しいたけ(椎茸/シイタケ)
-栄養価と効果効能・食の歴史-

椎茸(シイタケ)イメージ

しいたけ(椎茸)とは

私達日本人にとって身近なきのこの一つであるシイタケ。生産量としてはエノキよりも劣るものの、生産額としては日本国内のキノコ類でトップになるとも言われています。煮物には花や松に見立てた切込みを入れられたシイタケがお馴染みですし、おせちになる六角形になるように縁を落とした“亀甲切り”と呼ばれるものを見かけることもありますね。それ以外にも天ぷら・鍋・味噌汁・茶碗蒸しなど和食に広く使われていますね。グルタミン酸を含む昆布・イノシン酸を含む鰹節と並んびシイタケに含まれるグアニル酸は“三大うま味成分”に数えられており、和食のベースとなる出汁としても欠かせない食材の一つです。

ちなみに出汁・煮物用としては椎茸ではなく乾燥させた“干し椎茸”が使われていますが、物によって呼び名が違います。干し椎茸は肉厚でかさが開ききっていないものが「どんこ(冬菇)」、薄めで傘の開ききっているものを「こうしん(香信・香蕈)」、どんことこうしんの中間くらいのものを「こうこ(香菇)」と呼び分けられています。高級品の代名詞のようになっている「花どんこ」は肉厚な冬菇の傘に亀裂が入ったもので、最高級のものになると100gあたり4,000円を超えるものもあります。

和食にもよく用いられているようにシイタケは日本や韓国・中国などを東アジアを中心に自生するキノコ。そのほか東南アジアの高山帯やニュージーランドにも分布していますが、食用として親しまれているのも基本的には東アジア周辺と言われています。椎茸と呼ばれていますが椎(シイ)の木にだけ発生するものではなく、欅・栗・樫・小楢など色々な広葉樹の枯れ木に生えてきます。偶に針葉樹に生えることもあるそうですよ。分類は何科に含めるか諸説あるそうですが、学名はLentinula edodes

現在私達が食べているシイタケの大半は、安定して供給できるように栽培されたものとなっています。シイタケの栽培は大きく“菌床栽培”と“原木栽培”の二つに分けられています。このうち“原木栽培”は文字通り広葉樹を原木として種付けをする方法で、天然に近い形で栽培するため食味が良いとされています。反面安定供給が難しくサイズなども差が出来やすい・重労働であることなどから、スーパーなどで流通しているシイタケの大半は“菌床栽培”と呼ばれるおが屑などを混ぜた菌床で栽培されたものとなっています。現在は欧米でも菌床栽培が行われており、大手スーパーならば販売しているところが多いそう。英名も「shiitake」もしくは「Shiitake mushroom」と日本での呼び名そのままです。

近年はホームセンターなどでキノコの栽培キットや原木も売られており、ベランダなどでシイタケを育てることも出来ます。手間もかからず早ければ一週間以内に収穫できること・ワイルドな食味を味わえることから根強い人気なのだとか。菌床栽培の場合はあまり関係ありませんが、シイタケの旬は3~5月頃と9~11月頃と年に二回あります。秋に収穫されたシイタケは「秋子」と呼ばれハリと香りが強いことが、春に収穫されたシイタケは「春子」と呼ばれ旨味が強く肉厚なことが特徴とされています。秋の食材というイメージが強いですが、春子の方が味は良いという声も少なくありません。

しいたけ(椎茸)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

シイタケは全体重量の約90%が水分で、低糖質・低脂質の食材。カロリーも生100gあたり19kcal(※菌床栽培もの)と低いですが、ビタミンB群を比較的多く含んでいます。また含まれている食品が限られているビタミンDを含むことや、β-グルカンほか食物繊維類・特徴成分とされるエリタデニンなどを含むことから免疫力アップや健康増進にも役立つ食材としても注目されています。

シイタケはこんな方にオススメ

  • 便秘気味の方
  • 腸内環境が気になる方
  • 骨や歯を丈夫に保ちたい
  • 骨粗鬆症予防サポートに
  • 免疫力を高めたい
  • 風邪やインフルエンザ予防に
  • 花粉症を軽減したい
  • ストレスやイライラ対策に
  • コレステロールが気になる
  • 血圧が高めの方
  • 肥満・メタボ予防に
  • ダイエットのサポートに
  • ニキビが出やすい
  • 肌荒れ・口内炎予防に

下記ではこうしたお悩みがある方にシイタケが良いとされる理由や、特徴成分とされるβ-グルカン・ビタミンD・エリタデニンなどの働きについて詳しくご紹介します。

便秘予防・改善

シイタケは他のキノコ類と同様に低カロリーかつ食物繊維が豊富に含まれている食材です。日本食品標準成分表(七訂)に記載されているものでは生椎茸(菌床栽培)100gあたりの食物繊維量は4.2gと、同グラムで比較した場合はセロリモヤシの2.5倍以上となっています。100gあたりのカロリーはそう変わらないことを考えると、シイタケはかなり効率の良い食物繊維補給源と言えるでしょう。

しいたけに含まれている食物繊維は不溶性食物繊維が多い傾向にあり、100gあたりの内訳としては不溶性食物繊維3.8g/水溶性食物繊維0.4gとされています。不溶性食物繊維は便のカサを増やすことで腸を刺激し蠕動運動を促したり、腸内の老廃物・有害物質を吸着して体外に排泄させる働きがあります。シイタケが便秘解消や腸のデトックスに役立つと言われるのも、豊富な不溶性食物繊維の働きによるところが大きいと考えられます。

加えてシイタケには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維両方の働きを持つとされる多糖類、β-グルカンも含まれています。β-グルカンには腸内の善玉菌を増やす働きも報告されていおり、腸内フローラのバランスを整えてくれる成分としても注目されています。ただし不溶性食物繊維は水分を吸いとることで便を固める性質があるため食べ過ぎると便が固くなる・消化できない成分のためお腹が緩くなる場合もあります。便秘や腸内環境改善を期待して摂取して食べる場合でも、多量に摂取せず少しずつ取り入れるようにして下さい。

骨粗鬆症予防

シイタケはビタミンDを豊富に含む食材としても注目されています。ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、主な働きとしては小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収促進・血中カルシウム濃度を保つなど骨や歯を丈夫に保つことが挙げられます。ビタミンDは日光を浴びるとヒトの体内でも合成されため極端に不足することは少ないと言われていますが、近年は日光を浴びる機会が少ない方・紫外線を極度に避ける方が増えたことでビタミンD合成が不十分であることが指摘されています。またカルシウムの吸収を助けてくれるという性質から、高齢化に伴って増加している骨粗鬆症予防としても意識的に摂りたいビタミンとして注目されています。

ビタミンDは含まれている食品は主に魚類・卵類とキノコ類とされており、比較的限られた食品にしか含まれていません。このため煮物・焼き物・汁物と様々な料理に組み入れやすいシイタケなどのキノコ類がから、ビタミンD補給源として注目されています。ただし収穫後の生椎茸のビタミンD含有量はさほど多くなく、五訂日本食品標準成分表では100gあたり2μgとされていたそうですが、現在主流の七訂では0.4μgとキノコ類の中では少なめの部類となっています。

しかしシイタケを始めとするキノコ類はエルゴステロールもしくはエルゴステリンと呼ばれるステロールが含まれており、紫外線を浴びることでビタミンD(ビタミンD2)に変化することが認められています。エルゴステロールはシイタケの傘の裏側に含まれているため、ビタミンDを摂取したい場合は食べる前にシイタケをひっくり返して太陽の光(紫外線)を当てるようにすると良いでしょう。またビタミンDは脂溶性ビタミンなので少量の油と組み合わせると吸収が良くなります。

免疫力向上・調節

シイタケにもキノコ類の特徴成分の一つとされる高分子多糖体のβ-グルカンが含まれています。シイタケのβグルカン(レンチナン)は食物繊維として働いて腸内環境を整えてくれる以外に、インターフェロンの産生を促す働きを持つことが報告されている成分でもあります。インターフェロンは感染細胞や腫瘍細胞を攻撃するマクロファージやナチュラルキラー細胞(NK細胞)など人間の免疫機能に関わる細胞を活性化させる働きがありますし、βグルカン自体も様々な免疫細胞活性化作用を持つ可能性が示唆されています。このためシイタケの摂取免疫力向上や正常化に役立つと考えられています。

加えてシイタケに含まれているビタミンDも免疫バランスを調節する役割を持つ可能性が報告されています。東京慈恵会医科大ら国際共同研究チームからはビタミンD欠乏を改善することでインフルエンザ発症率が減少することが報告されており、世界的にもインフルエンザやアレルギー疾患発症との関係が研究されているそうですよ。どちらも現在進行系で研究が進められている成分のため確証には至っていないことが指摘されていますが、自然な形でビタミンDとβ-グルカンを補給できるシイタケなどのキノコ類の摂取は風邪・インフルエンザ予防や花粉症対策など免疫力を整えたい方のサポートにも適していると考えられます。

ストレス対策にも

近年になって様々な働きを持つ可能性が注目されているビタミンDですが、カルシウムの吸収を高めてくれる働きから不足するとイライラや無気力・抑うつ症状などを引き起こす原因になるとも言われています。カルシウムは骨や歯を丈夫に保つ以外に、神経の興奮や緊張を緩和する働きがあるため「天然のトランキライザー(精神安定剤)」とも呼ばれるミネラル。不足すると脳の働きが低下し神経機能や精神面の不調を引き起こす原因となるため、カルシウムやその吸収を助けてくれるビタミンDの補給はストレス対策・精神安定に役立つ可能性があります。

高血圧・動脈硬化予防

シイタケに含まれているβ-グルカンは腸内でコレステロールを吸着し排泄させる働きが期待できることから、コレステロール上昇を抑える働きも期待されています。またβグルカンやビタミンD(エルゴステロール)はほとんどのキノコ類に含まれていますが、シイタケ特有の成分としてエリタデニンがあります。エリタデニンはシイタケから分離された生理活性物質で、シイタケとマッシュルームにしか含まれていないとも言われています。またマッシュルームも含有量は微量なので、身近な食材での補給源としてはシイタケのみなのだとか。

エリタデニンの働きとしては脂質代謝に関係し、血圧・血中コレステロール値・中性脂肪を正常に調整することが報告されています。旨み成分とされるグアニル酸もエリタデニンと協力して血中コレステロールを下げたり、血小板凝固を抑制する働きが期待されています。こうした働きからシイタケは血液をサラサラにしてくれる食材として、動脈硬化や高血圧など血管・血流に関わる生活習慣病予防に高い効果が期待されていますよ。そのほかβ-グルカンの一種であるレンチナンはがん細胞の増殖を抑える働きを持つ可能性が、ビタミンDにはインスリン抵抗性を改善する働きも報告されています。

ダイエットサポート

シイタケは100gあたり19kcalと低カロリー、かつ低糖質な食材でもあります。日本食品標準成分表に記載されているものでは生椎茸(菌床栽培)100gあたりの炭水化物量は5.7gとなっていますが、そのうち4.2gが食物繊維のため糖質量(=炭水化物量から食物繊維量を引いたもの)は1.5gと非常に少なくなっています。2015年版(七訂)から表記されるようになった“利用可能炭水化物”については100gあたり0.6gとさらに低くなっていますからダイエット中の方には嬉しい食材と言えますね。カロリーが低いだけではなく、豊富に含まれている不溶性食物繊維も体内で水分を吸って膨れる性質があるので満腹感の維持にも繋がるでしょう。

またシイタケには3大栄養素の代謝に関わるビタミンB群も豊富に含まれています。特に100gあたり3.1mgと多く含まれているナイアシンは糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠なビタミンですし、循環器系の働きを促し血行を良くしてくれる働きもあります。ビタミンDも代謝機能コントロールや筋力強化に関わっており、血中濃度が低い人のほうが太りやすくメタボリック症候群になる可能性が高いことが報告されています。こうしたビタミン類の補給からも代謝向上が期待できますし、ダイエット中に多い便秘や免疫力低下の予防としても役立ってくれます。

肌荒れ・ニキビ予防

シイタケはビタミンCやEなど美肌・抗酸化成分の定番と言えるような栄養素はほとんど含まれていません。しかしビタミンB群が多く含まれているため、皮膚を健康に保つためのサポートをしてくれる食材と考えられます。特にビタミンB2は脂質の代謝に関与し過酸化脂質を分解する働きもあるため、過酸化脂質が原因の一つと考えられている“大人ニキビ”予防に効果が期待できます。ビタミンB2の不足は肌荒れや口角炎・口内炎の原因にもなりますので、不足なく補っておきたいですね。

食物繊維やβ-グルカンの働きによって便通が良くなり腸内環境が整うこと・免疫力の向上などからも肌荒れ予防に繋がる可能性があります。シイタケを単体で食べることはそうないと思いますので、緑黄色野菜やタンパク質を豊富に含む食材と組み合わせて食べることで肌へもバランス良く栄養が行き渡るのを手助けしてくれるでしょう。そのほかシイタケにはエルゴチオネインという高い抗酸化作用を持つ成分が含まれているという説もありますよ。

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干し椎茸(乾燥椎茸)について

シイタケは日光(紫外線)に当てることでビタミンD含有量が増加することが認められています。天日干しされた干し椎茸はビタミンDを豊富に含むほか旨み成分のグア二ル酸も多く含まれていますが、「乾燥椎茸の方が全体的に栄養価が高くなる」という言葉には注意が必要です。乾物全般に言えることですが、乾燥したものは生状態と同グラムで比較すると確かに栄養価は高くなります。しかしカロリーが上がっていることからも分かるように水分が減っている関係が大きく、干すことで全ての栄養成分が増えるというわけではありません。ほとんどの栄養成分については増えるのではなく“濃縮されている”と考えたほうが良いでしょう。

しいたけ(椎茸)の選び方・食べ方・注意点

生・半生状態のしいたけを摂取した際、稀に“しいたけ皮膚炎”と呼ばれる炎症が発生することが認められています。新鮮なシイタケは生でも食べられるとは言われていますが、購入したものは流通段階で鮮度が落ちていますし、雑菌が繁殖しやすいことも指摘されていますから、基本的にしっかりと加熱して食べるようにしましょう。また干椎茸の戻し汁でも皮膚炎症を起こす場合があるため、アレルギー体質の方や小さいお子さんがいる場合は注意して食べるようにして下さい。

生椎茸を買う時はカサが開ききっていない、こんもりと丸い形をしたものを選ぶようにします。カサが開いたものは食感・弾力が弱く、痛むのも早くなってしまいます。カサが肉厚・軸は太く短いと全体的にずんぐりした形をしているものが美味しいと言われています。またカサの内側のヒダ部分が赤・茶色っぽいものは鮮度が落ちているので避け、白く綺麗なものを選んだほうが良いでしょう。刺激臭がするようであれば食べないほうが良いです。

シイタケは水気が苦手な食材。パック詰め・ビニール袋に入れられて販売されていることが多いですが、買ってきたまま置いておかないようにしましょう。溜まった水滴に触れた部分から痛み始めてしまうので、袋を空けておくかキッチンペーパー等に包んでから袋に入れたほうが日持ちが良くなります。購入時もパック・袋の中に水滴がべったりと付いてしまっているものは避けたほうが確実です。

生のシイタケを食べるよりも乾燥椎茸の方がビタミンD含有量が圧倒的に多くなることが認められています。ただしこれは“天日干し”したものという条件がついており、市販されている乾燥椎茸は機械的に乾燥(電気熱風乾燥)させたものが多いため想定するほどビタミンDが多くないという指摘もあるようです。乾燥シイタケで無くとも生椎茸を30分~1時間日光にあてた後に使用するとビタミンDを増やせますから、料理に使う前にシイタケを日光浴させると良いと言われています。

干し椎茸を戻す場合は、お湯からではなく冷水で戻したほうが栄養価・旨みの低下を起こしにくいとされています。冷水を注いで冷蔵庫で一晩(10時間以上)寝かせる方法がポピュラーですね。また戻し汁は出汁として使われるように旨味が染み出していますし、栄養価も溶け出しています。煮物だけではなくお味噌汁や麺つゆの希釈・炊き込みご飯を作る時などにも使えますので、使わない場合でも冷凍して保存しておくのがオススメです。

効果アップが期待出来るシイタケの食べ合わせ

しいたけ(椎茸)の雑学色々

シイタケの歴史

シイタケの原産地は熱帯アジアと考えられており、中国では紀元前の遺跡などからもキノコが出土していること・唐時代の文献に記述が見られることから古くからキノコを食用としてきたとされています。日本でシイタケがいつ頃から食べられていたのかは断定されおらず、古代から枯れ木に生えてきたものを採取し食べていたという説、中国から伝えられて食べるようになったという説に分かれています。シイタケを乾燥させて干し椎茸を作るようになった時期についても諸説ありますが、弘法大師が唐から乾しいたけの食文化を伝えたという伝承や、道元が南宋で現地の僧に干し椎茸を持っていないかと問われた逸話が『典座教訓』にあることから、9~10世紀頃には乾燥しいたけが製造され中国の輸出されていたと考えられています。

日本で食材としてきちんと椎茸についての記述が見られるのは室町時代以降となります。足利義政・足利義尚将軍期の政所代だった蜷川親元が記した『親元日記』の中で、将軍に乾燥椎茸を献上したという記述がシイタケの初登場であるとも言われています。その後は懐石料理や勅使を接待した際の献立などに椎茸料理が使われたという記述が見られるようになり、料理本などにも登場するようになります。当時は菓子にも椎茸が使われていたそうです。ただし江戸時代までは懐石料理や献上品としての記述が多いため、高級食材として利用されており庶民には縁のないものであった可能性が高そうですね。

江戸時代に入るとシイタケの人工栽培が試みられるようになります。シイタケ栽培を始めた土地については諸説ありますが、有力地の一つが豊後国、現在の大分県あたりです。寛永の頃に炭焼き源兵衛という人が窯に入りきらなかったナラやクヌギを放置していたところシイタケが生えてきたことに注目し、ナタ目栽培と呼ばれるホダ木(丸太)に傷を付け菌が自然に付着して椎茸が生えるのを待つ半栽培が行われるようになったという説が有名です。ただし豊後岡藩藩主中川家の記録では寛文4年に伊豆国から人を招いたというものもあるため、伊豆の方が先に栽培を成功させていたという説もあります。また当時のシイタケ栽培は成功時の収益こそ大きかったものの、菌が付着して生育するかは運任せで博打的な要素が強かったようです。

ともあれ江戸時代中期頃までにはシイタケの栽培量は増え、天然物を採取していた頃に比べると流通量は増えていたと考えられます。徐々に武家などの特権階級だけではなく庶民も口にできる食材となっていきますが、安価とは言い難い食材でお正月やお盆など“ハレの日”のご馳走メニューだったそうです。現在でもおせちにシイタケが入っているのは味・出汁の問題だけではなく当時の名残なのかも知れませんね。それからもシイタケ栽培は様々な工夫が凝らされてきましたが、安定供給が出来るようになったのは昭和17年に森喜作博士による「シイタケの純粋培養された鋸屑種菌による栽培方法」が開発されて以降と言われています。現在は原木栽培や菌床栽培・シイタケの品種改良が進み、安定した価格で一年中美味しいシイタケを食べることが出来るようになっています。

参考元:日本産・原木乾しいたけをすすめる会

シイタケ活用法・民間療法

乾燥椎茸に水を加え長時間とろ火で煎じた煮汁を飲むと、風邪の治りを早めたり咳止めになると言われています。二日酔いの朝に良い・コレステロールや血圧が気になる方に良いという説もあるそう。また干し椎茸をコップなどに入れて水を注ぎ冷蔵庫で一晩置いておく=シイタケを戻した時に出来る“戻し汁”はデトックスウォーター感覚で利用される事もあるようです。

生薬としてのしいたけ:香蕈の効能

シイタケを日干しにして乾燥させたものは、中医学・漢方において「香蕈(こうしん)」という生薬としても扱われています。古代中国では不老長寿の妙薬と考えられていたこともあるそうですよ。効能としては益気・健脾・健胃などが挙げられており、主に「気と血の流れを良くして、胃腸の働きを高める」生薬として扱われているそう。高血圧・消化不良・貧血・虚弱体質などに使われる他、皮膚湿疹の軽減に良いとも言われています。