食べ物辞典:パイナップル
今ではほぼ一年中、生の状態で購入することが出来るパイナップル。くっきりとした甘酸っぱさと瑞々しさ、繊維感のある独特な食感が特徴的な果物ですね。糖質とビタミンCが多く含まれていることからエネルギーチャージや疲労軽減にも効果が期待されているほか、ブロメラインというタンパク質分解酵素を含んでいることからも何らかの健康メリットに繋がるのではないかと注目されています。お肉の下拵えにも使われるパイナップルについて、植物の特徴や歴史・食材としての栄養価や期待される健康メリットについて詳しくご紹介します。
和名:鳳梨(ホウリ)
英語:Pineapple
パイナップルのプロフイール
パイナップル(パインアップル)とは
サックリした食感と瑞々しさ・甘酸っぱさが特徴的なパイナップル。今でこそマンゴーやパパイヤなど沢山のトロピカルフルーツが日本にも定着していますが、パイナップルが一番最初に日本に定着した南国フルーツとも言われています。パイナップルの缶詰などは昭和から人気の商品でしたし、お祭りの屋台のおやつ・トロピカルジュースから飴などお菓子類の味付けまで広く使われていますね。好き嫌いは別れますが、肉料理に使うと酵素によってお肉が柔らかくなる・味付けに甘酸っぱさが加わるというメリットも。パイナップルが乗っている“ハワイアンピザ”やハンバーグは是か非か、論争が起きていたりもするのでは?
イガイガした果皮+頭から生えている髪の毛にも見える葉と、パイナップルは見た目のインパクトも強い果物。夏になるとパイナップル柄のテキスタイルも出回りますしね。見た目やパイナップルという名前から松(pine)もしくはそれに類する木に実る果実のように感じますが、実はパイナップルはイネ目パイナップル科アナナス属に区分される多年草。樹木ではなく草本、松やリンゴよりは稲=お米に近い植物なのです。属名にもなっているアナナス(Ananas)はフランスやドイツで使われている呼称でもありますが、日本でアナナスと言った場合には果物ではなく同属の植物全体を指すことが多いそう。果物としてよりも園芸種としての場合に呼ばれることが多いようです。ちなみにパイナップルの果実は複合果で、厳密には表面に並んでいる鱗のような小丘が一個の果実。
パイナップル(pineapple)のpineは果実の外見が“松かさ(松ぼっくり)”に似ていたことに由来しているのだとか。appleの方はりんごのような甘酸っぱい味わいのためとも、かつては果実全般を示す言葉として使われていたためだとも言われています。パイナップルという言葉は、既存の言葉で新しく発見した果物を表現しようとした造語なんですね。日本でも現在は英名をそのまま使ってパイナップルと呼ぶのが一般的になっていますが、かつては中国語から鳳梨(ホウリ)と呼んでいた時期もあります。日本では“パイン”という略称でも親しまれていますが、日本人以外に言うと松を指す言葉になってしまうので注意しましょう。この呼び方の違いの関係もあり、8月1日は沖縄県が制定した「パインの日」、8月17日は株式会社ドールが制定した「パイナップルの日」と、日本には8月に2つのパイナップル記念日があります。
パイナップルは栽培品種を含めると200種を超えると言われていますが、系統としてはスムース・カイエン系、クイーン・レッド系、スパニッシュ系、カバゾニ系の4つに大別されています。果物としては“スムースカイエン系”が最も多く流通しており世界生産量の約90%と言われています。日本国内でもスムースカイエン系パインが多く、在来種パインやハワイパインと呼ばれるのもこのタイプ。そのほか芯を取らず手でちぎって食べられるスナックパイン(ボゴール種)や、アップルではなく桃のような甘い香りが特徴のピーチパイン(ソフトタッチ)・酸味の少ないゴールドバレルなどの交配種も多く流通しています。また『デルモンテ』の“ゴールデンパイナップル”や『ドール』の“スウィーティオパイナップル”など各社の改良品種・ブランドもありますよ。
パイナップルの歴史
パイナップルというとハワイやフィリピンなどのイメージがありますが、原産地は熱帯アメリカ(ブラジル/パラナ川とパラグアイ川流域)とされています。世界的にパイナップルが知られるようになったきっかけはコロンブスが西インド諸島上陸して以降の事となりますが、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に到達するまでには中央アメリカの広い範囲で見ることが出来る存在だったと推測されています。明確な記録はないものの、1000年以上前から原産地に近いブラジル南部・アルゼンチン北部・パラグアイなどの地域では先住民により果樹として栽培化が進められ、マヤやアステカでも栽培が行われていたと考えられていますよ。パイナップルの属名“ananas(アナナス)”の由来についても「優れた果実」を意味する南アメリカ先住民の言葉であるという説もあります。
パイナップルにとっての大きな契機と言えるのは、1493年11月にコロンブスの第2次探検隊が西インド諸島でパイナップルを発見したこと。彼らはこの果物・果物が実る植物を「piñade Indes(インディアンの松)」と名付けてスペインへと持ち帰ったと伝えられています。その少し後の1519年にはマゼランもブラジルあたりでパイナップルを発見し、イギリスに持ち帰ったそう。しかしヨーロッパの気候でパイナップルの栽培は困難であり、船による輸入もまた大変なコストがかかったため、当時のパイナップルは超高級品。現在の価値に換算すると、パイナップル一つで数十万円~数百万円にもなったと試算されています。高価で貴重な果物であったこと、頭から生えているギザギザの葉が王冠のように見えることから「王の果物」とも呼ばれていたそう。一時は王家の権力を象徴する果物として扱われていたこともあるそうですよ。
ヨーロッパにパイナップルが伝わって約200年後、16世紀末頃までにはヨーロッパによる植民地化に伴って温暖な気候であるアフリカやアジア・ハワイなど多くの地域でパイナップル栽培が行われるようになります。また、ヨーロッパでは富裕層の間で温室を作ることが流行し、温室内でパイナップルの栽培もなされていました。温室でパイナップルを栽培することが富の象徴だったそうですし、パーティーをする時にはパイナップルを展示していたんだとか。客に振る舞わず、繰り返しパイナップルが腐るまで展示され続けていたなんていうエピソードもありますよ。ちなみに“酢豚にパイナップル”が入っているのも、欧米人に高級料理だとアピールするためという説が有力。フランスの影響力が強かった上海、もしくはイギリス領だった香港で誕生したと言われています。
日本にパイナップルが伝わった時期については諸説ありますが、早いものでは1830年に東京の小笠原諸島・父島にパイナップルが植えられという説があります。そのほか1845年にオランダ船によって長崎に持ち込まれた・座礁したオランダ船からパイナップルの苗が沖縄に伝わったなどの説もあり、19世紀半ば頃に一部で存在は知られていたと考えられます。ただし本格的なパイナップル栽培が始まったのは、1930年頃に台湾から沖縄と奄美にスムースカイエン種が導入されて以降。栽培の拡大に合わせパイン缶詰工場も建設され、1960年代くらいには沖縄県ではサトウキビと並ぶ主要作物となっていきました。
パイナップルの栄養成分・効果について
栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
パイナップルは三大栄養素の中では糖分(ショ糖・ブドウ糖・果糖)を多く含んでおり、カロリーは生100gで51kcalと果物類の中では中間くらいのポシション。ビタミンやミネラルの含有にはバラつきがありますが、ビタミンCやビタミンB群が多めになっています。また酸味の元ととなるクエン酸・リンゴ酸などの有機酸や、代表成分とも言えるタンパク質分解酵素なども含まれています。
パイナップルの効果効能、その根拠・理由とは?
食欲増進・消化促進に
パイナップルはお肉を柔らかくしてくれる食材として料理の下ごしらえにも用いられています。これはパイナップルにブロメライン(bromelain/ブロメリンとも呼ばれる)というタンパク質分解酵素が含まれているためです。タンパク質分解酵素ブロメラインは肉を柔らかくするだけではなく、食後のデザートなどにパイナップルを食べた場合でには摂取した肉や魚の消化吸収を助ける働きが期待されているため、消化不良など胃腸の働きが落ちていると感じる時のサポートにも適していると考えられています。ただしブロメラインは熱に弱く50℃~60℃以上に加熱すると失われてしまいますから、パイン缶や加熱調理したパイナップルではなく生のものを使うようにしたほうが良いでしょう。
またパイナップルには酸っぱさのもとであるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸も含まれています。クエン酸などによる酸味は唾液や胃酸など消化液の分泌を促す働きや、口内・気分を爽やかにすることで食欲を促す働きがあるとされています。このためタンパク質分解酵素ブロメラインの働きと相乗して、パイナップルは食欲増進や消化サポートに役立つのではないかと考えられています。クエン酸にはミネラルの吸収を助ける働きもありますし、パイナップルにはビタミンB群やカリウムなどのミネラル類も含まれていますから、夏バテ対策としても効果が期待できるでしょう。
疲労・疲労感の予防に
パイナップルは三大栄養素の中では糖質が多く、果物類の中では糖質の分解・エネルギー変換を助けてくれるビタミンB1も多く含まれていることから即効性のあるエネルギー源として役立つと考えられます。ビタミンB1は糖質を主なエネルギー源としている脳や神経系を正常に保つ働きもあり、不足症状として倦怠感や手足のしびれなども挙げられています。甘いものをよく食べる・お酒をよく飲む人はビタミンB1が大量に消費されてしまうことが指摘されていますから、ビタミンB1の補給からだるさや倦怠感の軽減に繋がる場合もあるでしょう。
また、クエン酸などの有機酸類も疲労回復を促すという説もあります。これは糖からエネルギーを作り出す“クエン酸回路(TCAサイクル)”と呼ばれる糖代謝にクエン酸などが関与しているため。クエン酸などを外側から補うようにすることでクエン酸回路の活発化=代謝を良くすることが期待されており、焦性ブドウ糖の蓄積抑制・乳酸の代謝を高めることにも繋がるため疲労蓄積の予防・疲労回復の促進効果が期待されています。ただしクエン酸の疲労回復効果については信頼できる十分なデータがないこと・摂取しても疲労回復効果はないという報告も多くあることから、クエン酸に疲労回復効果は無いという見解も少なくありません。
そのほかにパイナップルは生100gあたり27mgとビタミンCを比較的多く含んでいます。ビタミンCも代謝に関わるビタミンの一つですし、ストレス下において分泌される副腎皮質ホルモンなどの合成にも関わる存在。ビタミンCと同じく副腎皮質ホルモンの生成に関わるパントテン酸も含まれていますから、ストレス性など肉体疲労以外から起こる“疲労感”の軽減も期待できます。クエン酸の疲労回復効果やビタミンCの作用については俗説の域を出ないという指摘もありますが、おやつ代わりに取り入れるには良いのではないでしょうか。
便秘予防・腸内環境改善に
パイナップルは100gあたり1.2gと果物類の中では食物繊維が多い部類に属し、同グラムあたりではグレープフルーツの約2倍食物繊維を補給することが出来ます。食物繊維としては不溶性食物繊維が多いので腸の蠕動運動促進や、腸内の老廃物の排出促進が期待できるでしょう。またタンパク質分解酵素ブロメラインも肉を柔らかくする・消化サポートなどの働きのほか、腸内の不廃物を分解してくれる作用がある可能性があることが報告されており、下痢や消化不良・腹部膨張感(ガスたまり)などお腹の不調を整えてくれる成分として期待されています。
このため食物繊維とブロメラインを含むパイナップルは、便通の改善や腸内フローラの改善にも効果が期待されています。ビタミンCにも便を柔らかくする働きや、腸内の善玉菌のエサになって善玉菌を活発化させる働きが期待できますから、こちらからも腸内環境の改善に繋がるでしょう。消化不良に良いとされるのもブロメラインがタンパク質消化を助けるだけではなく、腸の状態を整える手助けをしてくれることも関係しているのかもしれませんね。そのほか腸内の老廃物・不廃物の分解や排出を促してくれることから、便の悪臭対策に繋がるという見解もあります。
高血圧・動脈硬化予防に
パイナップルはビタミン類やミネラル類が多い果物とは言い難い存在ですが、ビタミンCを多く含んでいます。ビタミンCは活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンの一つであり、コラーゲンの生成を促す働きも期待されています。この働きから脂質が酸化されて出来る過酸化脂質が血管に蓄積し、血管を狭める・固く脆い状態にすることで起こる動脈硬化や血栓の予防に繋がると考えられます。また果物類の中で別段多い訳ではありませんが、ナトリウム排出を促してくれるカリウムも100gあたり150mg含まれていますから、抗酸化作用と相乗して高血圧予防にも効果が期待できるでしょう。
そのほか人体への有効性という段階ではありませんが、ブロメラインにも抗血栓作用などが見られたという報告もあるようです。また食物繊維が多いのでコレステロールを排出するとも言われていますが『日本食品標準成分表(七訂)』によるとパイナップル100gあたりの食物繊維は1.2gで、その内訳は不溶性食物繊維1.0gと水溶性食物繊維0.2gとなっています。食物繊維のうちコレステロールを下げる働きがあるのは水溶性食物繊維ですから、こちらはあまり期待しない方が良いでしょう。
ダイエット効果について
パイナップルはかなり昔に「パイナップルダイエット」が提唱されたこともある果物。かつては消化酵素が含まれていることから体に付いてしまった脂肪の分解に良いと言われていたそうですが、こちらについては信憑性はあまり高くありません。ただしダイエットに全く繋がらない食材という訳ではなく、ビタミンB1やクエン酸などの有機酸類の摂取による代謝向上・食物繊維やブロメラインの働きによる便通改善などは期待できます。また食べたものを消化しきらないうちに眠ってしまうと摂取したものが脂肪として溜め込まれやすいと言われていますが、パイナップルは消化速度を高めてくれる果物であることから夕食に摂取することで就寝前に消化を終える手助けをしてくれるという説もあります。
パイナップルには代謝に関わるビタミンなどが含まれている・ブロメラインはタンパク質の吸収を助けてくれるので筋肉量アップに繋がる可能性があると言っても、食べるだけで痩せるほど代謝が上がるというようなものではありません。パイナップルのカロリーは100gあたり51kcalと甘さがある割には低めですので、朝食として取り入れたり、ダイエット中の甘み補給・お菓子の代替えとして取り入れるくらいの感覚が丁度良いでしょう。食べ過ぎると体を冷やしてしまったり下痢を起こす可能性もあるので、ほどほどの量を心がけて下さい。
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美肌作りのお供にも
パイナップルにはビタミンCが比較的多く含まれていることから、抗酸化作用とコラーゲン生成促進作用によるシワやタルミなどの肌老化予防効果が期待されています。またビタミンCはチロシナーゼの働きを阻害してメラニン色素沈着を予防する働きがあるので、紫外線対策・美白(シミ予防)サポートとしても役立ってくれるでしょう。そのほか天然保湿因子セラミドが含まれているので肌の潤い保持・バリア機能向上に役立つとする説もあります。
ブロメラインがタンパク質の分解・吸収を助けてくれることでお肌の原料の確保にも繋がりますし、タンパク質代謝・皮膚や粘膜の健康維持に関わるビタミンB6も比較的多いので肌をキレイに保つ働きが期待できます。パイナップルにはビタミンC以外の抗酸化ビタミン類はほとんど含まれていないので、アンチエイジングを心がけている方はβカロテンやビタミンEが豊富な食材と食べ合わせるようにするとより効果的でしょう。
缶詰・ドライフルーツについて
保存が効き手軽に食べられるというメリットが有るパイナップルの缶詰ですが、栄養価としてはビタミンCが1/5くらいまで減少すると言われています。『日本食品標準成分表』によると100gあたりのビタミンC含有量は生パインアップルが35mgであるのに対して、パインアップル缶詰は7mg。そのほかのビタミン・ミネラル類や食物繊維なども概ね減っているので栄養補給としては生に軍配が上がるでしょう。また缶詰の大半は砂糖が添加されシロップ漬け状態になっている・加熱殺菌処理され酵素が失われているため健康や美容を意識して取り入れる場合は注意が必要です。
ドライフルーツの場合は製法により異なる部分もありますが、酵素(ブロメライン)やビタミンCの補給という面ではあまり期待できません。食物繊維やミネラルの補給源としては役立ってくれますが、10gで35kcal前後とカロリーも高めになっているため食べ過ぎに注意が必要。おやつ代わりに食べるには優秀ですが、ダイエットや美肌など美容面でのサポートを期待する場合は生の方が良いでしょう。ドライフルーツのメリットとして、体を冷やしにくいという説もあります。
目的別、パイナップルのおすすめ食べ合わせ
パイナップルの選び方・食べ方・注意点
美味しいパイナップルの選び方・保存方法
パイナップルは時間が経つと若干柔らかくなりますが、追熟はしない果物です。酸味も和らぎますが、糖度が上がるわけではありません。そのため購入時にはしっかりと熟している食べ頃のものを選ぶようにする必要があります。丸ごとの状態であれば胴の部分の皮が黄色がかったもの・お尻(底)から甘い匂いがすることが熟しているかを見分けるポイントとなります。
そのほかパイナップルを選ぶポイントとしては、葉の色が濃い緑色で葉先までピンとハリがあること・表面の鱗の様になっている部分がふっくらしていること・ズッシリと重さがあり下膨れの形をしていることも美味しいパイナップルを見つけるポイントとされています。稀にお尻の部分にカビが生えていたり、傷んでしまっているものもありますので底面をよく見るようにすると良いでしょう。追熟しない果物ですし痛みやすいので冷暗所もしくは冷蔵庫(野菜室)で保存し、数日中に食べきるようにしてください。
ちなみに果実の下部に甘い果汁が多く溜まっていることから、頭(葉の付いている方)を下にして置いておくと甘みが均一になるという説もありますが、この方法については賛否両論で信憑性は今ひとつようです。
パイナップルの注意点
未完熟のパイナップルにはシュウ酸カルシウムが多く含まれているため、食べると舌に独特の刺激を感じます。食べ過ぎると口の中が荒れてしまったり、胃痛・消化不良・肌荒れなどを起こす原因にもなりますので避けましょう。またブロメラインも食べすぎると唇・歯茎・舌に刺激を与え、痛みや腫れを引き起こす事が指摘されています。
パイナップルは医薬品との相互作用を持つ可能性があるため、何らかの薬を処方されている方の場合は医師や薬剤師に相談して食べるようにしましょう。摂取しても問題ない、パイナップルの摂取と薬の服用のタイミングをずらしたほうが良いなどのアドバイスを受けてから食べるのが安心。また、ブロメラインには月経促進作用があるという見解もありますので妊娠中の方は大量に食べないようにしたほうが無難です・こちらも不安があればかかりつけの医師に相談してください。
パイナップル酵素について
パイナップルに含まれているタンパク質分解酵素(ブロメライン/ブロメリン)は肉を柔らかくする働きがあることが知られています。このため肉料理の際にパイナップルと組み合わせることで肉が固くなるのを防ぐことが出来るでしょう。おかずとしての料理の中にパイナップルが入っているのが苦手という方は下味を付ける時にパイナップルを入れておき、火にかける時にはパイナップルを抜いておくと食べやすいですよ。
パイナップルのタンパク質消化酵素は熱に弱く、50℃~60℃以上の熱を加えると活性が失われてしまいます。このためお肉を柔らかくしたい時はパイナップルを入れたり乗せたりして焼くのではなく、生肉の時点でパイナップルやパイナップル果汁に漬け込こむようにしましょう。パイナップルの缶詰は加熱殺菌処理されている関係で肉を柔らかくする働きは期待できません。人間の体についての作用については賛否両論ですが、消化促進やダイエット用として取り入れる場合も生状態で食べた方が良いとは言われていますね。
ちなみにゼリーなどにする場合はゼラチンの主成分であるタンパク質を壊してしまい固まらなくなるので、ゼラチンを入れる前にパイナップルを火にかけるようにします。また牛乳やヨーグルトと組み合わせる場合は、20~30分経つとブロメラインが牛乳中のたんぱく質を苦みのあるペプチドに分解してしまうため、食べる直前に混ぜるようにしてください。
パイナップルの再利用
お店で丸ごとパイナップルを買った場合、ヘタを取っておいて鉢などに植えると栽培ができると言われています。再収穫までには数年かかりますし、ヘタの状態・栽培時の気候などの問題もありますが、観賞植物感覚で育ててみても良いかもしれません。ちなみにDole Food Companyさんからは『エコパイン』という名前で葉がカットされたパインが販売されており、出荷時にカットした葉は植え直していらっしゃるそうです。
参考元:Pineapples: Everything You Want to Know/17 Nutritional Benefits Of Pineapples/8 Impressive Health Benefits of Pineapple