チコリー/アンディーブの栄養成分や効果効能
|チコリ酸・チコリコーヒーや注意点についても…

チコリー(アンディーブ)イメージ

チコリー(アンディーブ)とは

チコリーはヨーロッパの“ミニ白菜”と言えるような、ラグビーボール状の形をした野菜。名前は知っているけれど使ったことがない・食べたことのないという方も珍しくない、日本では最近見かけるようになった馴染みの薄い食材の一つでもあります。サラダからグリル・スープまで幅広く使われていますが、サラダ野菜として使う方が多いのではないかと思います。チコリーの葉のカーブを活かしてサラダボートにすると取りやすく食べやすいですし、見た目も可愛らしくオシャレに仕上がりますよね。食感はサクサク・シャキシャキとしており瑞々しい白菜と言ったところですが、ややほろ苦いことが特徴。

チコリーは植物としてはキク科キクニガナ属に分類されるため、アブラナ科に分類される白菜とはさほど近い植物ではありません。属名でもあるキクニガナはそのままチコリーの和名としても使われており、漢字で書くと“菊苦菜”。なかなかインパクトのある名前ですが、私達が実際口にするチコリーは実のところそこまで苦くはありません。市販されているチコリーのほとんどが遮光栽培された新芽なので「ほろ苦い」程度の程よい味になっているのだとか。露地栽培でしっかりと日光を浴びたチコリーの葉を生で食べるとなると、かなりの勇者でないと辛いくらいに苦味が強いそうですよ。

チコリーはチコリ・チコレ・アンディーブ・エンダイブなど様々な名前で呼ばれる食材でもあります。これはフランス語と英語の呼び方が混じった結果、紛らわしいことになってしまったためだとか。白菜のような外見のヨーロッパ野菜は英名をチコリーもしくはチコリ(chicory)・フランス名をアンディーブ(endive)と言います。同属で和名をキクヂシャという葉のチリチリとした野菜は英名がendive(エンダイブ)・フランス名がchicorée(シコレ/チコレ/チコリー)と逆になっています。この呼名の逆転から呼称が非常にややこしいことになっていますが、一般的にはキクニガナをチコリー(アンディーブ)・キクヂシャをエンダイブ(シコレ/チコレ)と呼ぶことで何とか区別しています。

ちなみラディッキオ(ラディッキオ・ロッソ)もしくはトレビスやイタリアンチコリーなどと呼ばれている赤紫色をしたキャベツに似た葉野菜は、チコリーの変種を栽培品種化した品種のことを指します。そのほか同じく赤色のパラロッサ・緑色でほうれんそうに似たカタローニャなどをまとめて“リーフチコリー”と総称する場合もあります。日本では一般家庭向けに販売されているチコリーは白菜っぽい外見のものが主ですが、結球しないタイプのもの・ベビーリーフとして出荷されるものなどもありますよ。

馴染みのない外国産野菜と思われがちなチコリーですが、実はここ10~15年位は国内でも栽培が行なわれています。日本で初めて商業ベースでの国産化に成功したと言われているのが岐阜県中津川市(株式会社サラダコスモ)で、平成18年には生産工場見学やレストランなどをもつ複合施設“ちこり村”もオープンしています。チコリーは葉野菜として食べる以外に、根(芋)はチコリコーヒーやハーブティーとしても利用されており、株式会社サラダコスモさんではチコリ芋を再利用した焼酎も生産されています。根はイヌリン・チコリ酸を豊富に含む部位としても注目されていますので、今後健康食品などに取り入れられることが増えるかもしれませんね。

チコリー(アンディーブ)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

淡色野菜に分類されるチコリーは100gあたり16kcalと低カロリー。ビタミン類ではビタミンKと葉酸が、ミネラル類ではカリウムが多めですが、際立って栄養豊富という食材ではありません。外見や食味としても白菜やレタスなどに近い食材と言えるでしょう。

チコリーはこんな方にオススメ

  • 抗酸化を心がけている
  • 若々しさを保ちたい
  • 肝機能が気になる方に
  • 内臓機能を高めたい
  • 食欲が落ちている時に
  • 消化・お腹の調子が悪い
  • 便秘予防や軽減に
  • むくみ対策・デトックスに
  • 血圧が気になる
  • コレステロールが高め
  • 生活習慣病の予防に
  • ストレスが気になる方に

下記ではこうしたお悩みがある方にチコリーが良いとされる理由を詳しくご紹介します。ただし特徴成分とされるチコリ酸やイヌリンなどは葉よりも“根”に多く含まれているため、多くの働きについては後記のチコリーコーヒーの方が高い健康メリットが期待できるという見解が多くなっています。

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抗酸化・肝機能向上

チコリーの特徴成分とされるチコリ酸(Chicoric acid)は、チコリーから最初に単離された成分でもあります。チコリ酸はポリフェノールと酒石酸が結合した抗酸化物質であることから活性酸素の抑制・除去に役立つほか、肝機能の向上・解毒力の向上などの働きがあると考えられています。チコリ酸は葉よりも根に多く含まれていることが認められていますが、葉を野菜として食べることでも肝臓の働きを良くしてくれるのではないかと期待されています。

一見関わりがないように思えますが、抗酸化作用も肝臓を始めとした内臓機能の機能保持のサポートに繋がると考えられます。チコリ酸以外にもチコリーにはタンニンやラクチュコピクリンなどの抗酸化物質が含まれていると言われていますから、酸化による身体の機能低下・老化予防としても役立ってくれると考えられています。内蔵などの機能だけではなく、お肌など見た目のアンチエイジング効果も期待できますよ。

食欲増進・消化促進

チコリーはヨーロッパで胃腸の働きを良くするハーブとして用いられてきた歴史があり、現在でも食欲が無い時や消化が悪い時に適した食材であると考えられています。胃腸機能を高めるのはチコリ酸が肝臓を刺激することで内臓機能全体を底上げする・アーティチョークなどと同様にタラキサステロールによる胃腸機能活性化作用を持つなど諸説あり、様々な成分の複合効果によるものなのかもしれません。

摂り過ぎは胃を傷める原因ともなりますが、チコリーに含まれているタンニンも胃酸分泌促進や胃粘膜保護・収斂作用による下痢の緩和など消化機能のサポートとして有益な働きが認められています。チコリーには水溶性食物繊維の一種で便の硬さを調節する働きがあるイヌリンも含まれていますから、お腹の不調がある時にも適した食材と考えられています。大量にチコリーを食べるのではなくサラダボートや煮物の具などに適度に使うと、消化サポートにも役立ってくれるでしょう。

便秘・むくみ対策

チコリーはあまり“栄養価”という面で優れたところのない食材と言われていますが、食物繊維はやや多めとなっています。100gあたりの食物繊維含有量で見ると1.1gと野菜類の中では特別多いほどでもありませんが、カロリー数を考えれば少ないとも言えない量。また葉にも水溶性食物繊維の一種に含められる多糖類のイヌリンが含まれているため、プレバイオティクスとして腸内で善玉菌の増殖・活発化をサポートする働きも期待されています。

こうした食物繊維類を含むことから、チコリーは便秘・腸内フローラを整える働きが期待できる食材の一つとして紹介される事も少なくありません。加えてカリウムも100gあたり170mgと低カロリーさを考慮すると多めであること、チコリ酸による肝臓機能向上などから、むくみ改善やデトックスのサポーターとしても効果が期待されています。

生活習慣病予防

チコリ酸を筆頭とした抗酸化物質を含むチコリーは、活性酸素による酸化を抑えることで生活習慣病の予防にも一役買ってくれると考えられています。血中脂質が酸化した過酸化脂質は血管に付着・蓄積することで、動脈硬化や血栓・心筋梗塞などのリスクを高めることが指摘されています。チコリーに含まれている抗酸化物質の補給は過酸化脂質の生成を抑えてくれますし、カリウムによる血圧降下作用・イヌリンも老廃物やコレステロールを吸着して体外へ排泄させる働きなども期待できますよ。

加えてイヌリンは水分を含んでゲル化することで摂取したものの消化吸収スピードを緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑える働きもあります。糖尿病予防に対する有効性を持つ可能性が報告されているのはイヌリンなどが豊富に含まれているチコリーの“根”の方ですが、茎葉も抗酸化作用と合わせて糖尿病予防のサポートに役立つという見解もあります。

ストレス・不眠軽減について

チコリーの独特な苦みはセスキテルペン・ラクトン類に分類されるラクチュコピクリン(lactucopicrin)という成分によるものと言われています。ラクチュコピクリンはレタスの苦味成分として紹介されることも多い成分で、鎮静・催眠作用があるという説があります。この作用については伝統医療に置いての効能であり信憑性が低い・野菜として摂取する量では効果は期待できないという見解もありますが、欧米を中心にストレス対策や不眠対策に役立つ食材という声もありますよ。

睡眠誘発性については賛否両論なラクチュコピクリンではありますが、ポリフェノールの一種でもあります。チコリーやレタスを食べて即リラックス・不眠解消ということにはならないでしょうが、ストレスによって発生した活性酸素の抑制にも繋がりますから取り入れてみても悪くはないでしょう。僅かながら安眠の手助けとして働いてくれる可能性もないわけではありません。

チコリー(アンディーブ)の選び方・食べ方・注意点

チコリーはキク科に分類される野菜のため、キク科植物にアレルギーのある方は摂取を避けたほうが良いでしょう。後記のチコリーコーヒーともに妊娠中や授乳中の方に適した食材と紹介されることもありますが、アレルギー体質の方はアレルギーが出やすくなる時期でもありますので注意が必要です。

チコリーを選ぶ場合は茎(芯)が綺麗な白色で、葉先の色が鮮やかな黄色ないし赤色をしているものを選びます。全体的に艶があり、巻が強めで締りがある・ふっくらした形をしているものを選ぶと良いでしょう。お尻(底)にある気に口が瑞々しく変色していないこと・葉先の水分が抜けて萎れていないことも鮮度のチェックポイントになります。同じくらいの大きさ・色艶であれば、持った時に重みのある方を選ぶと良いと言われています。

チコリーは乾燥に弱く、日持ちもあまり良くない野菜です。保存する際は軽く濡らしたキッチンペーパーで包み、その上からラップでピッタリとくるんで冷蔵庫(野菜室)に入れましょう。なるべく立っている状態で置いておいたほうが良いです。それでも3日以内をめどに使い切ったほうが良いと言われていますし、冷凍保存にも適しませんので購入する場合は食べる分だけを買うようにすると良いでしょう。

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チコリーは“ボートサラダ”や“チコリーボート”と呼ばれる、剥がした葉を器代わりにしたサラダによく用いられています。お味としては淡白な部類の野菜ですから、基本的には組み合わせる相手は選びません。トマトやパプリカなどと組み合わせると華やかさが出ますし、フルーツから肉・魚・チーズなどの動物性食品と何でもごされ。インスタ映えする・おうちパーティーなどで大活躍してくれる食材として人気が高まっているのも納得ですね。

苦味あるのでお子さんがいらっしゃる家庭では生のまま使うよりも、加熱料理したほうが苦みが減って食べやすくなりますよ。ヨーロッパではグラタンや煮込み料理にもよく利用されている食材ですし、和食風レシピであれば炒め物や天ぷらにも適しています。感覚としては白菜とフキノトウの中間くらいのイメージでしょうか。ただし赤色系のチコリーは加熱すると色が抜けあまり綺麗ではなくなってしまうので、加熱用であればホワイト系のものを選ぶのがおすすめです。

効果アップが期待出来るチコリーの食べ合わせ

チコリー(アンディーブ)の雑学色々

チコリーの歴史

チコリーはヨーロッパから北アフリカにかけての地中海沿岸エリアが原産と考えられており、利用されてきた歴史は紀元前4000年頃、古代エジプト時代まで遡るとも言われています。エジプト中王国時代の医書『パピルス・エーベルス』にも魔力を持ったハーブとして名前が記載されているのだとか。また古代ギリシア・ローマでもその存在は広く知られていたと考えられ、伝統医薬(ハーブ)としても利用されていたと伝えられています。

13世紀頃までにはヨーロッパ各地でチコリーの栽培が普及していたと言われています。ただし当時のチコリーは現在のように軟白栽培が行なわれておらず、和名で“キクニガナ”と言われる通り非常に苦味の強いものだったと考えられます。加熱すると苦味が若干和らぐこともあり、現在のようにサラダ野菜として利用されるのではなく、煮物やピューレ・下茹でして炒め物にという使い方が主だったと言われています。地域によってはこの苦味がたまらん! と、現在でも苦味の強いチコリーを好むエリアもあるそうですよ。

また16世紀頃までにはチコリーの根・葉・花・種子に消化促進などの働きがあることも広く知られ、薬用植物としてもヨーロッパ中で利用されていました。修道院の薬草園でも定番の植物でもあり、特に根から作ったお茶は血液浄化作用や強壮があるとして人気だったそう。1750年頃になるとオランダで根を焙煎してコーヒーの代替え品として利用することが考案され、アメリカやフランスでも取り入れられていきます。当時はコーヒー豆の輸入に関わる政治的問題も大きかったようですが、現在でもチコリコーヒーはカフェインカットのための代替え品・健康食品として親しまれていますね。

ちなみに現在のように軟白栽培したチコリーが食べられるようになったのは19世紀以降。きっかけはベルギーの農家の方がコーヒー用として乾燥・焙煎しようと地下に置いておいたチコリーの根が、彼が出掛けているうちに発芽してしまったことと言われています。地下室で成長したチコリーは白く黄色かかった葉をしていましたが、食感が良く苦味も薄めで大変美味しかったのだそう。後に植物学者による品種改良も行なわれたことで商業的に栽培されるようになり、1872年にはパリでも導入され“white gold”と呼ばれるほどの人気となりました。チコリーの原産地をオランダとする説もありますが、こちらはオランダに自生していたというわけではなく栽培法や品種が確立した意味での原産地と捉えたほうが良いかもしれませんね。

日本にチコリーが伝わったのは江戸時代末期と言われていますが、その時に伝わったのが軟白栽培されたものではなかったそうで、独特の苦味などが受け入れられず普及はしなかったそう。戦後というか平成の声が聞こえるくらいの時期からイタリアンやフレンチレストランなどで用いられることが多くなり、野菜としても一部高級スーパーなどで輸入品が販売されるようになります。2000年代に入ってからは岐阜県中津川市を中心に国内でも栽培が行なわれるようになり、普通のスーパーでも入手できる・家庭料理に取り入れられることも増えてきていますよ。

チコリコーヒーについて

カフェインレスで体に優しいと、日本でもじわじわ注目度が高まっているチコリコーヒー。こちらはチコリーの葉ではなく根(芋)を刻んで焙煎したものが原料として利用されています。コーヒの代用品として使われるハーブコーヒーとしてはタンポポコーヒーが有名ですが、チコリコーヒーの方がタンポポコーヒーよりもクセがなく、コーヒーに近い風味であることも評価されています。フランスやアメリカなどではコーヒーの一種・コーヒーの風味付けに使われ普通に飲まれているのだとか。日本でもコーヒーではありませんが“爽健美茶”などのブレンド茶に配合されています。

チコリ酸やイヌリンなどの成分の大半はチコリーの茎や葉ではなく、根に含まれています。このため肝機能強化やデトックス・胃腸機能向上など“薬効”と言われるような働きについてはチコリーコーヒーの方が高いと考えられています。チコリ酸やイヌリンの豊富さから、ドイツでは糖尿病の予防や緩和としても取り入れられているそうですよ。チコリ酸は抗酸化物質でもありますから老化予防に、イヌリンの働きからダイエットになど美容面でも注目されています。

またノンカフェインであることからチコリコーヒーは妊娠中・授乳中の方に適した飲み物として紹介されることも増えています。妊娠中の便秘・むくみ対策に役立つという声もありますが、便通促進から子宮収縮を促してしまう可能性があるので妊娠中には良くないとする見解もあります。良い方向に出るか否かは体質や摂取量による部分も大きいので、不安な方はかかりつけの医師などに相談してから取り入れることをおすすめします。ノンカフェインだと言っても飲み過ぎは避け、多くとも一日三杯程度に留めるようにしましょう。根拠は不明ですが、飲み過ぎると視力低下の原因になるなんて話もあるようです。

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