アボカドとその栄養成分や効果効能
|美容効果の高いスーパーフード? 何が良いの?

食べ物辞典:アボカド

クリーミーな食感が特徴で、21世紀に入ってから外食から家庭料理まで日本で急速に普及したアボカド。感覚としては野菜ですが、食品としては果物に分類され「最も栄養価の高い果物」として紹介されることもありますね。実際に栄養価も高く、特にビタミンE・カリウム・食物繊維量は果物類トップクラス。カロリーが高いですが糖質を含まないこと、不飽和脂肪酸の含有量が高く生活習慣病や肥満のリスクが低いことから健康食として評価されています。そんなアボカドについて、歴史や栄養価・期待される健康メリットなどを詳しくご紹介します。

アボカドのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:ワニナシ(鰐梨)
英語:avocado/alligator pear

アボカドのプロフイール

アボカドとは

バターにも例えられる柔らかくねっとりとした食感と、少し青っぽいような風味が特徴的なアボカド。脂肪分が多いことから「森のバター」とも称されていますし、実際にバターの代用品として利用されることもあるのだとか。日本でもサラダやサンドイッチ、ペーストにしてディップソースにしたりと様々に活用されていますし、わさび醤油で頂くアボカドの刺し身・アボカドと納豆を組み合わせたアボカド納豆丼など日本ならではのレシピも登場しています。わさび醤油をプラスするとアボカドの青っぽさが感じにくくなりますし、サーモンや生ハムと組み合わせても食べやすいですね。

日本でアボカドは21世紀に入ってから急速に消費量を増やしている果物の一つであり、短期間で一般家庭でも普通に使われる食材として定番化した代表的な食材と言えるかもしれません。日本人の好みに合ったことも大きいのでしょうが、ギネスに「最も栄養価の高い果物」として認定されていることが紹介された影響も大きいと思います。脂質も多いものの不飽和脂肪酸の比率が多く太りにくい・健康に良いと取り上げられたこともあって、美容・健康意識の高い方、特に女性を中心にどんどん普及していったとも言えます。現在でも何となく“健康食材”というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。美容に良いというイメージからか、女性の方が好む方が多いからか、OLさんをターゲットにしたランチなどでも定番ですね。

ギネスブックに「最も栄養価の高い果物」と登録されたように、アボカドは食品分類上は果物として扱われています。用途や販売コーナーは野菜ですが、木になるものだから果物というわけですね。植物学上はクスノキ科ワニナシ属に分類される樹木で、私達が食べている実(果実)も樹木そのものもアボカドと呼びます。和名は属名とも同じ“ワニナシ(鰐梨)”で、ワニの皮のように見える果皮に由来しています。アボカドは学名Persea americanaという一種のみを指す言葉ですが、栽培品種を含めるとその品種数は1000以上もあるそう。大まかには表皮が黒っぽい緑色をしておりメキシコでの生産が多い「ハス(Hass)型」、果皮の色が比較的明るく滑らかで、グアテマラでの生産が多い「ベーコン(Bacon)型」、南アフリカでの生産が多い「フェルテ(Fuerte)型」の3系統に分けられています。

日本国内でも世界的に見ても最も流通量が多いのはハス種系統のアボカドで、世界の栽培アボカドの80%を占めています。ただしハス種は寒さに弱いという性質から日本国内での栽培には適しておらず、国産アボカドについてはベーコンもしくはフェルテ種を元にした品種が主となっています。ベーコン種やハス種系統は熟しても果皮が黒っぽくならず、緑色が深くなる程度なので見た目からも違いが分かりやすいですね。アボカドは世界的に食べられている果物でもあり、中国やインドではバターフルーツという意味合いの呼び名で、台湾ではチーズっぽい梨という意味で“酪梨”と呼ばれています。世界中で愛されているスーパーフードと言っても過言ではないですね。

アボカドの歴史

アボカドはメキシコ・中央アメリカが原産の植物で、メキシコやグアテマラの高地から分布圏を広げていったと考えられています。いつ頃から人々がアボカドの果実を食材として利用してきたかは定かではないものの、約1万年~7,000年くらい前からという説もあるように、非常に古くから食されてきたことは間違いないでしょう。メソアメリカの部族によって5000年前くらいから栽培が行われていたという説もあります。より明確に原産地の人々とアボカドの関わりを証明できるものとしては、西暦900年頃と見れれるアボカドの形をした土器・13世紀のインカ王の墓から出土した種などがあります。おそらくかなり古くから作物として栽培されていたのではないでしょうか。

中央アメリカ周辺では古くから食されてきたアボカド。16世紀頃になるとヨーロッパ人がアメリカ大陸へと到達するようになりアボカドも知られるようになります。諸説ありますが、初めてアボカドを食べたヨーロッパ人は、スペイン人であり『Historia general y natural de las Indias』の著者であるゴンサロ・フェルナンデス・デ・オビエドというのが定説。彼は著書の中でアボカドを“バターに似たペースト状で、とても美味しい”と記述しているそう。良くも悪くもヨーロッパとの行き来が増えた16~17世紀には、ヨーロッパや、移植してきた人々へもアボカドの存在は知られるようになっていきました。アボカドの語源はアステカ人の言葉「ahuacatl」がスペイン語風に訛ったものと言われています。

17世紀頃までアボカドは「ahuacatl」から変化したAguacate(アワカテ)もしくはpalta(パルタ)と呼ばれていたそう。ちなみに「ahuacatl」という言葉はアボカドだけではなく睾丸も表すことから、睾丸に似た形状が語源となっているいう説もあります。ただし睾丸説は後付という説もあり、はっきりしていません。アステカでは媚薬や強壮剤のような効果を持つ食材として使われていたという歴史も影響しているんだとか。1669年にハンス・スローンによって記されたジャマイカの植物図鑑に“the avocado or alligator pear-tree”という記述が登場していますが、20世紀初頭まではアボカドと言う呼び名よりもAguacate(アワカテ)もしくはalligator pear(アリゲーターピアー)という呼び名のほうが一般的でした。アボカドという呼称が定着したのは、1915年にカリフォルニアアボカド協会がマーケティングなどの関係もあって提唱したものが定着したのだそうです。

日本へもアボカドは大正時代頃と、アメリカでの栽培・普及活動が盛んになったのとほぼ同時期に伝わっています。鰐梨という和名も日本人が考えたものではなく、英語の「alligator pear」を直訳しただけなんです。しかし当時の日本人の口にアボカドは合わず、栽培環境としても日本は涼しすぎたことから普及には至りませんでした。アボカドが日本で受け入れられるようになるのは、洋食はもちろん多国籍な料理が受け入れられるようになり、健康志向も高まっていた昭和後期~平成初頭頃。英語をそのまま使ったアボカドが呼び名として採用されましたが、日本語訛りとでも言うべきか、アボカドではなくアボガトもしくはアボガドと発音されることも多かったようです。政庁関係の書類でも「アボガト」という表記されていた時期がありますから、一昔前までは呼称が大混乱していたと言えるかも知れません。ともあれ、2000年代に突入すると健康ブームや食の多様化の影響もあり、急激に輸入量が増加していきました。

アボカドの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

アボカドはビタミンEを筆頭としたビタミン類や、カリウム・マグネシウムなどのミネラル類を含み、食物繊維も豊富です。100gあたり187kcalとかなり高カロリーであり、果物・野菜類の中で圧倒的に脂質が多いですが、不飽和脂肪酸を多く含むためコレステロールや肥満の心配が少ないのも特徴と言えるでしょう。糖質量が少ないことから血糖値対策・低インシュリンダイエットなどにも活用されていますよ。

アボカドのイメージ

アボカドの効果効能、その根拠・理由とは?

栄養補給のサポートに

アボカドは「最も栄養価の高い果物」として紹介されることも少なくない果物。キュウリの場合はカロリーが低い果物が「最も栄養のない果物」と誤訳されてしまった経緯がありますが、アボカドは1998年にギネスブックに”most nutritious fruit”として登録されているのでカロリーが高いのではなく栄養価が高いと評価されたことに間違いないでしょう。生100gあたり187kcalとカロリーも高めですが、ビタミンEとパントテン酸を筆頭としたビタミン類・カリウムほかミネラル類も豊富です。日本で栄養のある果物として扱われているバナナよりも栄養豊富。

また、食材に含まれている栄養成分にはβ-カロテンやビタミンEなど“脂溶性ビタミン”と呼ばれる種類のものがあります。脂溶性ビタミンは脂質と組み合わせることで吸収率が非常に高まる事が認められています。このためアボカドは自身が豊富な栄養源であるだけではなく、サラダなどにして食べた際に他の食材に含まれている栄養素の吸収も助けてくれると言えます。アボカドは栄養補給源として優れた果物であると評価されており、特にベジタリアンやヴィーガンの方の栄養補給に役立つ食材として活用されています。

便秘予防・改善に

アボカドは食物繊維が生100gあたり5.3mgと青果としてはトップクラスの食材で、同グラムで比較すればバナナの5倍近い食物繊維を含んでいます。野菜と比較してもキャベツセロリの約3倍、トマトキュウリの約5倍。半玉(1/2個)食べただけでもバナナ3本以上の食物繊維を補給できる計算になりますから、手軽で効率の良い食物繊維補給源と言えるでしょう。食物繊維のバランスとしても100gあたり不溶性食物繊維3.6g、水溶性食物繊維1.7gと、理想的なバランスとされる不溶性:水溶性=2:1に近いことが特徵。

便の容量を増やして蠕動運動を促進してくれる不溶性食物繊維、便の水分量を適切に保ったり腸内善玉菌の活発化を助けてくれる水溶性食物繊維と両方の食物繊維がバランスよく補給できる、便秘改善のサポートにも適した食材と言えます。またアボカドに含まれているオレイン酸などの脂質も便の表面をコーティングして潤滑油の役割を果たす・界面活性(乳化)作用によって便を柔らかく排泄しやすい状態に保つ働きが期待されています。合わせて便秘予防をサポートしてくれるでしょう。

むくみ・高血圧対策として

アボカドはミネラル類よりもビタミン類に強い食材ではありますが、カリウムは生100gあたり720mgと非常に多く含んでいます。青果類でのカリウム含有量トップであり、同グラムで比較すればバナナの約2倍、キュウリの3倍以上。食物繊維補給源としてだけではなく、カリウム補給源としても優れた食材と言えます。カリウムはナトリウムと競合して細胞内外の浸透圧を調整するミネラルで、ナトリウム量が多い場合はそれを排出させる働きがあります。ナトリウムも必須ミネラルの一つ、体に必要な栄養素ではありますが、過剰に摂取するなどして血中ナトリウム濃度が上昇すると人体に様々な悪影響を及ぼします。

カリウムが少ない状態でナトリウム濃度が高まると、私達の体は水分を取り込むことでナトリウム濃度を一定に保つ仕組みが組み込まれています。水で希釈するような感覚ですね。このメカニズムによって体は正常な機能を維持していますが、水分を取り込むことでむくみが発生したり、血液量が増えることになるので心臓に負担がかかり血圧が上がりやすくなるというデメリットもあります。ナトリウムの排出を促すカリウムを補給してあげることで、ナトリウム・ナトリウム濃度を保つために蓄えられていた水分の排出が促されますこのためカリウムはむくみ・高血圧の予防に意識的に摂取したいミネラルに数えられています。

アボカドにはカリウムの運搬をサポートしたり、正常な体液循環を保持する役割があるマグネシウムも豊富。加えてアボカドには肝機能を向上させることで毒素・有害物質の排出促進する働きが期待されている、グルタチオンというペプチドも含まれています。食物繊維補給源としても優秀な食材ですから、便秘・むくみの軽減と合わせてデトックスにも役立つと考えられています。

アンチエイジング(抗酸化)に

アボカドは美容野菜(果物)としても女性を中心に注目されている食材。アボカドが美容効果を持つと言われている理由はいくつかありますが、その一つに抗酸化物質を含んでいるということも挙げられます。特に抗酸化作用から“若返りのビタミン”とも称されることのあるビタミンEは100gあたり3.3mgとキウイフルーツの約2.5倍の含有量があり、果物類としてはトップクラス。同じく抗酸化ビタミンであり、ビタミンEの抗酸化作用を長続きさせてくれるビタミンCも含まれています。そのほかグルタチオンも抗酸化物質に数えられるトリペプチドですし、若干ではありますがアボカドにはルテインやゼアキサンチンが含まれていることも認められています。

抗酸化作用を持つ成分を豊富に含むことだけでなく、アボカドは脂質が含まれており抗酸化物質の吸収率を高めてくれるという点もメリット。2005年に『The Journal of Nutrition』に発表された研究では、アボカドやアボカドオイルと一緒にβ-カロテンやリコピンなどのカロテノイドを摂取すると吸収率が高まることも報告されています。実験ではアボカドと組み合わせたことで抗酸化物質の吸収が2.6倍~5.1倍になったそうですよ。アボカドに豊富に含まれる脂質についても、不飽和脂肪酸が多く酸化にしくいと考えられていますから、抗酸化物質の補給・一緒に摂取した抗酸化物質の吸収率アップと、二重の意味でアボカドは抗酸化をサポートしてくれる食材というわけです。

活性酸素は酸素を使う代謝の中でも普通に発生する物質で、私達の体を守るための機能も持ち合わせています。しかし過剰に活性酸素が増加してしまうと、活性酸素は体内の脂質・タンパク質・DNAなどに悪影響を及ぼし、体の持つ様々な機能を低下させたり、老化を促進するリスクファクターとなることが指摘されています。人の体にも活性酸素の増加や作用を抑える抗酸化酵素はありますが、加齢によって減少すること・現代社会での生活は活性酸素の増加を誘発しやすいことから、体内の活性酸素を除去・抑制する働きを持つ抗酸化物質を補給し、フリーラジカル/酸化ストレスを軽減することが体を若々しく健康な状態に保つために必要であると考えられています。

生活習慣病予防に

アボカドの持つ抗酸化力は若々しさの保持だけではなく、生活習慣病、特に血流系トラブルの予防にも役立つと考えられています。生活習慣病の発症リスクを高める要因の一つとして、過度なストレス・紫外線・喫煙などから発生する活性酸素が挙げられています。悪玉(LDL)コレステロールが酸化して出来た“酸化LDL”が蓄積し、血管を狭めたり柔軟性を損なわせることで起こる動脈硬化が代表的ですね。同じ様な生活を続けていても、若い頃はSOD酵素など自分の体内にある抗酸化物質で酸化を防いでいたものが、加齢とともに抗酸化力が衰えてしまい症状として出やすくなってくるのです。

食品からの抗酸化物質補給は酸化によるトラブルを予防することに繋がりますし、アボカドに豊富に含まれているオレイン酸などの不飽和脂肪酸は体内の悪玉(LDL)コレステロールを低下させる働きがあることも報告されています。カリウムも余剰なナトリウムを排出することで高血圧予防に、水溶性食物繊維はコレステロールの排出を促す働きもあります。抗酸化作用とこうした作用が複合することで、アボカドは高血圧・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞などの予防にも効果が期待されています。米国国民健康栄養調査(NHANES)では菜食主義の食事にアボカドを含めることでコレステロールプロファイルの改善が見られたことが報告されており、そのほかにもコレステロール・中性脂肪に対しての有益性を示唆した対照研究もいくつも存在しています。

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糖尿病予防・ダイエットサポートに

アボカドはメタボリックシンドロームや糖尿病の予防を手助けしてくれる可能性があると注目されている果物でもあります。理由はいくつかありますが、まず第一に糖質量が少ないこと。アボカド生100gあたりの炭水化物量は6.2gと少なく、更に『日本食品標準成分表(2017)』に記載されている人間がエネルギー源として利用することができる“利用可能炭水化物(単糖当量)”の項目では0.8gとなっています。アボカドは糖質をほとんど含まない果物、といっても過言ではないでしょう。

アボカドが高カロリーな原因は脂質量の多さですが、この脂質もメディアでは“善玉脂質”や“太りにくい油”と呼ばれている不飽和脂肪酸が大半を占めています。不飽和脂肪酸は中性脂肪やコレステロールの低減作用が報告されているだけではなく、インスリンの分泌量を調整することで体に余分な糖質を取り込まないようにしてくれる働きを持つ可能性も示唆されている脂質。通常量の摂取であれば肥満の原因となるリスクは低いという見解が主流です。加えてアボカドの糖質に含まれるD-マンノヘプツロースにインスリン分泌抑制効果があるという説もあることから、アボカドは血糖値を上げにくく太りにくい食材として糖尿病予防やダイエットのサポートにも取り入れられています。

また、アボカドにはタンパク質の代謝に不可欠なビタミンB6・脂質の代謝促進に必要なビタミンB2など、代謝に関与するビタミンB群が含まれています。豊富な食物繊維についても、不溶性食物繊維は水を吸って膨らむことで満腹感の維持に、水溶性食物繊維は水にとけてゲル化することで消化スピードをゆっくりにして血糖値の急激な上昇を抑えることで肥満予防をサポートしてくれます。2013年『Nutrition Journal』には食事でアボカドを食べている人は、食べていない人よりも食後の満足感が高く、食欲の減少が見られたという報告もなされています。この結果から食事療法にアボカドを含めることで自然な食事量とカロリーダウンに繋がるのではないかという期待も寄せられています。

美肌保持・肌老化予防に

美容特集などでアボカドは「食べる美容液」と称されるほど、お肌の保持にも高い効果が期待されている食材。21世紀に入ってから日本でアボカドの消費量が急激に増加した背景にも、アボカドがダイエットや美肌・アンチエイジングなど“美容”サポートに優れた果物であると紹介されたことが大きいという見方もあるほど。

アボカドはビタミンEを筆頭に、ビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質を含む食材。かつ、同時に摂取した食品に含まれている栄養素・抗酸化物質の吸収率を高めてくれるという働きもあります。アボカドが得意であると言える“抗酸化”は体内の酸化を予防して健康を保つだけではなく、内側からお肌の酸化予防に働きかけることで肌をキレイに保つ働きも期待されています。肌細胞が酸化ダメージを受けるとシワやたるみ・くすみなどの肌老化が促進されることが指摘されていますから、抗酸化を助けてくれるアボカドはアンチエイジングフードとも言えるわけです。

加えてアボカドに多く含まれているビタミンEは抗酸化作用だけではなく、末梢血管を拡張して血流を改善する作用もあります。抗酸化作用からもスムーズな血流保持に繋がりますから、合わせて酸素や栄養素を肌にしっかりと行き渡らせることで肌の新陳代謝・ターンオーバーの促進が期待できます。そのほかアボカドにはビタミンCをはじめ、新陳代謝を促すビタミンB6、皮膚の再生に必要な必須アミノ酸、肌荒れや老化防止に役立つコエンザイムQ10なども含まれています。不飽和脂肪酸も肌の潤いを守るセラミドの生成促進作用を持つと考えられていますから、合わせて美肌作りのサポートが期待できるでしょう。肌荒れや乾燥肌の軽減から、シミやシワ予防まで、肌をキレイに保つ手助けをしてくれる様々な栄養素を含んだ食材と言えます。

目的別、アボカドのおすすめ食べ合わせ

アボカドの選び方・食べ方・注意点

アボカドは100gあたり187kcalとかなり高カロリー。牛・豚もも肉と同じくらいのカロリーがあります。夏バテ時や病後などには良いのですが、ダイエットという面で見ると「体に良いから、太らない油だから」と言って食べ過ぎるのは危険です。栄養価も高いものの完全栄養食とは言い難い存在ですから、全体的な栄養バランスを考え、適量の摂取を心がけましょう。

アボカドは切ったまま放置しておくと、空気に触れた部分から黒ずんていってしまいます。半分だけ使用したい場合などは、リンゴなどと同じ様にレモン汁や塩水をかけておいたり、空気に触れないようにピッタリとラップをするようすると良いです。

美味しいアボカドの選び方・保存方法

アボカドは未熟な内に収穫し、追熟させて食べる果物。熟すと柔らかくなり痛みやすいという性質もあってか、店頭で販売されている時点ではまだ未完熟状態のものが多いです。個人的な経験も合わせて言わせていただくと、ほぼ全てが未完熟状態。時々飲食店などでも硬すぎるアボカドが提供されていますから、どのくらいが食べ頃が分からないという方もいらっしゃるように感じます。未完熟のアボカドは食感も悪いですし、青臭さを強く感じるので、熟し具合を確認してから使うようにしてください。

アボカドの食べ頃は、手で押した時に弾力は感じるもののゆっくりと凹むことが分かる程度の柔らかさ。店頭で片っ端からアボカドを押すのは迷惑になるので避け、購入後にお家で確認してみてください。触ってもカチカチに硬いと感じた場合は追熟させる必要があります。追熟する場合は紙袋などに入れて常温(20℃前後)で放置、早く食べたい場合にはリンゴなどを一緒に入れると追熟がスピードアップします。27℃以上になると追熟障害が起こる可能性が高いので注意してください。熟したものはポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。保存可能目安は2~3日程度。

ちなみにアボカドを選ぶ際には、ヘタがしっかりとしていて、果皮にハリと艶がある綺麗なものを。果皮と果肉の間に隙間があるようなブヨブヨした感じのもの、果皮がシワシワになっているようなものは避けたほうが確実です。種類によって果皮の色は違いますが、一般的なハス種であれば暗めの茶色であれば完熟に近い・緑色の強いものは食べ頃までに数日の間があると、果皮の色が大体の目安になりますよ。

アボカドの注意点

アボカドはアレルギーを起こす可能性が高い食品の一つに数えられています。特にラテックスアレルギーの方、果物摂取でアレルギー反応を起こしたことのある方は摂取に注意が必要。口内や喉のかゆみを覚えた場合は摂取を中断し、症状が重い場合は医師の診察・治療を受けましょう。

参考元:A cultural history of the avocado12 Proven Health Benefits of AvocadoEverything You Need to Know About Avocados + 15 Science-Backed Reasons to Eat These Fabulous Fruits