロヘイヤ種子による牛の中毒死が報告されています。

医薬品食品衛生研究所からは食品として市販されているモロヘイヤに毒性がなく安全であることが発表されていますので買ったものを食べる分には問題ありませんが、家庭菜園で栽培・収穫して食べるという場合には注意が必要です。花が咲いてしまったものはサヤ・種子が混じってしまう可能性があるので収穫せず、花が咲く前の葉のみを採るようにすると良いでしょう。茎部分も毒性がある可能性があるので食べないようにします。

食べた後にめまい・吐き気・腹痛など身体の異変を感じた場合は「モロヘイヤが体に合わなかった・副作用だ」などと考えず、医療機関で診てもらうようにしましょう。自己判断で胃薬・吐き気止めなどを飲んでやり過ごそうとは思わないで下さい。また小さなお子さんがいる・ペットを飼われている場合は誤って口に含んでしまわないよう対策しましょう。