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【桃】モモの栄養・効果

桃(モモ)イメージ

桃(モモ)とは

優しい甘さと、みずみずしくジューシーな食感が魅力の桃。旬の時期がハッキリとしていることもあり、気軽に食べる果物というよりは少し特別感がある存在ですね。植物としてはバラ科モモ属に分類されており、雛祭りの飾りなどでもお馴染みの桜に似た可愛らしい花を付けます。
桃の品種は約100種類と言われていますが、大きくは果肉の色で白肉桃・黄肉桃の2つに分けられます。日本で多く流通しているのは白肉桃で、こちらはさらに元となった品種から白桃系・白鳳系の2つに分かれます。日本での主流と言えるのが果皮がピンクがかった色・果肉が白色をしている“白鳳系”品種で、白桃系は果肉だけではなく果皮も白みが強いのが特徴。ちなみにネクタリンは品種ではなく変種(別種)という扱いになります。桃は世界中で栽培されていますが、甘さやジューシーで滑らかな食感は日本の品種群が断トツなのだとか。

中国では古くから桃は「長生の実」「不老長寿の仙果」と考えられ、体の中の悪いものを取り除く力がある・魔除けになるという民間信仰もあったのだとか。現在でも桃のデザインは吉祥図案とされており誕生日などのお祝い事では桃の実を象った“桃饅頭(壽桃)”を食べる習慣が残っているそうです。
日本で桃というと雛祭り=桃の節句が知られていますが、これは中国から伝わった五節句の一つ“上巳の節句”が元となっています。元々は人形(ひとがた)を身代わりにして川などに流すことで厄払いをする行事で、男女共通で厄払いをしていました。これが後に貴族の女の子の遊び道具“ひいな”と混じり江戸時代には“雛人形”を飾る行事、女の子の健やかな成長を祈る行事へと変化していきます。桃が使われているのは中国と同様に桃の神聖な力に守ってもらって女の子が健やかに成長できるようにという願いが込められていると言われています。

余談ですが桃といえば女の子の行事“桃の節句”や、丸くハリのある(主に女性の)お尻を“桃尻”と言ったり…桃そのものの色や形の関係からか女性を連想させる言葉としてもよく使われています。美しく美味しいけれどデリケートで痛みやすいことから、英語でもpeachは「若く魅力的な女性」という意味で使われる事があるそう。風水では恋愛運を上げるフルーツと言われているそうですし、桃の果実にも女性に嬉しい栄養素が含まれていますよ。
食用以外でも桃の種子から抽出された“ピーチカーネルオイル”はエモリエントオイルとしてスキンケアによく用いられていますし、桃の葉も入浴剤を始め化粧水やクリームなどに配合されています。また漢方では生薬として桃の種(桃仁)を女性特有の悩みに、桃の花(白桃花)も月経不順などの緩和やむくみ・便秘解消に用いられており、様々な面で女性を支えてくれる存在とも言えそうです。

桃の歴史

桃は中国が原産の果樹で、中国では紀元前1000年よりも昔から園芸作物として栽培が行われていたと考えられています。桃の野生種はアーモンドと同じだったのではないかと推測されており、古代中国で食用とされていた桃も現在の“桃”のように甘くジューシーなものではなく、アーモンドに近かったのではないかとも考えられています。
原産地である中国から桃はシルクロードを通りペルシアへ、そして1世紀頃にはギリシアやローマなどへも伝わっています。英名のピーチ(Peach)は“ペルシアのリンゴ(persicum malum)”が語源とされています。ヨーロッパ方面に伝わった桃は果実を美味しく食べられるように品種改良が行われ、黄桃(黄肉種)品種が多く確立されていきます。

古代中国で桃は桃・李(すもも)・杏子(アンズ)棗(ナツメ)を“五果”と呼び珍重されてきました。また邪気を祓い不老長寿を与える神聖な植物と信じられおり、神仙に力を与える仙木・仙果などとして物語にもよく登場します。私たちにも親しみがあるお話としては『西遊記』の孫悟空が五行山に投獄されるきっかけともなる、女神の桃園(蟠桃園)にある不老不死になる桃を食べたというものがありますね。
日本にも縄文~弥生時代頃に大陸から伝播したと考えられています。中国から桃=魔除け・延命長寿という考え方も伝わっていたようで『古事記』には伊弉諸尊(いざなぎのみこと)が黄泉醜女に桃を投げつけ難を逃れるシーンがありますね。桃太郎が桃から生まれたとされるのも、桃が魔除け・厄除けの象徴だったためではという説もあります。

平安時代から鎌倉時代になると“水菓子”と呼ばれ珍重されていたようですが、花を鑑賞する・祭祀具として使う・生薬にするなどの用途が主だったようです。江戸時代になると桃の栽培が広まり200以上の品種が栽培されていたと言われていますが、こちらも観賞用が主でした。屋敷の敷地内に桃を植えていた武家や農家などは果実も食べていたようですが、現在のように甘くも柔らかくもなかったようですし、栽培に手間がかかる・傷みやすく運搬が難しいことから広く親しまれる果物ではありませんでした。

果物としての桃の地位が高まったのは、明治に入って中国(清国)から甘みの強い上海水蜜桃や天津水蜜桃など“水蜜桃”と呼ばれる系統の桃が導入されたことが大きなきっかけと言われています。現在日本で流通しているほとんどの白桃(白肉桃)は白桃系・白鳳系の二つに分かれますが、この祖先と言えるのが中国から導入された水蜜桃なのだそう。またヨーロッパから黄桃系の品種も導入され、当初こそ缶詰など加工品用として使われることが多かったものの、現在は生食に適した黄金桃やゴールデンピーチなどの販売量も増えてきています。

桃はこんな方にオススメ

  • エネルギー補充に
  • 疲労回復のサポートに
  • 夏バテ予防・軽減に
  • 血行不良・冷え性緩和
  • むくみ予防・緩和に
  • 便秘・お腹の調子が気になる
  • 腸内フローラを整えたい方
  • 甘いものが食べたい時に
  • ダイエットのサポートに
  • 血圧が気になる方
  • 生活習慣病が気になる方
  • 老化を予防したい方
  • 肌のくすみが気になる方
  • 肌荒れを予防したい方

桃(モモ)の主な栄養・期待される効果

桃は全体の全体の90%近くが水分で、高カロリーと思われがちですが100gあたりのカロリーは40kcalと低めです。残り10%程度の大半をショ糖・果糖・ブドウ糖などの炭水化物が占めており、ビタミン・ミネラル類の含有量も全体的にさほど多くはありません。しかしクエン酸やリンゴ酸などの有機酸、カテキンやクマリンなどのポリフェノールが含まれており、健康や美容維持にも役立つと考えられています。

エネルギー補給・疲労回復

桃に含まれているクエン酸やリンゴ酸は、エネルギー代謝に関わるクエン酸回路(TCAサイクル)を活発にする働きがあります。クエン酸やリンゴ酸はこのクエン酸回路の中で生成される酸のため必須栄養素ではありませんが、クエン酸回路の働きが鈍ってしまった時にクエン酸などを外側から補ってあげることでクエン酸回路の活発化=代謝を良くすることが出来ます。桃には即効性のあるエネルギー源となる糖質も多く含まれていますから、クエン酸回路の活発化と合わせてエネルギー補給や疲労回復促進に役立ってくれるでしょう。

また筋肉痛などの原因として疲労物質“乳酸”がよく挙げられていますが、この乳酸もクエン酸回路内で生成される物質です。そのためクエン酸回路が潤滑に回ることで乳酸のもととなる物質(焦性ブドウ糖)の蓄積抑制・乳酸の代謝を高めることに繋がります。疲労がたまると体が酸性に傾くのもクエン酸回路の低下が原因とされていますから、クエン酸やリンゴ酸を摂取することで疲労予防や回復に役立つと考えられています。際立って多いわけではありませんが、桃には三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の代謝に不可欠とされるナイアシンやビタミンE・ビタミンCなど疲労と関わりの深い栄養素も含まれています。

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夏バテ予防・軽減

夏バテを起こす原因は色々ありますが、その一つとして汗などでカリウムが結合することも挙げられています。桃はミネラルの中でカリウムを比較的多く(※100gあたり180mg)含んでいます。グラムあたりの含有量で見ると果物類の中では中堅くらいのポジションですが、それでもリンゴやスイカの約1.5倍となります。
加えてクエン酸はキレート効果と呼ばれる働きでミネラルの吸収を高める働き、胃液の分泌を促ことで食欲を高める・消化を助ける働きもあります。桃はジューシーなことからも分かるように水分が多いので、カリウム以上に夏場に失われやすい水分補給も同時に出来ます。夏が旬な食べ物なだけに、夏場の健康管理にも役立ってくれるでしょう。

血行不良・むくみ対策

桃にはポリフェノールの一種で香り成分の「クマリンが含まれています。クマリンには抗酸化作用や抗血液凝固作用があり、血行を良くすることでむくみ改善やセルライト対策などに効果が期待されています。抗酸化作用や末梢血管拡張作用でスムーズな血液循環をサポートしてくれるビタミンEも100gあたり0.7mgと果物類の中では比較的多く含まれていますし、ナイアシンにも代謝をサポートする他に血行を促す働きがあるとされています。これらの栄養素が複合して働いてくれますから、血行不良や冷え性・末端冷え性の改善効果が期待できます。ちなみにフルーツの多くが体を冷やすと言われていいますが、桃はリンゴイチジクなどと共に体を温める性質(温性)とされていますよ。

またカリウムは体内でナトリウムとバランス取りあっているミネラルで、ナトリウム量が多い場合には排出を促す働きがあります。味の濃いものを食べた後などにむくみやすくなるのは、血中ナトリウム濃度が濃くなりすぎないよう身体が水分を取り込み保持しようとするため。カリウムを摂取することでナトリウムが排出されると、ナトリウム過多によって身体に溜め込まれていた水分の排出に繋がります。このカリウムの働きと血液循環の改善によってむくみ改善にも効果が期待できるでしょう。

整腸・便秘予防

意外なことに桃は果物(青果類)の中では食物繊維量が比較的多な部類に属しています。100gあたりの食物繊維総量は1.3gバナナを上回り、グレープフルーツの約2倍。便秘解消には桃をジュースにして飲む、というお婆ちゃんの知恵袋的な言葉もあるようです。水分補給にもなりますので便が硬いタイプの便秘にも適しています。
また1.3gの食物繊維のうち不溶性食物繊維0.7g水溶性食物繊維0.6gと、水溶性食物繊維が多いというのも桃の特徴です。不溶性食物繊維は“腸の掃除屋さん”と称される存在で、腸内の老廃物を掻き出す・便の量を増やすことで腸を刺激して蠕動運動を促す働きなどがあります。対して水溶性食物繊維は便の水分量を調節したり、腸内善玉菌のエサとなることで腸内フローラを整えてくれる存在です。

ちなみに理想的な食物繊維摂取バランスは不溶性2:水溶性1とされています。このうち食物繊維のうち不溶性食物繊維は野菜などに多く含まれているため、極端に偏った食生活でなければ補充できます。しかし水溶性食物繊維は含有率が低いため、便秘の解消や腸内環境改善などのためには意識的に摂取したい成分。桃は水溶性食物繊維の割合が高い食材ですから、食物繊維のバランスを取るという面でも役立ってくれるでしょう。

ダイエットサポート

桃はカロリーが高そうと思われがちですが、100gあたりのカロリーは40kcalと低め。これは果物類でも低い部類でオレンジグレープフルーツとほぼ変わらず、バナナの半分以下のカロリー数になります。一個食べたとしても概ね80~90kcal程度ですし、酸味や爽やかさが強い柑橘類よりは“甘み”を感じやすいのでダイエット中に甘いものが食べたい時にも重宝します。

カロリーがさほど高くないことに加え、桃に含まれている糖アルコールの一種でビタミン様物質の「イノシトール」には血管や肝臓への脂肪蓄積を抑制する働きが報告されています。そのためメタボリックシンドローム予防やダイエットサポートにも効果が期待されていますし、血行を良くすることで代謝を高めるクマリン・腸内フローラを整える水溶性食物繊維なども含まれています。クエン酸などの有機酸類やナイアシンも代謝を活発化する働きが期待できますから、適量であればダイエット中の代謝低下予防にも役立ってくれるでしょう。

生活習慣病予防

塩辛いものを食べすぎたりすると、ナトリウム濃度を保つために水分が取り込まれます。これはむくみの原因になるだけではなく、心臓や血管にも負担がかかります。桃は比較的多くカリウムを含んでいることから、塩辛い食事などで多く摂りすぎたナトリウムの排出を促すことで高血圧予防に役立つと考えられています。

桃には緑茶の成分として知られるカテキンやクマリンなどのポリフェノール類ビタミンEなどの抗酸化作用を持つ成分も含んでいます。このため過酸化脂質が血管に付着・蓄積して起こる動脈硬化の予防にも役立つと考えられます。また水溶性食物繊維にはコレステロール低下、イノシトールには血管や肝臓に滞っている脂肪・コレステロールの流れを良くするなどの働きも期待されており、抗酸化物質と協力して働くことで動脈硬化の予防にも役立つと考えられてます。血流が良くなることは血圧を正常に保ちやすくなることにも繋がりますね。

そのほか桃にはインスリンの働きを高めることで糖尿病予防に役立つのではという説もありますが、桃は糖質の含有量が多く主成分は果糖ではなく“ショ糖”になりますから、食べ過ぎには注意が必要です。デザートとして食べるよりも食事の前に食べたほうが良いと言われています。

美肌作り・老化予防

桃は血液循環をサポートしてくれるクマリンやビタミンEを含んでいます。血行が良くなることで肌のくすみやクマを改善し透明感アップに繋がり、しっかりと酸素や栄養が行き渡ることで肌の新陳代謝を高めてターンオーバーを整えることにも繋がります。またビタミンBの一種であるナイアシンにもは皮膚や粘膜を健やかに保つ働きがありますし、食物繊維の働きで腸内環境が良くなることなどから肌荒れ予防にも効果が期待できます。

クマリンやビタミンEは抗酸化物質でもあります。加えて桃にはカテキンやケンフェロール、薬効成分と言われるアントシアニン系色素(クリサンテミン)などのポリフェノール類も含まれています。特にクリサンテミンは肌や内蔵の老化に対して強力な予防効果があると言われていますが、他抗酸化物質類と相乗することで身体の内側・肌などの外見面両方で老化予防に役立ってくれるでしょう。古代中国で長寿の果物と言われていたのもこのあたりの働きを感じていたのかもしれませんね。

桃(モモ)の選び方・食べ方・注意点

桃が鉄分補給に良い・貧血に良いとする説もありますが、鉄分含有量は100gあたり0.1gと微量ですので鉄分を補給したい場合は別の食材を選んだほうが確実でしょう。また黄肉種の桃にはβ-カロテンが含まれていますが、白肉種には含まれていません。

桃を選ぶ場合は全体的にふっくらと丸みがあり、縫合線(お尻のように見える縦の割れ目)を挟んで左右均等なものを選びましょう。色については種類により差がありますが、一般的な果皮が桃色をした桃を選ぶ場合は色が鮮やかなものを選ぶようにすると良いです。色付いている部分に小さな白い斑点が出ているものが美味しいと言われています。

未熟なものは常温で追熟させ、熟したものは冷蔵庫に入れてください。と言ってもあまり日持ちはしませんので早めに食べるようにしましょう。また桃は身体を冷やさない果物とは言われていますが、冷蔵庫にキンキンに冷やして食べた場合は別です。桃自体も冷やしすぎると味が落ちると言われていますので、食べる1~3時間前に冷蔵庫に入れておくのがベストのようです。

効果アップが期待出来る桃の食べ合わせ

  • 桃+マンゴー・さくらんぼ・ミカン・ハトムギ
    ⇒美肌作り・乾燥肌予防に
  • 桃+レモン・アボカド・イチゴ・ブロッコリー
    ⇒アンチエイジングに
  • 桃+ヨーグルト・アロエ・くるみ・松の実
    ⇒便秘予防・改善に
  • 桃+グレープフルーツ・紅茶・ヨーグルト
    ⇒肥満予防・ダイエットに

桃(モモ)の民間療法

生薬としての桃の効能

桃の果肉こそ使われませんが、桃の種子(仁)・花(蕾)・葉は生薬として用いられています。桃の果実自体は妊娠中でも食べる事ができますが、これら部位は妊娠中の服用が禁止されていますので注意してください。

桃の種子は桃仁(トウニン)と呼ばれ、鎮痛・消炎・解毒・血行促進などの効能があるとされています。主に“桃核承気湯”など女性特有の不調に対する漢方に配合されており、そのほか便秘薬や鎮痛薬としても使われるようです。ただし桃の種は青酸配糖体「アミグダリン」を含んでおり、摂取量によっては毒性を発揮してしまうので自己判断での使用は危険です。身近なところでは桃の種をホワイトリカーに漬け込んで常飲すると肩こりの解消や美肌に良いという民間療法などもありますが、扱いには注意が必要なので専門家に相談したほうが良いでしょう。
桃の花は白桃花(ハクトウカ)と呼び、利尿作用があると言われています。むくみ・便秘の改善に取り入れられていますが、こちらも作用が強いので自己判断では使わないほうが確実です。

桃の葉は桃葉(トウヨウ)と呼ばれ解熱・鎮咳・去痰・利尿などの効能があるとされています。こちらは健康茶としても流通していますので、販売されているものを使う場合は容量用法を守れば特に問題は無いでしょう。鎮痛解熱などに役立つと言われており、風邪や気管支炎など呼吸器系の不調にも取り入れられているようです。
ちなみに桃の葉はお茶として飲むよりも入浴剤や化粧品成分として利用されることのほうが多いかと思います。夏の土用の「桃湯(桃葉湯)」をはじめ、あせも対策のお風呂やローションとして紹介されることも多いですね。桃の葉はタンニンなど収斂・消炎作用のある成分を多く含んでいますので、あせもだけではなく肌荒れやニキビ予防にも良いと言われています。

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投稿日:2014/08/12 (更新)
by SlowBeauty