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【桜桃】さくらんぼの栄養・効果

さくらんぼイメージ

さくらんぼとは

宝石のような色合いとコロンとした可愛らしい形から「赤い宝石」「初夏のルビー」とも称されるフルーツ、サクランボ。外見だけではなくほんとりとした甘みの中に仄かな酸味を含んだ優しい風味も多くの方に好まれ、ジュースやお菓子などのフレーバーとしてもよく用いられているほど。また食材の旬が曖昧になっている現代でも季節色の強い果物の一つであり、青果はお中元の贈り物などに、サクランボ風味のお菓子類も季節限定商品としても使われていますね。
サクランボの旬は初夏ですが、最近は温室栽培によって冬でも入手することが出来ます。時期であってもややお高めな部類に入る果物ですし、初競りの最高額では一箱十数万円・一粒で数千円という値も付くほどですがから「赤い宝石」の名に相応しい存在ですね、栽培に手間を掛け、大切に育てられることから「箱入り娘」とも呼ばれているのだとか。

植物分類としてはバラ科サクラ属(プラム属とも)のうち“ミザクラ(実桜)”と呼ばれる果樹になる果実に限定されます。お花見の定番であるソメイヨシノなど観賞用の桜の木にも果実はなりますが小ぶり、ミザクラ類の果樹の実は大きくなるので食用に適していると言われています。このミザクラ類は甘果桜桃/セイヨウミザクラ系統・酸果桜桃/スミミザクラ系統・中国桜桃/シナノミザクラ系統の3つに大分されます。
このうち酸果桜桃はその名の通り酸味が強いため生食ではなく調理用・加工食品用として用いられているそうですが、日本では加工品以外ほとんど流通していません。中国桜桃(シナミザクラ/カラミザクラ)はセイヨウミザクラ以前に日本に伝わっている元祖“桜桃”と言える存在ですので、西日本を中心に見かけることが出来ます。スミミザクラよりは酸味が少ないので生食用としても食べられていますが、現在は木材としての利用の方が主となっています。

日本で馴染みのある佐藤錦や紅秀峰・ナポレオンをはじめ、アメリカンチェリーと呼ばれるビングやレーニアなどの種類も全て“甘果桜桃/セイヨウミザクラ”系統の品種に含まれます。余談ですがアメリカンチェリーというのはアメリカで摂れるサクランボの総称と言われていますが、アメリカ以外から輸入されたものも含まれています。種類として果皮も果実も黒みがかった濃赤紫色をして“ビング”が代表的で、そのほか果皮が赤色で国産サクランボに近いレーニア・レーニアとビングを交配したブルックスなどの品種もあります。

ところで私達が普段使っている「さくらんぼ」という呼び名は桜の実を指す“桜ん坊”が変化したものと言われています。学術的にはさくらんぼという呼び名は使われず、果樹そのものも果実も「桜桃(おうとう)」と呼ぶことが多いようです。生産者の方も実を桜桃と呼ぶ方が多いそうですが、消費者目線であれば果樹を桜桃・生の実をサクランボ・外国産の一部果実や加工食品をチェリーと呼び分けることが多いのではないでしょうか。果物としては同じくバラ科に属すと共に、真ん中に種子がある果物=核果類(ストーンフルーツ)に分類されます。

さくらんぼの歴史

サクランボは有史以前から食用とされていた果物で、スイス湖棲民族の遺跡、イギリスやイタリアなどの青銅器時代の遺跡からも種子が発掘されています。紀元前800年頃にはトルコ辺りで栽培が行われていたことが分かっており、古代ローマ時代に記された『博物誌』には第三次ミトリダテス戦争(紀元前70年前後)時に、執政官がトルコから甘果桜桃と推測されるサクランボの木を持ち帰ったという記述も見られます。これらのことから紀元前のうちにはヨーロッパでも栽培が行われていたと考えられています。

ユーラシア大陸の東側、中国では同じミザクラでも別系統である中国桜桃が自生していました。五経の一つ『礼記』に記述があることから、サクランボと言えるものは3000年前には既に栽培されていたと考えられています。また日本にも平安時代の『本草和名』に桜桃の記述が登場し、中国からサクランボが伝えられていたことがうかがえます。ただし栽培はほとんど行われておらず、後の江戸時代初期に再度中国(清国)から中国桜桃が伝えられても、一部地域で観賞用・木材用として栽培された程度であったようです。気候の問題で栽培が安定しなかったことや、現在私達が食べているサクランボ(甘果桜桃)よりも酸味が強かったことなどから食用として定着はしなかったようです。

日本でサクランボが本格的に栽培されるようになったのは明治以降。明治元年、ドイツ(旧プロイセン)人のガルトネルが北海道に六本の桜桃の木を植えたのが始まりと言われています。後の1871年(明治4年)に開拓使がアメリカから25品種を導入、1874~5年(明治7~8年)には内務省勧業寮が苗木を東北・北海道を中心に配布したのをきっかけに、本格的な栽培や日本独自の品種改良が行われるようになります。1912年(大正元年)には佐藤栄助氏が味は良いけれど日持ちのしない“黄玉”と甘みが少ないものの日持ちのする“ナポレオン”を掛け合わせることを試み、十数年後には現在サクランボの主要品種である「佐藤錦」も誕生します。

さくらんぼはこんな方にオススメ

  • 疲労回復・エネルギー補給
  • 夏バテ予防やケアに
  • 便秘・むくみ対策に
  • 貧血の予防・改善
  • 血行不良・冷え性気味の方
  • 老化を予防したい
  • PCやスマホの利用時間が長い
  • 疲れ目・眼精疲労予防に
  • 肌のアンチエイジングに<
  • 肌荒れ・乾燥が気になる

さくらんぼの主な栄養・期待される効果

サクランボは全体重量の80~83%程度を水分・15%程度を糖質が占め、青果類の中では水分量が少なく糖質量が多い部類に属しています。『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』にはサクランボとして国産・米国産の2つが記載されていますが、カロリーも100gあたり国産60kcal、米国産であれば66kcalと青果類の中では高めになっています。

ただしスイカなどのように一度に大量に食べる果物ではありませんし、1粒を6~10gとして計算した場合は1粒4kcal~6kcal程度ですから気にするほどでもないでしょう。ビタミン・ミネラルの中で特出して多いものはありませんが、葉酸・鉄分・ビタミンCなどが比較的多いことから女性に適した果物と言われています。

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疲労回復・夏バテ軽減

さくらんぼの主成分はブドウ糖などの糖質ためエネルギー転換が速いという特徴があります。また酸味の元となっているリンゴ酸・クエン酸・コハク酸などの有機酸は代謝の過程であるクエン酸回路(TCAサイクル)の構成物質でもあります。エネルギーのもとであるブドウ糖と、代謝と高めるために必要なクエン酸などの有機酸が同時に摂取できることから、サクランボはエネルギー源としてや疲労回復促進に役立つと考えられています。

クエン酸には食欲増進作用もあると考えられていますから夏バテ時などにも役立ってくれますし、夏場に失われやすく不足が夏バテの原因とも言われるカリウムの補給も出来ます。そのほかに含有量自体は多くありませんがサクランボはビタミンC・β-カロテン・ビタミンB群などのビタミン類、ミネラルをバランス良く含んでいますので、食欲が無い時の栄養補給にもなります。

便秘・むくみ改善

食物繊維含有量は100gに1.2gと果物の中でも中堅くらいのポジションですが、サクランボには食物繊維以外にも「ソルビトール」という難消化性糖質(糖アルコール)が100gあたり2.3g含まれています。ソルビトールには便のpHを下げる働きと、便に適度な水分を与えることで便量を増やす効果が認められており、医療面でも緩下剤の成分として利用されています。過剰摂取は下痢や栄養吸収の阻害などのデメリットがありますが、サクランボに含まれている分を自然に摂取するのであれば穏やかな便秘改善効果が期待できるでしょう。

またサクランボ100gあたりのカリウム含有量は国産210mg・アメリカンチェリー260mgと、同グラムで比較した場合はスイカの約2倍のカリウムを含んでいます。カリウムは体内の過剰なナトリウムの排泄を促すことで高血圧予防、ナトリウムとともに水分排泄も促進することからむくみ改善に役立ちます。ソルビトールにも必要以上に身体に取り込まれたナトリウム(塩分)・水分の排泄を促す働きがあるとされていますから、カリウムと相乗してむくみ改善にも役立つと考えられます。

貧血・冷え性緩和

サクランボは果物の中で鉄分・葉酸含有量がトップクラスと言われている存在。と言っても100g中の鉄分量は0.3mg・葉酸は38μgと決して多くはありませんが、植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収を高めるビタミンCをはじめ亜鉛・モリブデン・銅など造血関連成分をバランス良く摂取出来ます。デザートとして美味しく貧血を緩和する栄養成分を補給できる点も、月経などで鉄分が失われやすい傾向にある女性によって嬉しいポイントですね。

造血に関わる成分が含まれていることに加え、サクランボには代謝を助けるクエン酸などの有機酸、ポリフェノールやβ-カロテンなど血液循環をサポートする抗酸化物質が含まれています。代謝促進は熱生産量増加ですし、血液が流れやすい状態になることで血液が温かいまま全身に行き渡るようになります。またカリウムの働きで余分な水分が排出されることで、水分貯留(むくみ)によって悪化していいる冷え性の改善にも役立ってくれるでしょう。

ちなみに薬膳などで用いられる中医学(陰陽五行)的な考え方において果物・夏が旬の食べ物の多くは体を冷やす作用があるとされている中、さくらんぼは「体を温める食べ物(温性)」に分類されています。また胃を温めることで消化器系を整える・顔色を良くする・湿気を除くなどの働きがあるさらています。めまいや月経異常にも良いと考えれられています。

抗酸化・目の疲れに

サクランボ(国産種)は100gあたりの含有量で比較した場合イチゴリンゴの4倍以上の量となる、98μgのβ-カロテンを含んでいます。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、ロドプシンの生成を促進するなどの働きから、目の疲れを和らげたり夜盲症の予防に役立つと考えられています。またアメリカンチェリーはβ-カロテン含有量こそ少ないものの、ポリフェノールの一種「アントシアニン」が豊富に含まれています。アントシアニンもロドプシンの再合成をサポートすることで眼精疲労(疲れ目)の緩和など視機能の保持・回復効果が期待されている成分ですから、視機能サポートとして役立ってくれるでしょう。

β-カロテンもアントシアニンも抗酸化成分ですし、サクランボには抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンE、フラボノイドなどのポリフェノール類なども含まれています。そのため活性酸素を無毒化し細胞の老化を防ぎ、動脈硬化・心筋梗塞・脳血管疾患などの予防にも役立つと考えられています。

肌老化・乾燥肌予防

サクランボに含まれる抗酸化物質は肌の老化・劣化を防いでくれます。また活性酸素と脂質が結合して出来る過酸化脂質は大人ニキビ、ヒアルロン酸の破壊、アトビー性皮膚炎の悪化などを引き起こすと考えられていますから、これら肌トラブルの予防にも役立ってくれるでしょう。ビタミンCにはメラニン色素生成を抑制する美白作用もありますので、シミ予防にも効果が期待できます。

β-カロテン(ビタミンA)は皮膚や粘膜を正常に保つ・乾燥を予防する働きがありますし、β-クリプトキサンチンというヒアルロン酸合成を活性化させる成分も含まれています。加えてソルビトールにも保湿作用があると考えられていますから、サクランボは乾燥肌の改善に効果が期待できる果物と言われています、また貧血や便秘の改善から肌のくすみ改善・新陳代謝向上などにも繋がります。ちなみに薬膳でも「皮膚を潤す」食材として、顔色を良くする働きと合わせて美肌効果がある食材とされているようです。

アメリカンチェリーとの違い

国産種のさんらんぼと、アメリカンチェリーで栄養素の若干含有量が異なります。一般的には、国産サクランボほうはカロリーが低く(100g/60kcal)、ビタミン類の含有量が多いアメリカンチェリーは少しカロリーが高く(100g/66kcal)葉酸・ミネラル類の含有量も多いとされています。また国産種はβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンなどの脂溶性成分を多く含み、アメリカンチェリーはこの2つが少ない分アントシアニンなど水溶性成分の含有が多くなっています。

ただし元々の成分含有量自体がさほど多くありませんので、色素成分の比重をカロテノイド系が占めている・アントシアニンを占めている以外については大きな差があるわけではありません。味が好きな方で選ぶもしくはβ-カロテンとアントシアニンどちらを取るかくらいの感覚で良いと思います。

さくらんぼの選び方・食べ方・注意点

サクランボはほとんど追熟はしない果物ですので、購入時にきちんと熟しているものを選ぶようにします。しっかりと鮮やかな色が付き、表面が艶やかなものを選ぶようにすると良いでしょう。枝(軸)部分にハリがあり、緑色が鮮やかなことが新鮮さを見分けるポイントとされています。果実が茶色っぽく変色しているもの・軸が枯れたような茶色くクッタリと萎れているものは避けたほうが良いでしょう。

保存は新聞紙などに包み冷暗所もしくは冷蔵庫の野菜室に入れます。ただし収穫時がピークでどんどん味が落ちていきますから可能であれば購入日、遅くとも2~3日中には食べきるようにしましょう。また冷蔵庫の温度が低すぎると味が落ちてしまうので注意が必要です。

さくらんぼのオススメ食べ合わせ

  • さくらんぼ+アボカド・ヨーグルト
    ⇒体力回復・便秘解消に
  • さくらんぼ+黒豆・梨・はちみつ
    ⇒⇒貧血改善・乾燥肌予防に
  • さくらんぼ+ココア・桃・イチゴ・酢
    ⇒むくみ軽減に
  • さくらんぼ+クコの実・リュウガン
    ⇒虚弱、めまい、動悸の緩和改善に

さくらんぼ活用方法・民間療法

さくらんぼの種を綺麗に洗ってから乾燥させ、袋に詰めるとレンジで温めて繰り返し使えるホットパックを作れます。これはドイツで頭痛や腹痛の緩和効く民間療法として古くから親しまれてきた方法なのだとか。現在では湯たんぽの一種として商品化されているサクランボ種子ホットパックもあり、温熱療法でも使われているようです。

サクランボを漬け込んで作ったさくらんぼ酒は疲労回復や虚弱体質の改善に役立つと言われています。また軸部分は利尿効果が強い問いされており、軸を煎じた汁は高血圧や腎臓病予防・利尿剤として役立つと言われています。その他に回虫などの虫下し(駆虫薬)としても利用されることがあるそうです。

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投稿日:2014/08/24 (更新)
by SlowBeauty