レタスとその栄養成分や効果効能
|抗酸化&栄養補給にはリーフレタスやサラダ菜も

食べ物辞典:レタス

シャキシャキした軽い食感からサラダ野菜としても定番のレタス。ボール状のレタス以外にもサニーレタスやロメインレタスなど様々なタイプがあり、サラダ菜や山クラゲと呼ばれているものもレタスの仲間。野菜類の中でも低カロリーな部類なのでダイエット中のお食事にも嬉しいですし、サニーレタスやサラダ菜はβ-カロテン量やビタミン類が豊富な抗酸化野菜でもありますよ。そんなレタスの歴史や栄養効果、種類による違いについてご紹介します。

レタスのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:チシャ(萵苣)

英語:lettuce

レタスのプロフイール

レタスとは

シャキシャキした食感とクセのない風味を持つレタス。サラダやサンドイッチやラップサンドの具など洋食で目にする機会が多く、生野菜として使われることの多い野菜ですが、中華料理の炒めものやお味噌汁の具などにも使える万能野菜。加熱したほうが苦味が弱まり、ハーブの様な仄かな香りを感じやすいことも特徴。生で食べるよりも好き嫌いは別れますが、加熱したほうが食べやすいと感じる方もいらっしゃいます。

種類によっても異なりますが、流通量の多いレタスは葉が巻いたように結球した、ボールのような形状。この見た目から小さいお子さんなどはキャベツとレタスの名称を覚えるのに苦労することもありますよね。大人でも仲間のように見えますが、植物分類としてはキャベツはフウチョウソウ目アブラナ科、レタスはキク目キク科(アキノノゲシ属)と、二者はかなり離れた存在。強いて言うならばレタスはキャベツよりもゴボウやキクイモなどに近い植物なんです。ちなみに和名はチシャ(チサ/萵苣・知佐とも書く)。このチシャという不思議な和名は、レタスを切った時に白い汁が出てくることから「乳草(チチクサ)」と呼んでいたことが由来と考えられています。英語Lettuceも乳を意味するラテン語“ラク(lac)”が語源とされていますよ。

レタスの種類について

一口にレタスと言っても、日本でも様々な種類のものが流通していますよね。世界各地で食べられているレタスは品種もかなり多く存在していますが、大まかにはヘッドレタス・リーフレタス・ロメインレタス(コスレタス)・ステムレタスの4つに分類されています。この4タイプは品種の系統というだけではなく、それぞれ学名に“var. ”が付けられ変種として扱われています。同じ様に学名に“var. ”がついたものにはブラッシカ・ラパ変種群と言えるカブ野沢菜白菜などもあります。植物分類でのレタスとリーフレタスの距離感が、カブと白菜と同じくらいと考えると不思議ですね。

このうち流通・販売量が多いのはヘッドレタス系統とリーフレタス系統ヘッドレタスと呼ばれているものはクリスプヘッド型とバターヘッド型に分類され、ボール型に結球する最も一般的なレタスはクリスプヘッド型。バターヘッド型と呼ばれるのは結球するものの緩めで花にも見えるような形・ボールヘット型よりも緑色が濃いことが特徴。日本で“サラダ菜”と呼ばれているのがヘッドレタス系統バターヘッド型レタスです。

次いで多く見かけるのが結球しないタイプのリーフレタス(葉チシャ、チリメンヂシャ)系統。上で流通量の多いレタスは葉が巻いたものと紹介しましたが、時期によってはこちらの方が主流と言えるような場面もありますね。サニーレタスなどが代表的で、結球しないことに加えて緑色~赤褐色と葉の色が濃いことも特徴また、ある程度の大きさになったら丸ごと収穫するのではなく、成長に合わせて下葉から収穫していく“カッティングレタス(掻チシャ)”と呼ばれるタイプもリーフレタス系統に含まれます。カッティングレタスとしては焼肉でもお馴染みのサンチュが代表的。

ステムレタスは茎チシャとも呼ばれるように、葉ではなく茎(stem)を食べることをメインとしたレタス。アスパラガスレタスと呼ばれることもありますし、日本では一度乾燥させたものが「山クラゲ」という呼び名で販売されています。コリコリした食感も、外見も、一般的に想像するレタスとは別物ですが、山クラゲはレタスの一種・加工品なんですね。ロメインレタス(コスレタス)と呼ばれているものは結球するものの、ボール状ではなく白菜のような形になることが特徴。見た目そのままに立ちレタスとも呼ばれており、ボール状のレタスよりも肉厚で甘みが強いことが特徴です。生のステムレタスとロメインレタスはまだ流通量が少めではあります。

レタスの歴史

栽培の歴史が古いこともあって断定されていませんが、現在のレタスの元となっている野生種は地中海~中近東辺りが原産と考えられています。古いものでは紀元前5000~4500年頃から栽培も行われていたという説もありますし、紀元前2680年頃には古代エジプトで栽培されていたことが分かっています。ただしこの頃のレタス栽培は現在のように野菜として葉を食べるためではなく、種子から油を搾る目的が主。このレタスオイルは食用としてだけではなく、医療用やミイラを作るためにも使われたと考えられています。

時代と共に古代エジプトの人々はレタスを苦味が少なく、口当たりが良くなるように品種改良していったと考えられています。この頃のレタスは結球せずに葉が立った形状だったようですが、野菜としての基盤ができたと言えますね。エジプトからギリシアへもレタスの栽培は伝わり、ギリシアの人々は消化を助けるために食前にレタスのサラダを食べていたようです。また鎮剤として気持ちを落ち着ける働きがある、逆に性的な面を補助する媚薬・催淫薬として役立つと考え、古代ギリシア人は薬代わりにもレタスを使っていたのだとか。

レタスはギリシアからローマに、ローマからヨーロッパへと伝わりました。各地で栽培されるようになったレタスですが、結球するヘッドレタス系統が誕生したのは15~16世紀頃と考えられています。16世紀後半にはヘッドレタスやロメインレタスについての記述が見られることから、現在のように様々なタイプのレタスが存在するようになっていたと考えられます。また、レタスはヨーロッパより東へも伝播しており、7世紀頃までには中国へも伝わっています。ほぼ同時期の奈良時代頃には日本へも伝わっていたと考えられていますよ。

ちなみに初めて日本に持ち込まれたレタスは結球しないリーフレタス系統で「カッティングレタス(掻チシャ)」タイプ。平安時代頃には既に栽培され、茹でて食べられていたそうです。中国ではステムレタスも作られるようになりますが、日本では長らくカッティングレタスが“萵苣”として食されてきました。明治に入り欧米から様々な野菜を導入し栽培も試みるようになると、結球する玉レタスも入ってくるようになりました。しかし最初は観賞用としての位置づけから抜けられず、本格的に食用野菜として栽培が行われ始めたのは第二次世界大戦が終わってから。

家庭で使う野菜として需要が伸びたのは1970年代以降で、洋食文化が定着した影響が強いと考えられます。レタス=洋食というイメージが強いのもこのためですね。反対に日本で古くから食べられていたカッティングレタス(掻チシャ)の生産・利用は減少し、一部地域でのみ食されるような状態になってしまいました。焼き肉ブームや韓国人気から焼肉をサンチュで包んで食べる文化が日本にも定着したおかけで、近年は再び流通するようになっています。β-カロテンの含有量が多いサニーレタスなども注目され、今では様々なタイプのレタスがスーパーの野菜コーナーに陳列されていますね。

レタスの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

レタスは全体の約95%が水分で、100gあたり12kcalと野菜類の中でも際立ってカロリーの低い食材。きゅうりと同じく栄養価が低いと称されることもありますが、葉酸を筆頭としたビタミン類、カリウムなどのミネラル類を広く含んでいます。何らかの栄養素を十分に補給できる食材とは言い難いですが、白菜などと同様にメインになる食材ではありませんから、献立としても栄養補給としても脇役としてさり気なくサポートしてくれると考えられます。

レタスサラダのイメージ

レタスの効果効能、その根拠・理由とは?

ダイエットのサポートに

レタスの特徴と言えるのは、何と言っても100gあたり12kcalというカロリーの低さ糖質や脂質の含有量も少ないため、脂質カット式・糖質制限式など何ダイエットであっても気にすること無く摂取することが出来ます。カロリーが低いだけだけではなく、生の状態であれば歯ごたえがあるのもダイエット向き。サラダなどにして食前によく噛んで食べると満腹中枢の刺激になりますし、実際にお腹も膨れるので食べ過ぎ防止にも役立ってくれるでしょう。満腹感を維持したり、食事の物足りなさを和らげるのにも一役買ってくれます。

ただし注意したいのが食物繊維補給源としてのイメージ。食感としても繊維質ですし、健康食品類では“レタス○個分の食物繊維”などの表記もありますが、実はレタスの食物繊維含有量は100gあたり1.1gと野菜類の中では少ない部類。カロリーあたりの食物繊維量として考えれば食物繊維も少なくはありませんが、サラダなど生状態であればレタス100gというのは結構カサがあります。なのでレタスサラダなどを食べて食物繊維を摂ったと思っていても、実際はさほど摂取できていない可能性があります。

また1.1gの食物繊維のうち、不溶性食物繊維が大半を占めているという部分にも注意。不溶性食物繊維は腸内の老廃物排出を助けたり、蠕動運動を促す働きがあります。しかし摂取量と体質によっては腹痛や下痢を起こす原因となる・水分が不足していると便が固くなってしまうというデメリットもあります。食後の血糖値上昇を押さえたり、コレステロール排出を促す働きが報告されているのはレタスにほとんど含まれていない水溶性食物繊維の方。低カロリーで食事のカサ増しには役立ちますが、食物繊維補給源としてのメリットはレタスに期待しないほうが確実です。

葉酸を摂りたい妊娠中の方に

レタスは全体的に見るとビタミン類を多く含む食材ではありませんが、葉酸については100gあたり73μgと比較的豊富。葉酸は赤血球の合成に関わることから“造血のビタミン”とも呼ばれ不足すると悪性貧血(巨赤芽性貧血)のリスクが高まることが指摘されているだけではなく、タンパク質や核酸(DNAやRNA)の合成・神経細胞の代謝などに関わることから胎児・赤ちゃんの健全な発育をサポートしてくれる栄養素でもあります。このため妊娠・授乳中の方は一日の推奨摂取量が多く設定されていますし、近年は妊活系サプリメントとしても使われているビタミンですね。

レタスに含まれている葉酸で一日に必要な葉酸全てを補えるわけではありませんが、レタスは軽く洗ってドレッシングをかけるだけで食べられる野菜。若干の苦味がありますが香りはさほど強くなく、さっぱりと食べられるので、つわりがあっても取り入れやすいというのも妊娠中には嬉しいところです。

貧血予防には…?

レタスは時折、貧血の予防や改善に役立つ食材として紹介されることもあります。これはレタスに“造血のビタミン”とも呼ばれる葉酸が比較的多く含まれているためでしょう。確かに葉酸は造血に関わるビタミン類ではありますが、日本人に多い貧血は鉄分が不足することで起こる鉄欠乏性貧血であることが統計で分かっています。健康体で普通の食事を摂っている場合は葉酸が不足して貧血になるケースは稀。肝心の鉄分含有量についてはレタス100gあたり0.3mgと多くはありませんので、鉄分補給や貧血予防を第一に食材を選ぶ場合であればレタスを加えるだけでは心もとないと言えます。

骨粗鬆症予防に

レタスは必須ビタミンが多い食材ではありませんが、その中で葉酸とビタミンKが豊富。ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するために働くタンパク質を活性化してくれる働きがあるビタミンで、不足すると骨折しやすくなる・骨量減少の原因となる可能性があります。このため献立にレタスを取り入れるとビタミンKの補給になり、骨を丈夫に保って骨粗鬆症の予防をサポートしてくれるのではないかと考えられています。レタスのカルシウム含有量は100gあたり19mgと多くありませんので、ジャコサラダにする・ミルク煮にするなどカルシウムが豊富な食材と組み合わせて食べてみて下さい。

免疫力サポートにも期待?

近年は緑黄色野菜に比べて劣ると思われていた淡色野菜の方が免疫力アップ効果は高いという説、淡色野菜の中でもレタスの免疫力アップはトップクラスという見解もあります。ただしレタスのどの成分がどういった作用秩序で免疫機能を高めるのか、野菜として通常量摂取した場合にどの程度の働きが期待できるかは分かっていません。栄養成分としてみればレタス(玉レタス/クリスプヘッド型)は淡色野菜に分類されるようにβ-カロテン含有量は少なめで、ビタミンCも生100gあたり5mgと多くありません。生でそのまま食べることが多くビタミンCや酵素などの補給に繋がりやすいので無駄ということはないでしょうが、過度な期待は避けるべきだと考えられます。

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リーフレタス・サラダ菜の栄養価について

上でご紹介した栄養成分量は最もメジャーと思われる玉状のレタス(ヘッドレタス・玉チシャ)の数値を元にしたものですが、サニーレタスなどのリーフレタス系・同じヘッドレタス系統でもバターヘッド型に分類されるサラダ菜は含んでいる栄養素に大きな差があります。最も差が大きいのはβ-カロテン量で、玉レタスが100gあたり240μgで淡色野菜に分類されているのに対して、リーフレタス類やサラダ菜はβ-カロテンを2000μg以上含む緑黄色野菜です。

抗酸化や肌荒れ予防に

リーフレタスやサラダ菜に多く含まれているβ-カロテンは抗酸化作用を持つカロテノイドの一種。体内の活性酸素を除去・抑制することで、体を酸化ダメージから守ってくれる働きがあります。葉先が赤紫色をしているサニーレタスには赤紫色の元となっているアントシアニンも含まれています。またリーフレタス類もサラダ菜も、β-カロテンだけではなく抗酸化作用を持つビタミンEやビタミンCについても玉レタスよりも多め。このことから抗酸化物質を補給したい場合には、かっちりと結球しておらず色の濃いタイプのレタスのほうが適していると言えます。

抗酸化を助けてくれるだけではなく、β-カロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA(ビタミンA前駆物質)でもあります。ビタミンAは皮膚や粘膜を健康な状態に保つ働きがあり、不足なく補うことで肌のバリア機能向上や乾燥肌予防に役立つと考えられています。ビタミンAの補給は新陳代謝を高めることにも繋がりますし、リーフレタス類やサラダ菜はビタミンB群や亜鉛・鉄分などお肌の健康維持に嬉しい栄養素も沢山。抗酸化作用も肌細胞の酸化によって起こるシワ・たるみ・くすみなどの予防を手助けしてくれますから、肌のアンチエイジング(老化予防)や肌荒れ防止にも効果が期待できます。特にサニーレタスは皮膚の健康維持や皮脂分泌に関わるビタミンB2含有量が多いので、肌荒れが気になる方はサニーレタスを食事に取り入れてみると良いかもしれません。

サラダ菜は貧血予防にも

玉レタスが貧血予防に良いと言われるのは鉄分補給源としてではなく葉酸が多めということが理由として考えられますが、リーフレタスやサラダ菜となると話は別。特にサラダ菜は鉄分が豊富で『日本食品標準成分表(七訂)』では100gあたりの鉄分含有量が2.4mgとして掲載されています。小松菜ほうれんそうと共にしっかりと鉄分を補給できる葉野菜と言えるでしょう。またサラダ菜よりは劣るものの、リーフレタス類も玉レタスよりは鉄分が豊富。特にサニーレタスの鉄分含有量も100gあたり1.8mgとなっていますから、十分に鉄分補給源として役立ってくれます。貧血気味の方・鉄分不足が気になる方はサラダ菜やサニーレタスを選ぶと良いでしょう。

風邪予防・目の健康維持に

β-カロテンは体内で変換されるビタミンAは皮膚以外に喉・気管支・肺などの上皮組織を正常に保つ働きも担っています。ビタミンAが不足して呼吸器の表面が弱ってしまうと細菌やウイルスの侵入を許しやすい状態を作ってしまう可能性があるため、β-カロテンは風邪やインフルエンザに罹りにくい元気な体を作るサポートをしてくれる栄養素とも言えます。抗酸化物質としても酸化によって免疫力が低下するのを予防してくれると考えられます。

そのほかβ-カロテン(ビタミンA)は目の粘膜を保持する、網膜で光を感知するロドプシンの生成に関わるなど目の機能維持とも関わりの深い栄養素。こうした働きから目の疲れの緩和・ドライアイ予防などの働きが期待されており、リーフレタスやサラダ菜などはβ-カロテンが豊富なため、目の健康をサポートしてくれる可能性もあるでしょう。ちなみにサニーレタスはアントシアニンを含むことから疲れ目の予防に、ロメインレタス(コスレタス/立ちレタス)はゼアキサンチンを含むことから眼病予防にも注目されています。

目的別、レタスのおすすめ食べ合わせ

レタスの選び方・食べ方・注意点

レタスは金気に弱く、包丁を入れてカットしてしまうと切り口が酸化し茶色っぽい色に変色してしまいます。玉で買ってきて半分だけ使いたいという場合でも、包丁では切らず、外側の葉から手でちぎって使うようにしましょう。レシピや見た目の関係で細切りにしたい場合は切ってすぐ食べる・加熱するようにすると見た目を損ないません。

購入して時間の経ったレタスは葉の部分がしんなり・ペタっとした感じになりがち。使う前に水に浸しておく・50℃のお湯に数分付けておくとハリが戻り、再びシャキシャキとした食感を取り戻すことが出来ます。50℃のお湯で洗ったレタスは包丁を入れても変色しにくくもなりますが、温度や入れておく時間を間違えてしまうと復活どころか更にしんなりしてしまうので注意(私は何度もやらかしたことがあります)。ちなみに水に晒すのは水溶性の栄養素を流出させてしまってもったいない部分もありますが、玉レタスであれば元々栄養価が高いものではありませんので気にしなくても良い範囲だと思います。

美味しいレタスの選び方・保存方法

どの系統のレタスにも共通していることは、色が綺麗で葉先までピンとハリがあって瑞々しいものを選ぶということ。玉レタスは葉先の色が濃すぎないもの・葉レタスは葉先の色がしっかり濃い目のものの味が良いと言われています。また玉レタスであれば芯の切り口が10円玉大で白色のもの・葉の巻きが緩く軽めのものが良いとされています。キャベツは持った時にみっしりとして重いものを選びますが、キャベツはふんわりとした印象で軽めのものを。

レタスを保存する時には、水分を失わないよう新聞紙で包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫へ。外側から水分が付いてしまうと痛みやすいですが、芯の部分だけは水を含ませたキッチンペーパーを当てておくと萎れにくくなります。カットレタスは長くても3日程度までの日持ちがしないので早めに使い切るか、水気をしっかりと拭き取って冷凍庫へ。冷凍レタスは食感がくったりしてしまうのでサラダには向きませんが、お味噌汁の具や炒めものには違和感なく使えます。

不眠緩和・ラクチュコピクリンについて

レタスは古代から気持ちを落ち着ける薬として使用されてきた植物。現在でも「玉レタスを4分の1程度食べると眠くなる」という説や、ラクチュコピクリンという苦味成分に鎮静・催淫作用があるという話が登場します。確かにレタスにはラクチュコピクリン(lactucopicrin)という成分が含まれており、鎮静効果や催眠効果を持つ可能性が報告されています。ただし報告されている実験では抽出物や単離成分が使用されており、レタスにはごく微量のラクチュコピクリンしか含まれていないため通常の摂取で人体に影響を及ぼす可能性はないという見解が主流。

そのほかにラクチュコピクリンではなくミネラルが鎮静効果を持つんだ…なんて説もありますが、上記でご紹介した通り玉レタスのミネラル含有量は低いです。民間療法ではレタスジュースや煮汁を飲むという方法が提唱されており、実際に不眠が軽減されたという方もいらっしゃるそうですが、どちらかと言えばブラシーボ効果の方が大きいのではないかなと思います。馬鹿みたいな量を取らない限りは健康への悪影響もありませんから、試してみても良いかもしれませんが信憑性は低いので個人的にはおすすめできません。

ちなみにメディアで「ラクッコピコリン」と表記されているのはラクチュコピクリンの誤表記だそう。昔某有名健康番組が間違って報道したのが拡散し、現在に至っているそうです。何ていうか、この時点で怪しい…。

参考元:レタス | 食材図鑑16 Best Benefits Of Lettuce For Skin, Hair, And Healthレタスの不眠症改善能について