食べ物辞典:スイカ
涼しげなサッパリ系果物、スイカ。夏バテ気味の時にも嬉しいですし、日本の夏の風物詩と言っても過言ではない食材ですよね。日本だけではなく世界中で愛されている果物でもあり、今から5000年以上も前から食用とされていた歴史もあります。水分量が多くて低カロリーなのはもちろんのこと、トマト以上にリコピンを含んでいること・筋肉量アップや血流改善効果が期待されるシトルリンを含んでいることから健康食・美容食材としても注目されていますよ。そんなスイカの歴史や栄養・期待される効果について詳しくご紹介します。
和名:スイカ(西瓜)
英語:watermelon
学名:Citrullus lanatus
スイカのプロフイール
スイカ(西瓜)とは
日本の夏の風物詩、夏の果物の王様とも称され全国的に親しまれているスイカ。立秋を過ぎた後に旬を迎えるスイカは秋の季語として使われるそうですが、現代の感覚で言うと暑い盛りに旬を迎える果物ですよね。夏休みの海でスイカ割り・縁側では涼んだり花火をみる時のお供になどお馴染みの風景の中にもよく登場しますし、冷やしたみずみずしいスイカを食べて“涼”を感じる時間が好きという方も多いのではないでしょうか。そんな日本の夏という印象が強いスイカですが、各国の収穫量で見ると実は世界収穫量の1%にも満たないほど。世界生産収穫量の65%以上を中国が占めており、トルコやイラン、アメリカ、ロシアなどでもかなりの量が収穫されています。『トム・ソーヤーの冒険』の著者マーク・トウェイン氏はスイカが好きで“天使の食べ物(angels eat)”と呼んだそう。スイカは世界的に愛されている果物なんですね。
スイカは漢字で“西瓜”とも書かれる通りウリ科の植物です。よく仲間として紹介されるメロンやキュウリがウリ科キュウリ属なのに対し、スイカはウリ科スイカ属と属が分かれています。ちなみにメロンもスイカも消費者目線で言えば“果物”ですが、一年生草本に分類されることなどから農林水産省の区分では「果実的野菜(果菜)」に分類されています。世界中で栽培されているスイカは品種数が多い果物の一つでもあり、世界中には1200以上もの品種があります。例えば日本では球に近い形状のスイカがポピュラーですが、欧米ではラグビーボールのような縦長の形状が主。形だけではなく国によって果肉や果皮の色などにも違いがありますから、スイカと言われてイメージするビジュアルにもかなりの違いがあるのかもしれません。
日本でスイカは果肉の種類で赤肉(紅肉)種・黄肉種・白色種の3つに、もしくは形状で大玉・小玉・長形の3つに大きく分けられています。日本で流通量が多いのは赤肉系で、大玉種で祭ばやし・縞王など、小玉種では紅こだま・ひとりじめなどと様々な品種が作られています。また赤肉で果皮が黒い“黒皮系品種”ではタヒチという品種(流通名がダイナマイトスイカ・でんすけすいか等のもの)が北海道でよく食べられていますよ。メロン産地という印象のある北海道ですが、意外と道民にはスイカ好きが多かったりします。品種は普通の赤肉系でも型に入れて栽培された四角いスイカやハート型のスイカ、三角柱状のスイカに目や鼻をつけた人面スイカなどユニークな形状のスイカ作りも話題になりましたね。
黄肉種はクリーム色から蛍光黄色に近いような色合いのものが多く流通していましたが、近年はサマーオレンジなど赤肉との中間くらいの色をしたスイカも流通しています。赤肉ですが果皮が鮮やかな黄色をしている太陽スイカなどカラフルな品種もあります。また、熟しても果肉が白いままの“銀世界”などの白肉系品種の人気も高まっていますし、アメリカには“moon and stars”と呼ばれる緑もしくは黒色の果皮に小さな黄色い斑点(星)と1つか2つの大きな黄色い丸模様(月)がある品種が注目されたりとバリエーションは様々。人面スイカなどは味よりも見た目を重視していることもあるそうですが、品種として作られているものは味もしっかり美味しいですよ。
スイカの栄養成分・効果について
栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
スイカは全体の約90%が水分で、100gあたり37kcalと非常に低カロリーな果物です。三大栄養素の中では糖質が大半を占めますが、メロンや桃などの糖類の主成分はショ糖なのに対しスイカの糖質の主成分は“果糖”のため血糖値を上げにくい性質があるとも言われています。また特徴成分と言えるアミノ酸の“シトルリン”やリコピンを含むことからも様々な健康メリットが期待されています。
日本で食用とされているスイカは大きく赤肉系・黄肉系の2つに分かれていますが、下記では『日本食品標準成分表七訂』の“赤肉種、生”の掲載数値を元に作成しております。カロリー・ミネラル類・ビタミン類の含有量はほとんど変わりませんが、色素成分(ポリフェノール)の種類が異なりますので後記の黄肉系スイカの栄養成分についても合わせてご覧ください。
スイカの効果効能、その根拠・理由とは?
夏バテ予防・軽減に
夏が旬であり瑞々しい果物でもあることから、スイカは古くから夏バテ対策として取り入れられてきた食材の一つでもあります。江戸時代に記された『農業全書』には“暑気を冷ます”との記述があるようですし、民間療法としてもスイカの絞り汁を熱冷まし感覚で発熱時・夏バテ対策などに利用するものがありますね。スイカが古くから熱を冷ます食材であると考えられていた理由はいくつか挙げられていますが、水分が多いので冷やして食べると体内の余分な熱を冷ましてくれること・利尿効果があることが大きいと考えられます。
成分的に見てもスイカは水分補給に役立つのは勿論のこと、汗をかく夏場に失われやすいカリウムなどのミネラル類・エネルギー転換が早いの果糖やブドウ糖などの糖質類をバランス良く含んでいます。こうした水分+栄養価からスイカは“飲むスポーツドリンク”とも称され、夏場の水分やエネルギー源補給をサポートし夏バテ・熱中症を予防してくれる果物と考えられています。暑い時にジューシーでヒンヤリとしたスイカは美味しく感じますが、体を冷やしすぎたりお腹を壊す危険性もありますので摂取量は程々にしましょう。
また夏バテで体が参っている・食欲が落ちている時の栄養補給源としても役立つと考えられますが、果物の中では栄養価が高いと言われているもののスイカで1日に必要な栄養を補給できるわけではありません。スイカばかりを食べていると体調を崩してしまう可能性もあるので、主食・主菜のように扱うのは避けて下さい。
疲労回復・筋肉アップに
スイカは「シトルリン(citrulline)」という成分を含むことから、運動に伴う疲労や筋肉痛の軽減・筋肉増強をサポートする働きも期待されています。シトルリンは日本の研究者によってスイカ果汁の中から発見された成分で、スイカの属名である“Citrullus”にちなんで命名されたアミノ酸の一種です。シトルリンはスイカだけではなくメロンやゴーヤ・キュウリなどウリ科食材に広く含まれていることが分かっていますが、野菜や果物からの補給効率としてはスイカが最も含有量が多く取り入れやすいことが評価されています。
シトルリンは様々な働きを持つ可能性が報告されていますが、注目されているのは一酸化窒素の生成を促すという働きでしょう。一酸化窒素は体内で血管を広げる作用があるため、シトルリンを摂取することは血液循環を良くすることに繋がります。血液循環が良くなることは運動時の体の動きを良くしてくれるほか疲労の原因となる老廃物の排出促進にもなりますね。シトルリンは尿素回路(オルニチン回路)に働きかけることでアンモニア分解・排出を促す働きも認められています。
加えてシトルリンは尿素回路(オルニチン回路)などにおいてアルギニンに変換される・アルギニンから分解される物質でもあります。アルギニンもシトルリン同様に血行拡張作用をもつアミノ酸ですし、成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。アルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンとして摂取したほうが効果的であるという見解もあるほど。こうしたシトルリンの働きと、水分や糖質を適度に補給できるということからスイカは疲労回復や運動をする際のお供としても適した食材と考えられています。
脳疲労軽減・集中力向上にも期待
スイカは夏バテだけではなく、疲労・疲労感などでぐったりとした気分の時のサポートとしても役立つ食材と考えられています。これも血流を良くすること、疲労の原因となる“アンモニア”を尿素への分解・排出を促すというシトルリンの働きによる所が大きいでしょう。アンモニアは通常、尿素回路(オルニチン回路)によって分解され尿として体外へ排出されています。しかし肝機能と腎機能が低下してしまうと代謝が滞り、血液とともに全身へと循環して神経伝達物質の働きを阻害する・疲労感や倦怠感などの悪影響を及ぼすと考えられています。
このため特に運動などをしていない場合でも、アンモニア代謝の低下から疲労感や疲れの抜けなさを感じる場合があることが指摘されています。スイカに含まれているシトルリンはアンモニア代謝を促進することで、アンモニア代謝低下が原因の疲労感や倦怠感などのどんよりとした状態を緩和する働きが期待されています。一酸化窒素の生成促進によって血流量を増やすことも、脳へと供給させる血液量をアップさせて精神疲労緩和・集中力アップに繋がるでしょう。
ただしシトルリンは食品から必要量を摂取するのは難しいとも言われている成分です。食材の中では圧倒的にシトルリン量が多いとされているスイカのシトルリン含有量は100gあたり180mg。このシトルリン含有量は果皮部分も含んでの含有量なので、普通にスイカを摂取した場合はこの含有量よりも低いと考えるべきです。なので疲労回復・筋肉アップ・脳疲労軽減などをサポートしてくれる可能性はありますが、薬のような劇的な効果は期待しない方が確実です。
アンチエイジング(抗酸化)に
スイカは抗酸化作用を持つ成分を含むアンチエイジングフルーツとしても女性を中心に人気が高まっている食材。スイカのβ-カロテン含有量は100gあたり830μgと緑黄色野菜の基準値を上回るほど多く含まれており、同グラムで比較した場合はピーマンの約2倍になります。また、赤肉系のスイカであれば、同じくカロテノイドの一種でありβ-カロテンの2倍以上の抗酸化力があると言われるリコピンを豊富に含んでいることも注目されています。
スイカのリコピン量は『日本食品標準成分表』にリコピンの項目はなく、販売者・メディアによって記載されていることがバラバラなのが現状。100gあたりトマト3.0mg・スイカ3.2mgとする説、スイカはトマトよりも約40%程度リコピンが多いとする説などがあります。諸説ありますが、一般的なトマト(※ピンク系品種)よりも赤肉スイカの方が多く含まれているとの見解が主。スイカが豊富なリコピン源であるという認識は共通しています。
こうしたカロテノイド以外にスイカにはビタミンCとビタミンEも含まれています。どちらも抗酸化作用を持つビタミンですし、ビタミンA(β-カロテン),C,Eは同時に摂取することで高いの働き・体内での活動時間を延長させるなどの相乗効果を持つとされている関係でもあります。スイカはカロテン類・ビタミンC・ビタミンEと様々なタイプの抗酸化物質を補給できるので、活性酸素による細胞の酸化を抑えて身体を若々しく健康に保つサポートにも適していると考えられます。
高血圧・動脈硬化予防に
スイカに含まれているβ-カロテンやリコピンなどの抗酸化物質は血中脂質やコレステロールが酸化・蓄積するのを抑制し、血管を広く柔軟な状態に保つ働きもあります。アミノ酸の一種であるシトルリンも血管を拡張して血液循環を促すだけではなく、血管の柔軟性を保持したり血栓の生成を防ぐ働きもあると考えられています。これらの成分を含むことから、スイカは血管を若々しく健康な状態に保つことで動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの予防に役立つと考えられています。
加えて、スイカにはカリウムも含まれています。カリウム含有量は野菜・果物類の中では特に多いわけではありませんが、カロリーの低さを考えると補給源として役立ってくれるでしょう。カリウムはナトリウムの排出を促すことで、ナトリウム濃度を保つために増えた血液量(水分)を戻し心臓への負担・血圧上昇を抑える働きがあります。血液が無理なく循環するようになることと合わせて、高血圧予防にも効果が期待できるでしょう。ただし血圧が気になる方は塩をかけないで食べるようにしてください。
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血行促進・血流アップにも
スイカに含まれているアミノ酸のシトルリンは一酸化窒素の生成を促すことで血管拡張をサポートし、血流を整える働きがあります。この血液循環促進作用は運動パフォーマンス向上・筋肉痛軽減だけではなく、血行不良に起因する様々な不調の改善にも繋がると考えられています。シトルリンは血行不良によって起こる肩こりや腰痛をはじめ、冷え性・末端冷え性・神経痛などから、男性の勃起機能関係までと様々な健康食品に配合されている成分でもありますよ。
むくみ対策に
スイカはカリウムを含むため“むくみ”に良いと思われていることもありますが、100gあたりのカリウム含有量は120mgと青果類の中では下位に位置しています。しかしスイカは“むくみが気になる方にオススメの果物”の王様のようなイメージを持たれていますし、民間療法の中でもむくみの特効薬として扱われる食材の一つと言えます。スイカがむくみむくみ改善をサポートしてくれる理由はいくつかありますが、カリウム補給源としてだけではなく、シトルリンが含まれている関係も大きいと考えられます。
シトルリンは血行を促すことで、特に心臓部から遠く血流の滞りによって生じやすい足のむくみ改善などに役立つと考えられています。色素成分として含まれているリコピンやにβ-カロテンも抗酸化作用によって血流をスムーズに保つ働きがありますので、相乗効果も期待できるでしょう。加えてスイカは水分量が多い果物ですから、水分不足から来るむくみの予防にもなります。100gあたりのカリウム量としては控えめですが、小玉1/8カットでも概ね200g以上を摂取することになるので、ほどほどのカリウム補給にも役立ちます。こうした様々な成分と水分をバランスよく補給することで、スイカはむくみを緩和をサポートしてくれる果物として親しまれたのではないでしょうか。
肥満予防・ダイエットサポートに
スイカにはシトルリンやリコピンなど血行を良くして代謝アップをサポートしてくれる成分も含まれています。むくみの改善にも繋がりますから、痩せるというわけではないもののスタイル維持にも役立ってくれるでしょう。スイカは100gあたり37kcalと果物類の中でもカロリーが低く、仮に400g=小玉スイカ4分の1カットくらいを食べたとしても148kcalとコンビニおにぎり一個よりも摂取カロリーは少なくなります。果糖やブドウ糖などの割合が高いこともありGI値72と高めになっていますが、1単位(80kcal)程度の摂取であれば糖尿病の食事療法でも問題はないとされています。
そのほかリコピンには脂肪蓄積を抑制する働きが期待されていますし、近年はスイカに含まれる糖質分解酵素「マンノシダーゼ(マンノシターゼ)」にも糖分の吸収を抑える・血糖値の上昇を抑える働きがあるという説もあります。この2つについては研究・実験報告がほとんどなく信憑性は今一つ。食べて何もせずに痩せるとは考えないほうが良いでしょう。また、スイカは食物繊維が豊富で便秘にも有効とする説がありますが100g中の食物繊維量(総量)は0.3gと果物類の中でもかなり低い部類になります。同グラムで比較した場合はリンゴの5分の1程度の量ですので、食物繊維の摂取を第一に考えている場合は別の果物を選んだほうが確実です。
とは言えダイエット中に我慢に我慢を重ねるよりも、口寂しい時や甘いものが食べたい時はスイカを食べるようにすると反動食いリバウンドの防止に繋がるというメリットはあります。食べるだけで糖や脂肪の吸収を抑えてくれるかは疑問が残りますが、栄養素と抗酸化物質の補給から代謝低下予防にも繋がります。過信せずに食べれば十分にタイエットのお供としても有用な果物と言えるでしょう。
美白・美肌作り
スイカはリコピンやβ-カロテンなどの抗酸化物質を豊富に含むことから、肌の抗酸化=アンチエイジングにも効果が期待されています。またβ-カロテンは体内でビタミンAに変換されることで皮膚粘膜の保護・新陳代謝を促すなどの働きがありますし、リコピンにもコラーゲン生成促進・メラニン色素生成抑制作用が期待されています。夏場に特に気になる紫外線による光老化・シミ対策としても役立ってくれるでしょう。
そのほかシトルリンは角質層にある天然保湿因子(NMF)の構成物質でもあるため、肌のハリや潤いの保持にも関係しています。摂取した分が天然保湿因子になるという保証はありませんが、外側からシトルリンを補ってあげることで肌の潤いアップに繋がる可能性もあります。スイカには皮膚の保護に役立つビタミンA(β-カロテン)も含まれていますので、乾燥肌の改善にも役立ってくれるかもしれません。
間接的な働きとはなりますがシトルリンやリコピンによって血行が促されることからくすみや顔むくみ改善・お肌の新陳代謝を向上させターンオーバーを促すことで出来てしまったシミの軽減などにも繋がります。含有量が多いわけではありませんが、ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンEなどビタミン類を広く含む食材でもありますので美肌野菜として人気が出たのも納得ですね。
黄肉系スイカの栄養成分について
赤肉スイカはリコピンを多く含むことが特徴と言えます。対して果肉が黄色いタイプのスイカはリコピン含有量が少なく、β-カロテンとキサントフィル類を多く含んでいることが特徴とされています。キサントフィル類も同じく抗酸化作用が認められていますし、脂肪燃焼・抗肥満作用やブルーライト(青色光)から目を守る働きなどが報告されている成分もあります。このため黄色でも同じく抗酸化やダイエットサポートには役立つと考えられています。
色素成分には差異がありリマスが、ビタミンやミネラルの含有量・カロリーなどは赤肉・黄肉どちらも『日本食品標準成分表』の記載数値ではほぼ変わりありません。差異があるとすれば果肉というよりも品種や産地による所が大きいでしょう。かつて「赤いほうが栄養価が高い」「赤肉の方が甘くて美味しい」と称されていたようですが、各々の美味しさを追求して品種改良と栽培が行われています。味・栄養ともに甲乙つけ難い存在というのが的確かと思います。好み次第の部分はありますから、お好きな方を選ぶと良いでしょう。
目的別、スイカのおすすめ食べ合わせ
スイカの選び方・食べ方・注意点
スイカは食べ過ぎると水分のとり過ぎになったり、身体が冷えることで下痢をしやすくなります。特に刺激物質などが含まれているわけではありまので妊婦さんの栄養補給・つわり対策としても適していますが、お腹が冷える・下る可能性がありますので食べ過ぎには注意しましょう。一日に食べる量の目安としては小さめの玉1/8カット(200~250g)くらいとされていますが、体質などの問題もあるので不安な方は少なめにして下さい。
美味しいスイカの選び方・保存方法
スイカを選ぶ際は軸(ツル)の付け根が凹んでいるもの・色が綺麗な緑色をしているを選ぶと良いでしょう。また縦縞模様のものであればコントラストがクッキリとして、模様が雷のようにうねって多方向に走っているものが甘いことが多いそう。特に黒い部分が盛り上がっているように感じるものがあれば、新鮮で美味しいスイカとされていますよ。
スイカが食べ頃かを見分けるには、お尻(底辺)にある穴の大きさで判断します。下側のお尻(ヘソ部分)が一円玉~五円玉よりもやや小さいくらいの大きさのものが食べ頃。小指の爪くらいと小さく閉まっているものであれば、まだ未熟です。大きすぎるものは熟れ過ぎの可能性があるので避けたほうが良いですが、即日に食べる予定が無ければ少し小さめのお尻のスイカを選ぶという方法もあります。それ以外にプロの方などは叩いた音でも完熟・未熟を判別できるようですが、慣れていない方はイマイチわからないことの方が多く無理に行う必要はありません。
住環境の関係もあり現在はスイカを水につけるよりも冷蔵庫に入れるご家庭の方が多いかと思いますが、実はスイカは冷やしすぎると甘味が弱まってしまう性質があります。一玉丸ごとの場合であれば直射日光が当たらず風通しの良い涼しい場所に置いておくのがベストと言われています。ただし、スイカは追熟しない果物。収穫後は種が栄養を吸う・水分が抜けていってしまうため、買ったらすぐに食べたほうが美味しくいただける果物の一つとされています。
カットスイカを選ぶ場合は、果肉の赤いところと白いところの境目がクッキリしているもの・種ありであれば種が黒くしっかりとしたものを選びます。真ん中(カットなので頂点)の部分がバキバキに割れていたり、種周りの果肉がスカスカした感じになっているものは避けたほうが無難。カットスイカの場合はラップをかけて冷蔵庫の野菜室が好ましいですが、味がどんどん落ちていくので早めに食べるようにしてください。
西瓜糖について
西瓜糖(スイカトウ)というのは、スイカの果肉もしくは果汁を煮詰めて作ったシロップのようなもの。作り方はざっくりと言えば、スイカの果肉もしくはスイカを丸ごとミキサーにかけて濾して作ったスイカジュースを、弱火から中火で1/10位になるまで煮詰めたもの。スイカジャムともスイカシロップとも呼べるような存在です。スイカ糖の作り方は人それぞれで、果汁だけを煮詰めていく方もいれば、皮や種を含めたスイカ丸ごとを使って煮詰めていく方もいらっしゃいますよ。
民間療法上の効能はさておき、スイカ糖は濃縮スイカ液・甘味料感覚で使用することが出来ます。ソーダなどで割っても美味しく頂けます。手に入れたスイカがボソボソだった・味がしなかった時などの活用法としても良いのではないでしょうか。
スイカの皮・種について
食べずに捨ててしまうことの多いスイカの皮。しかし赤い果肉と外皮の中間にある白い層の部分は果肉部よりもシトルリンが多く含まれています。ほとんど味がしないので白い皮まで食べるのは嫌という方もいらっしゃるかもしれませんが、白い部分のみを分けるとお漬物やサラダ・炒めものなどに合いますよ。感覚としてはキュウリやズッキーニに近いでしょうか。スイカの効果とされている血行促進やむくみ改善などはシトルリンの働きに由来する部分が多いので、是非活用してみて下さい。
またスイカの種も栄養価が高いナッツ類として近年注目されています。中国や台湾などではおやつ感覚で食べると言われていますし、スイカの種を炒ったものに熱湯を注いだ「スイカ種茶」は解熱や鎮静作用がある健康茶としても利用されています。果肉に劣らずむくみ解消などにも役立つと考えられていますから、こちらも取り入れてみて損はないかもしれません。
↓スイカの種についてはこちら
【参考元】