わけぎ(分葱)とその栄養成分・効果効能
|ネギ・アサツキとの違いも紹介します

ワケギ(分葱)イメージ

分葱(わけぎ)とは

ネギよりもソフトな風味のわけぎ。ネギの代わりに薬味として使われるほか、野菜として和えもの(ぬた)・炒め物・肉巻きなどにも広く用いられています。ツンとした香り・辛味が弱めで、食感もソフトなので小さいお子さんやネギが苦手な方でも食べやすいと言われています。また手軽に使える薬味としてフリーズドライ加工した“乾燥わけぎ”なども安価で流通しています。パッケージに大きく「ねぎ」と書かれていても実は「わけぎねぎ」というものも少なくありませんので、わけぎとわからないまま使っている場合もあるかもしれません。

名前や見かける機会の多さから日本の野菜のように思いがちですが、実はわけぎはヨーロッパ辺りが原産とされる植物。原産地についてはシベリア説などもあり断定はされていませんが、ギリシアもしくは西アジア~地中海沿岸地域という説が有力なようです。“分葱(わけぎ)”という名前は1個の球根から沢山分かれて育つことに由来し、地域によっては千本(せんもと/ちもと)とも呼ばれています。ちなみに一大生産地である広島県では『広島わけぎ』としてブランド化もされています。全国的に見ると東日本での栽培が多いですが、生産第量二位は埼玉県となっています。

分葱(わけぎ)に含まれる栄養や成分に期待できる働き・巷で言われる効果効能の理由とは?

わけぎは100gあたり30kcalと低カロリーな食材で、β-カロテンを筆頭としたビタミン類を多く含んでいます。栄養価としては葉ネギ・小ネギに近いですが、ネギ類の中ではカルシウムなどのミネラル含有量が多めになっています。

ワケギはこんな方にオススメ

  • 疲労・疲労感の軽減に
  • 食欲がない・消化が悪い
  • 栄養バランスが気になる
  • 免疫力を高めたい
  • 風邪・インフルエンザ予防に
  • ストレスが多いと感じる
  • 倦怠感・集中出来ない
  • 若々しさを保持したい
  • 生活習慣病予防に
  • 骨粗鬆症の予防に
  • 便秘・むくみの軽減に
  • 妊娠中・授乳中の栄養源に
  • 血行不良・冷え性の軽減に
  • 代謝を高めたい方
  • 肌のアンチエイジングに
  • 乾燥・肌荒れしやすい方に

下記ではこうしたお悩みがある方にワケギが良いとされる理由や、ネギ・アサツキとの違いなどを詳しくご紹介します。

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

疲労回復・胃腸サポート

ネギとタマネギの交配種とされるわけぎにも、ネギ類の食材に多く見られる硫黄化合物の硫化アリル(アリシン)が含まれています。硫化アリルにはビタミンB1と結合することで、ビタミンB1の吸収促進・ビタミンB1の働きを長時間持続させる働きがあると考えられています。ビタミンB1は糖代謝に関わる酵素の働きをサポートする補酵素(チアミンピロリン酸/TPP)として働くビタミンのため、働きが良くなることでブドウ糖のエネルギー変換を高める事に繋がると考えられます。豚肉や大豆などビタミンB1の多い食材と組み合わせて摂取することで疲労回復をサポートしてくれるでしょう。

また硫化アリルはネギ類の独特な香りの元であり、この香りを嗅ぐことで唾液や胃液などの消化液分泌を促す作用もあると言われています。風味がマイルドなわけぎの場合はニラなどよりも作用は弱いと考えられますが、胃腸機能の活発化による消化促進や食欲増進にも繋がるでしょう。わけぎ自体も栄養豊富な緑黄色野菜と言えますし、他の食材の消化を助ける働きも期待できるため栄養補給に適した食材と言えます。夏バテ時や食欲が無い時に薬味として取り入れてみても良さそうですね。

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風邪予防・免疫力保持

わけぎは生100gあたり2700μgとβ-カロテンを多く含み、葉ネギや小ネギを上回ります。ネギ類ではトップクラスのβ-カロテン含有量と言えますし、同グラムで比較するとブロッコリーやオクラの3倍以上の量を含んでいます。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれる成分の一つであり、ビタミンAは皮膚や粘膜の保護・強化に関わる栄養素。喉や鼻など呼吸器粘膜の保護も担っていますから、粘膜を丈夫に保つことでウィルスの侵入を防ぐことに繋がると考えられています。アリシンにも強い殺菌作用が認められているため、合わせてウィルスや細菌から体を守つ働きが期待できるでしょう。

また、わけぎは生100gあたり37mgと柑橘類に並ぶほどビタミンCも豊富に含んでいます。ビタミンCは白血球の活発化や抗ウイルス作用を持つインターフェロンの分泌促進作用がある・自らが病原菌を攻撃する働きを持つなどの可能性が報告されていることから、免疫力の保持とも関わりがあると考えられているビタミン。β-カロテンやビタミンCの持つ抗酸化作用も、間接的にではありますが免疫力低下を予防することに繋がります。こうした成分を含むことからワケギは免疫力を保持・ウィルス侵入抑制と2方向から風邪やインフルエンザ予防をサポートしてくれると考えられます。

ストレス抵抗力向上

ビタミンB1は糖代謝によるエネルギー生成を手助けする事から、脳神経機能の保持・脳疲労の軽減などにも関わるビタミンと考えられています。ビタミンB1の欠乏症状としては脚気が知られていますが、それよりも軽い不足症状として慢性疲労感・だるさイライラ・情緒不安定などが挙げられています。このためビタミンB1をサポートする硫化アリルの補給は間接的にではありますが、精神・神経面の健康維持にも役立つと考えられています。特に疾患等はないのにイライラ・集中力や記憶力の低下・不眠気味などの不調を感じる方は、ビタミンB1を含む食材と組み合わせて摂取することで軽減に繋がる可能性もあります。

加えてわけぎはビタミンCを多く含む食材でもあります。ビタミンCは副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成にも関係するビタミンで、不足している場合は副腎皮質ホルモンの分泌が低下する=ストレスに対しての反応が取れにくくなるとされています。このため小まめな補給はストレス耐性を高めることに繋がると考えられ、ビタミンCは「ストレスと戦うビタミン」とも称されています。わけぎにはビタミンC以外にβ-カロテンなど抗酸化作用を持つ成分も豊富に含まれていますから、活性酸素の抑制からもストレス対策として役立ってくれるでしょう。

抗酸化・生活習慣病予防

わけぎはβ-カロテンとビタミンCを多く含む食材であり、この2つほどではないにしろビタミンEも比較的多く含んでいます。β-カロテン・ビタミンC・ビタミンEは抗酸化作用を持つ成分ですし、ビタミンA,C,Eの3種は合わせて摂取することで互いの作用時間や働きを高めあう相乗効果を持つビタミンでもあります。硫化アリルも高い抗酸化作用を持つとされている成分ですから、活性酸素を代表とするフリーラジカル(ストレス・紫外線・タバコなど)によって起こる細胞の酸化を抑えることで若々しく健康な身体の保持をサポートしてくれるでしょう。

活性酸素は老化の原因となるだけではなく、過酸化脂質を増加させることで動脈硬化をはじめとする生活習慣病の発症リスクを高める事も指摘されています。このため抗酸化物質の補給は生活習慣病予防にも繋がると言われていますし、硫化アリルにも血液をサラサラする・血管を丈夫にする働きが期待されていますし、ビタミンCもコラーゲン生成促進作用によって血管を丈夫に保つ働きがありから、相乗して動脈硬化や血栓予防に役立ってくれるでしょう。そのほかカルシウムと骨へのカルシウム沈着を助けてくれるビタミンKが多いので骨粗鬆症予防にも繋がります。

便秘・むくみ対策

わけぎは葉ネギよりはやや劣るものの、100gあたり2.8gとニラを上回るほど食物繊維を含んでいます。野菜類全体として見た場合は特出して多いという程ではありませんが、便のかさを増やして腸の蠕動運動を促してくれる不溶性食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維は100gあたり0.3gと少ないですが、ビタミンCにも便を柔らかくする・腸内善玉菌増加などの働きがあると考えられていますから、便秘予防に役立ってくれるでしょう。カリウム含有量は100gあたり230mgと特に多くありませんが、体液循環に関わるマグネシウム・スムーズな血液循環をサポートしてくれる硫化アリルや抗酸化ビタミン類も含まれているため、むくみ予防にも期待できます。

妊娠中の栄養補給に

わけぎはビタミンB群を特に多く含む食材ではありませんが、葉酸は100gあたり120μgと豊富に含んでいます。葉酸は赤血球の合成に関与することから貧血予防のビタミンとして紹介されることもありますが、タンパク質や核酸(DNAやRNA)の合成に関わるビタミンでもあります。赤ちゃんの細胞形成・健康な発育にも欠かせない栄養素とされており、妊娠中・授乳中の女性の場合は平常時よりも推奨摂取量が多くなっています。

わけぎは同グラムで比較するとニラや明日葉以上の葉酸を含んでおり、妊娠中に不足しやすいカルシウムなどのミネラルも含んでいることから妊娠中の栄養補給源としても役立つと考えられています。食物繊維やビタミンCの補給から便秘予防にも繋がりますし、野菜としても薬味としても幅広く使える食材なので普段のレシピの中にちょい足し感覚で加えることが出来るのも嬉しいところ。ただし鉄分含有量は100gあたり0.4mgと少なめなので、鉄欠乏性貧血対策を兼ねたい場合はホウレンソウなどを選んだ方が確実でしょう。

冷え性軽減・代謝向上

硫化アリルは抗酸化作用に加え、血液循環を促す働きが期待されている成分でもあります。ビタミンB1の働きを助けることで代謝の活発化=体内での熱生成向上にも繋がるでしょう。わけぎには硫化アリル以外にも抗酸化作用を持つβ-カロテンやビタミンC、毛細血管を拡張して末端部までの血流をサポートしてくれるビタミンEも含まれていますから、冷え性の軽減にも役立つと考えられます。

また代謝を促すことは、余った糖質が脂肪として蓄積されるのを防ぐことにも繋がります。わけぎは100gあたり30kcalとカロリーも低く、際立って多くはないものの代謝に関わるビタミンB群も含んでいます。わけぎを食べることで肥満予防になる・ダイエットに繋がるというものではありませんが、代謝機能をサポートしてくれるので運動と組み合わせた健康的なダイエットを心掛けている方のサポートには適しているでしょう。ダイエット中に不足しやすいカルシウムなどの栄養補給にも繋がります。

アンチエイジング・美肌保持

わけぎには合わせて摂取することで抗酸化作用や各々が保つ働きを相乗させると言われているβ-カロテン(ビタミンA)・ビタミンC・ビタミンEが全て含まれています。これら抗酸化物質はストレスや加齢・紫外線などによって増える活性酸素を抑制することで、肌細胞の酸化によって起こるシワ・たるみ・くすみなどの肌老化予防にも繋がります。ビタミンCにはコラーゲンの生成を促す働きや、シミやソバカスの原因となるメラニン色素を作るチロシナーゼの働きを防ぐ働きもあるので、こちらからも肌を若々しく保つ手助けをしてくれるでしょう。

またわけぎのビタミン類の中でも特に豊富に含まれているβ-カロテンは、体内でビタミンAへと変換されることで皮膚を丈夫に保ったり乾燥を予防する働きも期待できます。そのほかアリシンやビタミンEの働きで血行が促されることで、肌に酸素や栄養素を行き渡らせて新陳代謝(ターンオーバー)を整える・血行不良によるクマやクスミの軽減にも繋がるでしょう。皮膚の健康維持に関わるビタミンB群も含まれていますから、老化予防だけではなく肌を美しく保ちたい方のサポートとしても役立つと考えられます。

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分葱(わけぎ)の選び方・食べ方・注意点

わけぎを選ぶ際は葉先までピンとハリがあり、瑞々しいものを選びます。黄色っぽい色になっているものは避け、しっかりとした緑色に色付いているものを選ぶと良いでしょう。色が濃いもののほうが栄養価も高いと考えられます。

わけぎは鮮度が落ちやすく、痛みやすい食材。保存は乾燥を避けるように全体を新聞紙・湿らせたキッチンペーパーなどに包んでから、ビニール袋に入れるようにすると長持ちします。暑さにも弱いので冷暗所もしくは冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。それでも3~4日程度しか日持ちはしないので、使い切る予定がない場合は冷凍保存した方が良いでしょう。冷蔵保存の場合は切ってしまうと更に日持ちがしなくなりますが、冷凍時にはあらかじめ刻んでおくと便利です。

わけぎは味噌と和えた「ぬた」にして食べるのが知られていますが、ネギと同じように薬味と冷奴などにかけて使ったり、ニラのような感覚で炒め物や卵とじなどにも幅広く使えます。ネギやニラほど香り・味は強くなく甘みがありますので、辛みや香りが苦手な方でも取り入れやすいと言われています。

効果アップが期待出来るワケギの食べ合わせ

分葱(わけぎ)の雑学色々

ワケギ・ネギ・アサツキの違い

わけぎは万能ねぎなどの小ネギ/葉ネギ類と良く似ていますし、かつてはネギの一種として扱われていました。しかし近年染色体レベルで調査された結果ワケギはネギとエシャロットの交雑種とされ、ネギとは別に独立種として分類されています。このため学名もかつてはAllium fistulosum var. caespitosumとされていましたが、現在はAllium × proliferumもしくはAllium ×wakegiと表記されています。エシャロットはタマネギ寄りの植物ですから、わけぎのソフトな風味もネギとタマネギのハイブリッドと考えると納得かもしれません。

ちなみに小ネギ・わけぎに似た食材として浅葱(アサツキ)がありますが、こちらはチャイブの変種とされています。チャイブはセイヨウアサツキもしくはエゾネギと呼ばれているネギとは別種の植物のため、浅葱の学名もAllium schoenoprasum var. foliosumとされています。同属ではありますが、ネギとわけぎの関係ほど近くはありません。

こうした違いのある葉ネギ・わけぎ・アサツキの三種ですが、見た目も風味も似ていて分かりにくいもの。葉ネギ・わけぎ・アサツキの見分け方としては、まず根元部分に注目。万能ねぎを筆頭とした葉ネギ類は種で増えていく植物のため、根から葉までが真っ直ぐになっています。対してワケギとアサツキは球根で増えるため、根本にプックリとした膨らみがあるのが特徴。次に葉ですがアサツキは葉の直径が2~3mmと細め、ワケギは葉の直径は7~10mmと太めになっています。

ただし関東以北では混同が激しいと言われており、わけぎもアサツキもネギの品種名・若どりしたものの名称だと思われていることも少なくないそう。スーパーなどでもワケギの若摘みを「あさつき」として販売していたり、ワケギを「わけねぎ」もしくは「小ネギ」として販売されているケースがあるそうです。元々は分葱(わけぎ)と葉ネギの「分け葱」が混同したのではという説もありますが、地域によっては植物としての違いよりも風味や収穫時期などがわけぎ・アサツキ・小ネギの区分としては重要視されている可能性もあります。出身地によっては混乱することもあるかもしれませんね。

ワケギの歴史

上記でもご紹介したとおり、わけぎの原産地ははっきりと分かっていません。日本ではギリシア原産のスカリオン一種とする説が強いようですが、地中海沿岸説のほかユーラシア南部説・シベリア説・アフリカ説など諸説あります。この原産地と考えられているギリシアやシベリア・シリア・イタリア・インドなど各地では古くから栽培されていたと言われており、日本にも5世紀頃~奈良時代のうちには中国から伝えられいたようです。

平安時代中期に記された『倭名類聚抄』には葱の和名を紀(き)・冬葱の和名を布由木(ふゆき)という記述が見られることから、当時からネギの品種を区分していたと考えられています。現在私達がわけぎとして認識しているものは“冬葱/布由木”と呼ばれていたものではないかと言われていますが、ネギには500種類上の品種がありますし、冬葱を普通のネギの古名とする見解もあるため定かではありません。ワケギと考えられるものは関西以西で古くから栽培され、一つの球根から沢山の葉が出てくることから子孫繁栄の縁起物としても重宝されていたと言われています。

現在の主産地である広島県では明治初期からわけぎ栽培が開始し、大正には一大産地としての地位を確立していたようです。しかし世界大戦が勃発してことで野菜の統制が行われ、より主食として適したものへと栽培が強制的にシフトされたことでわけぎ栽培は一時期衰退します。第二次世界大戦終戦後に戦時統制が撤廃されたことで再び栽培が再開し、1955年には早出しの技術が確立されたことで年に2回の生産体制が確執したそうです。現在は通年流通していますが、晩秋から春先(3〜4月)にかけてのものが美味しいと言われています。

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