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【白葱/長葱】長ネギの栄養・効果

長ネギ(白葱)イメージ
  1. 長ネギとは
    1. 長ネギの歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. 長ネギの栄養・効果
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ
  4. 長ネギの活用・民間療法

長ネギ(白葱/根深ねぎ)とは

お鍋に欠かせない食材であり、一年を通して活用されている葱(ネギ)。和食の中でも生姜・ワサビと並んで“薬味”の代表選手と呼べるかもしれません。野菜としても炒め物や焼鳥の“ねぎま”などにも使いますし、中華料理などで使われるネギ油やねぎ味噌などにして調味料感覚も活用されており、使える幅も広い食材です。現在でこそ一年中出回っていますが、昔は「冬葱」と表記されていたように旬は冬、11~2月頃です。栽培技術が発達していなかった頃は冬のビタミン補給源の一つであり、かつ体を温めてくれる貴重な食材だったと考えられます。風邪対策の民間療法などにもよく登場しますね。

ネギは植物分類上ネギ属に属し、玉ねぎニラニンニクなどが同属です。その他リーキやチャイブなども同属で、特にリーキはネギと非常に近い存在とされています。ネギとしては大きく白い部分が長い「白葱(長ネギ/根深ねぎ)」系と、根元まで葉の緑色の「青葱(葉ねぎ)」系の2つに分かれます。フレンチなどにも使われるリーキは白ネギ系に、小ねぎ(万能ねぎ)は青ネギ系のネギを若取りしたものを指します。万能ネギと混同されやすい浅葱(アサツキ)も同じくネギ属に分類されますが、こちらは別品種でネギよりもチャイブに近い存在です。

ネギは“葱(き)”と一文字で表していたことから「一文字(ひともじ)」という別名もあります。対して韮(ニラ)は二文字なので二文字(ふたもじ)」と呼んていたのだとか。「ひともじぐさ」と呼ばれることもありますが、こちらは一文字に由来しているという説・枝分れした形が「人」の字に似ているからとする説に分かれています。ネギという呼び名は根を食べることが名前の由来となったとされていますが、根深ネギ系で食用とされる白い部分も実は“葉”です。日光に当たらないよう深いところまで土寄せをして軟白栽培をしているだけで、根深ネギは根を食べるネギ・葉ネギは葉を食べるネギ、というわけではありません。

以前は東日本では白ネギ系、西日本では青ネギ系が好まれていたことが知られています。ちなみに同じ白ネギ系でも北日本系(加賀群)と関東型(千住群)に分かれているので、地域色が強い野菜と言えるかもしれません。現在でもお蕎麦などの薬味として使う場合などにその名残はあるものの、近年は用途・料理などで使い分ける方が主流になってきているようです。白ネギ系(根深ねぎ・長ねぎ)は甘みがあることから煮物や焼き鳥など葱そのものを味わえる食べ方が・葉ネギ系(九条ねぎ・小ねぎ)は香りが良いため薬味としてや炒めものに適していますよ。

長ネギ(白葱/根深ネギ)の歴史

ネギは中国西部から中央アジアにかけての地域が原産と考えられています。原産地近くである中国では3000年前から栽培されていたとされ、根深ネギ系は中国北部・葉ネギ系は中国南部で誕生したと言われています。日本でも東日本では軟白した白根を食べる根深ネギ(長ネギ)、西日本では葉の部分を主に食べる葉ネギが好まれると言われていますが、原産地付近の中国でも華北・東北地方は白ネギ、華南・南洋地方は葉ネギと地域によって栽培量や好みが変わるそうです。

ネギの日本伝来は奈良時代以前、朝鮮半島を経由して伝わっていたと考えられています。文書としては『日本書紀』に名前が登場していることから、奈良時代以前には栽培が行われていた最も古い栽培野菜の一つとも言われています。平安時代の『本草和名』『延喜式』などにはネギの説明や薬効・栽培方法なども記載されおり、神事や祭事の時に神に捧げる野菜としてネギが利用されていたこと・殺菌・解毒作用などの働きを持つ薬効食材として重宝されていことなどが分かっています。
また少し古い奈良時代、聖武天皇の時代(735年/天平7年)に天然痘が流行し、ネギを食べることを奨励して効果があったとの記録が、後の江戸時代(1709年)に刊行された『大和本草』には鼻や耳にネギを差し込むと死人が蘇る、という凄まじい話も紹介されているそう。このため奈良時代以前には既に薬用食材や供物として利用されていたのではないか・魔除けなど呪術的な方面でも役立つ存在と考えられていたのではないかという説もあります。

現在国内でのネギ出荷量は東日本が多くを占めていますが、これは江戸時代に各地で特産品としてネギ栽培が盛んに行われたためのようです。お互いに対抗意識のあった江戸っ子と関西人は自分達の食べないネギの部分を食べることで馬鹿にし合ってもいたそう。
余談ですが今や焼き鳥の定番の「ねぎま」発祥は江戸時代と言われています。といっても江戸で焼き鳥が売られていたわけではなく、元々は猫またぎと言われる程価値の低かったマグロを活用するためにネギと組み合わせて食べた“ねぎま(葱鮪)鍋”が発祥とされています。後により手軽に食べられるようネギとマグロを串に刺して焼いたものが主流になりましたが、明治以降マグロの価格が上がったため代用として鶏肉を使うようになったのだとか。

長ネギ/白葱はこんな方にオススメ

  • 疲れやすい・疲れが抜けない
  • 血液をサラサラに保ちたい
  • 生活習慣病を予防したい
  • ストレスが多い・不眠気味
  • 物事に集中できないと感じる
  • イライラしやすい
  • 血行不良・冷え性
  • 肩こりや腰痛がある
  • 風邪予防・回復促進
  • 鼻水・痰・鼻詰まりに
  • 代謝を高めたい方
  • 便秘やむくみが気になる方

長ネギ/白葱の主な栄養・期待される効果

長ネギは全体の約90%が水分で、100gあたり28kcalと低カロリーなものの基本的な栄養価はさほど高くありません。長ネギが薬効の期待できる食材と考えられているのはニンニクなどと同じ硫化アリル(アリシン)という成分によるところが大きいと言えます。

【疲労回復・スタミナ強化】

長ネギに含まれている硫化アリル(アリシン)はビタミンB1の吸収を促進・ビタミンB1の持続時間を長くするなどの働きがあります。ビタミンB1は糖代謝に関わる酵素の働きをサポートする補酵素(チアミンピロリン酸/TPP)として働くことで、ブドウ糖のエネルギー変換・疲労物質の代謝を促進する働きがありますから、肉体疲労の疲労回復に効果が期待できるでしょう。

またビタミンB1は不足すると慢性疲労感・だるさ・むくみ・手足のしびれなどを引き起こすと言われています。ネギにはビタミンB1はあまり含まれていませんが、他の食材と組み合わせて摂取することでエネルギー生成活発化=疲労回復をサポートしてくれるでしょう。またアリシンには胃の消化液の分泌を活発にして胃腸を強化する作用もありますから、夏バテや疲労などで食欲が無い時・消化機能が低下している時のサポートとしても役立ってくれます。

【ストレス・不眠の緩和】

糖代謝以外にビタミンB1は脳の中枢神経を正常に保つ働きもあり、不足症状としてイライラ・気分の落ち込み・集中力の低下など脳もしくは精神的の不調も挙げられています。このためビタミンB1の吸収・持続性をサポートする働きがあるアリシンとビタミンB1を含む食品と合わせて摂取し、ビタミンB1の吸収・利用を助けつことでビタミンB1不足による精神的な不快感の緩和も効果が期待されています。
またアリシンそのものにも神経系の興奮を鎮める働き(鎮静作用)があるといる説もありますし、良い香りとは言えませんが切ったネギを枕元に置くことで寝付きを良くするという民間療法もあります。

加えて長ネギには神経伝達物質の生成や分泌に関わるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれています。カルシウムとマグネシウムの組み合わせにも鎮静作用があるとする説もありますから、ビタミンB1不足予防以外の点からも長ネギは気持ちを落ち着けせることでリラックス効果・ストレス緩和効果などが期待できます。睡眠不足気味の中は夕飯にネギを食べるようにすることで不眠の緩和にも役立ってくれるかもしれません。

【老化・生活習慣病予防】

ネギに含まれているアリシンは活性酸素を代表とするフリーラジカル(ストレス・紫外線・タバコなど)によって起こる細胞の酸化を抑える抗酸化作用が高く、酸化によって起こる老化防止にも高い効果が期待出来ます。豊富なわけではありませんが、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEなど抗酸化作用を持つビタミンも含まれていますから、肌のシミやシワ・たるみなどの予防に役立つと考えられています。

加えてアリシンの抗酸化作用は血液をサラサラする・血管を丈夫にする働きなどもあると考えられています。このため血液循環をスムーズにすることで血栓・動脈硬化の予防や、高血圧の改善などにも効果が期待されています。血液を綺麗にすること・ビタミンB1の働きを助ける働きから、糖尿病の予防にも役立つのではないかと言われています。疲労だけではなく生活習慣病が気になる方にも役立ってくれるでしょう。

【冷え性改善・風邪予防】

アリシンは抗酸化作用による血液サラサラ効果のほか、毛細血管を広げて血流を改善する作用もあると言われています。この2つの働きから血液の状態と血管の状態を整え、血行促進によって冷えの解消にも役立ってくれます。冷え以外にも血行不良によって起こる頭痛や肩こり・生理痛などの緩和にも効果が期待できるでしょう。

ネギの薬効としてよく知られている「風邪を治す」というのも、体を温める作用が強いことから来ています。ネギ湯や葱入りのお味噌汁を飲むと体が芯から温まり、発汗が促進されて解熱効果に繋がると考えられています。加えてアリシンには強い殺菌作用がありますので、体を温める働きと合わせて風邪予防としても効果が期待できるでしょう。鼻水・鼻詰まりや痰などの緩和にも役立つと言われています。

【デトックス・ダイエットサポート】

アリシンには血液循環を促すことで筋肉や内臓の機能を向上させる働きが期待できます。またビタミンB1を合わせて摂取することで糖質の代謝を高める働きもあるため、代謝アップからダイエットのサポートにも役立ってくれると考えられています。血液循環が改善されるため老廃物の排出促進にも繋がります。長ネギのカロリーは100gあたり28kcalGI値も27~28と低いので取り入れやすいですね。

アリシンが働きサポートするビタミンB1は血中タンパク質量を正常に保つことでむくみを改善する働きや、自律神経(副交感神経)を刺激して腸の蠕動運動を促す働きもがあるとされています。際立って多くはないものの、長ネギには食物繊維やカリウムなども含まれています。ビタミンB1が豊富な食材と長ネギを合わせて摂取することで、多方面からスッキリをサポートしてくれるでしょう。

●葉ネギ・小ネギ(万能ねぎ)について

長ねぎは淡色野菜に分類されるのに対し、葉ねぎは緑黄色野菜となり栄養素の含有量も異なります。圧倒的な差が出るのがβ-カロテン含有量で、長ネギ(白い部分)が82μgとほとんど含まれていないのに対し、葉ネギは1500μg、小ネギは2200μgと大幅な差があります。
そのほかビタミンEの含有量も長ネギ(白い部分)0.1mgに対し葉ねぎ0.9mg・小ネギ1.3gと圧倒的に含有量が多く、ビタミンCの含有量は約3~4倍、ビタミンB2や葉酸の含有量は2~3倍となります。またカリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルの含有量も緑黄色野菜である葉ネギ・小ネギが概ね優っています。

ネット記事などでネギにはβ-カロテンが豊富で皮膚や粘膜維持(乾燥肌や肌トラブルの改善、風邪予防)に良い、ビタミンEの働きで血流が促されるターンオーバーが整う、ビタミンCでメラニン色素を抑制しシミ・そばかすケアになる、などと紹介されているのはおそらく葉ネギもしくは小ネギのことを指していると考えられます。長ネギ(白ネギ)を食べる場合、前記の効果はあまり期待しないほうが良いでしょう。
ただし白い部分の方が辛味成分のアリシンは豊富に含まれていると言われていますので、一概にどちらが優れているとは言えません。料理や好みに合わせて選ぶか、摂取したい栄養素に重点を置いて選ぶようにしてみてください。

長ネギ/白葱の選び方・食べ方・注意点

ネギの白い部分に含まれている“ネギオール”という成分について書かれた記事をネット上などで見かけますが、構造式など学術的な裏付けがなく学問的には認められていない存在です。そのため記載を省略させていただいております。

長ネギの辛味は水に晒す・加熱することで和らげる事ができますが、アリシン量も減少してしまうと言われています。水に晒すのはなるべく控え、加熱する場合は切ってから20分程度置いた後に調理すると良いようです。
またアリシン単独での働きもありますが、上記でご紹介した長ネギに期待される効果の中にはビタミンB1の働きによるものもあります。糖代謝促進による疲労回復などはビタミンB1を豊富に含む豚肉などと合わせて摂取するのがオススメです。

長ネギ/白葱のオススメ食べ合わせ

  • 長ねぎ+ワカメ・さつまいも・レンコン
    ⇒便秘解消・肥満予防に
  • 長ねぎ+豚肉・レバー・シソ・生姜・梅干
    ⇒疲労回復・老化予防に
  • 長ねぎ+玉ねぎ・にんにく・エビ・タイ
    ⇒体を温める
  • 長ねぎ+おから・油揚・ショウガ・酒
    ⇒風邪予防・回復促進に

長ネギ/白葱活用方法・民間療法

風邪をひいた時にネギを首に巻くと喉の痛みや咳を治す・ネギの白い部分を炙って鼻の付け根に当てておくと鼻づまりが解消するなど、長ネギは外用でも風邪の症状緩和に利用されています。その他に打ち身(青タン)に焼きネギで温湿布をすると治りが早いのだとか。

お風呂に塩とネギの煎じ汁を入れると体が温まり、湯冷めしにくいと言われています。

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