アサイーとその栄養成分や効果効能
|スーパーフードな理由とは? 注意点や副作用はある?

食べ物辞典:アサイー

2010年前後から栄養価・抗酸化作用の高さから世界的に注目を浴び、日本でも「奇跡のフルーツ(ミラクルスイーツ)」もしくは「スーパーフード」として大ブームになったアサイー。アサイーはポリフェノール・β-カロテン・食物繊維・ミネラルなど様々な成分を含むこと、特にダイエットやアンチエイジングなど美容効果が期待できることから注目された食材。ブームが始まった当初は高めのお値段・専門店や大型店のみで購入できる食材でしたが、近年は比較的気軽に取り入れられるようになっていますね。そんなアサイーのの歴史や栄養効果について詳しくご紹介します。

アサイーベリーのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:アサイー
英語:acai berry

アサイーのプロフイール

アサイーとは

現在では様々な食品がスーパーフードやスーパーフルーツと呼ばれていますが、キヌアと共にアサイーは日本で“スーパーフードブーム”を引き起こしたきっかけになった食材と言っても過言ではないかも知れません。アサイーブームは2014年をピークに終焉を迎えたとも言われていますが、現在でも飲料類やお菓子などにはアサイーを配合されたものを多く見かけますね。海外セレブ達から日本の女優・モデルまで様々な著名人がアサイーを取り入れていることや、アサイーボウルの専門店などの特集を目にした記憶がある方も少なくないのではないでしょうか。

そんなアサイーは“アサイーベリー”とも呼ばれており、外見からブルーベリーやラズベリーなどの仲間のような印象を受けます。特にブルーベリーとはよく似ていますね。しかし植物としてはヤシ科エウテルペ属に分類される存在で、学名をEuterpe oleracea・和名ではワカバキャベツヤシもしくはニボンモドキと呼ばれています。一般的に“ベリー”と呼ばれている果物も科などはバラバラですが、アサイーの場合は強いて言うならばヤシの木の仲間という表現が一番的確です。英語の場合でもアサイーが実る樹木そのものは“アサイーパーム (acai palm)”と呼び、果実をアサイー(acai)もしくはアサイベリー(acai berry)と呼んでいます。

商品パッケージなどからアサイーがブルーベリーに似た黒紫色をした球形の果実であることこと知られていますが、日本でアサイーそのものの姿を見かけることはほぼありません。これはアサイーの果実が非常に参加しやすく、収穫後24時間以内に加工しない栄養価が損なわれてしまうためと言われています。このため収穫後すぐにアサイーの実を冷凍する・すりつぶしてペースト状(パルプ)やジュースなど、産地で加工されてから輸入されています。ちなみにアサイーはブルーベリーとは異なり全体の9割以上が種で、果肉は皮と見分けが付かない程度しかありません。冷凍でもパルプやピューレと呼ばれるタイプが多いことも、輸入コストを考えると納得ですね。

アサイーの風味としては「チョコレートとベリーを混ぜたような味」「渋みのあるバナナヨーグルト」など人によって様々な表現がされています。が、紹介される味の多くはアサイーボウルやジュースなどに加工された際の“味”で、アサイーそのものの味ではないと考えられます。実際のところアサイー自体はかなり味が薄く、うっすら渋みを感じる程度なのだとか。良く言えばクセがなく他の食材と組み合わせやすい、悪く言えば単体で食べて美味しいと感じる方はあまりいらっしゃらないでしょう。市販されているアサイーMIXジュースやスムージーは他の果物などを加えて味を整えているものが多いので美味しく頂けますが、アサイー100%かつ無糖の冷凍パルプやジュースは苦味・鉄臭さなどを感じる方が多いようです。

アサイーの歴史

日本ではハワイの健康食・美容食としてアサイーボウルが紹介されて有名になりましたが、アサイーは“ブラジルの奇跡”や“アマゾンのミルク”などと称されるようには南米ブラジル・アマゾン河流域が原産。ちなみにアサイーボウルもブラジル発祥の食べ方で、ブラジルもしくはアマゾン式のアサイーボウルは甘くない食事メニューの一つと言われています。本場ブラジルではピューレ状にしたアサイーにファリーニャ(キャッサバ芋のフレーク)や干し魚などを混ぜ込むかディップして食べるものだそう。

アサイーの木は何千年も前から南アメリカに存在し、アマゾン周辺に暮らしていたネイティブアメリカンの人々は数千年前からアサイーを利用してきたと伝えられています。アマゾンのジャングには様々な薬草価値のある植物が自生しており現在でも研究が行われていますが、付近で暮らしている部族のシャーマン達は2,000種以上もの植物の薬効を理解し処方していたとも考えられています。アサイーもその一つで、免疫力向上や感染症予防・生殖器トラブルなどに対する民間医薬としても用いていたそうです。また現在と同じ様にエネルギー補給源としても利用されていたと伝えられています。戦士たちが戦いに行くときの栄養補給兼強壮剤としてや、飢饉の時の非常食のように使っていた部族も多いのだとか。

諸説ありますが“açaí(アサイー)”という呼び名の由来説にも、食糧難が起こった時のツピー族の伝説があります。この伝説では食糧難の際にツピー族の酋長が赤ん坊を犠牲にすることを決断します。酋長の娘であるイアサ(Iaçá)も子供を殺されてしまいましたが、ある夜ヤシの木の下で我が子の姿を見つけ抱きしめました。しかし赤ん坊はいつの間にか消えてしまい、イアサは悲しみに暮れ泣きながら死んでしまいます。翌朝ヤシを抱きしめたまま微笑んでいるイアサの遺体と、その木に実るたわわに実る黒い実が発見されます。酋長はこの果実でワインを作り娘の名を逆さにした“açaí(アサイー)”と名付け、それを部族の皆に飲ませた後に悲しい掟の解除を告げたのだそう。「奇跡のフルーツ」と呼ばれるのは栄養価の高さだけではなく、こうした伝説との関係もあるのかもしれませんね。

1500年代以降はブラジルもヨーロッパ人によって「発見」され植民地化されてしまいますが、アサイベリーは収穫後1日程度しか日持ちがしないという性質上ジャガイモなどのようにヨーロッパへと持ち帰られ紹介されることはなかったようですアサイーの存在が広く知られるようになったのは、1970年代に冷凍された果肉がアマゾンからブラジルの街に届けられるようになって以降と言われています。2000年にはアメリカによってアサイー工場が設立され冷凍のほかパウダーなどの加工品が作られたことで、世界の市場へと流通する食材へとなっていきます。

同じくアメリカ合衆国のハワイでも2000年頃にはブラジルでの食べ方を元に、より多くの人が食べやすいデザートとしてアサイーボウルが確立されていきます。日焼けや疲労回復に役立つと地元サーファー達の間で人気が高まり、観光客にも徐々に浸透していったのだとか。また日本でアサイーが注目されるようになったのは、日本人サッカー選手が貧血改善と疲労回復にと飲み始めたところ体調が改善されたという話がきっかけと言われています。そこからアスリートの間で広まったこと・モデルや女優がハワイで流行していたアサイーボウルを紹介したことから、広く認知され大ブームを引き起こすまでになったそうですよ。

参考元:第5号 週刊ハワイマガジン

アサイーの栄養成分・効果について

アサイーは必須脂肪酸であるオレイン酸やポリフェノール・β-カロテン、食物繊維、ミネラルなど幅広い栄養成分を含むと言われています。ただしアサイーは優れた栄養成分を含む食材とは言われていますが、アサイーの栄養成分含有量については日本食品成分表には記載がなく、またブラジルなどごく一部の地域以外では“加工品”としての販売・摂取が主であるため正確な成分量については明確ではありません。アサイー加工品に含まれる栄養成分につきましては各商品での記載をお確かめ下さい。

アサイボウルイメージ

アサイーの効果効能、その根拠・理由とは?

抗酸化のサポートに

アサイーがスーパーフードとして注目された理由の一つには、ポリフェノールを豊富に含む=高い抗酸化作用を持つと考えられてことが挙げられます。ORAC 酸素ラジカル吸収能と抗酸化作用の高い食品によると、かつてアメリカ農務省(USDA)で抗酸化力の指標として利用されていた“ORAC(活性酸素吸収能力)値”ではフリーズドライ加工されたアサイーベリーはORAC値が102,700とトップ10に入るほど高いスコアの食材として紹介されています。諸説ありますがアサイー果実に含まれているポリフェノール総量は100gあたり4000~4500mgと推測され、赤ワインの30倍・ブルーベリーの18倍に相当するという説もあります。

ただしORAC値としてはラズベリー(4,882)やブルーベリー(6,552)よりもかなり高いくなっているものの、比較分析では「アセロラやイチゴよりも抗酸化作用が低く、果物の中間レベルの範囲」という結果も報告されています。ランキングで使われているORACはフリーズドライ商品の数値であり、海外では「USDAはacaiの正確なORAC値を検証していない」という指摘もあるそう。またアサイーの抗酸化作用や健康メリットについては誇張が指摘されていたり、アメリカでは健康効果を謳ってとしてサプリメントを販売していた企業5社に罰金の支払いが命じられるなどのニュースもあり、物議を醸した存在でもあります。

抗酸化物質量や抗酸化力については疑問が残りますが、アサイーにはアントシアニン・プロアントシアニジン・フラボノール・エラグ酸などのボリフェノールが含まれていることが認められています。アサイーベリーはアントシアニン類の中でも吸収が早く抗酸化作用が強いとされるシアニジン系を多く含んでいるという報告もあるので、抗酸化を心がけている方が取り入れる食材としては問題ないと考えられます。薬のような過剰な効果を期待するのではなく、健康や若さを維持するため手助けとして取り入れてみてください。

目の疲れ・ドライアイ予防

アサイーに含まれているポリフェノールの一種アントシアニンは、目の網膜に存在するロドプシンの再合成を促す働きがあると考えられています。私達の視覚はロドプシンが分解される際に生じる電気信号が脳に伝わり、脳がそれを認識することで映像を認識しています。ロドプシンは分解された後に再合成され、また分解されて情報を伝えることを繰り返していますが、加齢や目の酷使によって再合成能力が低下してしまうと目の疲れやかすみ・視力低下などの影響が生じます。

このためロドプシンの再合成を促すアントシアニンの摂取が疲れ目やかすみ目などの軽減策として注目されており、アントシアニンを多く含む食材の摂取は目の疲れの軽減・視力低下予防に役立つと考えられています。アサイーはブルーベリーの約5倍のアントシアニンを含むとも言われ、優れたアントシアニン補給源として注目されている食材。ブルーベリー5倍のアントシアニンを含んでいるかについては信憑性のあるデータか微妙なところですが、ほとんど黒く見えるほど色が濃い食材ではありますからアントシアニンの補給源として役立ってくれる可能性は高いと考えられます。

ただし疲れ目の原因はアントシアニン不足・ロドプシン再合成低下によるものだけではありませんので、軽減に繋がる可能性があるという程度であることは念頭に置いておいた方が良いでしょう。アサイーの場合はアントシアニン以外に、β-カロテンも含んでいることからも目の疲れ緩和・ドライアイ予防に役立つ可能性があるとと考えられています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されることでロドプシン生成に関わる他、目や呼吸器などの粘膜を正常に保持するする働きもあります。その他アントシアニンは抗酸化作用から白内障・緑内障の予防に繋がるという説もありますから、目の酷使が気になる方・目の健康維持のサポートとして取り入れてみても損はない食材と言えそうです。

高血圧・動脈硬化予防に

高血圧や動脈硬化などの生活習慣病は呼び名の通り発症や進行に“生活習慣”が深く関わっていることが認められていますが、そのほか発症リスクを高める要因として酸化も関係していると考えられています。活性酸素はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を酸化させることで“酸化LDL(過酸化脂質)”と呼ばれる物質に変化させてしまいます。酸化LDLはマクロファージによって処理されますが、取り込んだマクロファージの残骸はドロドロした粥状物質となって血管内に蓄積してしまいます。この死骸が積み重なるとプラークができ、血管を狭めたり柔軟性を損なわせる原因となります。

このため抗酸化物質の補給は酸化LDLの生成を抑制することで、動脈硬化や血栓の発症低下に繋がると考えられています。また血管が狭く硬くなることは血流が妨げられることにもなりますから、それを予防・改善することで高血圧の予防にも繋がるでしょう。アサイーにはナトリウムの排出を促すことで血圧を正常に保つカリウムも含まれていますよ。

便秘解消・デトックス

アサイーは食物繊維が豊富で、便秘の改善やデトックスに役立つ食材として紹介されることも多い食材。日本でアサイーはゴボウの約3倍~6倍もの食物繊維を含む食材と言われることもありますが、NutritionDataによると“pure acai berry unsweetened”100gあたりの食物繊維量は2.0gとなっており、USDA Food Composition Databasesに掲載されているアサイ加工品についても乾燥粉末を除くと食物繊維量は100gあたり2.0~3.0g程度のものがほとんど。

粉末化されたアサイーパウダーであれば100gあたり約30g程度となっていますので、上記の比較は生ゴボウとアサイパウダー(乾燥)の比較であると考えられます。ゴボウも乾燥すれば100gあたりの食物繊維量は更に多くなりますから、比較は当てにしないほうが良いでしょう。アサイー便秘に良いと言われるのは食物繊維量が多いということよりも、水溶性食物繊維の比率が高いためではないかという説もあります。

食物繊維は水溶性・不溶性共に便通をサポートしてくれる働きがありますが、不溶性食物繊維の場合は水分が足りないと便を固める方向に作用する場合もあるため便秘を悪化させる危険性もあります。対して水溶性食物繊維は便に水分を含ませて硬さを調節する・腸内善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える働きがメインとされています。特別水溶性食物繊維が多い訳ではありませんが、アサイーはジュースやピューレなど水分が多い状態で摂取することもあり便を柔らかくして排泄を促してくれると考えられます。カリウムも含まれているので「デトックスに良い」という説が浮上したと思われますが、食物繊維やカリウム目当てであればアサイー以外の果物でも同等の働きは期待できるでしょう。

肥満予防について

アサイーはダイエット用のスムージーやサプリなどにもよく配合されている食材。日本で大ブームを引き起こした理由としても、抗酸化作用やダイエット効果など“美容面”にたいする働きの高さが報道された点が大きいと考えられます。アサイーが肥満予防に役立つと考えられた理由としては、炭水化物量が少なくGI値(グリセミック・インデックス値)が低いこと・アントシアニンに脂肪吸収抑制や内臓脂肪燃焼効果が期待されていることが大きいようです。そのほかビタミンB群が含まれていることや抗酸化作用による代謝低下予防が期待できること、水溶性食物繊維の補給から腸内フローラを整えて代謝を高める・同時に摂取した食物(糖質)の吸収スピードを穏やかにし血糖値の変動を抑えるなども挙げられています。

ただし食物繊維については上記の通り実際に摂取する場合に補給出来る量はさほど多くないと推測されますし、アサイジュースなどの場合はビタミンBが含まれているのか微妙なところ。アメリカでは2009年にアサイーを食べることで痩せるわけではないということが消費者団体・公益科学センター(CSPI)から指摘されています。GI値が低く栄養成分やポリフェノールが補給できる食材で便秘予防などにも繋がることからダイエットのサポート役としては優秀と考えられますが、アサイーを摂取するだけで痩せていくという可能性は低いでしょう。また商品によっては添加されている甘味料等の問題もあり、摂取量・摂取方法によっては逆に太ってしまう原因になることもあります。過信して食べすぎないように注意して下さい。

美肌・アンチエイジング

抗酸化力の高さについては諸説あるものの、アサイーはアントシアニンなどのポリフェノールを含み抗酸化作用を持つ食材。抗酸化物質は活性酸素による肌細胞へのダメージを抑制することで、シワやシミなどの肌老化を予防してくれると考えられています。またアサイーは果物としてみると脂質含有量が高く、リノレン酸とオレイン酸という2種類の必須脂肪酸が理想的な割合で含まれているという説もあります。この脂肪酸の補給からもホルモンバランスを整える働きや、肌の乾燥や乾燥小ジワ・老化予防などの効果が期待されています。

アサイー果肉自体にはメラニン色素の生成を抑制するビタミンCや肌を健やかに保つビタミンB群・毛細血管の流れをスムーズにしたりホルモンバランスを整える働きのあるビタミンEなど、肌の健康維持に関わるビタミン類も多く含まれていると言われています。抗酸化物質や必須脂肪酸の補給と合わせて、肌荒れ・肌老化を予防し、総合的に美肌作りをサポートしてくれる食材と言われるのも納得ですね。ただしパルプ・粉末・ジュースなどの加工品類ではビタミンA(β-カロテン)以外のビタミン類の含有量が“0”となっているものも多いため、注意が必要です。

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目的別、アサイーのおすすめ食べ合わせ

アサイーの選び方・食べ方・注意点

アサイーの有効性や安全性、摂取上限、禁忌などについてはデータ不足であることが指摘されています。通常の食品として摂取する場合は問題ないと言われていますが、サプリメント等から摂取する場合は用法容量を守るようにしてください。また妊娠中・授乳中の方への安全性については十分なデータが無いため、多量の摂取量は控えるようにした方が確実でしょう。

食品として利用されるアサイーについて副作用や毒性などは報告されていないようですが、稀にアサイーの摂取で胃痛や腹痛などの消化器系の不調を感じたり・体のかゆみや湿疹などの症状を訴える方がいらっしゃるという話もあります。ヤシ科アレルギーの症状なのではないかと言われているそうですが、全てが体質的なアレルギー反応なのか摂取量・方法によるものなのかはハッキリしていないそう。不快感を覚えた場合は摂取を控えるようにし、症状が重い時は病院で診察していただくことをおすすめします。

アサイーはミネラルが豊富?

アサイーは抗酸化物質以外にもカルシウム・マグネシウム・鉄分などのミネラルが多く含まれている食材で、原産地であるブラジルで「奇跡のフルーツ」や「アマゾンのミルク」と称されるのもこうした栄養素との関係があるとも言われています。日本でもカルシウムが牛乳の2~3倍、鉄分がプルーンの10倍やレバーの3~5倍、マグネシウムがブロッコリーの約10倍などと紹介されることが少なくありませんね。

カルシウムは日本人にとって不足が大きいと言われている栄養素でもあり、骨を丈夫に保つ働きから加齢に伴って女性が起こしやすい骨粗鬆症の予防に必要なミネラルにもか添えられています。アサイーが骨粗鬆症予防に役立つと言われるのはこのためで、カルシウムとマグネシウムは神経系との関わりも深いミネラルであるためストレス軽減や精神安定に良いとする説もあります。また鉄分は赤血球の生成に欠かせないミネラルで、こちらも女性に多い貧血(鉄欠乏性貧血)の予防に意識的に摂取したい栄養素。血液が十分に行き渡ることで倦怠感の軽減や冷え性の改善などにも効果が期待できると考えられています。

こうしたミネラルを含むことからアサイーは様々な健康メリットが期待されていますが、アサイー加工品を食べてどの程度の栄養補給が出来るのかはハッキリ分かっていませんこれはアサイーそのものにはミネラルが多く含まれているものの加工品の含有量については製品により差があるためです。USDAに登録されている幾つかのアサイージュース等の成分を確認しましたが、100gあたりで見ると鉄分やカルシウム含有は微量であるものが大半となっていますし、葉酸などのビタミン類に至っては“0”表記のものも多くあります。

このためアサイー果肉そのものを食べるわけではない場合には、ビタミン・ミネラルが補給できると過信しないほうが確実でしょう。また「〇〇の何倍」という栄養成分量の比較はアサイーそのもの・パルプ・粉末どの状態での比較値であるのかが明確ではなく、乾燥粉末と生野菜や果物を比較しているなど“実際に摂取する量”としては参考にならないものも多いので注意が必要です。

アサイーボウルについて

アサイーボウルはアサイーのピューレやスムージーの上にグラノーラやバナナ・リンゴ・ベリーなどの果物を載せ、ハチミツをかけて食べるデザート。栄養価が豊富なアサイーを中心に様々なフルーツを摂取できることから、朝食としてや置き換えダイエットのような形で取り入れている方もいらっしゃるようです。

アサイーのビタミン含有量については豊富としている説がある一方で、ジュースやパウダーなどの加工品の場合はβ-カロテン以外のビタミン類含有量が“0”と記載されているものも多くなっています。このためアサイーでしっかりとビタミン・ミネラルが摂れると過信せず、他の果物と組み合わせて食べたり、一日の栄養バランスをきちんと考えることをオススメします。

また最近はアサイーボウルだけではなくドラゴンフルーツを利用した「ピタヤボウル」も人気です。ドラゴンフルーツはアサイーよりも美容効果が高い高栄養フルーツという売り込みで紹介されており、特に抗酸化物質であるベタシアニン、カリウム、マグネシウムを多く含んでいます。ただし○○の方が優れているというのは商売上の関係なども絡んでいると想像されますので、それほどこだわらずにお好きな方を食べたほうが良いでしょう。メーカーによっても差はありますが、単体でのカロリーは100gあたりアサイー72kcal・ピタヤ50kcal程度と、ピタヤのほうが低めになっています。