スイカ(西瓜)とその栄養成分・効果効能
|リコピン豊富で美容に良い? 注意点はある?

スイカイメージ

スイカ(西瓜)とは

日本の夏の風物詩、夏の果物の王様とも言われ親しまれているスイカ。立秋を過ぎた後に旬を迎えるスイカは秋の季語に使われるそうですが、現代の感覚で言うと暑い盛りに旬を迎える果物と言えます。夏休みの海でスイカ割り・縁側では涼んだり花火をみる時のお供になどお馴染みの風景の中にもよく登場しますし、冷やしたみずみずしいスイカを食べて“涼”を感じる時間が好きという方も多いのではないでしょうか。

スイカは漢字で“西瓜”とも書かれる通りウリ科の植物です。よく仲間として紹介されるメロンキュウリがウリ科キュウリ属なのに対し、スイカはウリ科スイカ属と属が分かれています。ちなみにメロンもスイカも消費者目線で言えば“果物”ですが、一年生草本に分類されることなどから農林水産省の区分では「果実的野菜(果菜)」に分類されています。

「日本の夏」という印象が強いスイカですが、各国の収穫量で見ると実は世界収穫量の1%にも満たないほど。というのもスイカ・メロン共に中国が圧倒的に多く、スイカに関してであれば世界生産収穫量の65%以上を中国が占めています。次いでトルコやイラン、そのほかアメリカ・ロシアなどでもかなりの量が収穫されています。日本国内ではメロンよりも収穫量は多いものの、世界収穫量ランキングで見るとスイカのほうが順位が低くなっています。スイカは世界的に愛されている果物なんですね。『トム・ソーヤーの冒険』の著者マーク・トウェイン氏はスイカが好きで“天使の食べ物(angels eat)”と呼んだそうですよ。

そんなスイカは品種数も非常に多いですが、日本では果肉の種類で赤肉(紅肉)種・黄肉種・白色種の3つに、もしくは形状で大玉・小玉・長形の3つに大きく分けられています。また品種だけではなく型に入れて栽培された四角いスイカやハート型のスイカ、三角柱状のスイカに目や鼻をつけた人面スイカなどユニークな形状のスイカ作りも行われていますね。そうした見た目や涼やかな風味もスイカの魅力ですが、最近はスイカのリコピンやシトルリンなどが健康成分として紹介されることもあり、健康食材・美容果実として取り入れる女性も増えていると言われています。

スイカ(西瓜)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

スイカは全体の約90%が水分で、100gあたり37kcalと非常に低カロリーな果物です。三大栄養素の中では糖質大半を占めますが、メロンや桃などの糖類の主成分はショ糖なのに対しスイカの糖質の主成分は“果糖”のため血糖値を上げにくい性質があるとも言われています。また特徴成分と言えるアミノ酸の“シトルリン”やリコピンを含むことからも様々な健康メリットが期待されています。

スイカはこんな方にオススメ

  • 夏バテ・熱中症予防に
  • 暑さの緩和に
  • 運動前の水分・栄養補給
  • 筋力アップ・筋肉痛予防
  • 疲労感・疲れやすい方に
  • 集中力が持たないと感じる
  • 老化予防(アンチエイジング)
  • 動脈硬化の予防に
  • 血圧が気になる方に
  • 血行不良が気になる方
  • 肩こり・腰痛の軽減に
  • 冷え性の予防・改善
  • むくみやすい方
  • 肥満・メタボ予防に
  • ダイエットのサポートに
  • 内側からの紫外線対策に
  • シミ予防・美白に
  • 肌の乾燥が気になる方

下記ではこうしたお悩みがある方にスイカが良いとされる理由や、スーパーアミノ酸とも称されるシトルリンの働きや含有量・スイカを食べる時の注意点などを詳しくご紹介します。

日本で食用とされているスイカは大きく赤肉系・黄肉系の2つに分かれていますが、下記では日本食品標準成分表七訂の“赤肉種、生”の掲載数値を元に作成しております。カロリー・ミネラル類・ビタミン類の含有量はほとんど変わりませんが、色素成分(ポリフェノール)の種類が異なりますので次ページのスイカの種類についても合わせてご覧ください。

夏バテの予防・軽減

夏が旬であり瑞々しい果物でもあることから、スイカは古くから夏バテ対策として取り入れられてきた食材の一つでもあります。江戸時代に記された『農業全書』には“暑気を冷ます”との記述があるようですし、民間療法としてもスイカの絞り汁を熱冷まし感覚で発熱時・夏バテ対策などに利用するものがありますね。スイカが古くから熱を冷ます食材であると考えられていた理由はいくつか挙げられていますが、水分が多いので冷やして食べると体内の余分な熱を冷ましてくれること・利尿効果があることが大きいと考えられます。

また成分的に見てもスイカは全体重量の約90%が水分なので水分補給に役立つのは勿論のこと、汗をかく夏場に失われやすいカリウムなどのミネラル類・エネルギー転換が早いの果糖やブドウ糖などの糖質類をバランス良く含んでいます。この栄養価からスイカは“飲むスポーツドリンク”とも称され、夏場の水分やエネルギー源補給をサポートし夏バテ・熱中症を予防してくれる果物と考えられています。

また夏バテで体が参っている・食欲が落ちている時の栄養補給源としても役立つと考えられますが、果物の中では栄養価が高いと言われているもののスイカで1日に必要な栄養を補給できるわけではありません。スイカばかりを食べていると体調を崩してしまう可能性もあるので、主食・主菜のように扱うのは避けて下さい。効能を抜きにしてもジューシーでヒンヤリとしたスイカは美味しく感じますが、体を冷やしすぎたりお腹を壊す危険性もありますので摂取量は程々にしましょう。

疲労回復・筋肉アップ

スイカは「シトルリン(citrulline)」という成分を含むことから、運動に伴う疲労や筋肉痛の軽減・筋肉増強をサポートする働きも期待されています。シトルリンは日本の研究者によってスイカ果汁の中から発見された成分で、スイカの属名である“Citrullus”にちなんで命名されたアミノ酸の一種です。シトルリンはスイカだけではなくメロンゴーヤキュウリなどウリ科食材に広く含まれていることが分かっていますが、野菜や果物からの補給という点ではスイカが最も含有量が多く取り入れやすいと言われています。

シトルリンは様々な働きを持つ可能性が報告されていますが、注目されているのは一酸化窒素の生成を促すという働きでしょう。一酸化窒素は体内で血管を広げる作用があるため、シトルリンを摂取することは血液循環を良くすることに繋がります。血液循環が良くなることは運動時の体の動きを良くしてくれるほか疲労の原因となる老廃物の排出促進にもなりますね。

またシトルリンは尿素回路(オルニチン回路)に働きかけることでアンモニア分解・排出を促す働きも認められています。加えてシトルリンは尿素回路(オルニチン回路)などにおいてアルギニンに変換される・アルギニンから分解される物質でもあります。アルギニンもシトルリン同様に血行拡張作用をもつアミノ酸ですし、成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。アルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンとして摂取したほうが効果的であるという見解もあるそう。シトルリン摂取による実験では運動パフォーマンス向上・筋肉痛予防に対する有効性が報告されており、近年はアスリート向けの商品・筋力アップやダイエット用サプリメントなどにも配合されています。

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脳疲労軽減・集中力向上

スイカは夏バテだけではなく、疲労・疲労感などでぐったりとした気分の時のサポートとしても役立つ食材と考えられています。これも血流を良くすること、疲労の原因となる“アンモニア”を尿素への分解・排出を促すというシトルリンの働きによる所が大きいでしょう。

アンモニアは激しいトレーニングや腸内細菌の働きなどで発生しますが、通常は尿素回路(オルニチン回路)によって分解され尿として体外へ排出されています。しかし不規則な生活・緊張など様々なストレスによって肝機能と腎機能の低下が起こると代謝が滞ることで血液とともに全身へと循環してしまい、神経伝達物質の働きを阻害する・疲労感や倦怠感などの悪影響を及ぼすと考えられています。そのため特に運動などをしていない場合でも、アンモニア代謝の低下から疲労感や疲れの抜けなさを感じる場合があります。

シトルリンはアンモニア代謝を促進してくれる成分であるため、こうした疲労感や倦怠感などのどんよりとした状態を緩和し、また肝臓の負担を軽減する働きも期待されています。一酸化窒素の生成促進によって血流量を増やすことも、脳へと供給させる血液量をアップさせて精神疲労緩和・集中力アップに繋がるでしょう。

ただしシトルリンは食品から必要量を摂取するのは難しいとも言われている成分です。食材の中では圧倒的にシトルリン量が多いとされているスイカのシトルリン含有量は100gあたり180mg。このシトルリン含有量は果皮部分も含んでの含有量なので、普通にスイカを摂取した場合はこの含有量よりも低いと考えるべきです。なので疲労回復・筋肉アップ・脳疲労軽減などをサポートしてくれる可能性はありますが薬のような劇的な効果は期待できません。

アンチエイジング(抗酸化)

スイカは抗酸化作用を持つ成分を含むアンチエイジングフルーツとしても女性を中心に人気が高まっている食材。スイカのβ-カロテン含有量は100gあたり830μgと緑黄色野菜の基準値を上回るほど多く含まれており、同グラムで比較した場合はピーマンの約2倍になります。

また赤肉系のスイカであれば同じくカロテノイドの一種でありβ-カロテンの2倍以上の抗酸化力があると言われるリコピンも、一般的なトマト(※ピンク系品種)よりも多く含まれていると言われています。リコピン量については諸説ありますが、100gあたりトマト3.0mg・スイカ3.2mgとする説、スイカはトマトよりも約40%程度リコピンが多いとする説がありますよ。

こうしたカロテノイド以外にスイカにはビタミンCとビタミンEも含まれています。どちらも抗酸化作用を持つビタミンですし、ビタミンA(β-カロテン),C,Eは同時に摂取することで高いの働き・体内での活動時間を延長させるなどの相乗効果を持つとされている関係でもあります。スイカはカロテン類・ビタミンC・ビタミンEと様々なタイプの抗酸化物質を補給できるので、活性酸素による細胞の酸化を抑えて身体を若々しく健康に保つサポートにも適していると考えられます。

高血圧・動脈硬化予防

スイカに含まれているβ-カロテンやリコピンなどの抗酸化物質は血中脂質・コレステロールが酸化することで出来る過酸化脂質の生成を抑制し、血管を広く柔軟な状態に保つ働きもあります。アミノ酸の一種であるシトルリンも血管を拡張して血液循環を促すだけではなく、血管の柔軟性を保持したり血栓の生成を防ぐ働きもあると考えられています。これらの成分を含むことから、スイカは血管を若々しく健康な状態に保つことで動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの予防に役立つと考えられています。

またスイカにはカリウムも含まれています。含有量は100gあたり120mgと野菜・果物類の中では特に多いわけではありませんが、カロリーの低さ・間食やデザートとして食べることが多い食材であることも考えると補給源として役立ってくれるでしょう。カリウムはナトリウムの排出を促すことで、ナトリウム濃度を保つために増えた血液量(水分)を戻し心臓への負担・血圧上昇を抑える働きがあります。血液が無理なく循環するようになることと合わせて、高血圧予防にも効果が期待できるでしょう。ただし血圧が気になる方は塩をかけないで食べるようにしてください。

血行促進・血流アップ

スイカに含まれているアミノ酸のシトルリンは一酸化窒素の生成を促すことで血管拡張をサポートし、越流を整える働きがあります。この血液循環促進作用は運動パフォーマンス向上・筋肉痛軽減だけではなく、血行不良に起因する様々な不調の改善にも繋がると考えられています。シトルリンは血行不良によって起こる肩こりや腰痛をはじめ、冷え性・末端冷え性・神経痛などから、男性の勃起機能関係までと様々な健康食品に配合されている成分でもありますよ。

次ページでは「スイカは冷え性の良い?悪い?」という部分や、ダイエット・美肌など美容面でスイカが注目されている理由・スイカの選び方などをご紹介していきます。