アーモンドとその栄養成分・効果効能
|美肌や老化予防に?! 摂取量や注意点はある?

アーモンドイメージ

アーモンドとは

香ばしい風味とクセが少なく食べやすいことから、日本ではピーナッツと共にポピュラーなナッツであるアーモンド。日本で本格的な輸入が始まったのは1950年代と比較的最近ですが食べやすいこと、1958年には「グリコアーモンドチョコレート」が発売されたことなどもあり、早い段階でお菓子・おつまみとしての地位を確立したナッツとも言えます。香ばしい風味から、お菓子類やパンなどにもアーモンドもしくはアーモンドパウダーがよく使われていますね。

アーモンドは植物分類ではバラ科モモ属とされており、原種はと同じものであったと推測されています。ただし桃などの場合は果肉を食べるのが主体の“果物”ですが、アーモンドは果肉が非常に薄く食べられません。種子の殻の中にある仁を食用としていることからアーモンドは“種実類(ナッツ類)”に分類されています。このため食材としてみると全くの別物ですが、お花はモモと見分けがつかないほど似ていて可愛らしいものが咲きますよ。

アーモンドの種類としては大きく食用とされる「スイートアーモンド(甘扁桃仁)」と、薬用・着香料やオイルの原料として用いられる「ビターアーモンド(苦扁桃仁)」の2つに分けられます。私達が普段食べているスイートアーモンドはノンパレルやビュート、カルフォルニアなどの品種が代表的で、細かく分けると100以上の品種があるとされています。

日本でアーモンドと言うと炒るもしくは燻製(ロースト)したものを使うのが主流ですが、産地では生アーモンドを塩ゆでやフライなどにして食べることが多いと言われています。そのほかインドではアーモンドを使ったカレーがあったり、イランではアーモンドの未熟果を煮込み料理に利用するなど地域色のある使い方もあります。余談ですが日本は世界的にみてもアーモンドチョコが大好きな国なんだとか。中央アジアあたりでは古くから完全栄養食品と考えられており、かつては保存食・携行食・滋養強壮食・断食期間の食材としても重宝されていたそうです。

かつては脂質が多いことから避けられることもあったアーモンドですが、近年は脂質ではなく炭水化物の方を控えるダイエット法が主流になったこと・抗酸化作用を持つビタミンEが手軽に摂取できることなどから、生活習慣病予防やアンチエイジング・ダイエットなど美容と健康のサポートとしても評価されています。世界的にもスーパーフードの一つとして支持されおり、カリフォルニア・アーモンド協会は「1日23粒」を目安にアーモンドを摂り入れた健康的な食生活を推奨しています。「1日23粒」にちなんで1月23日をアーモンドの日ともされています。

アーモンドに含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

アーモンドはビタミンEとポリフェノールが多く含まれており、不飽和脂肪酸やカルシウム・鉄分・マグネシウム・亜鉛などのミネラル、食物繊維など健康維持に嬉しい栄養素も豊富なことから健康食として注目されています。かつてアーモンドはクルミと共に美味しいけどカロリーが高い・太る、ニキビが出る、鼻血が出るなどマイナスイメージもありましたが、近年は100gあたり598kcalと高カロリーかつ脂質の割合が高いものの、不飽和脂肪酸が多く炭水化物(糖質)が低いため糖質制限ダイエットなどにもよく取り入れられています。

アーモンドはこんな方にオススメ

  • 抗酸化・抗糖化サポート
  • 若々しさを維持したい方
  • 生活習慣病を予防したい
  • ミネラル不足が気になる
  • 貧血気味の方
  • イライラ・不安定に
  • 骨粗鬆症の予防に
  • 便秘・むくみ予防に
  • ダイエットのサポートに
  • 月経トラブルがある方
  • 妊活中のサポートに
  • 血行不良・冷え性の方
  • 肌のアンチエイジングに
  • 肌荒れ予防・美肌保持

下記ではこうしたお悩みがある方にアーモンドが良いとされる理由や、一日の摂取量・注意点などを詳しくご紹介します。

老化・生活習慣病予防

アーモンドの代表成分とも言われるビタミンEは100gあたり31mgで、23粒食べると1日の摂取目安量(7mg)を全てカバーできるほど。ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれる脂溶性ビタミンで、活性酸素による酸化ダメージから体を守ってくれる働きがあります。加えてアーモンドの皮の部分にはポリフェノール類(フラボノイド類)が多く含まれていますし、フラボノイドとビタミンEを一緒に摂取することで抗酸化作用がアップするという報告もあることからアーモンドは優れた抗酸化食材とされています。また近年はアーモンドにAGEs(終末糖化産物)の生成抑制作用があるという報告もあり、抗糖化の面からもアンチエイジングに有効ではないかと期待されています。

アーモンドの脂質中に多く含まれているオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸は、ドロドロ血液のもとになる悪玉コレステロールの減少効果や血栓予防効果があると考えられています。ビタミンEやポリフェノールによる抗酸化作用も過酸化脂質の生成を抑制することで血管・血流を健康に保つサポートをしてくれますから、合わせて高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防としても役立ってくれるでしょう。心臓血管疾患予防のほか、糖尿病予防に役立つ可能性を示唆した報告もあります。

貧血予防・軽減

アーモンドは100gあたり4.7mgと鉄分が豊富なため、赤血球に含まれるヘモグロビン量の減少による貧血や、貧血までは至らないもの「プチ貧血(隠れ貧血)」と呼ばれるような鉄分不足状態の予防や改善に有効です。鉄分・ヘモグロビン不足による症状としては疲れやすくなる・動悸・息切れ・めまい・立ちくらみ・無気力感などが挙げられ、女性の不定愁訴と呼ばれている不調と重なります。鉄分の適切な補充から原因がハッキリしなかった不調や不快感の改善に繋がることもあります。

鉄分以外にもアーモンドにはカルシウムやマグネシウム・亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。亜鉛も丈夫な赤血球を生成するために必要なミネラルであり、不足すると赤血球が壊れやすくなり「亜鉛欠乏性貧血」と呼ばれる貧血を起こす可能性があります。このためアーモンドは貧血予防として役立つと考えられます。食べ過ぎには注意ですが、ミネラルの補給源として1日10~20粒前後をおやつがわりなどに取り入れてみると良いでしょう。

精神安定・骨粗鬆症予防

アーモンドに多く含まれているミネラルは神経伝達や精神面とも関わりがある栄養素。カルシウムは不足するとイライラや鬱・不眠など精神的なトラブルを引き起こす可能性が指摘されていますし、マグネシウムもハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンを始めとした神経伝達物質の合成にも欠かせない存在です。この2つは対になって働くこともあり、メンタルサポート系のサプリなどにもセットで配合されていますね。そのほかカルシウムを脳に運ぶ役割を持つ亜鉛も含まれているため、アーモンドはミネラル不足による精神的不調(情緒不安定・憂鬱感・倦怠感など)や不眠の予防や軽減にも効果が期待されてます。

ちなみにアーモンド100gあたりのカルシウム含有量は260mgで、一日に23粒を摂取した場合は50mg程度のカルシウムが補給できる計算になります。カルシウムは骨や歯の形成や維持にも欠かせない存在でもあり、お子さんや閉経後の女性に摂取が推奨されていますね。マグネシウムもカルシウムの取り込みを助けてくれますから、アーモンドは骨粗鬆症予防にも適した食材とされています。また亜鉛は細胞の生まれ変わりを促す働きも期待出来ますから、カルシウム補給と合わせてお子さんの成長サポートとしても役立ってくれるでしょう。

便秘・むくみ対策

アーモンド100gあたりの食物繊維総量は10.4gと、ごぼうの約2倍・玄米の約7倍と言われるほど食物繊維を豊富に含む食材でもあります。実際にアーモンドを100g食べるというのは現実的ではありませんが、10g(6~10粒程度)の摂取でも食物繊維量は1.04gとなりますから、トマトキュウリ100gと同等量の食物繊維が補給できるでしょう。

アーモンドに含まれている食物繊維は不溶性食物繊維が主体のため、腸を刺激することで蠕動運動を促し便通を良くしてくれると考えられます。そのほかオレイン酸などアーモンドに含まれている脂質は腸内で潤滑油のように働き、便の通りをスムーズにする働きも期待されています。カリウム他ミネラルも含まれていますから、むくみ予防やデトックス用としても役立つと考えられています。

ダイエットサポート

高脂質ではあるもののオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が多く太りにくいと考えられること・糖質含有量が少ないことからアーモンドはダイエットサポートとしても支持されている存在。脂質の代謝を促進するビタミンB2もナッツ類トップクラスの含有量ですし、食物繊維が多いのでダイエット中に起こりやすい便秘対策としても役立ってくれるでしょう。ローストされたアーモンドであれば硬さがあるので、良く噛んで食べることで満腹中枢の刺激・満腹感アップも期待できますよ。

ダイエットをする際にアーモンドを食べた人は食べない人よりも体重やウエストが減少するという報告もあるそう。ただし食物繊維が多いから食後血糖値の上昇を抑えるという説については微妙なところなので注意が必要。というのも血糖値上昇抑制作用があるとされるのは水溶性食物繊維ですが、アーモンド100gあたりの水溶性食物繊維量は1gあるかないかという程度。含まれている食物繊維の9割以上が不溶性食物繊維ですから、実際に摂取する量が20gとすると水溶性食物繊維は0.2g程度と考えられますので補給源としては適さないでしょう。

女性特有の不調軽減

アーモンドの代表成分ともなっているビタミンEは「若返りのビタミン」として知られていますが、末梢血管を拡張するとことで血流を良くする働きを持つビタミンでもあります。抗酸化作用によっても血流をサポートしてくれますから、末梢血管の血行障害が原因と考えられる冷え性・末端冷え性をはじめ肩こり・腰痛・頭痛など様々な不調軽減効果が期待されています。アーモンドには鉄分や亜鉛も含まれていますから、ビタミンEの働きと合わせてめまいや倦怠感などの緩和に繋がる可能性もあるでしょう。

またビタミンEは女性ホルモンや男性ホルモンなどの性ホルモンを司る脳下垂体に働きかけ、ホルモンバランスを正常に保つ働きもあります。このためビタミンEはホルモンバランスを整えるビタミンとして月経不順・生理痛・生理前にイライラなどが起こるPMS(月経前症候群)など月の不調軽減効果が期待されており、男女共に生殖機能を高めることで妊活のサポートとしても役立つと考えられいます。ビタミンEは“トコフェロール(tocopherol)”と呼ばれますが、この言葉もtocos(子どもを産む)+phero(力を与える)という意味で命名されたのだそうですよ。

美肌・アンチエイジング

ビタミンEやポリフェノールを豊富に含むアーモンドは肌の抗酸化=酸化ダメージによるシワやたるみなどの老化現象を抑制する働きも期待されています。またアーモンドは肌老化・黄くすみの原因となる糖化を防ぐ働き、血行促進により肌の新陳代謝を高める働きなども期待されていますから、若々しい肌を保つサポートとして注目されています。内側からの紫外線対策としても役立ってくれそうですね。

抗酸化作用は過酸化脂質の生成抑制にも繋がりますし、アーモンドには過酸化脂質の分解に関与するビタミンB2も豊富に含まれています。このため多量に摂取しなければ大人ニキビの予防や改善にも繋がると考えられますし、便通改善からも肌荒れやニキビ予防に繋がるでしょう。そのほか貧血や血行不良の改善による乾燥やくすみ改善・ホルモンバランスが整うことで肌のバランスが良くなるなど、アーモンドは美肌作りにおいても様々な嬉しい働きが期待出来ます。

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アーモンドの選び方・食べ方・注意点

近年はフレッシュな酵素やビタミン・脂質を含む“生アーモンド”が良いと言われていますが、ビタミンやミネラル量については生もローストもさほど変わりまありません。生アーモンドには消化酵素の働きを阻害する物質が含まれているため、食べる前に浸水処理(8~10時間程度水につけておく)を行う必要があります。終了後水を切って早めに食べきらなくてはならないので、無理に生にこだわる必要は無いでしょう。取り入れやすい方法から始めてみて下さい。

ただしローストのアーモンドは保存期間が長いと油が酸化してしまいますから、賞味期限よりも早めに食べきるようにした方が良いでしょう。酸化を防ぐため密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。味付きのものは塩分摂取過多になる可能性があるので、素焼き・食塩無添加のものを選ぶと安心です。

アーモンドは健康維持・美肌・ダイエットなど様々な面で役立つとは言われていますが、高カロリーかつ高脂質な食材。脂質についても“健康に良い油”と言われる不飽和脂肪酸が多いとは言われていますが、それしか含んでいないという訳ではありませんので食べ過ぎには注意が必要です。一日に食べる目安としては20~25粒位と言われており、25粒のカロリーとしては150kcal程度になります。

効果アップが期待出来るアーモンドの食べ合わせ

アーモンドの雑学色々

アーモンドの歴史

アーモンドと桃の祖先は同じと考えられていますが、東で進化を遂げた桃に対し、アーモンドは天山山脈西方からチグリス・ユーフラテス河流域にかけての地域で進化を遂げたと考えられています。古くは遊牧民や交易をなす人々が持ち歩いていたとも言われており、ナツメやピスタチオなどと混ぜて丸めた携帯食料が文献に残っているそうです。紀元前4000年頃になるとメソポタミアで栄えた古代文明で食され、おそらく同時期にアーモンドの栽培も行われるようになっていたと推測されています。人類が樹木の栽培を開始したのもこの時期であることから、アーモンドは最も古い作物の一つであるとする説もあります。

アーモンド栽培はメソポタミア(チグリス川とユーフラテス川の間)からイスラエルなどの地中海沿岸へ、そして古代ギリシア・エジプトなどへと広められていきます。古代エジプトでも紀元前1352年にツタンカーメン王の死後の旅の食料としてアーモンドが入れられたとの記載があるそうですし、アーモンドオイルもこの時期には製造されていたと言われています。紀元前350~323年にはアレキサンダー大王の遠征によって地中海西方の地域へも伝播していき、紀元前のうちに広範囲で栽培・食用される存在となっていきます。

余談ですが創世記や出エジプト記など旧約聖書の中にも度々アーモンドについての記述が見られ、神の祝福や価値ある贈り物などを象徴とするとも言われています。またアーモンドは沢山実をつけることから多産の象徴ともされていたそう。現在でも結婚式に砂糖がコーテングされたアーモンド“ドラジェ”が登場することがありますが、これも子孫繁栄の象徴とされていたためだとか。紀元前117年にはローマの貴族が結婚式・子供が生まれた内祝いとして市民にドラジェを配ったという記録も残っています。

アーモンドは7~8世紀頃にはシルクロードを通って中国へ、後の18世紀みなるとスペインの宣教師フニペロ・セラ神父によってアメリカのカリフォルニアへと伝えられます。アメリカではカリフォルニア以外の地域でもアーモンド栽培を試みたそうですが、カリフォルニア以外にはうまく定着しなかったのだそう。カリフォルニアではゴールドラッシュ以後、農業の発達と共にアーモンド栽培が拡大されて現在では世界のアーモンドの8割以上がカルフォルニアで生産されているほど。アレルギーが問題視されていたりもしますが、スーパーフードとして注目されている存在でもあります。アメリカでは牛乳や豆乳よりもアーモンドミルクが売れている、と言われるほど大流行したという報道も記憶に新しいですね。

アーモンドの活用法・民間療法

アーモンドを原料とする“スィートアーモンドオイル”は美白効果・抗酸化作用・抗炎症作用などがあると言われており、保湿オイルやクレンジングオイルとして使用されています。皮膚利用としてはアーモンドオイルを使うことがほとんどですが、無塩アーモンドを細かく砕いた(すり潰した)ものを溶いた卵黄・レモン汁と混ぜてパックにするなどの方法もあるようです。

チョコレートやケーキなどのお菓子類を単体で食べるよりも、アーモンドと一緒に食べるようにした方が太りにくくなるという説があります。