枝豆の特徴と栄養成分・期待できる健康メリットとは

食べ物辞典:枝豆

夏の風物詩、ビールのお供としても定番の枝豆。江戸時代以前から日本人に愛されてきた味覚の一つで、近年は海外でも和食の一つ“EDAMAME”として注目されています。青臭さも豆臭さも少なく食べやすいお味なのは勿論のこと、枝豆は栄養面でも「豆と緑黄色野菜の中間」的な位置付けで高く評価されています。大豆イソフラボンや大豆タンパクも含まれていますし、β-カロテンやビタミンCも補給できちゃうスグレモノ。健康維持やダイエットのお供にも嬉しい枝豆の栄養価や期待される健康メリット、食の歴史などについて詳しくご紹介します。

枝豆のイメージ画像:食べ物辞典トップ用(slowbeauty)

和名:大豆(未成熟大豆)
英名:Glycine max
学名:EDAMAME/green soy beans

枝豆のプロフイール

枝豆(エダマメ)とは

居酒屋の定番メニューであり、スポーツ観戦のお供としても親しまれている枝豆。夏の風物詩といえばスイカよりも“ビールと枝豆”という方もいらっしゃるかもしれません。お家でも手軽に作ることが出来るおつまみの代表格でもありますから、塩茹でしてお酒のお供やおやつ代わりに食べる・豆ご飯にするなどのという印象が強いですが、枝豆のポタージュスープやパスタなど洋食系のレシピにも使いやすい存在です。かつては地域色が強かった枝豆餡“ずんだ”も近年はコンビニスイーツなどでも利用され人気が高まっていますし、枝豆を使ったスナック菓子なども販売されていますね。

枝豆は大豆が成熟する前に収穫されたもの=未成熟大豆です。大豆を未成熟の時点で収穫すると枝豆になるということは、逆を言うと枝豆を収穫せずにおいてくと大豆になります。が、現在は早採りして枝豆として食べた時により美味しく食べられる枝豆専用品種が使われており、枝豆用の品種だけでも400品種以上あると言われています。品種はさておき、大まかには色の違いから白毛豆(青豆)系・茶豆系・黒豆系の3つに分けることが出来ます。このうち国内で最も流通している一般的な枝豆は“白毛豆(青豆)系”に分類されるもので、サッポロミドリ・毛豆・はねっ娘会などもこちらに属します。

対して茶豆系はサヤの中の豆が茶色の薄皮を被っていることが特徴で、種類としては駄々茶豆(だだちゃまめ)・黒埼茶豆などが有名です。黒豆系は大豆は大豆でも未成熟黒大豆の事を指し、薄皮や豆が紫~黒みがかっているのが特徴。品種としては丹波篠山黒大豆・たんくろう・紫ずきんなどがあります。茶豆や黒豆系統の枝豆は均一な黄緑色ではないため見た目はあまり良くないという声もありますが、香りやコクが濃厚で甘さも強いことが魅力です。各地でブランド枝豆も多数生産されており、一度食べると病みつきになる方も多いのだとか。

枝豆は大豆と同じ植物。ですが、収穫時期が違うため食品分類で枝豆は豆類ではなく緑黄色野菜に分類されています。「畑の肉」と呼ばれている大豆の特徴を持ちつつも、大豆には含まれていない緑黄色野菜としての成分も含むハイブリッド的な存在。そのため健康やダイエットに良い食べ物として、日本はもちろんのこと世界的にも注目されているそうです。栄養価以外だけではなく、枝豆には極端に嫌いという方が少ないというメリットも。子どもの好きな野菜ランキングでもトップグルーブに君臨し続けており、野菜嫌いの子ども用レシピでも常連といえる存在です。同じく未成熟豆のグリーンピースは大人でも苦手な方が多いですが、枝豆は癖の無さ・食感の良さから広く受け入れられています。

枝豆の栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

枝豆は大豆同様にたんぱく質が豊富で、かつ緑黄色野菜に分類されるようにβ-カロテンも含まれています。大豆には含まれていないビタミンAとビタミンCを含み、野菜には少ないビタミンB1・B2の含有量が多いことが特徴的です。そのほかのビタミン・ミネラル類や食物繊維含有量も多いので、バランスの良い栄養補給と言っても過言ではないでしょう。カロリーは茹で枝豆100gあたり135kcal、スナック菓子などと比較するとかなち低カロリーて低糖質と言えます。

枝豆イメージ画像

枝豆の効果効能、その根拠・理由とは?

二日酔い・むくみ予防に

枝豆はお酒のお供として日本中、最近は世界的に愛されている食材。日本では室町時代頃から既に酒肴として使われていた歴史もありますし、味の問題だけではなく栄養成分的にもお酒と枝豆の組み合わせは理にかなっていると評価されています。

と言うのも枝豆のタンパク質中に含まれているアラニンやグルタミン・メチオニンなどのアミノ酸は肝臓におけるアルコール分解を助け、肝臓や胃を守る働きが期待されているため。アミノ酸以外にも枝豆にはアルコール分解(代謝)に必要とされるビタミンB1やナイアシンなどのビタミンB群、アセトアルデヒドの分解をサポートしてくれるビタミンCも含まれています。枝豆をおつまみで食べておくと悪酔い・二日酔い予防や、肝臓の負担軽減に役立つ可能性があると考えられます。

また、枝豆は生100gあたり590mgとカリウムも豊富。カリウムはナトリウムと競合して細胞内外の浸透圧を調整するミネラルで、ナトリウム量が多い場合はそれを排出させる体内の水分量を調節する働きもあります。お酒を飲んだ翌日のむくみもカリウムや水分不足による場合があるので、二日酔い&むくみ予防に役立ってくれそうですね。お酒のお供にはやや塩っ辛い方が美味しく感じますが、塩分の摂り過ぎになってしまうため枝豆本来の味を楽しめる程度の塩加減で食べましょう。

便秘予防・デトックスサポート

枝豆は生100gあたり5.0gと食物繊維を多く含む食材です。食物繊維の割合としては不溶性食物繊維が多く、便のかさを増やして腸を刺激することで蠕動運動を促す働き、腸内の老廃物を絡めとって排泄させる働きが期待できます。ただし不溶性食物繊維の比率が多いので食べる過ぎると便が固くなる・お腹が張るなどのデメリットもあります。水分を補給しながら適量を食べるようにしましょう。また、肝臓サポートに期待されているアミノ酸のメチオニンも肝臓の老廃物や毒素の排出を促す・セレンと共に水銀やカドミウムなど、有害重金属の体外への排出を高めるなどデトックスのサポートに有益であると考えられています。アスパラギン酸もアンモニアの体外排出をサポートする働きが認められていますから、便通改善と相乗して体を綺麗に保つ手助けをしてくれるでしょう。

疲労回復・夏バテ対策に

枝豆は生100gあたり0.31mgと、野菜類の中ではトップクラスのビタミンB1を含有しています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する際に必要とされる成分で、不足すると糖質の分解・代謝が停滞し疲労感を引き起こします。脂質の代謝を促進するビタミンB2やたんぱく質の代謝に不可欠なビタミンB6、クエン酸回路を活発化することで疲労回復に有効とされるアスパラギン酸なども野菜類の中では豊富に含まれていますから、糖質・脂質・タンパク質のエネルギー代謝を助けて疲労の回復を促進してくれると考えられます。

代謝を促進するビタミンB群のほか、枝豆にはカリウムも沢山含まれています。夏場に大量の汗をかくことでカリウムが失われて起こる低カリウム血症は夏バテを起こす原因の一つに数えられていますし、枝豆は高タンパクでビタミン・ミネラル類も豊富なため夏バテしてしまった時の栄養補給源にもなります。このことから枝豆は夏バテの予防・回復食として効果的な食材とされています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され呼吸器粘膜の強化にも繋がると考えられることから、風邪予防にも効果が期待できます。

貧血予防・血流サポートに

枝豆は生100gあたり2.7mgと鉄分が多め。植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収を高めるビタミンC、丈夫な赤血球作りに役立つ亜鉛、鉄の利用効率を上げて造血を促すモリブデンなどもバランスよく含まれていますから、鉄分補給や貧血予防にも適した食材と言えるでしょう。

また、緑黄色野菜に分類されるだけに豆類・ナッツ類にはあまり含まれていない葉酸も320μgと豊富なのも嬉しいところ。実は鉄分と葉酸については茹でた大豆よりも枝豆の方が豊富なんです。葉酸は赤血球合成に関わる他、神経細胞の代謝や成長にも必要なことから胎児の正常な発育に不可欠な栄養素でもあります。妊娠中や授乳中は一日の推奨摂取量が平常時よりも多く設定されていますから、妊娠中の手軽な葉酸補給源としても役立ってくれそうですね。

造血に関わる栄養成分を多く含んでいることに加え、枝豆には抹消血管拡張を促すことで血流を高めるビタミンEやナイアシンなどのビタミン類も豊富。また、大豆レシチンと呼ばれる不飽和脂肪酸にはコレステロールや中性脂肪を減少させる働きが見られたことが報告されており、血液・血管を綺麗にする働きが期待されています。

抗酸化・生活習慣病予防に

枝豆は大豆レシチンだけではなく、大豆の機能性成分として注目されている大豆イソフラボン=ゲニステイン・ダイゼインなどのイソフラボン類が含まれていることも分かっています。こうしたイソフラボン類は抗酸化作用を持つポリフェノールであり、枝豆は大豆よりもビタミンCとβ-カロテンが豊富。ちなみに生の枝豆100gあたりのビタミンC含有量は27mgと多いわけではありませんが、茹でても100gあたり15mgとさやに守られているためビタミンC損失が少ないことも特徴です。こうした様々な抗酸化物質を補給できることから、枝豆は活性酸素/フリーラジカルによる酸化ストレスを抑え、体を若々しく健康に保ってくれるアンチエイジングフードとしても注目されています。

抗酸化物質の補給は老化現象の発現を遅らせるだけではなく、心血管疾患の予防にも効果が期待されています。活性酸素が悪玉(LDL)コレステロールを酸化させ“酸化LDL”が増加し、酸化LDLを処理した残骸がプラークと呼ばれる粥状の物質となって血管壁に蓄積することがアテローム性動脈硬化の主要因と考えられています。抗酸化物質の補給によって酸化を抑えることが予防に繋がると期待されていますし、枝豆にはカリウムも多く含まれていますので高血圧にも役立ってくれるでしょう。

また、2015年『British Journal of Nutrition』に発表されたアメリカのメタ分析では、大豆を摂取することで動脈の総コレステロール・トリグリセリド(中性脂肪)・LDLコレステロールの低減が見られたことが紹介されています。こうした作用を発揮する成分や作用秩序については解明されていないものの、大豆イソフラボンや大豆タンパク質による影響ではないかという見解もあります。閉経後の女性を対象に安静時エネルギー消費を調べたブラジルの研究では、大豆タンパク質の摂取と運動を組み合わせると安静時のエネルギー消費が高くなったという報告もあります。このため枝豆の適度な摂取はメタボリックシンドロームや生活習慣病予防にも役立つのではないかと期待されています。

更年期障害予防・軽減について

未成熟大豆である枝豆にも大豆イソフラボンは含まれています。大豆イソフラボンと総称されるイソフラボン類の中にはゲニステインやダイゼインなどの女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造を持つ成分が含まれており、エストロゲンと同じ受容体に結合する=エストロゲンの働きをサポートしてくれるのではないかと期待されています。このことからエストロゲンの分泌減少によって起こるイライラやほてりなどの更年期障害の症状軽減に大豆製品が役立つのではないかと注目されています。

ちなみに近年スーパーイソフラボンとも呼ばれ注目されているエクオールは、ダイゼインが腸内細菌の働きによって変換されて産生される物質。しかし日本人の約半分しか必要な腸内細菌を持っておらず、特に若年齢層は高年齢層よりも低い傾向にあると言われています。エクオールがホルモン物質であることは認められているものの、イソフラボンのエストロゲン様作用については否定的な見解もあります。イソフラボンの摂取で更年期の不快症状を軽減したという報告もありますが、2010年『Journal of Nutrition』に発表された閉経期症状の改善における大豆食品の有効性についてのレビューでは“大豆がほてり、膣の乾燥、または閉経の他の症状を軽減したという証拠はほぼない”とし、大豆食品の有効性は不明と結論付けられています。ホルモン療法のように確実なものではなく、有効性も認められていないという部分は念頭に置いておいたほうが良いでしょう。

ただ抗酸化物質やタンパク質・ビタミンやミネラルなどの必須栄養素の補給にも役立つ食材ではありますから、食べてデメリットとなる可能性は低いと考えられます。枝豆にはレチシンやカルシウムなど精神面のサポートに繋がる栄養素も含まれていますから、特に精神面に関しては女性ホルモン様作用以外の面からもサポートが期待できます。

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月経トラブル・PMSにも…?

大豆イソフラボンに含まれているダイゼインなどのフィトエストロゲン(エストロゲンと似た構造を持つ植物性物質)はエストロゲン受容体と結合することで、本来のエストロゲンの作用を阻害する働きもあると考えられています。フィトエストロゲンの作用はヒトが分泌するエストロゲンの1/1,000以下と穏やかなため、エストロゲンが過剰に分泌されている時には幾つかのエストロゲン受容体を埋め、全体的なエストロゲン作用を弱める働き=抗エストロゲン作用を発揮するのではないかという見解もあります。この性質から女性ホルモンのバランスを整え、月経不順やPMS(月経前症候群)などの軽減に役立つという見解もあります。ただしエストロゲン作用については断定されていないため、こちらも可能性がある程度の話と考えておくのが無難でしょう。

ちなみに植物性ホルモン(フィトエストロゲン)の過剰摂取により、乳がんなどのリスクが高まることも示唆されています。このため大豆や枝豆の摂取に不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、内閣府『食品安全委員会』では100gあたりの大豆イソフラボンアグリコン含有量(平均)は煮大豆で72.1mg、安全な一日摂取目安量の上限値としては70〜75mg+特定保健用食品などによる上乗せ摂取量30mgまで(娠中の場合は上乗せ量なし)と紹介されています。こちらの資料には枝豆の数値は記載されていませんが、未成熟の枝豆はイソフラボンが少なく大豆の半分以下であるとの見解が主。毎日大量に食べ続けない限り、枝豆の摂取でイソフラボン摂取過剰になる心配は低いと考えられます。

肥満予防・ダイエットサポートに

枝豆には脂肪代謝を高める働きが期待されるコリン、余分な脂肪の排出を促すリン脂質の一種レシチンなども含まれています。2019年には中国の大学から“大豆イソフラボンの摂取によってAMPK活性が高まり内臓脂肪組織の脂肪酸代謝の改善が見られた”という動物実験の結果も『Molecules』に発表されており、大豆イソフラボンが肥満治療に役立つ可能性が示唆されています。閉経後の女性を対象にしたブラジルの研究でも大豆タンパク質の摂取で安静時のエネルギー消費が高くなったことが報告されていますから、大豆と同じような栄養素を含む枝豆もダイエットのサポートに役立つのではないかと考えられます。

現時点で有効性は認められていない成分を置いておくとしても、食物繊維やカリウムの補給によって老廃物が排出されることからも即時的なスタイルダウンに繋がる可能性も。枝豆には代謝をサポートしてくれるビタミンB群やアスパラギン酸・アルギニンなどのアミノ酸も含まれており、タンパク質が豊富になのでトレーニングと組み合わせると筋肉増強・脂肪燃焼にも繋がります。カロリーは100gあたり135kcalなので野菜と見做すと高く感じますが、枝豆は糖質量が少なくGI値も30と低い食材。枝豆ご飯にすると糖質カットや栄養補給にも役立ってくれますし、適度な噛みごたえがあること・食物繊維が置いことから満腹感の維持にも期待できます。食べすぎなければダイエットサポートとしても優れた食材と言えそうですね。

美肌保持・肌のアンチエイジングに

野菜に分類されながらも“豆”の性質を持つ枝豆には皮膚やコラーゲンの原料となるタンパク質やアミノ酸類が豊富で、コラーゲンの生成を促してくれるビタミンCも合わせて摂取することが出来ます。ビタミンC以外にもβ-カロテンやビタミンE、大豆イソフラボンなどのポリフェノールと抗酸化物質が豊富に含まれていますから、肌細胞の酸化を抑制することからもシワやたるみを予防し、若々しくハリのあるお肌の維持をサポートしてくれるでしょう。また、大豆イソフラボンの働きについては諸説ありますが、女性ホルモンのエストロゲン的作用を発揮することでコラーゲンの生成促進や肌の保水力向上にも役立つのではないかと期待されています。

成分単体として見ても、β-カロテンは抗酸化以外に体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を保持して乾燥を予防する・肌の新陳代謝を正常に保つなどの働きが期待できます。ビタミンEは末梢血管を拡張させ血流を促すことで皮膚に血液と栄養を届け新陳代謝の向上やくすみ軽減に、ビタミンCはメラニン色素生成抑制(チロシナーゼ活性阻害)作用によってシミ予防にと様々な方向から美肌作りに関わっていますよ。枝豆には肌を健康に保つビタミンB群も含まれており、ビタミンB2やビタミンB6には皮脂分泌量を調節する働きもあるため抗酸化物質の補給と合わせて過酸化脂質が原因とされる“大人ニキビ”の予防にも効果が期待できます。適切な栄養補給は健康だけではなく美肌維持にも必要なんですね。

目的別、枝豆のおすすめ食べ合わせ

枝豆の選び方・食べ方・注意点

枝豆はサヤに守られているため水溶性栄養素の流出が少ないと言われていますが、全く水部分に栄養が流れ出ないという訳ではありません。このため近年は枝豆を茹でるのではなく、蒸す、もしくは焼いて加熱して食べる方法が推奨されています。蒸し器を使った本格的なものからレンチンまで方法は様々ですが、個人的なお勧めはホイル焼き。アルミホイルでくるりと包んで、オリーブオイル・塩・胡椒を少量ふりかけてトースターで蒸し焼きにします。洗い物も出ませんし、枝豆の味が濃厚に感じられる(ような気がする)のでぜひお試しください。

美味しい枝豆の選び方・保存方法

枝豆を選ぶときはサヤの緑色が濃く鮮やかなもの、豆部分がふっくらと膨らんでおり全体にハリのあるものを選びます。豆の部分が大きいほうが良いように感じますが、大きすぎるものは香り・味が弱まっていたり身が硬い可能性もあります。とは言え、このあたりは好みによるところが大きいので、パンパンもしくは程よくふっくらとしているものどちらでも構わないでしょう。食べ比べてみると面白いかもしれません。

ちなみに枝豆にはみっしりと産毛のような毛が生えているもの・ほとんど毛のないものがあります。こちらは品種によっても違うため一概には言えませんが、毛のある品種であれば産毛がフサフサしているのは新鮮で美味しい証拠。加熱する前に洗うのが手間ですが、味は良いのでぜひフサフサの枝豆を購入してみてください。個人的な経験ですが、家庭菜園で作ったというちょっと引くくらいにフサフサの枝豆は過去最大級に美味しかったです。ほかの枝豆が物足りなく感じるほどに…。

また、枝豆は切り離されて売られているものよりも、また枝付きのものを選んだほうが鮮度の低下が緩やかであると言われています。と言っても枝豆は収穫時をピークに鮮度・味が落ちてしまう食材ですから、冷蔵庫に入れたとしても生状態で長々と保存するのは避けたいもの。すぐに食べない場合は固めに茹でるなどして冷凍保存するようにしましょう。

枝豆の注意点

大豆イソフラボンの摂り過ぎは月経不順や乳ガン・子宮ガン・子宮筋腫などのエストロゲン依存性疾患の発症リスクが高まることが指摘されています。食品安全委員会では1日あたりの摂取目安量の上限値は70~75mg、サプリメントなどの健康食品による上限値は30mgとしています。普通に大豆や黒豆・大豆製品を食べる分には問題無いと言われていますが、サプリメントなどと併用して過剰に摂取するのは控えましょう。婦人科系の疾患のある方であれば、医師に相談して大豆等の摂取量を確認することをお勧めします。

枝豆や大豆はアレルギーを起こす方がいらっしゃる食材です。加工・調理による大豆アレルゲンの変化については解明されておらず、大豆製品を多く摂取している方も突然アレルギー症状が現れる可能性があることが指摘されています。枝豆についてもはっきりしたことは分かっていませんが大豆アレルギーの方は摂取を避けるか医師に相談してから摂取するようにし、食べた後に皮膚や粘膜のかゆみ・蕁麻疹・吐き気などの不調を感じた場合は医療機関を受診するようにしてください。

枝豆の美味しい茹で方について

枝豆を茹でるときは水の4%(水1リットルあたり40g)の塩を使うのがベストと言われています。茹でる前に塩がしみるように両端のヘタを少し切り落とし、使う塩の3~4分の1くらいの塩で軽く揉んで産毛を取ります。沸騰させた水に残りの塩を入れて混ぜ、塩もみした枝豆を塩ごとお湯に入れます。枝豆を投入した後はボコボコと激しく沸騰しない程度の火加減を保ちます。長時間火にかけてしまうとプリプリ感がなくなってしまうので、湯で時間は5~6分以内。火加減には沸騰しない程度の高温を維持する・弱火にしてじっくり火を通すほうが良いなど諸説ありますので、お好みに合わせて調節して下さい。

茹で上がった枝豆は水で洗ったり氷水に浸けてしまうと水っぽくなりやすいので、ザルなどに開けてうちわで扇ぐ・風通しのよい涼しい場所に置くと良いと言われています。ある程度冷めたら味見をして、お好みで塩を追加します。茹でたてよりも1~2時間置いてから食べたほうが旨味が増すと言う話もありますよ。ただし味の感じ方は人それぞれなので、この茹で方が一番美味しいと断定は出来ません。栄養価的には茹でないほうが良いとされていますし。お好みに合った得た豆の茹で方・調理方法を探してみてください。

【参考元】