グリーンピース(実豌豆/うすい豆)とその栄養成分・効果効能
|優秀食材? 選び方や缶詰の注意点なども紹介

グリーンピースイメージ

実豌豆(グリーンピース/うすい豆)とは

グリーンピースはマメ科エンドウ属に分類される“エンドウマメ(豌豆)”と基本的には同じもので、未成熟状態で収穫して食用とした場合の呼称です。そのためグリーンピースは豆ではなく緑黄色野菜に分類される大豆でいうところの枝豆のような存在です。しかし人気食材の枝豆と異なり、グリーンピースというと独特の青臭さから“子供が嫌いな野菜”のトップの方に登場しますし、大人でも苦手という方が多いと言われています。冷凍ピラフやミックスベジタブルなどに入っているシワの寄ったグリーンの粒を連想して、苦い記憶を思い出す方も少なくないのではないでしょうか。

グリーンピースというのは“食用できる未成熟エンドウ・サヤを食べないもの”の総称となりますが、青実用エンドウや青豌豆(アオエンドウ)と呼ばれる子実の色が緑色の品種が用いられています。またエンドウはサヤの硬さから“硬莢種”と“軟莢種”の大きく2つに分けられており、“硬莢種”は呼び名の通りサヤが硬いので完熟・乾燥した豆を収穫する「えんどう豆(子実用豌豆)」としての利用が主となっています。完熟した青豌豆を甘く煮たものはきれいな鶯色でお馴染みのうぐいす豆や鶯餡になりますね。ちなみにエンドウには青豌豆以外にも子実の色が赤褐色色をした赤豌豆(アカエンドウ)があり、こちらは豆大福やみつまめでお馴染みの食材。日本では赤・青2色のエンドウが主流ですが、海外では黄色がかった色の白豌豆や斑点が入ったものなども使われています。

硬莢種のえんどう豆は乾燥種実としての利用が主となっていますが、日本をはじめ世界的に見ても食用作物として消費量が多いのは“軟莢種”の方となっています。文字通り“軟莢種”はサヤが柔らかいので若どりしてサヤごと食べるサヤエンドウ(絹さや)やスナップエンドウなどの「さやえんどう」用というイメージがありますが、早採りした実のみを食べるグリーンピースやその改良種である“うすいえんどう(うすい豆)”などの「実えんどう」類についても“軟莢種”が使われています。そのほかエンドウの食用利用として、近年は中華料理の高級食材として用いられていたエンドウの若菜「豆苗(とうみょう)」も、栄養豊富なスプラウトの一種として注目を集めスーパーなどでもよく見かける存在となりました。

同じ軟莢種でもサヤエンドウ系は生で食べることが多いのに対し、グリーンピースは乾燥もしくは冷凍状態で通年販売されているものという認識があります。しかし旬である春から初夏にかけての時期には鞘付きのグリーンピースも販売されています。フレッシュなグリーンピースは瑞々しさと甘みがあり、味や香りはサヤエンドウに近いと表現されています。特に関西を中心とした西日本で食べられることの多い“うすいえんどう”は青臭さが少なく薄皮の食感なども食べやすく改良されているので、グリーンピースは苦手と思っている方も一度食べてみるとイメージが変わるかもしれません。

実豌豆(グリーンピース/うすい豆)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

豆類の栄養価が注目されていた時期もあまり取り上げられなかったグリーンピースですが、ビタミンB群や食物繊維、β-カロテンは枝豆以上に豊富なことから近年はダイエット食・美容食として徐々に取り入れられ始めています。そのほかのビタミン類やミネラル類も幅広く含まれており、栄養価の高い食材と言えるでしょう。

当サイトで栄養成分量の指標とされていただいている『日本食品標準成分表』には“うすいえんどう”について記載がありませんでしたので下記ではグリーンピースの栄養価としてご紹介されていただきます。同種であり同じく未成熟状態で収穫されているものですので、うすい豆についても大きな差異はないと考えられます。グリーンピース生100gあたりのカロリーは93kcal。

グリーンピースはこんな方にオススメ

  • 疲労・疲労感の軽減に
  • 体作りのサポートに
  • 食生活の偏りが気になる方に
  • 貧血予防・改善
  • 便秘の予防・改善に
  • むくみやすい方に
  • 代謝を高めたい方に
  • ダイエットのサポートに
  • つい食べすぎてしまう方に
  • 血圧が気になる方に
  • 肌荒れが気になる方に
  • 美肌作りのサポートに

下記ではこうしたお悩みがある方にえんどう豆が良いとされる理由や、栄養補給源・女性の健康や美容維持にも優れた食材と言われる理由を詳しくご紹介します。

栄養補給・疲労回復

野菜には分類されていますがグリーンピースは未成熟状態の“豆”でもありますからタンパク質が豊富で、アミノ酸含有量も高くなっています。筋肉や細胞の原料となるタンパク質(アミノ酸)が豊富でビタミンをバランスよく含むこと、タンパク質合成に関わる亜鉛などのミネラルも補給できることから体つくりのサポートや育ち盛りのお子様の栄養源としても適した食材と言えるでしょう。

またグリーンピースは代謝に関わるビタミンB群、特に糖代謝をサポートすることで疲労回復との関わりが大きいと考えられているビタミンB1を100gあたり0.39mgと豊富に含んでいます。リジンは集中力や記憶力アップ・アルギニンは成長ホルモンの合成に関与し心身の強壮・アスパラギン酸は疲労回復などに役立つと考えられているアミノ酸ですから、不足なく補うことで疲労や疲労感の軽減に繋がると考えられています。

貧血・血行不良予防

枝豆よりは劣りますが、グリーンピースも100gあたり1.7mgと鉄分を豊富に含む食材。野菜類として考えればトップクラスに入りますし、湯で状態での豆類の含有量と比較しても見劣りはしないでしょう。100gあたりのカロリーが100kcal以下と豆類として見た場合には低カロリーな食材でもありますから、献立に加えやすいのも嬉しいポイントと言えます。

グリーンピースは鉄分だけではなく、造血過程で必要とされる葉酸・植物性鉄分の吸収や利用をサポートしてくれるビタミンC・赤血球膜を丈夫にする働きがある亜鉛など造血に関わる栄養素もバランスよく含まれています。またナイアシンなど血管を拡張することで血液循環をサポートしてくれる成分も含まれていますから、造血成分の補給と合わせて血行不良の軽減にも効果が期待できます。

便秘予防・改善

グリーンピースに含まれている成分中でも特出して多いと言えるのが食物繊維で、ひと握りのグリーンピースではサラダ大盛り1杯と食物繊維料に相当するとも言われています。グリーンピース生100gあたりの食物繊維総量は7.7gと野菜類の中ではトップクラスで、ゴボウゆり根などを上回るほど。同じエンドウでも同グラム比較ではサヤエンドウの2倍以上の食物繊維量となりますから、手軽に食物繊維を補給したい際には非常に役立つ食材と言えます。

グリーンピースに含まれている食物繊維の大半は不溶性食物繊維が占めています。不溶性食物繊維は腸の水分を吸収して腸内で膨らみ腸壁を刺激することで蠕動運動を促進する働き・腸内の老廃物や有害物質を絡め取って便として排出させる働きなどがあります。このため便通の改善をはじめ、デトックスサポートにも役立つと考えられています。

ただし食べすぎは腹痛や下痢などを起こす可能性があること・水分が不足すると便を固めて便秘を悪化させてしまう可能性があるなどのデメリットもあります。普通に取り入れる程度であれば心配は低いと言われていますが、お腹の調子を見ながら食べるようにしてください。

むくみ・肥満予防

グリーンピースは100gあたり340mgとカリウムの含有量も比較的高い食材。カリウムは体内でナトリウムとバランスを取り合う性質があり、ナトリウム排出を促すことで体内の水分量を調節する働きも担っています。このことから塩分を取りすぎた後のむくみ軽減に役立つと考えられます。そのほか体液循環をサポートするマグネシウムや、各代謝に働きかけ体のバランスを整えることでむくみ軽減効果が期待されているビタミンB群などを含むため、総合的なむくみサポート効果が期待されています。民間療法では利尿剤代わりに用いられることがあるのも納得ですね。

こうした成分によるむくみ軽減サポート、食物繊維による便秘改善・腸の老廃物排出などの働きから、グリーンピースはスタイル維持にも役立つと考えられます。そのほかBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)やリジンなど代謝に関わるアミノ酸、同じく代謝をサポートしてくれるビタミンB群なども含まれているため、グリーンピースは代謝機能を高めるダイエットサポート食材としても注目されています。ダイエット中に不足しがちな栄養を補うという面でも優れた存在です。

また食物繊維は消化管内で水を吸って膨張することで満腹感の維持にも役立ちますし、グリーンピース自体が噛みごたえのある食材でもありますから、良く噛んで食べることから満腹中枢への刺激にも繋がるでしょう。

生活習慣病予防

グリーンピースは生100gあたりβ-カロテンを410μg・ビタミンCを19mg含んでいます。どちらも際立って多いというわけではありませんが抗酸化作用を持つ成分ですし、抗酸化に関わるセレンなどのミネラルも含んでいることから、活性酸素の働きを抑制する働きが期待されています。低脂肪、かつ炭水化物が多く見えますが半分近くが食物繊維のため糖質もさほど高くない食材と言えますから、動脈硬化などの予防にも役立ってくれるでしょう。カリウムが多めなので血圧が気になる方にも適しています。

ただしグリーンピースは食物繊維が豊富なためコレステロールの排出・血糖値上昇抑制に役立つ、という説は微妙なところです。こうした働きを持つ食物繊維は“水溶性食物繊維”の方で、グリーンピースには100gあたり0.6g程度とさほど含まれていませんから、実際に食べるグラム数を考えるとあまり期待できないでしょう。不溶性食物繊維は腸の蠕動を活発にすることで余剰な糖や脂肪の吸収を抑える働きが期待されているものの、コレステロール排出に対しての直接的な働きかけは無いと言われています。

またα-リノレン酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸の働きでコレステロール低減効果が期待できるとする説もありますが、グリーンピースの総脂質は全体重量のわずか0.4%。オレイン酸などはその0.4%の更に一部分となりますから、補給源としては考えないほうが良いでしょう。

美肌作り・アンチエイジング

グリーンピースは100gあたり410μgと、野菜類の中で際立って多いは言えないもののゴーヤピーマン枝豆を上回るくらいにはβ-カロテンを含んでいます。β-カロテンは抗酸化物質として働く他、体内でビタミンAへと変換されることで皮膚粘膜の補強・肌の新陳代謝(ターンオーバー)を正常化する働きも期待されている成分。そのほか皮膚・髪・爪などの細胞の再生に関わるビタミンB2、タンパク質の代謝・合成をサポートするビタミンB6、皮膚の炎症を抑えたり再生力を高める働きが期待されるビオチンなども含まれています。

肌細胞の原料となるアミノ酸も含まれていますから、複合して肌の状態を整え、肌荒れの予防・改善をサポートしてくれるでしょう。便秘の改善・腸の老廃物促進も肌荒れ予防に繋がりますし、腸内細菌が活発化することで体内のビタミン合成や代謝を高める働きも期待出来ます。β-カロテンやビタミンCは抗酸化作用を持つ成分でもありますから、肌の酸化を抑制しシワやシミなどの肌老化を予防するという面でも役立ってくれるでしょう。グリーンピースは抗酸化ビタミンの含有量はさほと多くありませんので緑黄色野菜や、ビタミンEを豊富に含むカボチャやアーモンドなどと組み合わせると効果的です。

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グリーンピース(実えんどう)の選び方・食べ方・注意点

グリーンピースを選ぶ際には、さやの緑が濃く艶のあるもの・実の粒がふっくらとして大きさが揃っているものを選ぶようにします。サヤ部分にシワが寄っていたり傷が多いものは避けた方が確実です。サヤ無しであれば色の鮮やかさや瑞々しさ・豆のふっくらとした形などが基準となりますが、乾燥に弱いのでサヤに入った状態で購入するのがおすすめです。

生グリーンピースはサヤから出すとすぐに固くなってしまうので、保存はサヤ付きのままビニール袋などに入れて野菜室で保存するようにしましょう。2~3日で使わない場合は固めに塩茹でしてから冷凍して保存します。

グリーンピースの青臭さの元となる「ヘキサナール」という成分は揮発性のため、茹で時間を長くすることで臭いが薄くなり食べやすくなります。だたし茹ですぎは水溶性ビタミンなどの栄養価の流出にもなってしまいますので、お好きな方はさっと茹でる程度・臭いが気になる方は少し長めに別茹でしたものを料理に加えるなどお好みで使い分けてみて下さい。

冷凍・缶詰グリーンピースについて

上記でご紹介した成分含有量などは日本食品標準成分表“グリンピース/生”の数値を参考に作成しています。しかし実際に口にする機会としては、通年手に入る缶詰や冷凍グリーンピースなどのほうが多いというケースも少なくありません。全体的な栄養価としては生→冷凍→缶詰といったところ。ただし冷凍については茹でグリーンピースとそう変わりませんし、葉酸やβ-カロテンなどは多少増えるくらいなのでさほど気にする必要はありません。

問題は缶詰のグリーンピースで、こちらはビタミンC・ビタミンB1ほか水溶性の栄養素に大きな差があります。ビタミンC含有量は“0”となっていますし、カリウム・葉酸・ビタミンB類などの含有量もごく微量となっています。鉄分や食物繊維補給としては役立つ存在ですが、特にビタミン類の補給を考えている場合は避けたほうが良いでしょう。ナトリウムが多いものもありますので注意が必要です。

効果アップが期待出来るグリーンピースの食べ合わせ

グリーンピース(実えんどう)の雑学色々

えんどう豆・グリーンピースの歴史

えんどう豆の原産地は中央アジアから中近東・地中海沿岸にかけての地域と考えられています。紀元前7000~6000千年頃には大麦・小麦と共に作物化されていたとも言われており、人との関わりの歴史が古いことから「世界最古の豆」と称されることもあるほど。原産地に近かったメソポタミアから古代エジプトやギリシアへと伝播し、紀元前1300年頃のツタンカーメン王の墓からも金などの副葬品と共にエンドウ豆が発見されています。また古代ギリシャ・ローマ時代には栽培も行われるようになります。

原産地を起点にえんどう豆は東ユーラシアへも伝えられ、インドを経由して中国には5~6世紀頃に到達したと考えられています。日本にも8~10世紀頃に遣唐使が中国から持ち帰ったと伝えられており、奈良時代には伝播していたという説が有力となっています。平安時代に記された『倭名類聚抄』にはる「乃良未女(のらまめ)」としてえんどう豆のことが記載されており、これが室町時代になると「園豆(えんとう)」に、安土・桃山時代になると「豌豆(えんどう)」という名前に変化し統一されていったようです。

そんなえんどう豆ですが、未成熟エンドウを食用するようになったのは13世紀頃にフランスでエンドウ豆の若い莢が食べられはじめたことがきっかけと言われています。後の15世紀には青く未熟な状態で食べる“ガーデンピー”が登場し、貴族などの富裕層の間で大人気となったそう。美食家と言われるルイ14世もガーデンピーを非常に好み、食べ過ぎた結果消化不良を起こしてしまったという逸話まで残っています。さらに18世紀末には園芸家兼植物学者のトマス・ナイトがシワの入った糖分の多い品種群「マローファット」を作り出し、グリーンピースの品種が確立されます。

日本においても江戸時代にはエンドウの若さやを食べる方法が広まった=サヤエンドウを食用とするようになったと言われています。当時は収穫初期にサヤエンドウを食べ、次に未成熟の豆(グリーンピース)を食べ、完熟した豆は乾燥する…と1つの品種で全ての食べ方をしていたようです。明治には欧米から品種改良が進んだ様々な品種のエンドウが導入され、明治後半からヨーロッパへの輸出用として北海道を中心に大規模な栽培が行われるようになります。この頃にサヤエンドウ用・グリーンピース用・乾燥豆用と品種が分化され、それぞれ目的にあった品種改良が行われ現在に至っています。