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【文蛤/浜栗】はまぐりの栄養・効果

蛤(はまぐり)イメージ
  1. はまぐりとは
    1. はまぐりの歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. はまぐりの栄養・効果(前半)
    はまぐりの栄養・効果(後半)

    1. 汀線ハマグリについて
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ

蛤(はまぐり)とは

シンプルな焼き蛤・酒蒸し・土瓶蒸しなどを始め、佃煮などの加工品、クラムチャウダーやパエリヤなどの洋食まで様々なレシピに活用できるハマグリ。サイズが大きく見栄えがすること・ジューシーで貝の旨味を存分に味わえるのも魅力的ですね。
ハマグリからひな祭のお吸い物(潮汁)や結婚式などの慶事を連想される方も多いかと思います。これはハマグリの貝殻は元々ペアであったもの以外とは合わないことから、夫婦和合・女性の貞節の象徴とされていた名残と言われています。転じて“夫婦仲良く、一生同じ人と添い遂げられますように”という縁起物となったのだとか。より現実的な話としてはハマグリの旬が2~4月頃で、ひな祭り(旧暦3月3日)の時期に食べ納め時期であったという説もあります。

ハマグリはアサリと同じマルスダレガイ科に分類される二枚貝で、生物学的にはハマグリ(学名Meretrix lusoria)一種のみを指しますが、広義ではハマグリ(Meretrix)属の貝類の総称としても利用されています。また別属・別科の二枚貝にもベニハマグリなど“ハマグリ”と付くものが幾つかありますが、これは古い時代に蛤=二枚貝の総称として利用されていた名残でもあると言われています。昔はどこでもザクザクと獲ることが出来るくらいありふれた貝で、貝といえばハマグリくらいの感覚だったのだそうです。

現在、内湾性のハマグリ(Meretrix lusoria)は、ひな祭りなどに熊本県産などが若干流通しますが、昭和後期以降から水質汚染・コンクリートによる護岸工事などの影響を受け激減し、絶滅危惧II類に指定されるほどの状態です。おなじく九十九里浜や鹿島灘などで獲れるチョウセンハマグリも漁獲量も減少傾向にあります。ちなみにチョウセンハマグリという名称は朝鮮半島産というわけではなく、外洋=異国に生息しているという意味合いで命名された日本在来種で漢字では“汀線”と書きます。誤解を受けやすいので地蛤や鹿島灘はまぐりと呼ぶのが一般的です。内湾・外洋どちらにせよ国産ハマグリは数が少なく、高価な存在となっています。
スーパーなどで主に流通しているハマグリは中国産のシナハマグリが大半を占めており、国内で自分で獲ったとしても潮干狩り用に放流されたシナハマグリなのだそうです。そのほか缶詰用などにはベトナムなどで獲れるハンボリハマグリも使われています。産地についての規制は強いものの呼び名についてはさほど厳しくないので紛らわしいですが、日本で流通しているハマグリのほとんどが輸入品というのが現状です。

また“白蛤”もしくは“大蛤”と呼ばれて流通していていたものは北米大陸東海岸に生息するホンビノスガイという貝で、同科ですがメルケナリア属に分類されるため厳密にはハマグリではありません。近年はきちんとホンビノスガイと表記して販売される傾向にありますし、アメリカでは食用貝として需要が高い存在で風味も良い貝ですので、ハマグリの代用品感覚で使って見ても良いと思います。

蛤(はまぐり)の歴史

ハマグリもアサリシジミなどと同様に日本人が食用とした歴史は古いと考えられています。食用開始時期はハッキリと分かっていませんが、縄文時代の貝塚からの出土などから遅くとも紀元前4000年頃には食用とされていたことが分かっています。ハマグリの語源には浜で採れる栗の実形の貝“浜栗”説のほか、砂浜の小石(ぐり)のように沢山取れる貝で“浜小石”という説もあります。貝塚からの出土は貝類の中でも圧倒的にハマグリが多いと言われていますし、お腹を満たすということ・獲れやすいこと両方から海岸付近の縄文人には欠かせない食材だったようです。

文書としては日本最古の歴史書とされる『日本書紀』にはハマグリの膾を天皇に献上した話が記載されているようですし、同じく奈良時代に記された『常陸国風土記』にも巨人(ダイダラボッチ)が蜃(大蛤)を丘の上から手でさらったという話が載っています。奈良時代後期頃~平安時代には貴族の間で「貝覆い」もしくは「貝合せ」と呼ばれるハマグリの貝殻を使った遊びも行われる様になります。神経衰弱のようにピッタリと合うハマグリを探すだけではなく、貝を題材にした歌を詠む・殻の内面に絵や金箔を張り美しさを競うことも行われていたようです。ハマグリの学名に使われている“lusoria”も遊びを意味するラテン語で、この貝合せ(貝覆い)に使われていたことに由来しています。

室町時代にはハマグリの貝殻にちなんで食い違っている・あてが外れた時に「ぐりはま」という俗語も使われていたそう。おそらく平安~室町時代うちに別のハマグリの貝殻と決して合わない=女子の貞操・夫婦和合の象徴という形も出来ていたのではないかと考えられます。
開始時期は定かではありませんが、明治維新前まで上流階級の女性の嫁入り雑具として貝合わせの道具を入れた“貝桶”は欠かせない存在でもありました。江戸時代の婚礼は貝桶を引き渡すところからスタートしたと言われていますし、8代将軍徳川吉宗は結婚式にハマグリのお吸い物を用いるように定めました。結婚式の蛤汁については貞操を守ること・夫婦和合を願うだけではなく「高価な食材を控えて倹約せよ」という意味合いもあったようですが、現在のように雛祭り・結婚式=蛤という形が定着していたと考えられます。

江戸時代には「その手は桑名の焼き蛤」というお江戸ギャグ(?)や、ぐりはまの変化形である「ぐれる」という表現も流行したと伝えられています。言葉遊びでも利用されるように、桑名産の蛤が最上品として広く知られ『東海道中膝栗毛』にも名物として登場します。江戸近郊でもハマグリは沢山獲れていましたが、お伊勢参りに行く江戸っ子は桑名の焼きハマグリを食べるのを楽しみにしていたのかもしれません。

蛤(はまぐり)はこんな方にオススメ

  • お酒をよく飲む方
  • 二日酔いの予防や回復に
  • 疲労回復・だるさの改善に
  • 体力・筋肉量アップに
  • デトックス力を高めたい
  • むくみが気になる方
  • 貧血気味・冷え性の方
  • ストレスが多い・神経疲労
  • 情緒不安定・不眠気味の方
  • 生活習慣病の予防に
  • ダイエット中の方に
  • 肌老化・乾燥・くすみケア
  • ニキビ・肌荒れしやすい
  • 視力低下・眼精疲労予防

蛤(はまぐり)の主な栄養・期待される効果:前半

ハマグリはたんぱく質含有量がやや高く、糖質・脂質が少ない食材です。カロリーも100gあたり39kcalと低めですので、トレーニング中やダイエット中の方も取り入れやすい食材と言えるでしょう。ビタミン類ではビタミンB12が多く含まれており、ミネラル類ではシジミと並んでカルシウム量が貝類トップクラスとなっています。

【肝臓サポート・二日酔い予防】

ハマグリにはグルタミン酸、タウリン、ベタインという肝臓機能サポートに役立つアミノ酸が含まれています。特にタウリン含有量は100gあたり550mgと貝類の中でも豊富なため、アルコールの無毒化(分解)過程で発生する“アセトアルデヒド”の分解を高める働きが高いと考えられています。またうま味成分として知られているグルタミン酸もアルコール代謝を促進す働きが報告されていますし、ビタミンB群の一つであるナイアシンもアルコール・アセトアルデヒドの分解をサポートしてくれますから、二日酔い予防や回復促進に効果が期待できるでしょう。

タウリンやグルタミン酸の働きに加え、ベタインは胆汁産生促進・脂肪沈着防止・脂肪排出などの働きがあると考えられています。このためハマグリは肝機能全体のサポートや脂肪肝予防にも効果が期待されています。加えてベタインは抗酸化作用を持つグルタチオンの産生を維持する働きも期待されていますから、酸化ストレスによって発症リスクが高まる肝硬変・肝炎・肝ガンなどの予防にも役立つのではないかと考えられています。

【疲労回復・筋力アップ】

タウリンは栄養ドリンクなどにも配合されているように、疲労回復にも役立つと考えられています。これは肝機能向上から期待されている働きで、ハマグリには同じく肝臓の健康サポート効果が期待できるベタインなども含まれていますから相乗効果が期待できるでしょう。またグルタミン酸は肝臓以外の部分でアンモニアと結合して無毒化する性質があり、ぼんやり感や集中力低下など脳に起因する疲労感の改善にも役立つと言われています。

ハマグリにはその他にも筋肉増強・回復促進に有効とされているBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)や、クエン酸回路を活発化し疲労物質の分解をサポートしてくれるアスパラギン酸など、疲労回復や筋力アップに役立つアミノ酸が幅広く含まれています。加えて代謝を促すビタミンB群や補酵素として働くマグネシウム、細胞分裂や新陳代謝に関わり間接的にですがの筋肉増強効果があるとされる亜鉛なども含まれています。運動を良くするアスリートタイプの方の筋力アップサポートや筋肉痛軽減などにも効果が期待できるでしょう。

【デトックス・むくみ改善】

肝臓はアルコール以外にも血液中に含まれる様々な有害物質を濾過する役割を持つ、いわばデトックス器官になります。アルコール・カフェイン・糖質・脂質などの摂取量が多い状態が続くと肝臓が疲労し、その濾過・解毒機能も低下してしまうと考えられています。肝臓の働きをサポートするタウリンなどのアミノ酸類やビタミン類を補うことで肝機能が向上すると、体本来のデトックス能力の向上が期待できるでしょう。

またグルタミン酸には利尿作用があると考えられていますし、タウリンも筋肉収縮を高めることで便秘・むくみを改善する働きが期待されています。マグネシウムや亜鉛など体液循環をサポートするミネラルも含まれていますから、これら働きが相乗することで老廃物・毒素の排出までをサポートしてくれると考えられます。多いわけではありませんが、ナトリウム排出を促すことでむくみ改善効果が期待されるカリウムも含まれていますから、むくみが気になる方にも適しています。

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