ピーマンとその栄養成分・効果効能
|ビタミンC+カプシエイトで美容サポートにも期待♪

食べ物辞典:ピーマン

独特の苦味からお子さんが嫌う野菜の代表格として扱われることもあるピーマン。β-カロテン量が少なく「栄養のない野菜」と思われがちですが、実はビタミンCが豊富。ビタミンP類も含まれているのでビタミンCが損なわれにくいというメリットもあります。ビタミンC補給や抗酸化だけではなく、辛味・刺激性は少ないのにカプサイシン様の働きが期待される“カプシエイト”を含むことから肥満予防や血流サポートに繋がる可能性もありますよ。そんなピーマンの歴史、含まれている栄養成分と期待される健康メリットについて詳しくご紹介します。

ピーマンのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:ピーマン
英語:green bell pepper/sweet pepper

ピーマンのプロフイール

ピーマンとは

品種改良によって昔よりも苦味やクセは少なくなっていると言われていますが、独特の青っぽい香りや苦味から“子どもの嫌いな野菜”の定番の一つであるピーマン。大人になると苦味が心地よく感じるようになった・食べられるようになる方が多いと言われていますが、苦手意識を持っている方も少なくないでしょう。煮浸しや“無限ピーマン”などピーマンがあればお酒・ご飯が進むという方もいらっしゃいますから、好き嫌いが大きく分かれる食材と言えるかもしれませんね。

ピーマンは日本でも非常にポピュラーな野菜なのであまり考えることがありませんが、植物としてはナス科トウガラシ属に分類されています。広い範囲で見るとナスの仲間、より近いものとしては唐辛子の仲間と言えます。ピーマンと学名はCapsicum annuum var. ‘grossum’であることから、トウガラシの栽培品種として扱われていることも分かります。トウガラシから誕生した辛味成分であるカプサイシンを含まないもの=甘味種を改良したものがピーマンで、同じく唐辛子が祖先で辛味を持たない野菜にはシシトウパプリカがあります。実はこれらは全て“唐辛子の品種”という括りで、栽培品種違いとして扱われています。ブロッコリーカリフラワーの違いと同じ感覚ですね。

ピーマンやシシトウは緑色・パプリカは赤や黄色というイメージがあるため色の違いで呼び方が変わると思っている方もいらっしゃいますが、この区分は正確ではありません。というのもピーマンやシシトウが緑色なのは未完熟のうちに収穫されているためで、若どりせず成熟するまで置いておくと黄色・オレンジ色・赤色へと色付きます。ピーマン・シシトウ・パプリカの違いや見分け方としては小果種がししとう、中果種がピーマン、大果種(肉厚種)がパプリカと分けられています。大きさだけではなくピーマンは果肉が薄く縦長感の強い形・パプリカは果肉部分が厚く形状に丸みが強いことが特徴。英語ではピーマンもパプリカも共通してbell pepper(ベルペッパー)と呼ばれており、私達がピーマンとしてイメージしているものを明確に伝えたい場合には「Green (bell) pepper」と言うと良いそうですよ。

ピーマンは定番の肉詰めなど焼料理はもちろんですが、炒める・煮る・生のままサラダに使うなど様々な料理法で利用でき、和食・洋食・エスニックと何系のレシピでも使える使い勝手の良い野菜。健康野菜としても人気なので嫌っているお子さんにも食べられるようになってほしいと思いますが、子どもの時に無理やり食べさせると大人になっても嫌な記憶が残ってしまい嫌いなまま…ということもあるそうなので無理は避けましょう。苦味の少ないパプリカも栄養価的にはピーマンとほぼ同じ・ビタミン含有量についてはパプリカのほうが上回る部分も多いので、苦手な方はパプリカから取り入れるようにしてみて下さい。

↓パプリカについてはこちら

ピーマンの歴史

ピーマンの祖先と言える唐辛子は熱帯アメリカ(中南米)が原産で、紀元前8000年頃には原産地付近の先住民族によって食用されていたと考えられています。ペルーの先史時代の遺跡からなども発掘されており、栽培も非常に古い時期から行なわれていた可能性が高いと考えられています。紀元前4000年頃に既に農業的栽培が行なわれていた可能性も示唆されています。文章による記録こそ少ないものの、人類に非常に古くから利用されてきた食材の一つと言えますね。1493年にアメリカ大陸へと到達したコロンブスら探検隊がスペインへと持ち帰ったことで、観葉植物・香辛料として唐辛子はヨーロッパへと広まっていきます。

当時ヨーロッパで金以上とも言われるほど高値で取引されていた胡椒”の代替え品として注目されたこともあり、アフリカやアジアへも唐辛子は伝えられると各地で行なわれるようになります。ちなみに日本にも辛味唐辛子は16世紀頃に伝わっており、七味唐辛子などの伝統的調味料にも使われています。唐辛子の“辛味”がなくなったピーマンが誕生・確立したのは、アメリカで品種改良が行なわれた結果と言われています。そのためピーマン単体で見ると原産地は中南米ではなくアメリカと表記されているものもありますよ。

この品種改良によって出来た辛味の無い唐辛子(ピーマン)は、明治初期にはアメリカから日本へも伝えられています。英語で「スイートペッパー」と呼ばれていたため、伝来当初は日本では直訳して「甘唐辛子」と呼んでいました。明治から栽培も試みられましたが、ピーマン独特の香りや苦さから普及はしなかったようです。ちなみにピーマンという日本独自の、和製英語のような呼び名の由来はトウガラシ類はを指すフランス語“piment(ピメント)”もしくはスペイン語“pimiento”を日本語として導入した際、カタカナに置きける時に訛ったものだとか。

昭和初期までは見慣れない・食べにくい野菜であったピーマンですが、第二次世界大戦終戦後になるとピーマンの栽培が活性化し、戦後の食糧難の中で貴重な食料として用いられるようになっていきます。食の洋食化の影響もあり、昭和30年代以降は家庭料理にも使える野菜として定着していきました。苦味や青臭さを消してより日本人の口に合うようにという品種改良も行なわれ続け、現在では昭和期ほど子供に嫌われる野菜でもなくなっています。改良品種としては苦手な方でも食べやすい“こどもピーマン”や“バナナピーマン”なども知られていますし、色が白く見た目も楽しい“ホワイトピーマン”なども食べやすいですよ。

ピーマンの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ピーマンは同グラムで比較した場合はレモンの約2倍と言われるほどビタミンCを豊富に含む食材で、別名ビタミンPとも呼ばれるフラボノイド系ポリフェノールも含まれていることから熱に強く補給効率も良いと言われています。抗酸化という面ではビタミンEやβ-カロテンなども含まれていますし、ビタミンB6を不筆頭としたビタミン類・ミネラル類も幅広く含んでいるため栄養補給としても役立ってくれるでしょう。またカプサイシンの仲間であり同様の働きが期待されるカプシエイト、香気成分の一種であるピラジンなどにも有益な働きが期待されています。

ピーマンの肉詰めイメージ

ピーマンの効果効能、その根拠・理由とは?

アンチエイジング(抗酸化)に

ピーマンは生100gあたり76mgとビタミンCを非常に多く含む野菜の一つで、同グラムで比較した場合はレモン果汁の1.5倍・オレンジの約2倍。ビタミンC以外にもエリオシトリンやケルセチン・クエルシトリン・ルテオリンなどのフラボノイド系ポリフェノールが含まれていますし、エリオシトリンやケルセチンは“ビタミンP(ビタミン様物質)”とも呼ばれビタミンCを安定化させて吸収しやすくする・体内での働きをサポートしてくれる成分でもあります。このためビタミンCを効率よく補給できる野菜として注目されています。

ピーマンにはβ-カロテンやビタミンEといった抗酸化作用を持つビタミン類も含まれています。ビタミンA(β-カロテン)・ビタミンC・ビタミンEは働きが異なるため同時に摂取することで抗酸化に相乗効果をもたらすとも言われていますし、ポリフェノール類も合わせて様々なタイプの抗酸化物質を補給できることもメリットと言えます。身体の老化の原因として過剰に発生した活性酸素が体内の脂質・タンパク質・DNAなどに悪影響を及ぼすことが挙げられていますから、様々な抗酸化物質を補給できるピーマンはアンチエイジング効果が期待されています。

ストレス対策・疲労回復に

ピーマンに豊富に含まれているビタミンCは副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成に関係するビタミンでもあります。正常な神経伝達を保持するためのサポートとしては勿論ですが、副腎皮質ホルモンはストレス下で分泌されることが多いため別名「抗ストレスホルモン」とも呼ばれる存在。ストレスなどにより分泌量が増えるとビタミンCの消費も激しくなり、ビタミンCが不足するとストレスに対しての反応が取れにくくなると考えられています。このためビタミンCの適切な補給はストレス耐性を高めることに繋がるとされ、ビタミンCは“ストレスと闘うビタミン”とも称されています。

人の体はストレスを受けると活性酸素が増加することも指摘されていますから、抗酸化物質の補給という面でもストレスの軽減に繋がる可能性があるでしょう。そのほかビタミンCはエネルギーを作り出すカルニチンの合成に関わる栄養素でもありますし、ピーマンにはビタミンB6を筆頭に代謝をサポートしてくれるビタミンB群も含まれてます。こうした成分を含むことからピーマンやパプリカ・シシトウなどは疲労回復や夏バテ軽減のサポートとしても役立つと考えられています。

免疫力保持・風邪予防にも

ビタミンCは白血球の働きを活発化・抗ウイルス作用を持つインターフェロンの分泌促進など、免疫力への働きかけをもつ可能性が多数報告されている栄養素の一つでもあります。自らが免疫細胞のように病原菌を攻撃する働きを持つ可能性も示唆されていますし、抗酸化を助けることからも免疫低下を予防することに繋がるでしょう。このためビタミンCが豊富でビタミンCの吸収・作用を高めてくれるビタミンP(エリオシトリン)も含むピーマンは、風邪予防や免疫機能保持にも役立つ食材と考えられています。

また、β-カロテンも体内で必要に応じてビタミンAへと変換されるビタミンA前駆物質であるため、皮膚や呼吸器粘膜を保護・強化することでウィルスの侵入を防ぐことに繋がると考えられます。ただしピーマンのβ-カロテン含有量は生100gあたり400μgと、厚生労働省が“緑黄色野菜の基準”としてるカロテン含有量600μgを下回ります。風邪・インフルエンザが気になるシーズンであればβ-カロテンの豊富なニンジンなどと組み合わせて食べるのがお勧めではあります。

生活習慣病予防のサポート

高血圧や動脈硬化などの生活習慣病は呼び名の通り発症や進行に“生活習慣”が深く関わっていることが認められていますが、発症リスクを高める要因として酸化も関係していると考えられています。特に血中脂質・コレステロールが酸化して血管内に蓄積しすると、動脈硬化・血栓などのリスクが高まることも指摘されています。ピーマンはビタミンCを筆頭に様々な抗酸化物質を含む食材。ビタミンCやビタミンPは抗酸化以外にコラーゲンの生成促進からも血管を正常に保つのをサポートしてくれますし、ピーマンの独特の芳香を形成する物質の一つであるピラジンにも血小板が凝縮するのを抑え血液をサラサラにして血栓や血液凝固を防ぐ働きが報告されています。

このためピーマンは血液・血管の状態を健やかに保ち、脳梗塞・心筋梗塞の予防をサポートしてくれる可能性があると考えられます。加えてクエルシトリンにも高血圧予防に役立つ可能性があることが報告されていますし、ナトリウム排出を促すことで血圧を保ってくれるカリウムも含まれています。ピーマンに豊富に含まれている葉緑素(クロロフィル)はコレステロールの排出を促す働きもあると考えられているため、合わせて高血圧や動脈硬化予防をサポートしてくれる食材として期待されています。

血行不良・むくみ予防に

ピーマンに含まれている香気成分のピラジンは血液が固まるのを防ぎ、流れやすいサラサラ血液を保持する働きが期待されている成分です。ピーマンには血液・血管の状態を整えてくれる抗酸化物質も多く、末梢血管を拡張することで血液を行き届けてくれるビタミンEも含まれていますから、血液循環を良くする働きも期待できるでしょう。ケルセチンやルテオリンなどのビタミンP類にも血液サラサラ効果や血流サポート効果があると言われています。100gあたり190mgとカリウムも含まれているため、相乗してむくみ改善に繋がる可能性もあります。

唐辛子の燃焼成分カプサイシンこそピーマンにはほとんど含まれていませんが、カプサイシンが変化した「カプシエイト」という成分を含んでいます。カプシエイトは辛味こそないもののカプサイシンと同様の生理作用を持つと言われており、体温向上効果や体内脂肪を燃焼させてエネルギー消費を促進する働きが期待されています。この働きからカプシエイトは体を芯から温めてくれる成分としても注目されており、ピーマンに含まれている他成分による血行不良の改善と合わせて冷え性の軽減にも効果が期待されています。

便秘予防・腸内環境サポートに

ピーマンは生100gあたりの食物繊維量2.3gと、野菜類の中で特に食物繊維が多い食材という訳ではありません。しか食物繊維+αの働きで便通を整え、腸をキレイに保つ手助けが期待されています。それは豊富に含まれているビタミンCに便を柔らかくしたり、腸内善玉菌のエサとなる働きが期待されているから。また、ピーマンに含まれている食物繊維は便の量を増やして腸を刺激し蠕動運動を促す、腸の老廃物を巻き込んで排出させるなどの働きを持つ不溶性食物繊維が多いため、便秘予防に繋がる可能性があるでしょう

加えてピーマンに含まれている葉緑素(クロロフィル)は食物繊維の約5000分の1と非常に小さく、食物繊維では届かない小腸絨毛の奥に蓄積した有害物質・金属類(水銀や鉛)などを取り除く働きがあると考えられています。この働きからクロロフィルはデトックス成分として注目されていますから、食物繊維と相乗して便秘の解消・腸を綺麗に保つ働きが期待できるでしょう。デトックスという点ではクエルシトリンにも緩下・利尿作用があるとする説もありますよ。

肥満予防・ダイエットサポートに

ピーマンに含まれているカプサイシンの変化物質カプシエイトは、体温上昇・脂肪燃焼促進などカプサイシンとほぼ同等の働きが期待されている成分かつカプシエイトはカプサイシンのように消化管から血中へと移動して血圧変動などの影響を及ぼしにくい事が認められていますし、消化器系への負担も少ないと考えられています。このためカプサイシンよりも安全性が高い成分として注目され、燃焼系・ダイエットサポート用の健康食品にも配合されています。ピラジンや抗酸化物質による血液循環向上も代謝向上に繋がりますから、ダイエット中のお食事に取り入れてみても良いでしょう。

上記でご紹介したように、ピーマンは便秘やむくみ対策としても役立つ食材。タンパク質代謝に必要なビタミンB6も多いため、ダイエット中のサポーターとしても活用できそうですね。ミネラルに関してはピーマンを食べるだけで不足分が全てカバー出来るというほど多くはありませんが、広く含んでいるので栄養バランスを整えるという面では役立ってくれるでしょう。100gあたり22kcalと低カロリーで糖質や脂質含有量も少ないため、レシピにも加えやすい存在と言えます。

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美肌保持・美白のお手伝いとしても

ピーマンは抗酸化作用を持つ成分を多く含むことから、活性酸素による皮膚細胞へのダメージを軽減し肌の若々しさを保つ手助けとしても役立ってくれると考えられます。特に多く含まれているビタミンCにはシミやソバカスの原因となるメラニン色素を作るチロシナーゼの働きを防ぐ美白効果や、コラーゲン生成を助ける働きもあります。ビタミンPもビタミンCを安定させ吸収を高めてくれるだけではなく、コラーゲン生成をサポートする働きがありますから。お肌のハリを保ちたいという方にも適しているでしょう。

ピーマン以上にビタミンCを多く含む食材はいくつも存在しますが、ピーマンやパプリカなどの甘唐辛子類のビタミンCは熱に強く料理時の減少が少ないという特徴・様々な料理に取り入れられるという使い勝手の良さから、理想的なビタミンCの補給源と言えます。ビタミンCは体内に貯めておける栄養素ではないので、一度に沢山食べるのではなくレシピに組み込んで小まめに補給するようにすると良いでしょう。

カラーピーマンとの栄養価の違いとは

緑色のピーマンは未完熟(未成熟)な時点で収穫されたもので、しっかりと熟させることで黄色~赤色に色付きます。カラーピーマンとパプリカの区分については開発者・生産者・売り手の判断によるところもあるそうですし、当サイトで参考にさせていただいている『日本食品成分表』では“赤ピーマン”や“黄ピーマン”として掲載されているものがパプリカの栄養価に該当するようです。

緑ピーマンについて

赤や黄色などのピーマン類に比べるとビタミン類の含有量が低いと言われがちな緑のピーマンですが、緑色の天然色素である葉緑素(クロロフィル)が豊富に含まれていることが認められています。クロロフィルは上記でもご紹介したように便通を良くする・老廃物の排泄を促進する作用があることから便秘解消やデトックスサポートに有効とさるほか、抗酸化・コレステロール低減・免疫力向上などの働きも期待されています。

また葉緑素の成分に含まれている有機ゲルマニウムには酸素や血液の循環を助けて末端まで酸素を届ける役割があることから、貧血予防に繋がる成分としても注目されています。そのほかピーマン独特の苦味はクエルシトリンにピラジンが加わったものであることが認められています。タキイ種苗と御茶ノ水女子大学の研究によると“苦味の少ないこどもピーマンにはクエルシトリンが含まれていない”ことが報告されています。クエルシトリンもポリフェノールの一種ですから、苦味が嫌でない方は「大人の味」のピーマンの方が高い抗酸化作用が期待できるかもしれません。

黄ピーマン・赤ピーマン

ピーマンが熟していき色付いていくことでβ-カロテンなどのカロテノイド類とビタミン類が増えていきます。赤ピーマンはβ-カロテンよりも強い抗酸化作用を持つ“カプサンチン”というカロテノイド色素(赤色色素)の含有量が増えるため、抗酸化により高い効果があると考えられています。ビタミンCやビタミンEなどのビタミン類も赤ピーマンになると概ね緑ピーマンの2~3倍になると言われていますから、抗酸化ビタミンをしっかり補給したい・ビタミンACEをまとめて摂りたいという場合に適しているでしょう。

ちなみに黄色のピーマンはビタミン含有量も緑と赤の中間くらいになると言われていますが、パプリカの場合は黄色いものはβ-カロテン量が少なく“ゼアキサンチン”が多いことが認められています。植物としてはほぼ差のないピーマンの場合も同様である可能性はあるでしょう。ゼアキサンチンもカロテノイドで抗酸化作用がありますし、ビタミンCなどの含有量緑のピーマンよりは多くなっています。

目的別、ピーマンのおすすめ食べ合わせ

ピーマンの選び方・食べ方・注意点

ピーマンに含まれているビタミンCは熱に強いため、加熱料理でも著しく減少することはありません。しかし水溶性ビタミン類は水に晒す・茹でるなどすると流れ出てしまうため注意が必要です。茹でる系統の料理をする場合であればスープなど“水分”部分も頂ける料理法にすると栄養素を無駄なく摂取することが出来ますよ。

またビタミンCが熱に強いと言っても限度がありますし、クロロフィルなど他にも熱に弱いとされる成分も含まれていますから、調理は短時間で済ませるようにした方が無難でしょう。栄養を考えると少量の油を使ってさっと炒める・サラダにしてオイルの入っているドレッシングをかけるなどの食べ方がベストと言えそうです。

美味しいピーマンの選び方・保存方法

ピーマンを選ぶ時は表面の色が濃く、艶の良いものを選ぶようにします。ヘタの切り口は新鮮さを見分ける分かりやすいポイントなので、しっかりと瑞々しさが残っているものを選ぶと良いでしょう。全体の形は多少歪でも味に差はないと言われています。形状よりもズッシリとした重さがあるか・果肉のハリ・ツヤが良いかを重視しましょう。

ピーマンのワタ・種について

下ごしらえの時に取り除いて捨ててしまうことが多いピーマンの種&ワタ(台座)部分は、食べても人体に害はないとされています。苦味が強く食感も独特なのでそもままでは食べにくいですが、ピラジンなどピーマンの有効成分(非栄養性機能物質)はワタに多く含まれていることが注目されています。ピラジンは血液凝固を防ぐ血液サラサラ成分とされていますし、カプサイシンは脂肪燃焼や体温向上などの働きが期待されている成分。種やワタ部分は果肉よりもカリウム含有量が多いこともあり、ダイエットのサポートに良いのではという見解もあります。

体温が上がることにより基礎代謝(消費カロリー)向上なども期待できるとして推奨されている「ピーマンダイエット」をお試しの方はワタ・種部分も活用してみると良いかもしれません。ただしワタには栄養成分が豊富ですが、ワタ自体の量が少ないためそこまで大きな差異はないという見解もあります。肉詰めにする時にひき肉と混ぜ込むなどして食べるという方もいらっしゃるようですし、もったいない精神での活用も素晴らしいと思いますが、苦手だという方は無理してまでワタや種を食べる必要は無いでしょう。

参考元:Bell Peppers 101: Nutrition Facts and Health Benefitsピーマン | 給食百科事典新種の辛くないトウガラシの新規成分「カプシエイト」の研究成果