ピーナッツ(落花生)とその栄養成分・効果効能
|老化・肥満予防に注目される理由や注意点は?

落花生/ピーナッツイメージ

ピーナッツ(落花生)とは

バタピーをはじめとしたおつまみやチョコレート菓子、ピーナッツバターなど、日本でもお馴染みの落花生。沖縄の“ジーマーミ豆腐(ピーナッツ豆腐)”や千葉県の“味噌ピー(ピーナッツの味噌炒め)”など地域色の強い料理方法があるほか、北海道・東北・千葉県などの一部地域では節分の豆まきに大豆ではなく落花生をまく地域もあるなど、日本全国で親しまれている食材の1つと言えるでしょう。脂質が多いので長年避けられやすい存在でもありましたが、近年のダイエットの傾向やナッツブームから健康食材としても見直されています。

呼び名としては英語であるピーナッツという呼称も定着しており、こちらの方が馴染みのあるという方もいらっしゃるかもしれません。落花生もピーナッツも実質同じものを指しますが、日本では殻付きのものは落花生、炒ったものはピーナッツと呼び分けるのが一般的と言われています。ただし和菓子もしくは中華料理の原料としては、殻がなくても落花生という言葉を使うことが多いようです。その他の呼称としては沖縄の方言「ジーマーミ」もよく知られていますし、唐人豆や異人豆などと呼ぶ地域もあるようです。

ピーナッツという名前からナッツの仲間という認識があるためか、ピーナッツも木になっている印象を持たれることが少なくありません。しかし実際は地中にもぐって実をつける植物。と言っても塊茎野菜のように初めから地中に実るわけではなく、落花生の花が受粉・受精したのち子房柄とよばれる蔦が下に伸びて土に刺さり、土の中に入ってから膨らんで殻付きの実が形成されます。花が落ちるようにして地中に実を生むこの性質が「落花生」という和名の由来です。

ピーナッツは世界各地で栽培されている作物で、世界中の品種を数えると1600種類以上になるとも言われています。品種は大きくバージニアタイプ・スパニッシュタイプ・バレンシアタイプの3つに分けられるそうですが、日本では主にバージニアタイプが栽培されています。また出来る粒の大きさからバージニアタイプを大粒種、スパニッシュ・バレンシアを小粒種として分けることもあるそう。日本での生産第1位の千葉県と茨城県の2県で、全国生産量のほとんどの国内生産量を占めていると言われています。

ピーナッツ(落花生)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

ピーナッツは乾燥状態であれば全体重量の45~50%を脂質が占めています。100gあたりのカロリーは生落花生で295kcal、一般的に食べられる乾燥落花生(ピーナッツ)であれば562kcal。かなり高カロリーに感じますが1日のピーナッツ摂取上限量は30粒程度とされていますから、一粒を0.5gとした場合は15gで84kcal程度となります。

高脂質なイメージがありますが良質のたんぱく質も多く含んでおり、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。ビタミン類には偏りがありますがビタミンEとビタミンB群の含有量が多く、また薄皮には美容面でも注目されているポリフェノールの一種レスベラトロールが含まれています。

ピーナッツはこんな方にオススメ

  • 抗酸化・老化予防に
  • コレステロールが気になる方
  • 便秘予防・肥満予防に
  • ダイエットのサポートに
  • ストレス対策・イライラ予防
  • 記憶力・集中力を高めたい方
  • 血行不良・冷え性軽減に
  • 更年期障害の軽減に
  • 生理不順・PMSの緩和に
  • 肌のアンチエイジングに
  • 肌荒れ・乾燥予防に
  • 美白(シミ・くすみ予防)に

下記ではこうしたお悩みがある方にピーナッツが良いとされる理由や、アレルギー・食べ過ぎによるデメリットや副作用などを詳しくご紹介します。

抗酸化・アンチエイジング

ピーナッツの薄皮(渋皮)にはポリフェノールの一種で、サプリメントとしても最近人気を集めているレスベラトロールが含まれています。レスベラトロールは若返りの成分と呼ばれるほど強い抗酸化作用が認められています。加えてビーナッツは抗酸化作用を持ち「若返りのビタミン」と称されることもあるビタミンEも含んでいます。ビタミンE含有量は100gあたり10.1mgとアーモンド(31mg)には敵いませんが、クルミピスタチオは含有量が1mg台ですからナッツ類では豊富な部類であると言えるでしょう。このため抗酸化作用に優れたナッツ・アンチエイジングに役立つ食材として注目されています。

ちなみにピーナッツに含まれているレスベラトロールの大半は、剥いて捨てられてしまうことも多い渋皮部分に含まれています。ビタミンEの含有率も渋皮の方が高いと言われていますから、抗酸化作用を期待する場合は渋皮付きで食べたほうが良いでしょう。落花生(殻付き)で購入する場合は問題ありませんが、ピーナッツとして売られているものは渋皮が既に外されているものもあります。購入時には「渋皮付き」を選んでみてください。

生活習慣病予防

脂質が多いピーナッツですが、ピーナッツの脂質にはオリーブオイルなどで知られる一価不飽和脂肪酸(オメガ9/n-9系)のオレイン酸が多く含まれています。オレイン酸は善玉(HDL)コレステロールを減少させることなく、悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きがあることが報告されています。また強い抗酸化作用を持つレスベラトロールも悪玉コレステロールや過酸化脂質を抑制する効果が期待されていますし、オレイン酸も不飽和脂肪酸の中で酸化されにくく過酸化脂質を作りにくい性質もあります。このためピーナッツの適量の摂取は高血圧や動脈硬化を始めとした心疾患予防の予防に有効であると考えられています。

そのほかレスベラトロールには肝臓の脂肪分解促進作用が報告されており、脂肪肝予防効果も期待されています。ピーナッツにはアセトアルデヒド分解に関わるナイアシン(ビタミンB3)、肝臓の働きを助けるメチオニンも多く含まれていますから、おつまみにピーナッツを食べることで悪酔いや二日酔いの予防にも繋がると考えられます。お酒をよく飲まれる方の肝臓の負担軽減にも役立ってくれるでしょう。

便秘予防・改善

ピーナッツの食物繊維量は乾燥100gあたり7.4gと多く感じますが、10g(20粒程度)であれば摂取できる量は1g以下とさほど多くありません。しかしピーナッツに含まれる脂質のオレイン酸には便の表面をコーティングして潤滑油の役割を果たす・界面活性(乳化)作用によって便を柔らかく排泄しやすい状態にするなどの働きが期待されていることと合わせ、便通改善にも効果が期待されています。

肥満予防・ダイエット促進

またピーナッツはかつて脂質が多いことから肥満の原因になりやすいと考えられ、ダイエット中には避けられやすい食品の一つでもありました。しかし近年は脂質ではなく糖質の摂取過多が肥満の原因とする説が主流となっており、脂質が多いことはあまり問題視されなくなってきています。またピーナッツの脂質に含まれているオレイン酸はブドウ糖の吸収抑制・新陳代謝向上効果なども期待できることから、メディアでは“太りにくい油”として紹介されることもある存在。

加えてレスベラトロールも脂肪蓄積予防効果が報告されておりダイエットサポート系のサプリメントなどにも使われれいる成分です。便通が良くなることからもお腹の出っ張りがスッキリしたり、代謝低下を防ぐことに繋がりますね。糖代謝をサポートしてくれるビタミンB1なども含まれています。GI値が低めで、かつこれらの成分を含むピーナッツは脂肪蓄積抑制・代謝向上効果が期待出来る食材としてダイエットにも取り入れられることが増えています。とは言っても高カロリー・高脂質食品ですから過剰摂取には注意が必要。1日のピーナッツ摂取量は30粒までが好ましいとされてますから、食べすぎないように適量を良く噛んで食べるようにしてください。

記憶力アップ・精神安定

ピーナッツはアセチルコリンという神経伝達物質の材料になる、コリンやレシチンなどの成分を含んでいます。アセチルコリンは記憶力や認知力の保持・向上と関係すると考えられている物質のため、アセチルコリンの生成を活性化することで記憶力アップや認知症予防にも効果が期待されています。マウスを使った実験ではコリンを与え続けると記憶力が向上したという報告もなされているそうです。

またレシチンにはビタミンB1の吸収を助けることで脳への影響を確保し、ストレスやイライラを軽減する働きも期待されています。ピーナッツには糖代謝に関わるビタミンB1や抗ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)や神経伝達物質の合成に関わるパントテン酸、アンモニア分解を促すことで脳疲労の回復促進作用が期待されるグルタミン酸なども含まれています。よく噛んで食べることも脳機能の活発化に繋がると言われていますから、ピーナッツは試験前や研修などストレス状態の中で様々なことを覚えなければいけない場面で食べるのにも適していると考えられます。

血行不良・冷え性軽減

ピーナッツにはヘモグロビンの原料となる鉄分、赤血球の丈夫さに関わる亜鉛などミネラルが含まれているなため貧血の予防に役立ちます。またピーナッツに含まれているアミノ酸のアルギニンとチロキシンという成分にも血行を促進してくれる働きがあると考えられていますし、ビタミンEにも末梢血管を拡張して血流を促す働きがありますから、相乗して血行不良の改善効果が期待できるでしょう。血行促進効果は冷え性の改善に改善につながりますし、血行不良や冷えに起因する肩こり・腰痛など様々な不調の軽減にも役立ってくれるでしょう。

女性特有の不調軽減

ピーナッツの渋皮に多く含まれるレスベラトールは優れた抗酸化作用があるだけではなく、大豆イソフラボンなどと同じく女性ホルモン(エストロゲン)をサポートする働きが期待されている成分でもあります。レスベラトロールはエストロゲン様作用から男女問わず更年期障軽減効果が期待出来る成分としてサプリメントなどにも配合されていますし、ピーナッツには抗酸化物質も含まれていますので更年期障害の軽減に2方向からのアプローチが期待できます。

またレスベラトロールもヒト本来のエストロゲンと比べると作用が極めて弱く、エストロゲン過多の場合にはエストロゲン受容体を埋めることで全体的なエストロゲン作用を弱める働き(抗エストロゲン作用)も期待されています。このため更年期障害だけではなく女性ホルモンバランスの乱れに起因する様々な不調の軽減にも役立つと考えられています。そのほかピーナッツは抗酸化物質やアルギニンなどによる血流改善・貧血予防・ストレス緩和などにも役立つと考えられていますから、複合的に生理痛・生理不順・PMS(月経前症候群)の軽減サポートに役立ってくれるでしょう。

美白・美肌保持

ピーナッツ、特に渋皮に多く含まれているポリフェノールのレスベラトロールは、美肌を保持するのに欠かせないヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンを壊す酵素の働きを阻害する働きがあることが報告されています。エストロゲン様作用からも肌の水分調節やコラーゲンの生成促進、生理前の肌トラブル予防などの効果が期待できるでしょう、レスベラトロールは優れた抗酸化物質でもありますし、ピーナッツには同じく抗酸化作用を持つビタミンEも含まれています。このため肌の潤い・ハリを守り、シワやタたるみなどの肌老化を予防する働きがあると考えられています。

またレスベラトロールはメラニン色素を作り出す酵素チロシナーゼの活性を阻害することで、美白(シミ予防)に役立つとも言われています。ピーナッツには血行を整える成分が多く含まれていますから、肌の血行を良くすることでくすみやクマを改善し透明感を高めることにも役立つと考えられます。抗酸化や血行促進は肌の新陳代謝(ターンオーバー)促進にも繋がりますし、オレイン酸も肌を柔らかくして乾燥や小じわを予防・改善する働きが期待されています。肌のごわつきや乾燥が気になる際にも役立ってくれるかもしれません。

Sponsored Link

ピーナッツ(落花生)の食べ方・注意点

落花生(ピーナッツ)はアレルゲンの一つであり、重篤な食物アレルギー症状(アナフィラキシー)を引き起こす可能性が高いことが知られています。特にお子さんに発生しやすいとも言われていますから、食べさせる際には注意して見守るようにして下さい。ピーナッツアレルギーでの死亡事例もあるそうですので、食後に違和感を感じた場合は摂取を止め、ひどい場合には医者の診断を受けるようにしましょう。

「ピーナッツを食べるとニキビが出る」と思われがちですが、アレルギーがない限り適正量の摂取はニキビに直結しないと言われています。もちろん食べ過ぎ(脂質摂取過剰)はた場合には皮脂分泌が増えてニキビになりますし、胃腸に負担もかかるので肌荒れの原因となることもあります。おつまみコーナーで売られている味付きのもの・バターピーナッツなど油や調味料が加えられたものは控え、食べ過ぎに注意するようにしましょう。

レスベラトロールはエストロゲン作用を持つ可能性があることから過剰摂取は避けましょう。サプリメントなどと併用せずピーナッツなどの食品を通常量摂取するには問題がないと言われていますが、乳ガンなどのエストロゲン依存性疾患がある方や妊娠中・授乳中の方は注意が必要です。また腎障害を悪化させる可能性も指摘されていますので、不安がある方は医師に相談のうえ利用して下さい。

またレスベラトロールは長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化することで染色体の端にある「テロメア」を保護し寿命を伸ばせるとする説がありましたが、後に長寿遺伝子を直接活性化しないことが報告されています。抗酸化作用がありますのでアンチエイジング(老化予防)効果は期待できますが、寿命延長については微妙という見解が主流となっています。

効果アップが期待出来るピーナッツの食べ合わせ

ピーナッツ(落花生)の雑学色々

ピーナッツの歴史

ピーナッツは南アメリカ大陸が原産のマメ科植物です。古いものでは紀元前2500年前の遺跡からも落花生の殻が出土しており、インカ帝国の前文明とされるモチェ文化のお墓(紀元前850年頃)の副葬品としても発見されています。紀元前6世紀までには北アメリカ(メキシコ辺り)にも伝えられ、紀元前の時点で栽培も行われていたようです。栄養価が高い重要な食料であると同時に、薬用としても利用されていたと考えられています。

16世紀頃になるとアメリカ大陸を訪れた船乗り達に落花生は持ち帰られ、ヨーロッパを経由してアフリカや中国へと伝えられています。ちなみに日本へ落花生(ピーナッツ)が伝播したのは1706年とされていますが、定着はしませんでした。ただし沖縄県ではそれ以前に伝わっており、栽培も行われていたと考えられています。江戸時代には「ナンキンマメ(南京豆)」の記述があり、栽培が行われていたとする説もありますがはっきりしていません。

肝心のヨーロッパではマメなのに土の中で実るということが奇異に見えたこと、気候が適さないことから栽培は行われなかったそう。当時エンドウ豆を表す”pea”と木の実”nuts”を合体させた「peanuts」という名前を付けたことからも、不思議な存在であったことがうかがえますね。北アメリカに移住した白人もピーナッツは食べず、家畜の餌・奴隷用の食料と考えられていたそうです。

しかし後の南北戦争によって起こった食糧難をきっかけに、白人もピーナッツを食べ始めるようになったと言われています。その後はピーナッツの需要が急増し19世紀以降に産業的栽培が広く行われるようになり、19世紀後半~20世紀になるとピーナッツバター・オイル・菓子など加工品も広く普及していきます。

確認できる記録としての日本初の落花生栽培は明治4年、神奈川県の寺坂氏が横浜から種子を取り寄せ独自に試作したことに始まります。明治7年になると政府がアメリカから種子を取り寄せ、各地への配布・栽培推奨も行わます。現在の主要生産地である千葉県では明治9年に牧野氏が試作を行ったとされています。明治11年からは千葉県が栽培を推奨し収穫物買い上げるようになり、明治半ばにかけて生産が拡大していったそうです。

ピーナッツの活用法・民間療法

落花生の殻を細く砕き、薄い紙に包んで置いておくとシックハウス症候群の原因になる「ホルムアルデヒド」を吸着することが報告されています。また吸着性が高いので脱臭剤・消臭剤としても利用することが出来ます。

ピーナッツを酢に漬け込んだものを朝夕に食べると高血圧の予防・改善に役立つと言われています。