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【柿】カキの栄養・効果

柿(カキ)イメージ

柿(カキ)とは

柿は日本の秋の味覚・秋の風物詩と言える果物で、秋の季語としても使われています。庭木としても柿が植えられているお宅もありますし、それを盗む近所の子供が盗んで叱られるシーンなどもお馴染みですね。童話『さるかに合戦』でもキーとなる果物ですし、「桃栗三年柿八年」という諺(ことわざ)や「隣の客はよく柿喰う客だ」という早口言葉があったりと、食用だけではなく文化的な面でも様々なシーンで登場する果物の一つと言える存在でしょう。

食材としても昔から「柿が赤くなれば、医者が青くなる」とも言われ、嗜好品としてだけではなく栄養豊富な果物としても親しまれてきた存在でもあります。近年はスーパーフードやスーパーフルーツとして話題の食材に目が行きがちですが、旬の時期には昔から親しまれてきた柿を取り入れてみても良いのではないでしょうか。懐かしいような優しい甘さは、食べるとホッコリとした気分になれますよ。甘柿はそのまま食べることが多いですが、サラダや和え物などおかずレシピにも活用することが出来ます。

植物として柿(柿の木)はツツジ目カキノキ科に分類されています。原産は中国など東アジアという説が主流ですが、日本から欧米に伝わったこともあり柿の学名は“ディオスピロス・カキ(Diospyros kaki)”と日本語の呼び名がそのまま使われています。ちなみに属名のDiospyrosは“Dios(神)”+“pyros(穀物もしくは贈り物)”という言葉を組み合わせたものと言われていますから、神様から贈られた食べ物という意味合いになるのだとか。柿には1000以上もの品種があると言われています。柿は英語ではPersimmon(パーシモン)と言いますが、アメリカでは単にPersimmonと言った場合は先住民族であるアルゴンキン族が食べていたアメリカガキもしくはそれを干し柿にしたものを指すこともあるようです。日本の“柿”を伝えたい場合にはKaki Persimmonか、日本語そのままの「Kaki」でも通じることが多いようです。

柿の品種は熟すと完全に甘くなる甘柿・熟しても渋みがやや残る不完全甘柿・熟しても果肉が固いうちは渋みが残る渋柿の3つに大分されます。甘柿としては富有柿・次郎柿・御所柿など、不完全甘柿としては禅寺丸柿や筆柿などが知られています。渋柿というと干し柿を作るものという印象がありますが、炭酸ガスなどで渋抜きを行ったもの(さわし柿)が出荷されており青果としても食べられています。平核無(ひらたねなし)柿や四ツ溝柿などがこちらに当たります。品種によって旬が異なるため柿全体が流通する期間は7~3月と長くなりますが、出荷・流通量が最も多いのは10~11月頃となります。

柿(カキ)の歴史

第三紀層や縄文時代の遺跡などからも発掘されているため、柿は日本原産の果物として紹介されることもありますが、大陸(中国)から弥生時代に伝わったという考えが有力です。藤原京の遺跡からは柿の種子が、平城宮跡で出土した木簡には柿の値段が記されたものもあるようです。飛鳥時代の歌人として有名な「柿本人麻呂」は屋敷の庭に柿の木があったことから“柿本”と名乗ったと言われていますし、700年代初めに記された『古事記』や『日本書紀』でも地名や人名などに“柿”を使ったものが多くあります。これらのことから柿は奈良時代に存在していた事は間違いないと考えられています。日本で食べられている果物の中では古い部類に入り、歴史ある果物の一つと言えますね。

ただし日本に伝来した当初の柿は渋柿で、干し柿にして食べるほうが一般的だったと考えられています。中国では6世紀に記された『斉民要術』で干し柿の作り方・渋抜き法などが紹介されていますし、日本でも平安時代には干し柿が作られていたことが分かっています、また927年に記された『延喜式』では干し柿・熟柿(じゅくし)を祭礼時供え物や、天皇の菓子として使っていた事も記されています。余談ですが中国では“柿餅(シヘイ)”も生薬として使いますし、表面に浮いた白い粉も“柿霜(シソウ)”として喉の乾燥対策や痰切りに使われているそうです。

現在のような“そのまま食べられる”不完全甘柿や甘柿は、鎌倉時代(1214年)に王禅寺で突然変異によって偶然生まれたものが始まりとされています(※柿は現在の「禅寺丸」であり、現在の分類では不完全甘柿に含まれています)。これが元となり各地で甘柿の栽培・品種改良が行われたと考えられています。16世紀には日本からポルトガル人がヨーロッパへと甘柿を持ち帰り、後にアメリカへと伝えられていきます。中国の一部地域でも甘柿は存在していますが当時は知られておらず、渋みがなくそのまま食べられる柿は日本固有種と考えられたことでも「kaki」という日本名で学名登録されたそう。

ちなみに戦国時代には織田信長がルイス・フロイスに干し柿を贈った・大垣城を攻めていた徳川家康に美濃の住職が干し柿を献上して喜ばれた、などの逸話も残っています。当時は渋抜きをしなくても食べられる柿もあったのでしょうが、日持ちの良い干し柿の出番も多かったのではないでしょうか。江戸時代になると不完全甘柿・甘柿系の品種が各地で作られるようになり、江戸末期には200以上もの品種が栽培されていたそうです。

柿(カキ)はこんな方にオススメ

  • 悪酔い予防として
  • 二日酔い予防・軽減
  • 風邪を引きやすい方
  • 免疫力低下が気になる方
  • ストレスが多い方
  • タバコを吸う方
  • 血圧が高めの方
  • 動脈硬化の予防に
  • 濃い味付けが好きな方
  • むくみ予防に
  • 便秘予防・整腸に
  • 腸内フローラが気になる方
  • 老化を予防したい方
  • 美白を心がけている
  • シミ・シワが気になる
  • 肌が乾燥しやすい

柿(カキ)の主な栄養・期待される効果

柿は果物類でも栄養価が高い部類と称されますが、中でもビタミンC含有が際立って多くなっています。そのほかβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンなどのカロテノイド系色素やタンニンなどが含まれており、抗酸化フルーツとしても効果が期待できるでしょう。生の柿100gあたりのカロリーは60kcal、大きいものでなければ1つすべて食べても100kcal程度となります。

二日酔い対策に

柿にはタンニン系ポリフェノールの一種で、渋味の元ともなっているシブオールという成分が含まれています。渋味のない甘柿には無いように思われがちですが、全て消えてしまう訳ではありません。熟すうちにシブオールがアセトアルデヒドによって不溶性に変化したことで杭の中で溶けない=感じなくなっています。通称“ごま”と言われる果肉にある褐斑の正体が、この変化した不溶性タンニンです。

柿の渋み成分であるシブオール(タンニン)はアルコールの吸収を阻害する働きや、ビタミンCの働きと相乗して血中のアルコール分解・排出を促進する働きが期待されています。そのほかアルコールデヒドロゲナーゼという酵素も同様にアルコール分解を助けると考えられていますし、アルコールによる利尿作用に伴って失われやすいカリウムの補充にも役立つでしょう。これらのことから柿は悪酔いの予防・二日酔い緩和に効果が期待でき、二日酔いの妙薬とも言われているそうです。

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免疫力アップ・風邪予防

柿はビタミンCが多い果物で、甘柿100gあたりのビタミンC含有量は70mg。柿一つ(※180gとして計算)を食べると126mgと、1日のビタミンC推奨摂取量をクリアできるほどです。ビタミンCは自らが病原菌を攻撃する働きがあるほか、抗ウイルス作用を持つインターフェロンの分泌促進作用が認められています。また間接的な働きとして、コラーゲン生成促進によるウイルス侵入抑制・腸内フローラ改善による免疫力向上・抗酸化作用による免疫力低下予防なども期待できますから、風邪予防にもしっかりと摂取しておきたい栄養素と言えるでしょう。

そのほかビタミンCのように含有量が際立って多いというわけではありませんが、体内でビタミンAとして働き皮膚・粘膜の補強をしてくれるβ-カロテンも含まれています。鼻や喉などの呼吸器系粘膜が強化されることで、ウィルスの侵入を防いで風邪などの感染症予防に効果が期待できるでしょう。加えてβ-カロテンと同じカロテノイドに分類されるβ-クリプトキサンチンという色素も柿には含まれています。β-クリプトキサンチンは血中のIgM・IgA濃度の上昇やインターフェロンの生成促進効果が報告されていますから、より直接的な免疫力向上効果も期待できます。昔の人が「柿が赤くなると医者が青くなる」「医者いらず」と言っていたのも納得ですね。

ストレス軽減

柿に豊富に含まれているビタミンCは副腎皮質ホルモンなどの合成にも関わっています。副腎皮質ホルモンの代表としてはアドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールが挙げられ、ストレス下で分泌されることが多いため別名「抗ストレスホルモン」とも呼ばれています。これらのホルモンはストレスに対抗出来るような身体・精神状態を作るために必要とされますが、生成・分泌に伴ってビタミンCを多く必要とします。このためビタミンCはストレスを緩和したり、ストレス耐性を高める働きがあるビタミンと言われています。

高血圧・動脈硬化予防

柿はミネラルの中ではカリウムを比較的多く含んでいます。カリウムは塩辛い食事などで多く摂りすぎたナトリウムの排出を促す働きがあり、結果として高血圧の予防や緩和に役立つ栄養素です。甘柿100gあたりのカリウム含有量は170mg(渋抜き柿の場合は200mg)となっており野菜類などと比較した場合はさほど多く感じないかもしれませんが、同グラムで比較した場合はスイカの約1.5倍となります。食事で不足しがちな分をデザートとして食べたり、血圧が気になる方はお菓子の代わりに柿を食べえるようにすると良いでしょう。

また柿には抗酸化作用を持つビタミンCやβ-カロテン、β-クリプトキサンチンなどが含まれていますし、シブオール(タンニン)も抗酸化作用によって血液をサラサラに保つなどの働きがあると考えられています。これら抗酸化成分が摂取できることから、柿は過酸化脂質が血管に付着・蓄積して起こる動脈硬化の予防にも役立つのではないかと期待されています。ビタミンCも抗酸化作用の他、コラーゲン生成を促すことで血管を丈夫に保ってくれる働きもありますから、心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスク低減にも役立ってくれるでしょう。

整腸・むくみ予防

柿100gあたりの食物繊維量は1.6gと、同グラムで比較するとグレープフルーツの2倍以上。渋抜き柿であれば100gあたり2.8g(うち水溶性0.5g/不溶性2.3g)と、青果類トップクラスに含まれるほどの食物繊維を摂取することが出来ます。加えて柿には便を柔らかくする・乳酸菌のエサになり腸内フローラのバランスを整えるなどの働きがあるビタミンCも豊富に含まれていますし、タンニンは収斂作用で腸を引き締めるので下痢の緩和にも効果が期待できます。お腹の調子を整えるのにも役立ってくれそうですね。

そのほか柿は果物の中では比較的多くカリウムを含んでいますので、味の濃い食事をした後などのナトリウム過多によるむくみの軽減にも役立ってくれるでしょう。お酒を飲んだ翌朝などのむくみ・身体の重さ(だるさ)軽減に効果が期待できます。ただし生の柿は体を冷やす作用がありますので、冷え性気味の方・血行が悪い方は食べ過ぎに注意が必要です。

【美肌作り・老化予防】

ビタミンCは抗酸化作用があることに加え、チロシナーゼの働きを阻害してメラニン色素沈着を予防する美白効果(シミ予防効果)コラーゲン合成を助けてシワ予防やハリアップなどにも役立ってくれます。活性酸素による肌の細胞劣化を防いでくれることと合わせて、美肌作りに欠かせないビタミンと言われていますね。

柿に含まれている栄養成分で言えばβ-カロテンも抗酸化作用を持つ成分ですし、体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を健康に保つ働き・角質層に存在するNMF(天然保湿因子)の生成促進にも関わるため、肌の潤い保持に役立つビタミンと言えます。同じくカロテノイド系のβ-クリプトキサンチンも摂取実験ではヒアルロン酸量の増加・メラニン色素生成抑制などの働きが報告されており、美肌・美白効果があると考えられています。鉄分吸収阻害などで悪い印象を持たれがちなタンニンも、収斂作用で肌(毛穴)を引き締めたり、メラニン生成を抑制するなどの働きが報告されています。

果物類トップクラスのビタミンCに加えてこれらの成分を含んでいる柿は美白・美肌作り・アンチエイジングなど美容面でも注目されています。β-クリプトキサンチンの含有量は温州みかん系が圧倒的ですが、実は甘柿の方がオレンジよりも含有量が多いですし、ビタミンCが多いということもありバランスの良い食材と言えそうですね。強いて言えば、同じく抗酸化ビタミンで、ビタミンC・ビタミンA(β-カロテン)と合わせて摂取することで相乗効果を発揮すると言われているビタミンEの含有量が低めですので、ビタミンEを多く含むナッツ類やアボカドなどと組み合わせるとより効果的でしょう。

干し柿について

日本の元祖ドライフルーツ「干し柿」にすることで、甘くなるだけではなく栄養成分の含有量も変わります。柿は食物繊維(特に水溶性食物繊維)が豊富だと紹介されることがありますが、実は生柿の水溶性食物繊維量はさほど多くありません。100gあたりの水溶性食物繊維量が生柿0.2gに対し、干し柿1.3gとかなり多くなりますから、便秘の解消や腸内環境を整えたい場合は干し柿の方が向いていると言えるでしょう。また干し柿にすることで生柿よりもβ-カロテンが2倍以上、β-クリプトキサンチンが3倍以上に増加します。

しかし干し柿にすることで水分が抜けて栄養価が凝縮される分、100gあたりのカロリーも276kcalと高くなります。同グラムで比較すると生で柿を食べた場合の4倍以上にもなりますし、糖質の含有率も生柿は全体の16%程度であるのに対し、干し柿は70%以上と非常に多くなります。そのほかビタミンCの大半が失われてしまうという側面もありますので「干し柿のほうが良い」と一概には言えません。カロテノイドを摂りたいなどの目的がある場合でも、嗜好品として美味しく頂く場合でも、食べ過ぎには注意するようにしてください。

柿(カキ)の食べ方・注意点

柿は体を冷やす食べ物とされており、食べ過ぎると体の冷えや下痢などを起こす可能性があります。「柿を食べると流産をおこす」という言葉があるのも体を冷やすことに対する警告のようなもの。またタンニンを含んでいるため鉄分吸収を阻害してしまう可能性もあります。1日1~2個程度の摂取では問題ないと言われていますが、貧血気味の方や鉄剤を飲んでいる方は食べるタイミングに注意しましょう。

渋柿は乾燥させて干し柿にする…というイメージが強いですが、ご家庭で干し柿を作るのは結構大変。もう少し手軽な渋抜き(さわし)方法としては35度以上の焼酎を吹きかけて置いておく・焼酎にヘタ部分を浸した状態で置いておくなどの方法や、40℃くらいのお湯に付けて湯抜きする・米ぬかに付ける・りんごと一緒の容器に入れ数日~1週間程度密閉など様々な方法があります。ドライアイスを使った“炭酸ガス抜き方”というのも、難易度は高いですが美味しくなりやすいようです。

柿(カキ)のオススメ食べ合わせ

  • 柿+くるみ・グレープフルーツ・ヨーグルト
    ⇒美肌作りに
  • 柿+レモン・ナス・トマト・大豆・紅茶
    ⇒アンチエイジングに
  • 柿+セロリ・キュウリ・レタス・カブ
    ⇒利尿・むくみ緩和に
  • 柿+白菜・もやし・豆腐・わかめ
    ⇒肥満予防に

柿の民間療法

柿と大根で作った「柿なます」は風邪予防に良いとして親しまれているようです。

柿のへたを乾燥させたものを煎じたお茶を飲むとゲップ・しゃっくり止めになると言われています。漢方ではこの柿のへたを柿蒂(シテイ)と呼び、生薬としてしゃっくり止めのほか鎮咳・去痰などの目的で使っているようです。夜尿症にも良いのだとか。

柿の葉について

柿の葉寿司や下記の葉茶として利用されている柿の葉はビタミンB1・B2・C・Kの含有量が多く、特にビタミンCに関しては果実部分の約15倍と言われています。柿の葉に含まれるビタミンCは「プロビタミンC」と呼ばれる熱に強く壊れにくいものなので柿の葉茶からでもビタミンCが補給できます。そのほかルチンやケルセチンなど通称“ビタミンP”と言われるビタミンCの働きをサポートしてくれる栄養素も含まれていますので、より手軽にビタミンCを補給したいという場合に取り入れてみてください。

また、柿の葉に含まれるポリフェノールの一種の「アストラガリン」という成分は、抗アレルギー作用があることから、最近は花粉症の予防として注目されています。花粉が飛ぶ前から柿の葉茶を飲んでいると花粉症が緩和・改善されると言われています。お茶にしてのむほか入浴剤としても古くから利用されており、柿葉湯はかゆみ・湿疹などの皮膚トラブル軽減に用いられています。

果物

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投稿日:2014/08/12 (更新)
by SlowBeauty