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【和蘭三葉/塘蒿】セロリの栄養・効果

セロリイメージ

セロリとは

みずみずしくシャキシャキした歯ごたえと、独特の強い香りをもつセロリ。独特の香りや苦味から好き嫌いのハッキリ分かれる野菜の定番でもありますね。ただし一昔前からするとかなり市民権を得た野菜と言えそうで、生野菜感覚でサラダや浅漬として食べる。グリーンスムージーの原料などにも利用されています。生もしくはそれに違い状態で食べることが多いですが、セロリは炒め物・スープ・シチューなどに入れるなど加熱料理用にも幅広く活用できますし、肉と合わせて香味野菜としても使用できます。

植物分類で見るとセロリはセリ科植物に分類されます。和名は“オランダミツバ(和蘭三葉)”が使われますが、そのほかに「清正人参」という面白い呼び名もあります。英名celeryの読み方の違いでセルリー、セレリィなどと表記されることもあります。ちなみに漢字では塘蒿という字を当てるか、和蘭三葉もしくは清正人参を使うようです。
セロリは葉の色によって黄色種・緑色種・中間種、もしくは茎(厳密には葉と葉柄)の色によって緑茎種・白茎種・中間種の3つに大きく分けられます。現在日本で「セロリ」として一般的に流通している茎が太め、根元のほうが白いのものは中間種の“コーネルセロリ”系の品種です。セロリ消費大国であるアメリカでは風味をしっかりと感じられる緑色種が一般的に使用されているそうですし、日本でも最近はセロリの独特の風味が好きという方が増えてミニセロリなど緑色腫の流通が増えています。

少し変わったところでは中華料理で見かけるセロリの東洋在来種とされる芹菜(スープセロリ)、若い苗の状態で食べるスプラウトセロリなどもあります。また肥大した根を食用とするセロリアック(根セロリ)などもセロリの仲間です。また平成に入ってから開発された“ホワイトセロリ”は白茎種と言われるように茎部分が細く白色で、外見としては芹菜の茎が白い版・葉の多い三つ葉という印象です。このホワイトセロリは香りが穏やかで苦味も少ないので、セロリが苦手な方でも食べやすいと言われています。

セロリというと日本では茎を食べるイメージが強く葉を捨ててしまう方もいますが、葉もサラダや炒め物などに活用することが出来ます。またセロリの種「セロリシード」は香辛料として使用さる存在で、ハーブティーにしたり、精油(エッセンシャルオイル)の原料としても活用されています。種子もかなりクセがありますが、塩と混ぜ合わせ「セロリソルト」として製品化されているものもあります。セロリの風味が問題なく、ハーブ系の爽やかさがお好きな方であれば肉・魚料理などに役立ってくれますよ。

セロリの歴史

セロリはヨーロッパ~中近東の高地(湿地帯)が原産と言われています。現在のように野菜感覚での食用はなされていませんでしたが、古代エジプトではミイラ作りの防腐剤として、古代ローマ・ギリシアでは薬や防臭剤・香料として利用されていました。古代ギリシアではお祭りの日に魔除けとして部屋に飾る・祭典競技の勝者の冠を編むなどの目的でも利用されていたそうですし、古代ローマ・ギリシア共にセロリを整腸や強壮効果のある薬草として利用していたと伝えられています。そのほか“セロリで編んで作った冠を頭にかぶると二日酔いが治る”などの民間療法などもあったようです。

古代から中世にかけてセロリは整腸・強壮剤としてだけではなく、風邪・インフルエンザ・不安・不眠・リウマチ・痛風・歯痛・関節痛などありとあらゆることに利用されていたとする説もあります。ヨーロッパではその幅広い薬効から「万能薬」と呼ばれていたこともあったのだとか。西ローマ帝国を築いたカール大帝が栽培を推奨したハーブリストの中にもセロリが含まれています。
16世紀になるとイタリアで薬用植物として本格的な栽培が開始します。栽培が定着した17世紀頃になるとフランスやイタリアなどで食用野菜としての利用が行われるようになり、18世紀にはイギリス・19世紀にはアメリカで品種改良が進められ現在私達がイメージする「セロリ」の様な葉柄の長い品種が確立します。

セロリが原産地から東側の中国に伝播した時期については、諸説ありますが10世紀頃にはシルクロードを通じて“胡芹”の名でインドから伝来し、東洋在来種やアジア型と呼ばれる「芹菜」の祖先が伝わったのではないかと考えられています。より古い時期である5世紀頃に伝来したという説もあり、こちらはより原種に近い種であったと言われています。
日本伝来については「清正人参」の呼び名の由来でもある“加藤清正が豊臣秀吉による文禄・慶長の役(朝鮮出兵)の際に人参の種と騙されてセロリ持ち帰った”という逸話が知られています。このためセロリを最初に日本に持ち込んだのは加藤清正と言われていますが、実際は俗説の域を出ないそう。

日本にはまず芹菜型のセロリが伝わっていたと考えられますが、より私達のイメージするセロリに違いものは1800年頃にオランダの商船により運ばれてきたものと言われています。国内ではセロリ独特の香りのため普及せず、横浜の外人住人・外国船向けとして若干の栽培が行われたものの頓挫。明治に入りアメリカやヨーロッパから導入し長野県などで栽培が開始されたものの、香気や苦味などの問題から普及しなかったそうです。日本のセロリ栽培・流通が本格化するのは戦後以降で、一般的に食べられるようになったのは食生活の洋風化・肉食文化などが定着した昭和50年代以降と言われています。

セロリはこんな方にオススメ

  • ストレス・精神疲労軽減
  • イライラ・情緒不安定に
  • 寝付きの悪さがある方に
  • 血行不良・肩こりや腰痛
  • 冷え性・末端冷え性
  • 食欲不振・胃痛の緩和に
  • 体のだるさや倦怠感に
  • むくみやすい方に
  • 血圧が高めの方に
  • ドロドロ血液が気になる
  • 便秘改善・食べ過ぎ防止に
  • アンチエイジングに
  • 美肌・透明感の維持に

セロリの主な期待される栄養・効果

セロリは全体のや約95%が水分で100gあたり15kcalと非常に低カロリーのため美容やスタイル維持に役立つ食材というイメージが定着しています。水分量が多くカロリーが低い分、ビタミンやミネラルの含有量はやや少なくなっていますが、ビタミンB1,B2,B16・ビタミンC・ビタミンE・β-カロテンなどのビタミン類、カリウムやカルシウムなどのミネラル類、食物繊維などが幅広く含まれています。栄養成分をしっかりと補給するには至りませんが、栄養バランスを整える役割は十分期待できます。

ストレス緩和・精神安定

セロリの成分として特出しているのが約40種類含まれていると言われる香り成分。あの臭いがちょっと苦手で…という方もいるかもしれませんが、香り成分のおかげでセロリは精神面に対してダイレクトな効果が期待できるとされています。

芳香成分のアビオイルやテルペンは神経の興奮を鎮める鎮静作用があるとされており、またアピインという成分には抗不安作用が期待されています。これらの成分が相乗することでストレスを緩和させ、気持ちを落ち着かせることでイライラ・不安・緊張などの改善に役立ってくれるでしょう。精神の過剰な興奮を抑制することでリラックスにも繋がりますから、自律神経の乱れを予防したり、不眠・頭痛の軽減効果も期待できます。

血行不良・冷え性改善

セロリの葉に多く含まれる「ピラジン」という香り成分には血小板の凝集を抑制することで血流を良くしてくれる働きがあると考えられています。また際立って多いわけではありませんが、末端血管を広げ血行を促進するビタミンEもセロリには含まれていますから、相乗して血液循環の改善が期待できるでしょう。血液循環が良くなることで冷え性の改善・新陳代謝向上は勿論ですが、血行不良によって起こる肩こりや腰痛の軽減、冷えによって悪化する関節炎やリウマチなどの痛み緩和なども期待できます。

セロリには肝機能を高めることで老廃物や毒素の排出促進・代謝向上に役立つとされるメチオニンも含まれています。ピラジンの働きと相乗して血液浄化・免疫力低下の予防などにも役立つと言われていますが、含有量は極微量(100gあたり4mg)のためあまり期待しないほうが良いでしょう。ピラジンやビタミン類の含有量の多い葉の部分は生で食べようとするとクセが強いので、メチオニンを多く含むカツオマグロなどの魚類・肉類と合わせて炒め物やスープに入れて食べるのがおすすめです。

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食欲不振改善・疲労回復

セロリの芳香成分であるアビオイルには食欲増進や口の中をさっぱりさせる効果があると言われています。またキャベツの成分として知られるビタミンU(キャベジン)がセロリにも含まれていますから、胃酸分泌抑制・胃腸粘膜の保護修復など荒れた胃を整える働きも期待されています。そのほか芳香成分によりストレス軽減・精神安定にも有効とされていますから、相乗して神経性の胃痛やムカつきなどの改善にも役立ってくれるでしょう。
汗によって失われやすく欠乏が夏バテの原因の一つともされるカリウムの含有量も多いので、食欲増進作用などと合わせて夏バテの予防・軽減にも役立ってくれるでしょう。セロリ自体も非常にサッパリとした野菜ですから、食欲が無いときにも取り入れやすいですね。

またピラジンやビタミンEの働きで血行が良くなることに加え、セロリには糖質のエネルギー変換に関わるビタミンB1、補酵素として代謝を助けてくれるマグネシウムも含まれています。このためセロリには疲労回復効果も期待されています。肉体を酷使した場合の疲労とは異なる、慢性疲労と呼ばれている症状の場合は冷え(血行不良)が大きく関わってきますから、だるさや体の重さが抜けないような方にも適しているでしょう。古代で強壮剤代わりに利用されていたのもこれらの働きによるところが大きいと考えられます。

むくみ改善・高血圧予防

セロリは体内の余分なナトリウムを排出させ、むくみの解消・血圧上昇を抑える作用のあるカリウムが豊富に含まれています。セロリのカリウム含有量は100gあたり410mgキュウリスイカの2倍以上、どこでも購入できて気軽に食べられる生野菜の中ではトップクラスに入ります。セロリにはカリウムによる利尿効果のほか芳香成分による血行促進にも役立ちますから、夕方の足・下半身のむくみなど循環不良によるむくみの軽減にも効果が期待できます。

塩分の多い食事などでナトリウムを過剰に摂取すると、血中ナトリウム濃度を調整するために血液に水分を取り入れます。すると全体的な血液の量が増えてしまうため、血液を押し出す心臓に負荷がかかり高血圧の原因となります。カリウムはナトリウムの排出を促すため高血圧の予防に効果的なミネラルとされています。またセロリに含まれているピラジンは血液をサラサラに保つことで血流をサポートしてくれるためこお、高血圧をはじめ動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞などの予防にも役立つと考えられています。

便秘改善・ダイエットサポート

セロリは食物繊維が豊富で、腸内環境改善などにも役立つ野菜と言われていますが、100gあたりの含有量で見ると食物繊維総量は1.5g。同グラム中の食物繊維総量を比較すればキュウリトマトなどよりは多いものの、野菜全体の中では普通~やや低いポジションです。セロリステッィクを1,2本食べて「食物繊維をしっかり摂った」と過信しないほうが良いでしょう。しかし摂取カロリー数から食物繊維量を見るとかなり豊富な部類になりますので、考え方・食べ方によっては便利な存在ともなり得ます。

ちなみにセロリの100gあたり1.5gの食物繊維のうち不溶性食物繊維が1.2gと大半を占めています。不溶性食物繊維は腸内の老廃物・有害物質を絡め取って排出させる働きがあり、腸を綺麗にしてくれる存在です。またお腹で水分を吸って膨らむことで食べ過ぎを予防する・満腹感を維持するなどの働きもあります。セロリは低カロリーですしシャキシャキとした歯ごたえは必然的に噛む回数が増えますから、ダイエット中の食事のカサ増し・食べ過ぎ防止にも役立ってくれるでしょう。

ただし不溶性食物繊維は蠕動運動促進などに役立ってくれますが、水分を吸う性質から食べ過ぎると便秘の悪化やお腹の張りを起こす・消化できないことから下痢などをしやすくなるデメリットもあります。通常の便秘の方であれば便秘改善やデトックスにも役立つ食材と言えますが、お腹が張りやすい・下痢をしやすい方は注意が必要です。

老化予防・美肌作り

どれかの含有量が高いという訳ではありませんが、セロリにはβ-カロテンやビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類がバランスよく含まれています。ビタミンンCとビタミンEは合わせて摂取すると相乗効果によって抗酸化力などの働きが強まるとされていますし、β-カロテンも抗酸化作用があることに加え体内でビタミンAに変換されます。セロリは美肌作りに重要とされるビタミンACEがまとめて摂取できる野菜として、アンチエイジングや美肌作りにも取り入れられています。

抗酸化以外にビタミンCはコラーゲン生成促進によって肌のハリや潤いを保つ・メラニン生成を抑制する働きがありますし、ビタミンA(β-カロテン)は皮膚粘膜を健康に保持することで肌荒れを防いでくれる働きがあります。ビタミンEには血行促進作用がありますし、セロリの葉に多い香り成分ピラジンも血流をサポートしてくれるので、相乗して血行を良くして肌のくすみ・クマ改善にも役立ってくれます。血液循環が良くなれば肌に必要なビタミン類などの栄養・酸素を行き渡らせることにも繋がりますので、肌のターンオーバを促進して肌状態を整える効果が期待できます。
また便秘の解消効果や精神安定作用などと合わせて肌荒れやニキビの予防・改善にも役立ってくれるでしょう。美肌維持に嬉しい成分と、それを行き渡らせるための成分が含まれていることがセロリ=美肌野菜として定着したと考えられます。

★セロリの葉の栄養について

セロリの葉部は香り成分の「ピラジン」が豊富に含まれているだけではなく、普段食べている“茎(葉柄)”部分よりもβ-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどビタミン類が多く含まれています。ただし茎の2倍と大きく差があるように言われているβ-カロテンは、茎分が100gあたり44μgですから倍でも88μgとあまり多くないと推測されます(※日本食品標準成分表に記載がないため正確なところは不明)。

ちなみに検疫の関係で基本的に葉付きセロリは国産物しか無いそうで、流通量はさほど多くありません。もし葉付きのセロリを見かけた場合は捨てずに食べるようにしてみてください。せっかくなら葉も食べたいけど近くに見つからない…という場合は株ごと買って頭を切り水につけることで大根菜のように再収穫することも出来ます。

★フェロモン効果について

セロリは古くからヨーロッパで精力増強剤として食されていた歴史がある食材。科学的に見ても「アンドロステロン」という男性ホルモンの一種が含まれていることが報道されています。男性が食べるとフェロモン増強によって精力がアップしたり、性的魅力(セクシーさ)が増すと言われています。
女性の場合は直接的なフェロモン増加作用はないものの、本能的に男性のフェロモンを感じ取って色気がアップする可能性があるという説や、アンドロステロンは男性には興奮・女性には鎮静作用をもたらすとの説もありハッキリとは分かっていません。女性の場合はフェロモン野菜というよりも、美容野菜と思っておく方が無難です。

セロリの選び方・食べ方・注意点

セロリは体を冷やす食べ物という説もあります、血行促進による冷え改善を狙って生のまま大量に食べてしまうと逆効果になってしまう恐れがあります。加熱するかショウガや味噌など体を温めるものと一緒に摂るようにしましょう。冷え性改善に特に高い効果が期待できるのは“葉部”なので、はをスープの具に使うと良いかもしれません。

葉付きのセロリを買った場合、葉と茎を分けて別々に保存したほうが鮮度を保てます。葉・茎どちらとも冷凍保存が出来ますが、茎は冷凍すると食感が失われるので解凍後は加熱料理用とした方が無難でしょう。

鉄分と葉酸が多いので貧血に良い、β-カロテンやビタミンCが多いので風邪予防に良いとする説もありますが、茎部分100gあたりの含有量でみると鉄分0.2mg・ビタミンC7mg・β-カロテン44μgとどれも多くはありません。これらの成分を加えるために食材を選ぶのであれば別の野菜にしたほうが確実でしょう。

セロリのオススメ食べ合わせ

  • セロリ+エビ・牡蠣・鶏肉・鶏卵・チーズ
    ⇒スタミナ回復・強壮に
  • セロリ+クルミ・キュウリ・ウド・唐辛子
    ⇒むくみ緩和・血行促進に
  • セロリ+タケノコ・クルミ・ごぼう・春菊
    ⇒便秘の予防・解消に
  • セロリ+ピーマン・白菜・モヤシ・鮪・蛤
    ⇒高血圧・動脈硬化予防

セロリ活用方法・民間療法

セロリをすりおろし、ハチミツとお湯を加えたものを飲むと不眠・めまい・高血圧に良いと言われています。脳血栓や心筋梗塞の予防にはリンゴ・人参などと合わせて生ジュースにして飲むと良いそうです。

セロリの葉を刻んだものを袋に入れ湯船に浮かべると、冷え性の改善に役立ち湯冷めもしにくくなると言われています。また冷えによる痛み・コリの緩和や、香りによるリラックス効果なども期待できるでしょう。

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投稿日:2014/07/24 (更新)
by SlowBeauty