【向日葵子】ひまわりの種/サンフラワーシードの栄養・効果

ひまわりの種/サンフラワーシードイメージ

ひまわりの種/サンフラワーシードの主な栄養・期待される効果:後半

冷え性改善・ダイエットサポート

ヒマワリの種の注目成分として「トナリン」という成分があります。トナリンはCLA・共役リノール酸(異性化リノール酸)とも呼ばれる不飽和脂肪酸で、抗肥満作用が期待できることからダイエットサプリメントなどにも配合されています。トナリンの働きとしては脂肪細胞への脂肪酸蓄積を抑制する・脂肪細胞に蓄積されている脂肪酸の放出を促す・カルニチンの働きを助ける働きが報告され、脂肪蓄積抑制と脂肪燃焼促進の両方からダイエット効果をもたらすと考えられています。
※ただし人体への効果についてはデータ不足であるという声や、3000mg以上で効果を発揮するとする説もあります。ひまわりの種子の一日推奨量は10~20g程度ですから、ダイエットに有効とされる十分な量を摂取できるのかなど疑問は残ります。

トナリンの働きは置いておくにしても、ひまわりの種子には血液循環を整える不飽和脂肪酸やビタミンE代謝を助けるマグネシウムやビタミンB群などの栄養成分が含まれています。その働きからも代謝を高めて太りにくい体を作る、運動による脂肪燃焼を高めるなどの働きが期待できます。また精神状態を整える栄養成分を含むことから、ストレスによって分泌され筋肉分解・脂肪合成・老化など嬉しくない働きを持つ「コルチゾール」というホルモンの分泌を抑制する働きも期待できます。

造血に関わる栄養成分と血流改善・代謝向上が重なることで冷え性の改善にも役立つと考えられています。ストレスを緩和したりリラックス出来るようになると副交感神経が活性化され自律神経のバランスが整いますから、こちらからも血流改善や体温調節機能正常化が望めますね。ただしヒマワリの種は100g611kcalと高カロリーで脂質の含有量も多いため、摂り方を間違えると肥満の原因となる可能性も否定できません。食事制限だけのダイエット時に摂取するよりは、運動を取り入れたダイエットのサポートとして役立つと考えられます。

精神安定・ストレス対策

ヒマワリの種はセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の原料となるアミノ酸「トリプトファン」を豊富に含んでいます。100g中の含有量は310mgと牛レバーやチーズと同じくらいで、上を言うならばカボチャの種スイカの種を始め胡麻大豆などもありますが、多くの食材の中では豊富な部類に入ります。トリプトファンに加え、ヒマワリの種には神経伝達物質の合成を助けるマグネシウム・ビタミンB6・亜鉛も豊富に含まれています。

これらの成分を不足ない状態にすることで脳を活性化させる・リラックス状態を作りやすくなると考えられることから、ヒマワリの種はストレスケアや精神安定にも役立つと考えられます。睡眠ホルモンとして知られるメラトニンはセロトニンと密接な関わりがありますから、不眠(特にストレス性の不眠)対策としても役立ってくれるかもしれません。ヒマワリの種は鬱病の改善などに対しても効果が期待されているそうです。

美肌作り・アンチエイジング

ヒマワリの種には抗酸化作用を持つビタミンEや、抗酸化を助ける亜鉛・マンガン・セレンなどのミネラルを含んでいます。また皮膚の代謝を促すビタミンB群や亜鉛なども含まれていますし、鉄分や葉酸などが充分に摂取され貧血が改善すること、不飽和脂肪酸やビタミンEによって血行が促進されることなども美肌作りのメリットとなります。

これらの成分が複合して働くことでシミやシワなど肌の老化や肌のくすみを予防するとともに、ターンオーバーを促進して出来てしまったシミやニキビ跡などの改善を助ける働きがあると考えられています。そのほかストレスを緩和させる・便秘改善などの働きからは、ストレス性の肌荒れやニキビ改善効果も期待できます。

かぼちゃの種・スイカの種との比較

ナッツ・シード類イメージ

日本ではあまり「食材」として認識されていなかったカボチャ・スイカ・ヒマワリの種。三大栄養素の比率などは比較的近いですが、ビタミン・ミネラルの含有量にはハッキリと違いが見られます。どちらも食品ですから選ぶ場合には風味が大きなポイントとなるのはもちろんですが、サプリ感覚で食事に加える場合は成分を考えて選んでみると良いかもしれません。

大まかにはビタミン系ならヒマワリの種ミネラル系ならカボチャの種バランス型であればスイカの種と言えるでしょう。カボチャの種はミネラル含有量(カルシウム以外)が高いこと、ヒマワリの種は脂質・糖質の割合が高くタンパク質が少ないこと、ビタミン類の含有量が傾向にあります。スイカの種は良く言えばバランス型、タンパク質の割合が多くカロリーが最も低いのでダイエットにも向いています。

また女性ホルモン(エストロゲン)作用が期待されるリグナン類を含むカボチャの種、含まないヒマワリ・スイカの種という点も大きな違いになります。リグナンは食品から少量を摂取する程度であれば妊娠中でも問題ないとされていますが、フィトエストロゲンの摂取に不安がある方・妊娠中は控えたほうが良いとする声もあります。デリケートな時期においてはヒマワリの種・スイカの種のほうが安心感が高いかもしれません。

カボチャ種・ヒマワリの種・スイカの種栄養比較

ヒマワリの種の特徴

ヒマワリの種はカボチャの種と比べ鉄分や亜鉛などの含有量が劣るもののビタミン類が多く、トリプトファンから神経伝達物質を生成する際に必要となるビタミンB6や精神安定に役立つカルシウムが豊富など関連する栄養成分がバランスよく含まれていることが特徴です。リグナン(フィトエストロゲン)を含まないこと・葉酸やカルシウムなどが豊富なことから妊娠中・授乳中の栄養補給源としても優れています。

またビタミンB群の含有量が多く、副腎皮質ホルモンの合成を助けることでストレス耐性を高める働きが期待できる「パントテン酸」も多く含まれていますので、ストレスが多い・イライラしやすい時などにも役立つと考えられます。ただし3つのうち最も糖質・脂質が多くカロリーが高いので食べ過ぎには注意が必要です。

カボチャ・スイカの種の特徴

カボチャの種は鉄分などミネラルを多く含んでいます。またリグナン(フィトエストロゲン)を含むことから、エストロゲン不足による更年期障害や骨粗鬆症の予防や緩和、ホルモンバランスの乱れが気になると言った場合はカボチャの種のほうが適していると考えられます。

⇒カボチャの種の詳細

どの種も共通ですが、一日の摂取量は10~15g程度が良いとされています。高カロリー・高脂質の食材ですから食べ過ぎには注意が必要。カロリー・糖質・脂質を少しでも控えたいという場合には、最も低カロリーで高タンパクなスイカの種の方が良いでしょう。

⇒スイカの種の詳細

ひまわりの種/サンフラワーシードの食べ方

ヒマワリは観賞用、採油用、食用の3つに分かれています。観賞用の種子も毒があるなど食べられないという訳ではなく、種子が小さい・剥きにくい・風味が劣るなどの理由から“食用には適さない”と言われています。食用種の特徴としては花が大きく種子が沢山出来るもの・黒い縞の濃いものと言われていますが観賞用でもそういった品種がありますので、ヒマワリの種を採って食べることまで考えて栽培する場合は「食用ヒマワリ」と書かれた種を買って植えるのが無難と言えるでしょう。

ヒマワリの種の採取から食べるまで

大きな花の真ん中に沢山付いているヒマワリの種。花が咲いているうちはまだ未熟なため、花が完全に咲き終わって1ヶ月後くらい・葉が枯れて茎が変色し朽ちかけているくらいになってから収穫すると良いと言われています。手で触って簡単に種が外れるというのも目安になります。

花からとったヒマワリの種は広げて3日~1週間くらい天日干しします。乾燥後は綺麗に水洗いした後、塩水に30分ほど浸けます。水を切ったものにお好みで塩を振ってフライパンもしくはオーブントースターで殻がパキパキっと割れやすくなるまでローストすれば完成です。ローストする前に電子レンジで水分を飛ばすしておくと失敗しにくいそう。

天日干しの過程でカビが生えてしまったりすることもあるようなので、個人的にはナッツ売り場や製菓コーナーなどで商品として売られているものの購入の方がオススメです。ペット飼料として売られているヒマワリの種を使う場合は水洗い・塩水に付けて焼けば良いので、塩分が気になる方などはそちらを使ってみても良いかもしれません。

殻付きヒマワリの種の食べ方について

海外では外殻付きのまま塩などの調味料を混ぜているものがメジャーだそうで、メジャーリーガーなどがペッと殻を吐き出しながら食べている光景を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。何個もまとめて口に含んでいる方は口の中で殻を割り、舌で中味を取り出している(取り出した後の殻は口の中に溜めている)そうですが、チャレンジするには勇気と舌の器用さが要ります。
比較的簡単な方法といえば、先が丸い方を手に持ち、尖っている部分を軽く加えながら指を捻って殻を裂くように割り、中の実(仁)部分だけを前歯で引き抜いて食べると言われていますが、こちらも慣れるまでは難しいです。

文化の違いもあり日本で殻をペッと吐き出しても“かっこいい”よりも“汚い”と見られます。殻付きのヒマワリの種を買った・どう食べていいのか分からないという場合は、ちょっと面倒ですが爪を立てるかハサミで切れ目を入れて食べたほうが良いのではないかと思います。

ひまわりの種/サンフラワーシード活用方法

ひまわりの種子はナッツ感覚でそのまま食べる以外に、主にミュズリーや製菓・製パン原料として利用されています。クセがないため和食系の和え物・炒め物などにもよく合います。栄養成分的にはサラダのトッピングとして使うなど、ビタミンCが豊富なものと組み合わせると互いの効果を高めてくれると考えられます。またカボチャの種と同様に中の実(仁)部分を焙煎してコーヒーのように飲むこともできるそうです。

ひまわり油(サンフラワーオイル)はリノール酸が多いため不飽和脂肪酸のバランスの問題から使わないようにしているという方もいらっしゃいますが、近年はリノール酸が~20%・オレイン酸が40~80%の高オレイン型・ハイオレイックタイプと呼ばれる油が主流となっています。オレイン酸80%となるとほとんどオリーブオイルと変わらないですし、サンフラワーオイルはクセがなく軽い感覚で料理を選ばず使いやすいので活用してみてください。