葉ネギ(青葱/小ねぎ)とその栄養成分や効果効能
|栄養豊富? 特徴成分の硫化アリルは?

食べ物辞典:葉ねぎ

葉ネギ(青葱)は根深ねぎなどよりも細めで、主に緑色の葉の部分を食べるネギ。白い部分がメインで緑色の葉は捨てられてしまうことのある白葱が東日本で多用されるのに対して、葉ネギは西日本でよく使われている薬味・野菜です。色からも想像できるようにβ-カロテン含有量が非常に多いことが栄養面での特徴で、風味は滲みるような辛味が弱いことが特徴。硫化アリルが少ないため薬効と称されるような働きは弱いと考えられますが、栄養補給源としては優秀な食材です。そんな葉ネギの歴史や栄養効果・種類について詳しくご紹介します。

葉ネギ(青葱)のイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:ネギ(葉葱)
英語:(leaf)green onion

葉ネギ(青葱)のプロフイール

葉ネギとは

麺類や鍋・丼ものの薬味として使われることの多い葉ネギ。白い部分を主に食べる下仁田ねぎや千住ねぎなどの根深ネギを“白葱”というのに対し、緑色の葉の部分が多いことから“青葱”とも呼ばれています。特に葉ネギを若どりした小ねぎ(細ネギ)は白葱よりも甘みがあり、辛さが弱いことから全国的に薬味として利用されていますね。近年見かける機会の増えたもっと細い“芽ネギ”は発芽してすぐに採取されたスプラウトになります。

葉ネギの種類としては京都の伝統野菜として知られる『九条葱』や『万能ねぎ』などが良く知られています。ちなみに『万能ねぎ』というのは小ねぎの別名のように思われがちですが、福岡県のJA筑前あさくらが商標登録している商品名なのでブランドネギの一つになります。万能ねぎ以外にも高知県土佐香美の『やっこねぎ』や大分県の『大分味一ねぎ』、山口県の『ふくねぎ(安岡小ねぎ)』など各地でブランド小ねぎが作られています。

ところで単に「ネギ」と言われた場合に、万能ねぎのような青色の葉を連想される方・焼き鳥やお鍋で煮込まれたネギなど白色のネギを連想される方がいらっしゃると思います。これはかつて“東日本では白葱(根深ネギ)系西日本では青葱(葉ネギ)系”と地域に使用するネギがはっきり分かれていた名残だとか。余談ですが根深ネギは茎を食べて葉を食べないと表現されることもありますが、白い部分は葉鞘(ようしょう/葉が鞘状になって茎を包んでいる部分)なので厳密には葉です。

流通や栽培技術が発達した現在では関西でも焼き鳥や鍋の具としては白葱が使われていたり、関東でも丼ものやラーメンに青葱が乗っていたりと、どちらのネギも食べられていますが、どっちを使っても美味しい薬味などでは東西の違いが残っています。また「長ネギ」という呼び方も全国的に見ると根深ネギ系を指すことが多いですが、地域によっては緑の部分が長いネギ=葉ネギを指す場合もあるようです。

とは言え、根深ネギ・葉ネギどちらも植物としてはヒガンバナ科ネギ属に分類される同種(学名 Allium fistulosum)とされています。外見として別物のように見えますが、根深ネギ系の白い部分が長いのは日光に当たらないよう土寄せをして軟白栽培をしているため。これは見た目や食の好みの問題ではなく、気候や風土に合わせて品種や栽培方法が改良されたことが大きいと考えられています。関西と関東の中間あたりに位置する愛知県のブランドネギ“越津ねぎ”は白い部分が長いものの葉が柔らかいと、白葱と青葱の中間と言える性質を持っていますよ。

葉ネギの歴史

ネギは中国西部から中央アジアにかけての地域が原産と考えられています。原産地近くである中国では3000年前から栽培されていたとされ、根深ネギ(白葱)系の品種は中国北部葉ネギ(青葱)系の品種は中国南部で誕生したと言われています。日本でも気候などの関係から東日本では軟白した白根を食べる根深ネギ、西日本では葉の部分を主に食べる葉ネギが主流でしたが、原産地付近の中国の時点ですでに華北・東北地方は白ネギ、華南・南洋地方は葉ネギ、その間の地域は中間種と地域差があったと言われています。

日本へは奈良時代前後に朝鮮半島を経由してネギが伝わっていたと考えられています。記録としても『日本書紀』に“秋葱”という名前で登場しており、奈良時代以前には栽培が行われていた最も古い栽培野菜の一つとも言われています。ちなみに奈良県では奈良伝統野菜(大和野菜)にも認定されている『結崎ネブカ』という葉ネギがあります。この品種の栽培は室町時代からと言われていますが、地域的なものも考えると日本に始めて伝わったネギは葉ネギもしくは中間種であったと考えられます。

聖武天皇の時代(735年/天平7年)に天然痘が流行した際、葱を食べることを奨励して対策したという逸話もありますから薬用としても利用されていたと考えられています。平安時代の『本草和名』『延喜式』などにもネギは殺菌・解毒作用などの働きを持つ薬効食材であること・神饌(神事や祭事の時に神に捧げる食べ物)として利用されたことなどが記録されています。後の江戸時代(1709年)に刊行された『大和本草』には鼻や耳にネギを差し込むと死人が蘇る、という凄まじい話も紹介されているそう。江戸時代には関東で根深ネギの栽培も盛んに行われていたので、こちらの伝承は白葱の方を指しているのかもしれません。

葉ネギ(青葱)の栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

葉ネギはビタミンやミネラルを豊富に含む食材で、カロリーは100gあたり30kcal。根深ネギ(白葱/長ねぎ)と比べると特にβ-カロテン含有量が非常に多く、緑黄色野菜に分類されています。ただし辛みや独特の匂いの元である硫化アリル(アリシン)はネギの白い部分に多いので葉ネギよりも根深ネギの方が豊富と考えられており、栄養補給を考えている場合には葉ネギが、硫化アリルの作用を期待する場合は根深ネギが適しているという見解もあります。

青葱イメージ

葉ネギの効果効能、その根拠・理由とは?

疲労回復・消化サポート

根深ネギと比べると劣るとは言われていますが、葉ネギにもネギ類の代表成分とされる硫化アリル(アリシン)が含まれています。硫化アリルはビタミンB1と結合することでビタミンB1の吸収促進・ビタミンB1の働きを長時間持続させる働きがあると考えられることから、疲労回復やスタミナアップに効果が期待されている成分。ビタミンB1は糖代謝に関わる酵素の働きをサポートする補酵素(チアミンピロリン酸/TPP)として働くため、アリシンがサポートすることで糖代謝を高める事に繋がると考えられます。葉ネギ自体にはビタミンB1がさほど多いわけではありませんので、豚肉などビタミンB1の多い食材と組み合わせて摂取すると良いでしょう。

また硫化アリルは硫黄化合物の一種で、ネギの独特の香りの元でもあります。人により好き嫌いが別れる匂いですが、この香りには唾液や胃液などの消化液分泌を促す作用もあると言われています。このため胃腸機能を高めて消化促進や食欲増進にも繋がるでしょう。根深ネギの白い部分のほうが硫化アリルは多いとされていますが、食べ過ぎると刺激になり逆に胃腸を痛めてしまう可能性も指摘されていますから、胃腸が弱い方・弱っていると感じている方の場合は葉ネギのほうが適しているかもしれません。葉ネギそのものもビタミンやミネラルを多く含む食材のため、栄養補給のサポートとしても役立ちます。

ストレス抵抗力アップ

葉ネギは100gあたり32mgとビタミンCを多く含む野菜の一つ。同グラムあたりのビタミンC量は根深ネギ(長ネギ/白ネギ)の約3倍で、ミカンとほぼ同量となっています。ビタミンCは抗酸化作用を筆頭に様々な働きが期待されているビタミンで、副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成にも関係しています。特に副腎皮質ホルモンはストレス下で分泌されることが多く、ビタミンCの不足は必要時に副腎皮質ホルモンを上手く分泌できなくなる=ストレスに対しての反応が取れにくくなると考えられています。ビタミンCには抗酸化作用もありますから、こまめな補給はストレス抵抗力を高める・ストレスによるダメージを軽減することに繋がるでしょう。

加えてビタミンB1は糖代謝によるエネルギー生成を手助けする事から、糖をエネルギー源とする脳の疲労軽減・脳神経機能の保持などにも関わるビタミンと考えられています。ビタミンB1の欠乏症状としては脚気が知られていますが、それよりも軽い不足症状として慢性疲労感・だるさイライラ・情緒不安定などが挙げられています。ネギ類にはビタミンB1が多く含まれているわけではありませんが、ビタミンB1の働きをサポートしてくれる硫化アリル(アリシン)が含まれているため、ビタミンB1を含む食材と組み合わせて摂取することで精神・神経面の健康維持に役立つと言われています。ビタミンCによるストレス耐性アップと合わせて、イライラや集中力低下などの軽減に繋がる可能性もあります。

抗酸化・生活習慣病予防

栄養価としてみると葉ネギと根深ネギの最も大きな違いはβ-カロテン量。葉ネギは100gあたり1500μgと根深ネギ(長ネギ)の18倍以上のβ-カロテンを含んでおり、緑黄色野菜に分類されています。ビタミンCも非常に多く含んでいますし、ビタミンEも含まれています。β-カロテン(ビタミンA)・ビタミンC・ビタミンEはどれも抗酸化作用を持つビタミンですし、3種合わせて摂取することで互いの作用時間や働きを高める相乗効果を持つとも言われています。硫化アリルも抗酸化作用を持つ成分ですので、ビタミン類と合わせて活性酸素などフリーラジカル(ストレス・紫外線・タバコなど)によって起こる細胞の酸化を抑え、若々しさや健康をサポートしてくれるでしょう。

また活性酸素は老化の原因となるだけではなく、過酸化脂質を増加させることで動脈硬化をはじめとする生活習慣病の発症リスクを高める事も指摘されています。抗酸化物質の補給は活性酸素と脂質が結合して過酸化脂質になるのを予防してくれますし、ビタミンCはコラーゲン生成を促すことで、血管を丈夫に保つ手助けをしてくれますから動脈硬化予防にも繋がるでしょう。硫化アリルにも血液をサラサラする・血管を丈夫にする働きが期待されています。特に多いというわけではありませんがナトリウム排出を促してくれるカリウムも含まれていますので、血圧が気になる方のサポートにも適しています。葉ネギなどの薬味を使うことでお醤油などの量を減らしやすくもなりますよ。

免疫力保持・風邪予防

葉ネギはβ-カロテンとビタミンCを豊富に含むことから、免疫力の低下を防ぐ働きも期待できます。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるプロビタミンA(ビタミンA前駆体)のため、体内でビタミンAとして働くことで皮膚や粘膜の保持・強化に関与します。喉や鼻など呼吸器系の粘膜を丈夫にすることで、ウィルスの侵入を防ぎ風邪やインフルエンザに罹りにくい状態を作る手助けをしてくれるでしょう。ビタミンCもコラーゲンの生成を促すことで細胞を密に繋ぎ、ウイルスの侵入を抑制する働きが期待できます。

加えてビタミンCは抗ウイルス作用を持つインターフェロンの分泌促進作用や白血球の強化など免疫力に関わる働きを持つ可能性が多く報告されている栄養素でもあります。ビタミンCは自らが免疫機能のように病原菌を攻撃してくれるという説もありますし、硫化アリル(アリシン)にも抗菌・殺菌作用が報告されています。こうした成分を含む葉ネギは免疫力保持・ウィルス侵入抑制と2つの方向から体を守り、風邪やインフルエンザの予防をサポートしてくれるでしょう。抗菌作用を持つ硫化アリルを含むことから食中毒予防にも繋がるとも言われています。

貧血予防・妊娠中~産後の栄養補給

葉ネギは生100gあたり1.0gと、ネギ類の中では鉄分を多く含んでいます。また鉄分吸収を助けてくれるビタミンCが多く、造血に関わる葉酸も100gあたり100μgと比較的多いので貧血予防に役立ってくれるでしょう。葉ネギだけで必要な栄養価が補えるわけではありませんが、いつものレシピに加えることで不足をカバーする手助けをしてくれるでしょう。カルシウムとビタミンKが多いので、貧血予防のほか骨粗鬆症予防にも繋がります。

ちなみに葉酸は不足すると巨赤芽球性貧血(大球性貧血)の原因になりますが、先天的な問題がある場合や極端に偏った食事をしていない限り葉酸の欠乏・葉酸不足による貧血になることは少ないと言われています。しかし葉酸は造血以外にタンパク質や核酸(DNAやRNA)の合成にも関わっているため、赤ちゃんの正常な発育に不可欠な栄養素として妊娠中や授乳中の女性は一日の推奨摂取量が多く設定されています。このため食事に加えやすく葉酸以外の栄養も豊富な葉ネギは、妊娠中の栄養補給にも取り入れられています。ただし妊娠中につわりが酷い時にネギ臭を嗅ぐと、吐き気を誘発させてしまう可能性もあるので注意しましょう。

便秘・むくみ予防

葉ネギの食物繊維量は100gあたり2.9gと長ネギ(根深ネギ)やワケギなど他のネギ類よりも多く、ニンジンニラを上回るほど。野菜類として見てもカロリーあたりで見ても、かなり多い部類と言えます。薬味として使う場合は使用量が少ないためちょい足し感覚ですが、ぬたや炒め物などに使うと立派な食物繊維補給源になってくれますよ。食物繊維の比率としては不溶性食物繊維が圧倒的に多いため、下痢をしやすい方などは食べ過ぎに注意が必要ですが、腸の蠕動運動促進による便通促進・腸内の老廃物の排出促進が期待できます。

また抗酸化作用を持つビタミン類や硫化アリルなどの働きによって血液循環が良くなることからも、便秘改善に軽減に繋がると考えられます。葉ネギのカリウム含有量は100gあたり260mgと特別多くはありませんが、抗酸化・血流改善と合わせてむくみの軽減にも効果が期待できるでしょう。

冷え性軽減・肥満予防

ネギ類に含まれている硫化アリルはビタミンB1の働きを助ける代謝の活発化ほか、抗酸化作用や血液循環を促す働きが期待されている成分です。葉ネギには硫化アリル以外にも抗酸化作用を持つβ-カロテンやビタミンC、毛細血管を拡張して末端部までの血流をサポートしてくれるビタミンEも含まれています。このため代謝をサポート+血液循環を整えることで、体を温めることにも繋がると考えられています。ネギが冷え性や風邪のひきはじめに良いと言われるのも、免疫力向上だけではなく体を温める働きが期待できるためでしょう。

血液循環・代謝サポートから、肥満予防にも繋がる可能性があります。葉ネギを食べると脂肪蓄積が予防される・脂肪が燃えやすくなるというような極端なものではありませんが、基礎代謝の低下予防としては役立ってくれるでしょう。ダイエットサポートとしては食事制限系よりは、運動と組み合わせたダイエットをしている方に適しているでしょう。100gあたり30kcalとカロリーも低いですし、ダイエット中に不足しがちなビタミンやミネラル・食物繊維の補給にもなりますよ。

美肌保持・肌荒れ予防

抗酸化に関わるβ-カロテン(ビタミンA)・ビタミンC・ビタミンEをしっかりと含んでいる葉ネギは、お肌の酸化ダメージを軽減してシワやタルミなどの肌老化予防にも役立つと考えられます。肌細胞の酸化は加齢以外にストレスや紫外線など様々な要因が考えられますから、年齢が気にならない方でも美肌保持に繋がる可能性が高いでしょう。ビタミンCにはコラーゲンの生成を促す働きや、シミやソバカスの原因となるメラニン色素を作るチロシナーゼの働きを防ぐ働きもあるので、こちらからも肌を若々しく保つ手助けをしてくれるでしょう。血液循環を整えてくれる成分が多く含まれていますから“くすみ”対策としても効果が期待できます。

また葉ネギに多く含まれているβ-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAへと変換され、変換されなかった分は抗酸化物質として働いてくれる成分。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、乾燥肌や皮膚炎症などを予防してくれると考えられています。β-カロテン以外にも葉ネギには脂質代謝に関わるパントテン酸など肌の健康を保持してくれるビタミンB群が広く含まれていますから、抗酸化作用と合わせて肌荒れ予防にも役立ってくれるでしょう。

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目的別、葉ネギのおすすめ食べ合わせ

葉ネギ(青葱)の選び方・食べ方・注意点

葉ネギを選ぶ時は葉先までピンとハリがあり、緑色が濃く鮮やかなものを選ぶようにします。根に近い部分も透明感のある白色で艶の良いものが良品とされています。葉ネギはあまり辛くないものが多いですが、辛味が気になる場合は水に晒すか天日干しする・加熱用として使うと良いでしょう。ただし水に晒す・加熱するとアリシン量が減少されると言われています。水溶性の栄養素も多いので、栄養補給という面ではそのまま生で食べるのがベストです。

保存は冷蔵庫の野菜室で、なるべく立てておくようにすると良いでしょう。大体一週間ほど保存できると言われていますが、鮮度は落ちていきやすので早めに使い切るか冷凍した方が良いでしょう。ちなみに刻んだネギを冷蔵庫に入れておく場合は更に日持ちがしなくなります。冷凍保存も出来ますが、解凍時に水っぽくなりやすいのでお蕎麦・冷奴などの薬味として使いたい場合には向きません。と言っても汁物系や煮物系には問題なく使えますので、まとめて切っておいて小分けにして冷凍しておくと便利です。冷凍した場合でも一ヶ月以内位には使い切ると良いでしょう。

ネギの雑学色々

小ねぎ・ワケギ・アサツキの違いについて

葉ネギやそれを若どりした小ねぎ(細ネギ)と良く似た食材として“分葱(ワケギ)”や“浅葱(アサツキ)”などがあります。どちらもネギ属に分類されていますが、この2つは別種。わけぎの場合は以前はネギの一変種として扱われており、現在でもネギとタマネギ(エシャロット)の交雑種とされていますからネギの仲間であるとも言えます。しかしアサツキはネギではなくチャイブ(セイヨウアサツキもしくはエゾネギとも呼ばれる)の変種という扱いですから、同属ではありますが根深ネギや葉ネギなどのネギとは全く別の種類と言えるでしょう。

植物としては別種とされる三種ですが、白葱はさておき葉ネギとわけぎ・アサツキは見た目も風味も似ていて分かりにくいもの。葉ネギ・わけぎ・アサツキの見分け方としては、まず根元部分に注目。万能ねぎを筆頭とした葉ネギ類は種で増えていく植物のため、根から葉までが真っ直ぐになっています。対してワケギとアサツキは球根で増えるため、根本にプックリとした膨らみがあるのが特徴。茎の太さが極端に変わらずに根が生えていたら葉ネギ(小ねぎ)である可能性が高いでしょう。アサツキは葉の直径が2~3mmと細め・ワケギは葉の直径は7~10mmと太めなので、この2つは葉の大きさで見分けることが出来ます。

ただし関東以北では混同が激しいと言われており、わけぎもアサツキもネギの品種名・若どりしたものの名称だと思われていることも少なくないそう。スーパーなどでもワケギの若摘みを「あさつき」として販売していたり、ワケギを「わけねぎ」もしくは「小ネギ」として販売されているケースがあるそうです。元々は分葱(わけぎ)と葉ネギの「分け葱」が混同したのではという説もありますが、地域によっては植物としての違いよりも風味や収穫時期などがわけぎ・アサツキ・小ネギの区分としては重要視されている可能性もあります。出身地によっては混乱することもあるかもしれませんね。

小ねぎ(細ネギ/万能ネギ)の栄養価について

関東以北の方には葉ネギよりも、葉ネギをまだ若いうちに収穫した“小ねぎ”の方が馴染みのある食材かもしれません。(ワケギなどとの混同もあるようですが)俗に細ネギや万能ねぎとも呼ばれているもので、薬味による用いられる細い青葱ですね。細ネギも栄養価の傾向としては概ね葉ネギと似ていますが、100gあたりのβ-カロテン量は2200μg・ビタミンC44mg・ビタミンE1.3mgと抗酸化ビタミンは葉ネギよりも多くなっています。そのほかビタミンやミネラルにも若干の際はありますが、大きな違いはありません。