みかんとオレンジの違いは何?
-植物・栄養価をサックリ比較!

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概要冬の風物詩として、こたつとセットでお馴染みのミカン。ミカンよりもやや大きくて濃厚なオレンジ。どちらも柑橘類の仲間であることは知られていますし、外見も似ていますが、果皮のむきやすさから味まで違いも多く見られる存在。植物・品種としての違いや、食べた場合の風味・栄養価などオレンジとみかんの違いをご紹介します。

みかんとは

温州みかんのイメージ

みかんの植物分類と歴史

日本全国で一般的に“みかん”として認識されているのは温州みかん(学名:Citrus unshiu)という種の果実です。冬の風景としてこたつの上に描かれているのも温州みかん。100を軽く超えるほど多くの栽培品種が存在しており、名称が紛らわしいですが“有田みかん”や“愛媛みかん”なども温州みかんの一品種もしくはブランド名です。

ミカンやオレンジなど柑橘類の原種は、3000万年前にインド東部のヒマラヤ山脈からアッサム地方に自生していた“野生の柑橘植物”とされています。祖先と言えるものは同じですが、原産地を境に中国や日本など東アジアへと伝えられたものがミカン類欧米に伝わったものがオレンジ類へと変化していったと考えられています。ちなみに温州みかん以外で“ミカン類”として扱われている品種としては、桜島小蜜柑・紀州みかん(Citrus kinokuni)やポンカンを含むマンダリンオレンジ系統(Citrus reticulata)などがあります。

マンダリンオレンジは“オレンジ”なのにミカン類? と思われるかもしれませんが、マンダリンは中国原産。だからこそミカンに含まれるわけですね。温州みかんはマンダリン種(マンダリンの一種)として紹介されることもあります。これは中国経由でマンダリンオレンジが日本に伝わった後に種改良が行われで温州みかんとして確立した=マンダリンオレンジが温州みかんのルーツであるという説があるため。

温州みかんの成立は約400年前、鹿児島県あたりで突然変異によって甘く種がない種が誕生したことがきっかけと言われています。このため英語で温州みかんはWenzhou orangeやCitrus unshiuのほか、satsuma mandarinとも呼ばれています。ただし現在の植物分類ではマンダリンオレンジをCitrus reticulata、温州みかんはCitrus unshiuと分けられていますから、マンダリンオレンジから派生した栽培種であっても別種として扱うほうがポピュラーであると言えるでしょう。

ミカン雑学

今から約400年前に誕生したと言われている温州みかんですが、縁起を担ぐ武士が多かったためか江戸時代前半~中盤にかけては種子がないことから食べると子供が出来にくくなると考えられていたそう。このため縁起の悪い食べ物とされ、誕生当初は九州の一部地域でしか栽培・食用されていませんでした。

ちなみに、江戸時代に紀伊国屋文左衛門が江戸にミカンを運んで大儲けしたという伝承が知られていますが、このミカンは温州みかんではなく紀州みかんだったようです。現在のようにミカン=温州みかんと言うくらいにポピュラーな存在になるのは、明治時代以降と言われています。

文明開化の影響もあったようですし、縁起にはさほど拘らない人々とっては種子がないことは食べやすいというメリットになりました。甘みが強く味が良いこともあり栽培が広がったことに加え、鉄道など輸送機関が発達したことでミカン栽培に適さない寒冷地にもミカンが行き届くようになり全国で愛される果物となりました。

栄養・食材としての特徴

栄養価について

ミカン(温州みかん)の栄養成分としての特徴は、カロテノイドの一種であるβ-クリプトキサンチンが多く含まれていることが挙げられます。『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』によるとミカン(じょうのう)100gあたりのβ-クリプトキサンチン含有量は1700μgと、200μg程度であるオレンジ類に比べて圧倒的に多く含まれていることが分かります。またβ-カロテンも100gあたり180μgと、β-クリプトキサンチンほどの差はないもののオレンジより多くなっています。

そのほかビタミンCやミネラル類・食物繊維なども含まれていますが、オレンジと大きな差はありません。ただしビタミンCを安定化させて吸収を高める・持続時間を伸ばすなどの働きが報告されているヘスペリジン(ビタミンP)が多く含まれている白いスジ部分を無理なく食べられることから、ビタミンC補給には適しているという見解もあります。カロテノイドの多さと合わせてアンチエイジングフルーツとしても支持されているそう。

100gあたりのカロリーは46kcalで、炭水化物量が12.0gとオレンジ類よりもやや多め。

外見・味の特徴

一部例外もありますが温州みかんを筆頭としたミカン類の特徴としては、外皮が薄くて手でも剥きやすいこと・各房を包んでいる薄皮(瓤嚢/じょうのう)が柔らかくそのまま食べられることが挙げられます。温州みかんをイメージして頂くと分かりやすいですが、種子が含まれているものが少いので外皮を剥いた後は房を分けて丸ごと食べることが多いでしょう。味としてはオレンジよりも薄味・サッパリとした印象で、酸味と甘味の両方を感じられます。

↓ミカンの詳細はこちら

オレンジとは

オレンジのイメージ画像

オレンジの植物分類と歴史

オレンジはミカン科ミカン属に分類されるいくつかの柑橘類の総称。大きくはスイートオレンジ(甘橙/アマダイダイ)・ビターオンレンジ(橙/ダイダイ)系の2つに分けられ、私達が普段フルーツとして食べている“オレンジ”はスイートオレンジ類・学名はCitrus sinensisとされています。オレンジの和訳としてミカンが使われることもありますが温州みかんとは別の種ですから「甘橙(アマダイダイ)」という呼び名のほうが的確ではありますね。スイートオレンジの品種も数多く存在していますが、ポピュラーなものとしては普通オレンジ(バレンシアオレンジ)・ネーブルオレンジ・ブラッドオレンジ系の3系統に分けられます。

オレンジもミカンと同じく3000万年前にインド東部のヒマラヤ山脈からアッサム地方に自生していた“野生の柑橘植物”を先祖に持ちます。大きく異なるのは中東やヨーロッパなどユーラシア大陸の西側、もしくはアメリカ大陸で栽培・品種改良が行われたものであるという点ヨーロッパへとオレンジが伝わった時期についてはイスラエルから2世紀頃にローマに持ち込まれた・7世紀にヨーロッパへと伝わった・15世紀頃にポルトガルが中国から持ち帰ったなどの説があります。

伝わった時期に1000年以上の開きがありますが、これは“オレンジ”をどの段階でとらえるかによると考えられます。と言うのも現代のオレンジ群はインドのアッサム地方にあった祖先が中国周辺で品種改良され、更に地中海沿岸地域で品種改良が行われたものを元に派生しています。おそらく2世紀にローマに持ち込まれたという伝承のあるオレンジは私達のイメージするような甘酸っぱいオレンジではなく、野生種に近い苦味の強いものだったと考えられます。

最も一般的なオレンジとされるバレンシアオレンジは19世紀頃にヨーロッパからアメリカへと持ち込まれ、カリフォルニア州で確立した品種。名前はスペインのバレンシア地方のオレンジに似ていたという理由で付けられたのだとか。日本にバレンジアオレンジが伝わったのは明治初期とされていますが、栽培に適さず、明治22年に伝わったネーブルオレンジのほうが国産オレンジの主流となっています。

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オレンジ雑学

インドが原産地とされるオレンジを始めとする柑橘類は、国内でも和歌山県や広島県など温暖な地域で栽培されることが多い植物。ヨーロッパでもスペインやイタリアなど温暖な気候の地域が主産地として知られています、しかし14世紀半ば~19世紀頃は「小氷期」と呼ばれる寒冷期であり、特にヨーロッパはその影響で飢饉が頻繁に発生していました。

このため18世紀前後には温室を作ってオレンジなどを栽培することは、ヨーロッパの貴族・富裕層にとって“富の象徴”とされていました。当時の絵画にオレンジが多く描かれているのもオリエンタルな雰囲気を出す以外に、豊かさや贅沢の象徴という意味合いがあったからなのだとか。ヨーロッパやアメリカ・カナダなどでクリスマスにオレンジを贈る風習があるのも、元は祝い事に相応しい贅沢品であったためと言われています。

栄養・食材としての特徴

栄養価について

オレンジは温州みかんよりもβ-クリプトキサンチン・β-カロテン含有量が少ないことが特徴。またオレンジの種類によっても異なりますがビタミンCや葉酸をミカンよりも多く含む傾向にあり、香りが強い=香り成分であるリモネンによるリラックス効果が期待できるなどが特徴として挙げられています。

100gあたりのカロリーはバレンシアオレンジで39kcal・ネーブルオレンジで46kcal。バレンジアオレンジの場合はカロリーが低いだけではなく炭水化物量も100gあたり9.8gと少ないので、ダイエット中の方には適しているかもしれません。ブラッドオレンジについては『日本食品標準成分表』に記載がないもののカロリーは100gあたり50~70kcal程度と考えられており、独特の色の元となるポリフェノール“アントシアニン”が含まれていることが最大の特徴と言われています。

外見・味の特徴

オレンジ類とミカン類との差異としては外皮が厚く固いことが最も大きいでしょう。これは中央アジア~ヨーロッパにかけての乾燥した地域において、水分を逃さないように変化していったと言われています。また外皮の中に含まれている房を包んでいる薄皮(瓤嚢/じょうのう)も硬めなので、薄皮を除いて果実のツブツブした部分(砂瓤/さじょう)のみを食べることのほうが多いと思います。味と香りはミカン類よりも濃厚。

↓オレンジの詳細はこちら

ミカンとオレンジの違いまとめ

ミカン類もオレンジ類はインド東部辺りに自生していた“野生の柑橘植物”を祖先としているため近い関係にありますが、原産地を挟んで東西に別れ、栽培された地域の気候に合うように確立していったものと言えそうです。日本でポピュラーな温州みかんは中国で品種改良されたものが、日本で突然変異して更に品種改良されたもの。なので、日本原産のミカンと世界に誇っても良いんじゃないかと思います。

マンダリンオレンジは呼び名からして紛らわしいですがミカンの仲間。温州みかんも英語だと「Wenzhou orange」と呼ばれることがあるそうですし、名称のミカンやオレンジというのは和名・英名がゴチャゴチャに入り乱れているので当てにならないケースもあるようです。種類・個体によっても差があるので正確ではありませんが、果皮が手で簡単に剥けるもの=ミカン・果皮を手で剥くのが難しいもの=オレンジと大雑把に分けることも出来ます。

栄養価としてはオレンジよりも温州みかんの方がカロテノイド(β-クリプトキサンチン・β-カロテン)が多く含まれているので、抗酸化物質の補給などを考えた場合はミカンの方が良いという見解が日本国内では強いようです。β-クリプトキサンチンにはマウスを使った実験で脂肪細胞の肥大化を抑制する可能性があるという事が報告なされていることや、温州みかんの特有成分とされるシネフィリン(シネフリン)にも脂肪分解効果が期待できるという説があることからダイエットに取り入れる方もいらっしゃるそう。美容フルーツとしてはミカンに軍配が上がりそうですね。

風味としてはミカンはあっさりめ、オレンジはしっかりと濃い目。このためジャムやジュース・ゼリーなどに加工する場合にはオレンジを使ったほうがハッキリと香りや味が出るという特徴もあります。ミカンもオレンジも皮のハリと色艶がキレイなもので、手に持った時にズッシリとした重さのあるものを選ぶと良いと言われています。

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