キュウリ(胡瓜)とその栄養成分・効果効能
|世界一栄養がない野菜は嘘!? 夏にピッタリの食材

胡瓜(キュウリ)イメージ

胡瓜(キュウリ)とは

鮮やかな緑色の彩と、塩、味噌、醤油、酢など日本の調味料との相性がよいことから、サラダや漬け物、酢の物など「添え物」として日本の食卓を飾るきゅうり。さっぱりした味と食感で夏場の食欲が無い時などにも取り入れやすい食材ですし、料理の飾り付けなどに彩りとしても役立ってくれる便利な存在。6~8月が旬の夏の野菜でしたが、現在では一年中どこかしらで見かけるほどメジャーな野菜ですね。

キュウリはウリ科キュウリ属に分類される蔓性植物で、同属種としてはメロンがよく知られています。仲間と思われがちなズッキーニはウリ科カボチャ属と、キュウリよりもカボチャに近い植物となっています。私たちが普段食べているキュウリは緑色ですが、あれは未成熟状態で収穫されているためで熟すと黄色い色になります。完熟キュウリは苦味と酸味が増すため食用には適さないとされていますが、江戸時代くらいまでは完熟させてから食べるのが主流でした。キュウリという名前も熟した時の色に由来する中国語の“黄瓜”が語源とされています。

キュウリの品種は約500種と多く、分類方法もいくつかあります。最もシンプルなのは表面のイボの色によって「白イボ系」と「黒イボ系」の2つに大別され、市場に流通しているものの9割程度が白イボ系品種です。また系統による分類として華南型・華北型・ピックル型・スライス型・温室型の5型に分類されることもあり、この場合の日本の主流は「華北型」に該当します。ちなみに“もろきゅう”というのはキュウリの品種ではなく、開花から一週間ほどのキュウリを若どりしたものの通称です。元々はキュウリにもろみを漬けて食べた料理名だったものが、若どりキュウリ・それに味噌を添えたものを指すよう変化したと言われています。

ところでキュウリと言うと、かっぱの好物という話や“かっぱ巻き”を連想する方も多いのではないでしょうか。カッパが何故キュウリが好きと言われるようになったのかは諸説ありますが、カッパは元が水神であり水神への捧げものとしてキュウリが良く使われていたという説、河童の本家とされる水天宮の紋にキュウリの切り口が似ているとする説などが有名です。三重県熊野市の村では「キュウリを作らないから村に出てこないように」とカッパと契約を交わした伝説があり、昭和後期まで300年間もキュウリを栽培が禁忌とされていたという話もあるようです。

胡瓜(キュウリ)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

キュウリは「世界一栄養がない野菜」とギネスに認定されていたとも言われていますが、本来は“Least calorific fruit(最もカロリーの低い果物)”だったそうです。日本語になる時に誤訳されてそのイメージが根付いてしまったのでは無いかと言われています。冬瓜などと同様に成分の約95%が水分ですし、確かに100gあたり約14kcalと低カロリーな食材でもあります。

しかしギネスでの記録は果物(※果菜類を含む)というものなので、野菜で一番低カロリーという訳ではありません。ビタミンやミネラル類としてはビタミンK以外に際立って多いものこそありませんが、様々な栄養成分を幅広く含んでいるお野菜ですよ。

キュウリはこんな方にオススメ

  • むくみの予防・改善
  • 血圧が気になる方
  • ドロドロ血液を予防したい
  • 夏バテの予防・改善
  • 火照りやのぼせの緩和に
  • ダイエットサポートに
  • 健康な肌の維持に
  • 髪や爪の傷みが気になる方

下記ではこうしたお悩みがある方にキュウリが良いとされる理由を詳しくご紹介します。

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

利尿・むくみ改善

キュウリは栄養素の中ではカリウムを多く含んでいます。そのためナトリウム排出を促すことで、むくみの解消や改善効果があるを考えられています。キュウリのカリウム含有量は冬瓜と同じく100gあたり200mgとされていますが、野菜全体から100gあたりの含有量で比較してみると、さほど多いという訳ではありません。

むくみ解消に良いと言われているのは単にカリウム含有量が豊富ということだけではなく、低カロリーでクセが無いことから摂取量自体を多く摂れること・水分含有量が高いので特に夏場に多いとされる「水分不足によるむくみ」=水分の補給がなされないため不要な古い水分まで溜め込んでいる状態の改善・胃腸への負担が少ない食材であることなども関係していると考えられます。

高血圧・動脈硬化予防

キュウリに含まれているカリウムはナトリウムの排出を促すことで、体液の量の増加を抑え血圧を下げる働きもあります。また独特の青臭さの元となっているのはピーマンなどにも含まれている香気成分「ピラジン」によるもの。ピラジンには血小板が凝縮するのを抑え、血液をサラサラにして血栓や血液凝固を防ぐ働きがあるとされています。

キュウリには100gあたり330μgのβ-カロテン・14mgのビタミンと、際立って多いとは言えないものの抗酸化作用を持つビタミンも含まれています。抗酸化物質が悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑えることからも、血液・血管の状態を健康に保つ働きが期待できます。カリウムやピラジンの働きと相乗することで高血圧・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの予防として役立ってくれるでしょう。

夏バテ・のぼせ緩和

水分とカリウムを豊富に含み、利尿作用があるとされているキュウリは、体内にこもった熱の排出を促すことで火照り・のぼせなどの予防や改善に役立つと考えられています。漢方的な考え方でも利尿・体を冷やす作用が強い食材とされ、熱さましに古くから活用されています。

体の熱を冷ますだけではなく、キュウリの代表成分と言えるカリウムは電解質のバランス保持・神経や筋肉などのコントロールにも関わる存在。カリウム不足は筋肉が脱力状態になることで起こるだるさ・腸活動低下による食欲不振や便秘・疲れやすさ・むくみなどの症状が表れると言われています。夏バテの原因の一つになどでカリウムが失われることが考えられていますから、キュウリは夏場のカリウムと水分の補給源として夏バテ予防にも適しているでしょう。

ダイエットサポート

キュウリは1本(≒100g)あたり約15kcalと低カロリー。栄養素をたっぷりと取るという点では劣りますが、ダイエット中の空腹感が嫌な方にはお勧めの食材と言えるでしょう。生のまま食べられ歯ごたえがしっかりとあるので、しっかりと噛むことで満腹中枢の刺激にもなります。

また、キュウリにはホスホリパーゼという脂肪分解酵素があるということが2010年に発見されました。体内の脂肪の分解・代謝向上効果があるとされ、痩せやすい体質になることが期待できます。ホスホリパーゼは擦りおろすことで放出されるため「キュウリおろし」を食べるダイエット法も提唱されています。スムージーに加えても良いですね。

肌・髪の健康維持

キュウリに含まれるシリカ(ケイ素・珪素)というミネラルには、髪や爪を強化し光沢を与える効果、関節を健やかに保つ、コラーゲンの生成を助けシワのない弾力のある肌を作る効果があるとされ現在注目されています。肌、爪、毛髪の老化防止や修復に役立つとされています。シリカはキュウリの切り口から出る白くて苦味のある物質に多く含まれています。

そのほか美肌に役立つような特出して豊富な栄養素はありませんが、ビタミンCやβ-カロテンなどのビタミン類やミネラルを幅広く含有しています。単品で食べるのではなく、サラダに加えるなど食卓の脇役として利用すると不足分が補給できます。キュウリは美肌作りというよりは、肌を整える・状態悪化の防止と考えて食べるのが無難でしょう。

胡瓜(キュウリ)の選び方・食べ方・注意点

きゅうりは体を冷やす作用があるので、ダイエットといって生で大量に食べると逆効果になってしまう危険性があります。ショウガや味噌をつける、体を温める食材と併せて食べるなど冷え対策をすると良いでしょう。

きゅうりにはビタミンCを酸化させてしまう酵素(アスコルビナーゼ)が含まれているため、ビタミンCの吸収を阻害するという説があります。しかし最近では酸化したビタミンCは体内で還元され利用されるので、吸収量(利用率)は変わらないとする説が有力ですのであまり心配はいらないでしょう。気になる方はアスコルビナーゼの働きを抑えるこができる、レモン汁や酢をドレッシングに加えると安心です。

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胡瓜(キュウリ)の選び方・食べ方・注意点

キュウリは水分量が多い野菜なので、選ぶ際には手に持った時にずっしり重みのあるものほど良いでしょう。鋭いくらいにイボがチクチクしているもの・全体的に緑色が濃く艶の良いものを選びます。ヘタの切り口が瑞々しいかどうかが新鮮さのチェックポイント。太さは均一なものが良いですが、多少曲がっていても味・栄養に違いはないので真っ直ぐさにはごだわらなくて構いません。またまれに表面が白く粉を吹いた様になっているものがありますが、これはブルームきゅうりなので心配ないどころか美味しい証と言われています。

東洋医学的な考え方ではきゅうりは体を冷やす作用がある食材とされています。実際に水分量が多く、サラダなど生かつ冷えて状態で食べることが多い野菜ですから、身体を冷やす可能性は低くないでしょう。ダイエットなどを意識して生で大量に食べると体を冷やし、代謝が落ちるなど逆効果になってしまう危険性があります。冷えが不安な方は冷蔵庫で冷やしすぎず、ショウガや味噌をつける・体を温める食材と併せて食べるなど冷え対策をすると良いでしょう。

きゅうりにはビタミンCを酸化させてしまう酵素(アスコルビナーゼ)が含まれているため、ビタミンCの吸収を阻害するという説があります。しかし最近では酸化したビタミンCは体内で還元され利用されるので、吸収量(利用率)は変わらないとする説が有力ですのであまり心配はいらないでしょう。気になる方はアスコルビナーゼの働きを抑えるこができる、レモン汁や酢をドレッシングに加えると安心です。

効果アップが期待出来るキュウリの食べ合わせ

胡瓜(キュウリ)の雑学色々

キュウリの歴史

キュウリの原産地はインド、ヒマラヤ山麓辺りと考えられています。今からおよそ3000年前には西アジア地域で栽培も行われていたことが分かっていますから、食用としての歴史はかなり古いと考えられます。単なる野菜としてだけでなく、暑い地域では水分補給用として珍重されていたようです。

紀元前のうちにキュウリは中国、ヨーロッパと東西にも伝えられていきます。古代エジプトでもキュウリは栽培されており『旧約聖書(民数記)』で荒野を旅するイスラエルの民が“マナ”に飽き、エジプトで食べていたものを列挙する中にもキュウリが含まれています。古代ギリシアやローマでも栽培が行われていましたし、ローマ皇帝ティベリウス・ユリウス・カエサルはキュウリが好物だったという逸話もあります。日本には中国を経由して9世紀から10世紀頃までにはキュウリが伝わっていたと考えられます。ただし当時伝えられたものは南伝種と呼ばれる水分の少ないもので、完熟させて食べるのが一般的であったそう。

薬用(生薬)として利用されていた時期もあるそうですが、食用としては平安~江戸時代を通して野菜としての評価は極めて低く不人気で気した。キュウリが食されなかった理由は諸説ありますが、「瓜の中でも味が悪く、下品」というような記載が随所に見られることから、苦く不味かったため好んで食べる人が少なかったという説が有力です。江戸自体には切り口が徳川家家紋である葵の御紋に似ていることが加わり、武士は口にしなかったとも言われています。

キュウリが野菜として認められ始めたのは江戸時代末期。品種改良が進み、歯ごたえと味が良いキュウリが出来たことが大きなきっかけとされています。明治時代になると漬物などの利用価値が高いこともあり、一般家庭に受け入れられ食生活の中に定着していきます。第二次世界大戦後にはサラダ用野菜の代表格と言えるほどよく使われるようになり、現在は日本の国民一人当たりのキュウリ消費量は世界一と言われるほど愛される野菜となりました。

キュウリの民間療法

キュウリの刻むか擦りおろし、絞った汁を飲むと二日酔いに効くとされています。またこの絞り汁は切り傷や火傷の手当てにも良いそうです。

すりおろしたキュウリに小麦粉を加えて練ったものは、カーゼに塗って湿布として利用すると火傷・打ち身のケアに良いと言われています。バリェーションとして足の裏に貼ると日射病に良いというものもあります。より簡単な方法としては“輪切りにしたキュウリを貼ると熱冷ましになる”というものもあります。