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【和梨】ナシの栄養・効果

和梨(ナシ)イメージ

和梨(ナシ)とは

程よい甘み・みずみずしさに加え、シャキシャキとした食感が特徴的な和梨。この食感を楽しむためにラ・フランスなどの洋梨が洋菓子やお酒の原料として多く利用されているのに対し、和梨は青果用としての需要がほとんどです。食べ物の中で梨が一番好きという方は少ないかもしれませんが、程よい甘みと歯ごたえの良さから嫌われることも少ない存在ですね。そのまま食べる印象が強いですが、最近では果物として食べる以外にも家庭料理としては冷麺の具や漬けダレなどへ利用されています。カレーの隠し味に擦りおろしたものを入れたり、キムチのアクセントとして入れても美味しいですよ。

梨はバラ科ナシ属と桜やリンゴ・アーモンドなど同じ科に分類されており、桜などに似た五弁花での綺麗な花を付けます。種類は大きく日本梨(和梨)・西洋梨・中国梨の3つに大分され、日本で多く流通している柔らかさとシャキシャキ感を持ち合わせた梨は“和梨:Pyrus pyrifolia”になります。洋梨はラ・フランスなどねっとりとした歯ごたえが、中国梨は和梨よりも硬い食感が特徴とされています。
和梨は更に豊水・幸水・新興など外皮に褐色がかったもの“赤梨系”と、二十世紀・二十一世紀など外皮の色が黄緑に近い“青梨系”の2タイプに大きく分けられています。ちなみに世界的に見ると日本でメジャーな赤茶色系・青色系、中国梨などの黄色系に加え、リンゴやトマトのような鮮やかな赤色を持つレッドタイプ(Red pear)・黄色系と赤色系の交配種でピンク色をした梨もあります。

ちなみに“ナシ”という名前(音)の由来については諸説ありハッキリしていません。江戸時代の学者新井白石は“種のある中心に近づくほど酸味が強くなる=中酸(ナス)”を語源だと述べていますが、その他にも中国の「梨子」語源説や、果肉が白いので「色なし」から変化したなど面白い説がたくさんあります。その音からオヤジギャグに使われることもありますが、昔は家に植えて「何もなし」と泥棒よけに・鬼門に植えて厄除けにする「鬼門無し」など縁起担ぎにも使われていたのだとか。

和梨(ナシ)の歴史

梨そのものの起源は中国~中央アジアと考えられており、ユーラシア大陸の西側(ヨーロッパ)に伝わったものは洋梨に、東側(日本)への伝わったものは和梨へと分化していきます。伝来時期は定かではありませんが、日本では本州以西に野生種ヤマナシ(山梨)が自生していること・、登呂遺跡などから種子が発見されていることなどから、弥生時代以前にはすでに大陸から持ち込まれており、食料としていたとの説が有力となっています。日本で食用とされた果物類の中では最古のグループではないかと考えられていますし、日本で栽培の歴史が最も古い果物とも言われています。

記録(文献)と梨が登場するのは、奈良時代に成立した『日本書紀』の693年の詔で持統天皇が栽培を推奨したという件が最も古いと言われています。この記述から奈良時代には既に梨の栽培が行われていたことが伺えますし、奈良・平安時代には献上品としても利用されていました。
中国では果物としての梨を食べるだけではなく梨の花を愛でることも多くく、白楽天の『長恨歌』では楊貴妃の美しさを「梨花一枝、春雨を帯ぶ」と表現しています。清少納言の『枕草子』でもこの表現に言及した段がありますが、日本ではさほど美しくないと考えられていたようです。また当時はナシという言葉が“無し”に通じる忌み言葉とされ、梨ではなく“ありの実”と言い換えていたのだとか。

古くから栽培そのものは行われていたと考えられる梨ですが、栽培が全国区で行われるようになったのは江戸時代からと言われています。江戸時代前半には大規模な果樹園での栽培が行われるようになり、品種改良などにも力が注がれた結果江戸時代後期には100種類以上もの品種が確立されていたのだとか。
しかしこれらの梨は現在私達が食べているものよりも固く、酸味が強いものだったようです。甘くてジューシーな現在の梨は明治に二十世紀と長十郎が発見されて以降のこととなります。これを元に品種改良が行われ子孫と言える品種生み出されるようになり、戦後になると三水(幸水、新水、豊水)も登場・普及します。

和梨(ナシ)はこんな方にオススメ

  • ダイエット中の甘味補給
  • 疲労回復
  • 消化機能サポート
  • 熱冷まし・夏バテ対策
  • 二日酔いの解消
  • 便秘・むくみ軽減
  • 血圧が気になる方
  • 肌荒れ・乾燥予防

和梨(ナシ)の主な栄養・期待される効果

和梨は9割近くが水分のため、100gあたりのカロリーは43kcalと低めになっています。糖質が多いというイメージもありますが、糖質量・カロリーともにリンゴや梨よりも低いのでダイエット中などでも取り入れやすい存在と言えるでしょう。ビタミン・ミネラルの含有量は果物類の中でもさほど多くありません。

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疲労回復・消化サポート

梨には糖代謝を行う代謝を行うTCAサイクル(クエン酸回路)の活性化に役立つリンゴ酸やクエン酸などの有機酸、エネルギー源であるブドウ糖などが含まれています。また含有量は多くはありませんが、クエン酸回路を円滑に回すサポートをしてくれるアミノ酸のアスパラギン酸も含まれています。これらの成分が相乗して働くことで即効性のあるエネルギー源となり、疲労回復も助けてくれると考えられています。

和梨にはタンパク質の消化を促すタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が含まれています。お肉の下ごしらえや焼肉のタレなどに梨が使われるのも、この酵素の働きで肉を柔らかくしてくれるという働きがあるためです。この働きから肉料理などを食べて胃がもたれやすい方は、食後に梨を少量食べることで消化サポートになると考えられています。

解熱・夏バテ緩和

梨は漢方や薬膳で解熱効果のある食材として利用されてきました。栄養成分的にも梨の含有成分の中ではカリウムの比率が高く、アスパラギン酸などと相乗しての利尿効果が期待できるでしょう。尿の排出が促されることで体内の余計な熱も排出され解熱に繋がりますし、梨は水分量が多いので体の熱を冷ましつつ脱水予防にもなると考えられます。そのほか梨に含まれている糖アルコールの一種であるソルビトールも解熱作用があるのではないかという説もあるようです。

また梨は水分が多く、アルコール排出を促す作用があるとされるタンニンも含んでいるため二日酔いの軽減にも効果が期待されています。アルコールによって失われたビタミン・ミネラル類の補給にも役立ちますね。梨そのものもサッパリとした味わいで食べやすいですし、水分含有量が多くカリウムも含んでいるので夏バテ時や病中・病後食としても役立ってくれるでしょう。

便秘・むくみ緩和

和梨の食物繊維量は100gあたり0.9gと、果物類の中で見てもやや低い部類に属します。しかし梨に含まれている糖アルコールの一種ソルビトールは酸化マグネシウムと同じように吸水作用によって便を柔らかくし腸の蠕動活動を活発にする働きがあり、下剤などにも使われています。加えて梨のシャキシャキ・ザラザラ感の元である石細胞(リグニンやペントザン)は食物繊維と同じような働きが期待されていますから、こちらも腸を綺麗して便秘の解消に役立つと考えられています。食物繊維を摂っても水分が少ないと便が固まってしまう可能性がありますが、水分の多い梨なら水分補給にもなりますね。

同様に含有量が高いという訳ではありませんが、カリウムを含んでいますのでナトリウム過多によるむくみの軽減にも役立ってくれるでしょう。特に塩辛いもの・味の濃い食事を摂った後や、お酒を飲んだ翌朝などのむくみ・身体の重さ(だるさ)軽減に効果が期待できます。そのほかアスパラギン酸にも塩分やアンモニアを体内に排出する働きがありますから、成分量的に即むくみ解消とはいかなくとも、むくみ軽減のサポートとしては役立つと考えられます。

高血圧予防に

梨はカリウムを含むことから高血圧予防に良いと考えられています。カリウム含有量は100gあたり140mgと際立って多いわけではありませんが、不足分の補給源としては役立ってくれるでしょう。食物繊維の一種リグニンにもコレステロール値抑制などの働きが期待されています、タンニンなどのポリフェノールも含むため、血液循環のサポートという点からも高血圧予防に繋がると考えられます。

血糖値が気になる方や糖尿病の方には適さないように思われがちですが、梨に含まれているソルビトールは他の糖類よりも吸収スピードが遅く、吸収率が悪いという性質があります。糖尿病合併症の原因としてソルビトール蓄積が報じられることもあり身体に悪そうというイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、果物などの食品からはほとんど吸収されないので合併症進行の心配はないと言われています。食べ過ぎには注意が必要ですがカロリーも低いので、糖尿病の方であっても1日半分くらいであれば摂取出来ます。

肌への働きかけについて

梨は100gあたり3mgと果物の中ではビタミンCが少なく、果物に多くみられるβ-カロテンなども含んでいません。肌への働きかけとしては便秘改善や解熱作用による肌荒れ予防・緩和などが第一に挙げられています。そのほか信頼性が高いデータがなく含有量などは不明ですが、タンニンやアルブチンを含むとされるため抗酸化やシミ予防などにも効果が期待されています。
また際立って含有量が多いというわけではありませんが、アスパラギン酸は肌の新陳代謝促・保湿効果があるとされています。利尿・解熱作用と合わせて乾燥肌の予防にも役立ってくれるかもしれません。

和梨(ナシ)の選び方・食べ方・注意点

和梨を選ぶ時は形が均一でお尻の方にしっかりと丸みがあり、軸がしっかりとしているものを選ぶと良いでしょう。大きさが変わらない場合は重い物のほうが美味しいとも言われています。大体皮を剥いてそのまま食べますが、体を冷やす性質があるので冷え性の方は煮る・蒸すなど加熱して食べるか、体を温める性質のものと組み合わせると良いと言われています。

洋梨との違い

成分的にハッキリとした差があるのは食物繊維量、特に水溶性食物繊維の含有量くらいです。便秘・腸内フローラの改善を目指す場合は洋梨の方が適しているといえるでしょう。また洋梨(ラ・フランス)の場合はアルブチン含有量が多いとされていますので、美白・内側からの紫外線ケアに期待したい場合に選んでみても良いでしょう。
⇒洋梨についてはこちら

ただし和梨には食物繊維と同じ働きをしてくれる石細胞(リグニンやペントザン)が含まれていますので、便通改善についてはさほど差が無いとする説もあります。カロリーが低く噛みごたえがあることから和梨はダイエット用としても利用されています。上記の違いがある程度で、洋梨も和梨も含んでいる栄養成分・含有量はさほど変わりません。どちらも梨ではありますが、食感・風味がかなり異なりますのでお好みに合わせて選ぶと良いと思います。

和梨のオススメ食べ合わせ

  • 梨+カブ・冬瓜・ハチミツ
    ⇒咳・喉の痛みの緩和に
  • 梨+大根・ヨーグルト・キムチ
    ⇒便秘の改善に
  • 梨+ウド・大根・レンコン
    ⇒二日酔い緩和に
  • 梨+バナナ・キウイ・スイカ
    ⇒高血圧予防に

和梨の民間療法

梨とレンコン同量をすりおろしジュースにする(薬膳の「蓮梨汁」)と、二日酔い、風邪、喉の痛みの改善に有効と言われています。また梨を鍋で焼き、途中でハチミツを入れて柔らかくしたものを食べると咳止めになるという話もあります。

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投稿日:2014/08/07 (更新)
by SlowBeauty