シナモンとその栄養成分・効果効能
|桂皮? 肉桂? 毛細血管が若返るって…?

食べ物辞典:シナモン

珈琲や紅茶、アップルパイなどに使われることの多い、甘く温かみのある香りが特徴的なシナモン。世界的に重要視されている香辛料の一つでもあり、香辛料の中でも歴史が古いものの一つにも数えられている存在です。近年はシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)に毛細血管を丈夫に保つ働きがあることをはじめ、認知症や糖尿病予防など私達の健康をサポートしてくれる可能性があることも報告され注目されていますよ。そんなシナモンの種類や歴史、含まれている成分と期待される健康メリットについてご紹介します。

シナモンのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:肉桂(ニッケイ/ニッキ)
英語:cinnamon

シナモンのプロフイール

シナモンとは

シナモンはシナモンコーヒーをはじめ、アップルパイ・クッキーなどのお菓子の香り付けなどに使われる甘い香りが特徴的な香辛料。どことなくホッとする、人によっては身体がポカポカと温まるように感じる、ぬくもり感のある香りではないでしょうか。胡椒・クローブ・ナツメグとともに「世界4大スパイス」と言われるほど世界的に使用されている香辛料の一つでもあり、その香り高さから「スパイスの王様」と称される事もある存在です。甘くスパイシーな香りはお料理に使うのこそ少し難しいですが、コーヒーや紅茶・ココアなどの飲み物類や果物との相性は抜群。ご家庭のキッチンに無くても困るような存在ではありませんが、あるとお菓子や飲み物などに香りと深みを与えてくれるスパイスですよ。

パウダーもしくはスティック状の香辛料として販売されているシナモン。言葉としてはクスノキ科ニッケイ属(Cinnamomum)に分類されるいくつかの樹木、もしくはその樹木を原料とした香辛料の総称として使われています。一口にシナモンと言ってもいくつか種類があるんですね。一般的に最も洋菓子などに使う香辛料“シナモン”としてイメージされやすいのが、英語ではTrue cinnamon(トゥルーシナモン)とも呼ばれているセイロンニッケイ(学名:Cinnamomum verum/セイロンシナモンとも)と呼ばれる種類。シナモンスティックと呼ばれる、内樹皮と言われる幹の皮にあるコルク状の部分を香辛料として利用されています。スパイシーではありながら、甘くまろやかな芳香が特徵です。

そのほかシナモンと呼ばれる香辛料には近縁種のシナニッケイの樹皮を原料とするシナモンカッシアや、日本にも自生しているニッケイの木の根皮を原料としたニッキもあります。コーヒーもしくは洋菓子・インドのマサラチャイなど“海外”の香辛料というイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんが、八つ橋やニッキ飴など日本のお菓子で使われているニッキ(肉桂/ニッケイ)というのもシナモンの一種なんです。どれもニッケイ属に分類される“シナモン”には違いありませんし、似通った雰囲気がありますが、植物としての種も風味の印象も異なっています。私達のおなじみのニッキも、シナモンよりもシャープな印象のある香りですよね。このためセイロンニッケイをトゥルーシナモンと呼ぶのに大して、ニッケイを原料とするものをニッキ、シナニッケイを原料とするものをシナモン・カシアと呼んで区別することもあります。

ただしスーパーなどの量販店で一般的にシナモンとして流通しているのは、セイロンニッケイではなく近縁種のシナニッケイ(学名:Cinnamomum cassia/トンキンニッケイ)の方。日本だけではなく世界的に見ても同様で、流通量に圧倒的な差があるのだとか。ちなみに生薬の桂皮(ケイヒ)や肉桂(ニッケイ)として用いられているのは、シナモンカシアが主と言われています。さらに生薬としては幹皮部分は桂皮(肉桂)・細枝部分は桂枝と呼び分けられ、それぞれ似て非なる効能を持つと考えられています。ただし桂皮と桂枝の区別が日本では曖昧で、原料としても“トンキンニッケイやその他同属植物”とアバウトな面が多々あります。なのでシナモンやニッキは「食べる生薬」と表現することについては是非両方の意見がありますが、誤りではないわけですね。生薬とは若干異なりますが、身近な香辛料であるシナモンも健康サポートに役立つ食材であると考えられています。一時期は“血管の若返りをサポートしてくれるスパイス”として紹介され注目されたこともありますね。

シナモンの歴史

シナモンはスパイスの中でも特に歴史が古い、世界最古のスパイスの1つと称されています。人々がシナモンを使用し始めたのがいつ頃からかは断定されていないものの、紀元前4000年頃にはエジプトでミイラの防腐剤として使用されていたことが分かっています。古代エジプトではミイラ作りのためのエンバーミングにシナモンの香油を利用したほか、聖なる香油・香煙として宗教儀式にも取り入れていたと考えられています。良い匂いを放つ植物として権力者や富裕層の生活の中で、一種の嗜好品と押して使われていたという見解もあります。紀元前のうちには古代ギリシアや古代ローマでもシナモンは貴重品、神様への捧げ物として珍重されていたと推測されています。

また、古代ギリシャではシナモンの甘美な香りから「愛をかきたてる」香辛料と考えられ、深い愛情を示す最高の贈り物として王侯貴族に重宝されていました。暴君とも呼ばれるローマ皇帝ネロにも、最愛の妻の死後、ローマで使用される1年分のシナモンを愛の証として焚いたという逸話も残っていますよ。金よりも価値があるスパイスの一つとされていた時期もありますから、かなり豪勢な弔いではあったのでしょう。こうした風習や伝承からシナモンは“愛のスパイス”として知られるようになり、媚薬としての利用も増えていったようです。信仰的な用途だけではなく、冷蔵庫のなかった時代ですからシナモンは食べ物の“保存料”としても重宝されていました。現在でも欧米のクリスマスの料理にシナモンなどの香辛料がふんだんに使用されるのは、宗教的な重要性の名残だけではなく、祝祭日までごちそうを保存しておくために香辛料が必要だった名残ではないかという見解もあります。

種が違う可能性は高いものの、インドや中国など東洋でも古代からシナモンは重宝されてきました。中国で桂皮(ケイヒ)や肉桂(ニッケイ)と呼ばれる生薬はトンキンニッケイと呼ばれる近縁種を原料としていますが、日本では“トンキンニッケイやその他同属植物”と広く捉える場合もあります。中国医学の中で桂皮は補陽・温裏・止痛・温通などが主な効能とされ、手足の冷えや腹痛・下痢などの消化器系トラブルに取り入れられることが多いと言われています。桂枝茯苓丸や葛根湯などの処方にも配合されていますよ。そのほか無月経やのぼせなど女性領域のトラブルに関しても……と実に様々な用途で使用されてきました。

日本にもシナモンは中国から、薬の一つとして伝えられました。非常に古い時期に伝来したスパイス群の一つに数えられており、奈良時代(8世紀前半)にはシナモンが「桂心」という名で薬物として持ち込まれたことが分かっています。このとき伝わった生薬は現在でも正倉院の御物の中に保存されています。ちなみに日本のシナモンと呼ばれるニッキ(肉桂)は18世紀前半、享保年間に中国から伝えられたと言われています。お正月に1年間の邪気を払い長寿を願って飲む“お屠蘇”を作る時に使う屠蘇散の材料としてもシナモン(肉桂)が使われています。お屠蘇が日本に伝わってすぐの奈良~平安時代には宮中儀式として飲まれていただけでしたが、江戸時代になると庶民の間でもお正月の定番として親しまれていたようですよ。

シナモンの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

シナモンは100gあたりの栄養価で見るとカリウム・カルシウム・鉄分などのミネラルを非常に多く含む食材で、ビタミンB群やポリフェノールなども多く含有しています。しかし野菜などのようにそのまま食べるものではなく、香辛料(スパイス)として利用するため一日に摂取する量としては0.数グラム~数グラム程度。栄養補給面では役立ちません。しかしシナモンにはTie2活発化・毛細血管の若返りを助ける可能性があると注目された“桂皮アルデヒド”など、少量でも体に働きかける薬効成分や非栄養性機能物質と呼ばれる成分が含まれています。このため健康維持や美容面のサポーターとして注目されていますし、飲み物に加えるだけど手軽に取り入れられるというメリットもありますよ。

シナモンイメージ

シナモンの効果効能、その根拠・理由とは?

毛細血管の保護・老化予防に

シナモンに含まれている成分・期待される効果として、近年最も注目されているのはTie2(タイツー)の活性化による毛細血管の保護・修復効果と言っても過言ではないでしょう。私達の体には動脈・静脈という大きい血管と、毛細血管と呼ばれる細い血管があります。実は毛細血管は人間の血管全長の95%を占めており、全てを繋ぎ合わせると人一人の文だけで地球を2周以上出来るほど。想像できないほど私達の体に沢山ある毛細血管ですが、それらは細く脆いため刺激によって傷つきやすい存在もであります。

毛細血管は内側と外側の二重構造になっていて、Tie2(タイツー)という分子で繋がっています。しかしTie2の活動は年をとるほど低下していき、それによって血管の外側が壊れていってしまう=血液循環が行われなくなり毛細血管が消滅していってしまうと考えられています。メディアで「ゴースト血管」と呼ばれるのがこの状態ですね。加齢によって毛細血管は減少していき、70~80代になると30代の頃よりも4割位血管が少なくなるという報告もあります。しかしシナモンに含まれているシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)は血管の内側と外側を繋ぐ成分Tie2の活性化を促進させることで、毛細血管を若々しい状態で保ってくれる・毛細血管の修復を促してくれる働きを持つ可能性が報告されています。

この桂皮アルデヒドの働きによってTie2が活発化する=ボロボロになった血管を蘇らせ末端部まで血液を行き渡るようサポートしてくれると、毛細血管を維持するだけではなく毛細血管の減少よって起こる様々な不調や老化予防にも繋がると考えられています。下記でご紹介する末端冷え性の軽減やお肌の老化予防・アレルギー・内蔵機能低下などその働きは多岐に渡ります。若々しさや健康であるための下地を作るための成分として注目されているとも言えますね。一時期はTVやネットニュースなどメディアでも大々的に取り上げられていたため、聞き覚えのある方も少なくないのではないかと思います。

血行不良・冷え性緩和

シナモンに含まれているシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)は毛細血管を丈夫に保つように働きかけると共に、血管拡張作用によって末端部まで血液が送りやすい状態を作る働きも持つと考えられています。加えてアラキドン酸という脂肪酸が血小板から放出されるのを抑制することで血液の凝固を防ぎ、血液をサラサラ状態にする働きも期待されていますから、血液の通り道と血液の状態、両方を整えてくれる成分として注目されています。

この働きからシナモンは血液循環が滞ることで起こる冷え性や肩こりなどの不調、血栓などの予防に役立つ食材と考えられています。シナモン自体が高い抗酸化作用を持った食材であることも報告されていますから、抗酸化作用と合わせて高血圧や動脈硬化などの生活習慣病発症リスク低減にも役立ってくれる可能性があるでしょう。

漢方生薬としての効能でもシナモンは体を温める体を温める性質があり、冷え性の軽減に役立つ食材と考えられています。かつて愛の香辛料と見做されていたシナモンの“媚薬効果”も、一説では血流を良くして体を温めること・精神面での高揚作用の2つに起因するのではないかと言われていますよ。血行不良による末端冷え性に高い改善効果が期待出来ますし、抗酸化作用やメンタル面のサポートからも冷えの原因となる代謝機能の低下や自律神経の乱れなどを抑制してくれると考えられます。

抗酸化・生活習慣病予防

シナモンはTie2の活性化を促して毛細血管を正常に保つ働きが期待されるシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)を含むだけではなく、ポリフェノール、フェノール酸、フラボノイドなど様々な抗酸化物質を含んでいることが注目されているスパイスでもあります。このため活性酸素を抑制・除去することからも、酸化によって器官の機能低下や動脈硬化などの発症リスクが高まってしまうことを予防してくれると考えられます。またシナモンに含まれているプロアントシアニジンにははインスリンの分泌や働きをサポートすることで血糖値上昇を抑制・安定化させ、糖尿状予防にも役立つ可能性があることが報告されています。

それ以外にもシナモンの持つ血糖値上昇抑制効果についての研究は様々にあり、2001年の『Journal of the American College of Nutrition』にはシナモン由来のヒドロキシカルコンがインスリン模倣物として作用しインスリン抵抗性の治療に役立つ可能性が、2011年には『Plant Foods for Human Nutrition』にはセイロンシナモン樹皮抽出物に食後血糖上昇抑制効果がある可能性が報告されています。反対にプラセボ以上の効果は見られないという研究報告もあり、まだ有効性が断定されるほどの段階ではありません。薬としての応用については更なる研究が必要な段階ですが、抗酸化物質の補給にも繋がるため、日々の暮らしの中でⅡ型糖尿病の予防や悪化抑制としてシナモンを取り入れるという方もいらっしゃいます。

プロアントシアニジンにはLDL(悪玉)コレステロールの低減作用も報告されています。シナモンにはプロアントシアニジンのほかクマリンやオイゲノールなど抗酸化作用を持つ物質も多く含まれていること、シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)によるTie2活性化・血流改善なども期待できますから、複合して動脈硬化や心臓病のリスク低減・糖尿病合併症予防など様々な病気の予防に役立つのではないかと注目されています。医薬品のような劇的な改善を求めるのはお門違いですが、健康のために適度に取り入れるには良い食材というところですね。

ストレス対策・記憶力保持に

シナモンの有効成分とされているシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)は、シナモン独特の香りを形成する精油成分でもあります。シンナムアルデヒドなどの成分によって作られるシナモンのスパイシーかつ甘い香りは鎮静作用と高揚作用の両方を有していると考えられており、ストレスによる精神的な疲労や気持ちの落ち込みなどを軽減する働きが期待されています。シナモンのアロマもありますね。孤独感を感じている場合にも温かみのあるシナモンの香りが心を癒してくれると言われていますし、抑うつの治療補助として取り入れられることもあるそうですよ。シナモンの香りを嗅ぐことで脳の機能を高め、記憶力向上効果が期待出来るという説もあります。

また、シンナムアルデヒドによる毛細血管の減少予防効果も脳への血流を確保し脳細胞の破壊抑制に繋がること、シナモンには様々な抗酸化物質が含まれていることもあり、認知症予防や悪化防止をサポートしてくれるのではないかという期待も寄せられています。2009年の『Journal of Alzheimer’s Disease』にはアルツハイマー病の特徵として挙げられる脳へのタウタンパク質蓄積を抑制する可能性を示唆した報告がなされており、同様の研究報告もいくつか存在しています。加えて2014年の『The Journal of Neuroimmune Pharmacology』にはパーキンソン病マウスを使った実験でシナモンが神経細胞の保護、神経伝達物質レベルの正常化、運動機能改善に有益であることを示唆した報告も掲載されています。動物実験段階の話ではありますが、シナモンはパーキンソン病やアルツハイマー病などの神経障害の予防に役立つ可能性がある香辛料としても研究が進められています。

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むくみ予防・軽減に

毛細血管が脆いと漏れ出す水分をリンパが処理しきれなくなりむくみが起きる可能性があります。このためシナモンに含まれているシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)のTie2活性化による毛細血管老化・減少予防や血行促進機能は、むくみの改善にも繋がると考えられます。多量摂取した場合の危険性が指摘されているクマリンも適量であれば血液循環を促すことでリンパの流れを良くする働きが期待されていますから、相乗して体液循環を整えむくみを予防してくれるでしょう。精神的なサポートによって自律神経のバランスを整えることもむくみ予防に繋がります。

ちなみにシナモンは100gあたり550mgのカリウムが含まれている・体液循環をサポートしてくれるマグネシウムが豊富だとする説もありますが、実際の摂取量は多くても1~2g程度計算すると、補給できるカリウムは10mg程度と考えられます。ナトリウム摂取量が気になる時のむくみや高血圧の方に良いとする見解もありますが、カリウム補給源としては考えないほうが良いでしょう。シナモンティーを飲んでいるから大丈夫、などと考えると残念な結果になってしまうかもしれません。

便秘改善・肥満予防にも

シナモンの持つ血行促進や抗ストレスなどの働きは、胃腸機能を整えることにも繋がります。シナモンは消化機能サポートに高い働きを持つスパイスとも言われていますから、食欲不振や消化不良のほか便秘・下痢・お腹のハリなどの軽減に良いという説もあります。また近年はシナモンに優れた抗バクテリア作用があることも報告されており、腸内の善玉菌を減らさずに悪玉菌のみを減少させる働きも期待されています。腸内フローラが気になる方も取り入れてみると良いかもしれませんね。

加えて、血糖値の急激な上昇を抑制することは糖を脂肪として溜め込みにくくすることにも繋がります。便秘やむくみを軽減することで老廃物の排出を促すことと合わせて、太りにくい体質つくりのサポートとしても期待できるでしょう。さらに近年ではシナモンには脂肪細胞を縮小化させる作用がある可能性も報告されており、シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)のTie2活性化・血流改善と合わせてダイエットのサポーターとしても注目されています。シナモンの甘い香りは空腹感と甘いものへの欲求を抑えるのに役立つという説もありますし、気持ちの落ち込みを和らげてくれる香りでもありますから、自分との孤独な戦いでもあるダイエットのお供にも心強いですね。コーヒーや紅茶を飲む時についお砂糖を入れすぎてしまう方であれば、シナモンを入れると砂糖の減量にもなりますよ。

風邪・感染症予防に

シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)は優れた殺菌・抗菌作用を持つ成分でもあります。古くシナモンは防腐剤としても利用されていたと伝えられていますが、経験的に何らかの効果が分かっていたのかもしれませんね。近年でもアメリカのトゥーロ大学で行なわれた実験ではシナモンに抗ウィルス作用が認められ、風邪やインフルエンザ・ヘルペスなどの感染症予防への有効性も報告されています。風邪予防という点では血行を良くして体を温めてくれる働きがあることも、大きなメリットと言えるでしょう。初期症状のケアは勿論ですが、体が温かく保たれる・腸内フローラのバランスが良くなることなどから免疫力そのものの向上も期待できます。

美肌保持・アンチエイジングに

肌細胞に酸素や栄養素を供給するのは主に血液の働き。そのため補給路と言える毛細血管をしっかりと保つことは肌へ栄養を行き渡らせ、肌のコンディションを保つことと密接に関わっています。このためシンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)のTie2活性化による毛細血管老化・減少予防や血行促進という働きは、お肌の新陳代謝を高めてターンオーバーが促進・ハリやみずみずしさを向上にも役立つと考えられます。血行不良の改善や腸内フローラを整える働きが期待できますから、クマ・くすみの改善に繋がる可能性も高そうです。

またシナモンの毛細血管の保護・修復作用は毛細血管の減少や損傷から起こるシミ、シワ、たるみの予防改善にも繋がります。シナモンにはプロアントシアニジンやクマリン他抗酸化作用を持つポリフェノールも豊富。このためシナモン全体としては強い抗酸化作用を有することも認められていますし、プロアントシアニジンによる血糖値上昇抑制から抗糖化の面でもアンチエイジングをサポートしてくれるのではないかと期待されています。抗酸化・抗糖化・毛細血管の保持と、3方面から若々しさを支えてくれる食材として美肌作りに取り入れられているのっも納得ですね。

美髪保持・抜け毛予防にも

シナモンの毛細血管保持・血行促進作用や抗酸化作用などは肌だけではなく頭皮・髪の状態を整えることにも繋がります。頭皮へとしっかりと血液・栄養が行き渡ることで抜け毛や薄毛予防にも良いのではないかと注目されており、男性にも取り入れられることが増えています。シナモンの摂取から補給できるのは微々たる量ですが、髪の健康維持に必要なビタミン・ミネラルが含まれていることも何らかの関係があるのでは?という見解もあるようですよ。

目的別、シナモンのおすすめ食べ合わせ

  • シナモン+クルミ・ココア(カカオ)・ワイン
    ⇒アンチエイジング
  • シナモン+りんごバナナ・ヨーグルト
    ⇒胃腸を整える

シナモンの食べ方・注意点

シナモンの一日の摂取量は0.6g~3g程度が適量と言われています。シナモンは振り掛ける程度でも有効な量が摂取できるとされていますし、クマリンは過剰摂取した場合肝障害を誘発する危険性がありますので過剰摂取はおすすめできません。クマリン含有量はセイロンシナモンが最も低いことが分かっていますので、気になる方はセイロンシナモンを選ぶようにしましょう。香り・品質としてもセイロンシナモンが最高と言われていますよ。

女性の体への働きについて

シナモンは若干の子宮刺激作用もしくはホルモン様作用を持つスパイスとも言われています。血行促進作用と合わせて生理痛の軽減効果が期待されているほか、ホルモンバランスの調整や月経周期の安定に役立つとする説もあります。むくみ改善や気持ちの落ち込みを軽減してくれるなどの働きもありますから、更年期障害やPMS(月経前症候群)の軽減にも取り入れられることがあるようです。

こうした働きからシナモンは子宮収縮を促す可能性がある、妊娠中の使用は避けた方が無難な食材とされています。しかし食品として摂取した場合の作用は弱く、ごく少量であれば影響は少ないと考えられるため妊娠初期以外はフレーバーとして微量使うくらいなら問題ないとする見解もあります。自分でシナモンパウダーを振りかけるなどするのは控えた方が良いですが、アップルパイのアップルフィリングに使われているものなどは「気にしすぎる」必要は無いでしょう。

参考元:Cinnamon’s Spicy HistoryCinnamon: A Multifaceted Medicinal Plant10 Evidence-Based Health Benefits of Cinnamon血管を健康に保とう | はじめよう!ヘルシーライフ | オムロン ヘルスケア