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【里芋】サトイモの栄養・効果

里芋(サトイモ)イメージ
  1. 里芋とは
    1. 里芋の歴史
    2. こんな方にオススメ
  2. 里芋の栄養・効果
  3. 選び方・食べ方・注意点
    1. 効果をアップを狙える食べ合わせ
  4. 里芋の活用・民間療法

里芋(さといも)とは

おふくろの味・煮物の材料としてメジャーな存在である里芋。柔らかく粘り気のあるねっとりした食感は好き嫌いが別れますが、秋~冬になると里芋が食べたくなると言う方も多いのではないでしょうか。一般的に里芋と呼んで遣っている部分は茎の地下部分(塊茎)ですが、地域や年代によっては葉柄部分である芋がら(ずいき)の煮物や和物などを懐かしく感じる方も居らっしゃるかもしれません。

よく熱帯地域の方の食材として「タロイモ」が紹介されますが、タロイモというのはサトイモ科食用栽培種の総称であり、サトイモ科に属す里芋もタロイモ類に含まれます。タロイモ類の中では里芋が最も北方で栽培されている品種です。
東南アジアやハワイなどで食べられるタロイモは“親芋”を食用とするのに対し、里芋は基本“小芋”もしくは孫芋を食用とする子芋用品種が大半を占めます。とは言っても京いも(たけのこ芋)などの親芋用品種やエビイモ・八ツ頭などの親子兼用品種もありますし、別種ですが蓮芋も芋茎(ズイキ)と呼ばれる葉柄部分のみを食用する葉柄用品種に含まれます。

華々しさはないものの和食・日本の家庭料理に欠かせない食材といえる里芋。「里芋」という名前は山に自生している芋=山芋に対して、里で作る芋だからと言われています。同じ意味合いから田芋・畑芋・家芋などとも呼ばれており、これらの呼び名からも日本の食生活に根付いた存在であることがうかがえますね。現在行われることは少なくなっていますが芋名月・芋煮会・いもたきなど里芋を使った行事も多かったようです。

里芋の歴史

里芋の原産地はインドから東南アジア地域と考えられ、紀元前3000年頃にはインドで栽培されていたようです。伝播経路・時期はハッキリと分かっていないものの日本にも縄文時代頃、稲作栽培よりも古い時点で伝わっていたと考えられています。里芋は縄文時代の中心作物で主食であったとする説もあります。
1世紀頃にはヨーロッパやアフリカにも伝わったそうですが、ヨーロッパではほとんど食用として定着しませんでしたが、アフリカ湿潤地域では現在でもタロイモは主食として栽培されています。

日本で里芋についての最古の記述は『万葉集』であるとされ、平安時代中期に編纂された『延喜式』には里芋の栽培方法が記載されているそう。奈良~平安時代頃になると稲作が盛んに行われるようになっている時期ですが、食用作物がさほど多くなかったため里芋も貴重な主食・炭水化物源であったと考えられます。
また団子型の形状が神が手にする宝珠に似ているとして神事・仏事にも用いられていましたし、山間部では農耕儀礼や儀礼食としても用いられてきました。現在でも里芋はお正月に食べるおせち料理によく使われますが、これも小芋がたくさん付くことにちなんで子宝祈願の縁起物として利用された名残なのだとか。

現在サラダやスイーツなど和洋問わず活用されるジャガイモサツマイモと比べると、里芋はやや地味でデイリーに利用する食材とは言えません。しかしサツマイモやジャガイモが広まる江戸~明治時代頃までは、「芋」と言えば里芋の事を指す言葉でした。時代の変化とともに里芋を家庭で食べる機会も減っていますが、里芋にふくまれるヌメリ成分に免疫力向上や腸内環境を整えるなど高い健康効果が期待できること・冷凍食材が流通し調理が楽になったことなどから健康食材として再び取り入れられています。

里芋はこんな方にオススメ

  • 疲労回復・栄養補給
  • 胃腸の調子が悪い方
  • 便秘・むくみの緩和
  • 腸内フローラの改善に
  • デトックスのサポートに
  • ダイエット
  • トレーニングのサポートに
  • 血糖値・血圧が気になる方
  • コレステロールが高めの方
  • 認知症予防として
  • 免疫力向上・風邪予防
  • 肌荒れ・くすみの改善
  • 乾燥肌ケア・保湿に
  • ドライアイの緩和に

里芋(さといも)の主な栄養・期待される効果

里芋は炭水化物が主体ですが、水分量が多いため100gあたり58kcalとイモ類の中ではカロリーが低い存在と言えます。食物繊維とカリウムを比較的多く含むほか、ビタミン類・ミネラル類を幅広く含有しています。ムチン・ガラクタン・グルコマンナンなど高い健康効果が期待されれている「粘り成分」も含んでいます。栄養価的にはジャガイモ・サツマイモよりは長芋や山芋に近い存在です。

【疲労回復・胃腸サポート】

里芋には炭水化物(糖質)が多く含まれていますが、合わせて糖代謝に関わるビタミンB1も含まれています。そのため優れたエネルギー源であり、疲労物質の代謝を促す働きも期待できることから疲労回復に役立つと考えられています。また里芋の粘りの主成分成分とされるムチンにはタンパク質分解酵素も含まれているため、タンパク質の消化を助け、スポーツやトレーニングによる筋肉増強をサポートする働きも期待出来るでしょう。

そのほかムチンには胃腸粘膜の保護・修復作用も期待できますから、消化を助けるだけではなく弱ってしまった胃腸自体の改善にも里芋は良いと言われています。期的に摂る事で胃腸強壮に繋がるとされていますから、お腹が弱い方にも適した食材と言えます。里芋は柔らかい食感で食べらすいので、お子様やお年寄りの栄養源・タンパク質吸収サポートとしても役立ちます。

【便秘・腸内フローラ改善】

里芋100g中の食物繊維量は2.3gと芋・野菜類では特別多くないものの、不溶性食物繊維1.5gに対し水溶性食物繊維0.8gと、理想的な食物繊維バランスとされる不溶性2:水溶性1に近い比率で含まれています。不溶性食物繊維は便の量を増やして腸を刺激し蠕動運動促進、水溶性食物繊維は便を柔らかくして便通を促すとそれぞれ異なった形で働きますから、両食物繊維がバランスよく働くことで便秘の解消に役立ってくれます。

里芋の水溶性ん胃の中にはこんにゃくの繊維成分として知られている水溶性食物繊維グルコマンナンが含まれています。またムチンやガラクタンなどの粘性物質も水溶性食物繊維の一種です。これらの水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境を改善する働きがありますし、ムチンは腸粘膜の保護や修復にも役立ちますから、腸内フローラの状態が良くなることで便通体質自体の改善が期待できるでしょう。

【むくみ改善・デトックス】

里芋は生100g中にカリウムを640mg(茹での場合は560mg)含んでいます。同グラムで比較した場合はジャガイモの1.5倍以上・キュウリの2.5倍以上の含有量になりますから、むくみ緩和のためのカリウム補給源として女性に注目されています。カリウムは血中のナトリウム濃度を調節する働きがありますから塩辛い味付けが好きな方・高血圧気味の方にも適しています。

里芋のヌルヌル成分であるムチンには肝臓や腎臓の働きを助ける働きもあります。カリウムと相乗することで毒素の排泄を促す働きが期待できますし、便通改善にも役立ちますので、体内の老廃物や毒素排出を促すデトックス食材としても役立ってくれそうです。

【糖尿病予防・ダイエット】

ムチンやグルコマンナンなどの水溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにする働きがあり、血糖値の急激な上昇・食後インスリンの分泌を抑えることに繋がります。インスリンが過剰な糖を脂肪として蓄積する事を抑えてくれますし、食物繊維類が胃腸内で膨らむことで食欲を抑える・消化吸収がゆっくりと行われることで満腹感の維持なども期待できます。食べ過ぎなければ糖尿病予防としても利用できます。

食物繊維以外にも里芋には糖代謝に関わるビタミンB1、むくみ緩和に役立つカリウムが含まれていますし、食物繊維からは便通改善・腸内フローラ改善による新陳代謝向上効果なども期待できます。タンパク質吸収を高める働きもあるので筋肉アップトレーニングの促進にも役立ちます。
これらの働きから、里芋は太りにくい(溜め込みにくい)体質改善にも役立つと考えられます。100gあたり58kcalとイモ類の中ではカロリーが低めですから、少しずつレシピに取り入れたり、ご飯の摂取量を減らす代替として活用すると良いでしょう。

【生活習慣病・認知症予防】

里芋はガラクタン・グルコマンナン・ジガラクトシルジアシルグリセロールなど、コレステロール低下に有効とされる成分を含んでいます。コレステロール低下から血液をサラサラに保つ・血管を柔軟に保つ働きが期待できるため動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの予防に役立つとされています。そのほかカリウムによる高血圧予防水溶性食物繊維による血糖値上昇抑制作用なども期待できますから、里芋は生活習慣病予防に役立つ食材と言えるでしょう。

またガラクタンは脳の神経細胞の材料としても活用されるため、補給することで脳細胞を活性化する働きがあると考えられています。ガラクタンは脳の老化や認知症予防に役立つと考えられていますし、里芋には他にもコレステロール抑制に役立つ栄養成分を含んでいますから脳血管性認知症の予防にも効果が期待できます。

【免疫力アップ】

人間の約6~7割の免疫細胞が腸内に存在し(腸管免疫系)、腸内環境の良し悪しで免疫力に差が生じると考えられています。里芋に含まれているムチン、ガラクタン、グルコマンナンなど水溶性食物繊維は、腸内フローラを整えることで免疫力向上にも役立つと考えられています。

加えて里芋に含まれているムチンも粘膜系を保護することで細菌やウィスルの侵入を防ぐ働きがあります。胃腸を整えることで栄養成分をしっかりと吸収できるようになれば、合わせて摂ったほか食材の成分も引き出して免疫機能をサポートしてくれるでしょう。

【美肌維持に】

里芋のビタミンC含有量は多くありませんが、イモ類の特徴としてデンプンに守られているため熱などによる損失が少ないというメリットが有ります。そのほか抗酸化や血流をサポートするビタミンEや肌荒れ予防に役立つビタミンB6なども含んでいますし、便秘解消・腸内環境改善効果と相乗することで肌荒れ・くすみ対策などに役立つと考えられています。

またムチンは保水能力に優れ、肌の乾燥やドライアイ対策に役立ちます。そのほか細胞の活性化作用によってお肌のターンオーバー正常化、肌の原料であるタンパク質の吸収を高める、免疫力を高め肌荒れを防ぐなどの効果も期待出来ます。

※里芋と女性ホルモンについて

里芋は女性ホルモンを高める・バランスを整えると紹介されていることが有ります。これはリグナンというポリフェノール(フィトエストロゲン)による働きですが、里芋のリグナンはほとんどが皮部分に含まれています。そのため既に皮が向けているお惣菜や冷凍の里芋を利用したり、しっかりと皮を剥いて料理する場合はあまり効果を期待しないほうが良いでしょう。

リグナンによる更年期障害や抗酸化作用・美肌・美白(メラニン色素生成抑制)・抜け毛予防・バストアップなどの効果を期待する場合は皮を金たわしなどで擦って硬い部分を落とす程度で食べると良いでしょう。逆にフィトエストロゲンの摂取に不安がある方は、皮をきちんと剥いておけばリグナンの摂取量をさほど気にせずに食べることが出来ます。

里芋(さといも)の食べ方・注意点

里芋を剥くときに手が痒くなるのは皮に近い部分に含まれるシュウ酸カルシウムという針状結晶が肌に刺さることが原因です。対処法としては手を酢水に付ける・塩や重曹をつけてから皮を向くと良いと言われています。里芋をラップで包んで電子レンジで加熱してから皮を剥く・縦横十文字になるように切れ目を入れてから茹でると皮が剥けやすくなりますので、組み合わせて下処理をしてみてください。痒くなってしまった時も酢水に手を浸すと早くおさまります。

煮物にする場合はヌメリが多いと見た目・味の染みが悪くなることから、湯で汁に塩を入れる・一度茹でこぼして水から茹でるなどヌメリを抑える方法が使われます。しかしヌメリの中にムチンなどの栄養性成分が含まれていますので、ヌメリを落としすぎたり・強火で加熱した場合は摂取出来る量が減少するので注意が必要です。栄養価を重視するか見た目を重視するかで下処理や調理法を選ぶようにすると良いでしょう。

里芋のオススメ食べ合わせ

  • 里芋+昆布・味噌・タマネギ・唐辛子
    ⇒血行促進・代謝向上に
  • 里芋+卵・鶏肉・豚肉・栗・ソラマメ
    ⇒疲労回復・体力増強に
  • 里芋+ゴボウ・胡麻・大根・コンニャク
    ⇒便秘改善に
  • 里芋+ブロッコリー・カボチャ・春菊
    ⇒美肌・粘膜保護に

里芋の民間療法

乾燥した里芋の葉柄(ズイキ)を煎じて飲むと下痢止めになると言われています。

●里芋パスター(里芋の湿布)

里芋の湿布は「いも薬」と呼ばれ、古くから腫れや炎症・痛みのケアや毒出しなどに民間療法として利用されてきました。現在でも「里芋パスター」と呼ばれ、熱さまし・打ち身・捻挫・喉の痛み・乳腺炎・リウマチなど様々な症状の緩和に役立つ利用されています。

作り方としては里芋の皮を厚めに剥き摩り下ろしたものに、その一割程度の生姜おろしと塩を少々加え混ぜあわせます(摩り下ろす手間を省ける「里芋粉」も販売されています)小麦粉を加えて粘り気をつけたものをカーゼなどに塗布します。患部にごま油を塗った後、里芋湿布を乗せて固定し4~5時間程度患部に当てておくというのが一連の流れになります。患部に熱感がない場合や、冷えによって痛みが悪化している場合には先に患部を温めてから里芋湿布を付けると良いそうです。

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