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【林檎】リンゴの栄養・効果

林檎(りんご)イメージ

林檎(りんご)とは

シャキシャキした歯ごたえと控えめで優しい酸味と甘味を持つリンゴは、ミカンと並んで日本でも定番中の定番と言える果物。食材としてだけではなく白雪姫や旧約聖書などお話の中にもよく登場しますし、アップル社のロゴマークほかモチーフとしても定番ですね。食材としてはそのまま生で食べることが多いかと思いますが、その癖の無さからサラダや肉巻きなどおかずレシピでも活躍しますし、カレーなどの隠し味として用いる方も多いですね。アップルフィリングも優しい触感と甘さからアップルパイをほか色々なお菓子類に利用されており、活用幅の広い果物とも言えるかもしれません。

また「1日1個のりんごは医者を遠ざける」「りんごが赤くなると医者が青くなる」などの言葉もありますし、風邪をひいた時や御見舞の定番でもありますから“お腹に優しい果物”というイメージもあるかもしれません。赤ちゃんの離乳食や初めての果物や、小さいお子さん用のお菓子や飲料製品にもよく使われています。かつてはリンゴダイエットが一大ブームとなった時期もありますし、ダイエットや美肌など美容面を意識してリンゴやリンゴ酢を取り入れているという女性もいらっしゃるようです。

私達が普段食べているリンゴはバラ科リンゴ属に属す学名Malus pumilaという種で、植物分類において使われる正式な和名は“西洋林檎(セイヨウリンゴ)”と呼びます。これは同属別種の和林檎(ワリンゴ/学名M. asiatica)と区別するためですが、日本でも明治以後セイヨウリンゴ系統が主流となったためワリンゴはほとんど流通していません。暑さに弱いため熱帯での栽培は少ないですが、世界中で栽培されています。日本でも青森県や長野県など涼しいエリアでよく栽培されていますね。

世界的にみるとリンゴは数千から1万以上とも言われているほど品種数が多く、日本で品種登録・維持されているものだけでも80種類以上が存在します。種類としては大きくは果皮が赤いものとそれ以外(黄色~緑色)をしたものに二分出来ますが、このうち日本では赤皮系の品種、特に“ふじ”や“つがる”系統が多く流通しています。
果皮が緑色をした青りんごの種類としては王林などが知られていますし、近年はシナノゴールドやぐんま名月など果皮が黄色いリンゴも増えてきています。また比較的新しい品種では収穫ぎりぎりまで袋を被せることで表皮をクリーム色にした“ムーンふじ”などもあります。ちなみにリンゴの旬は概ね秋から冬にかけてと言われていますが、品種によって8月事から5月頃までとかなり差があります。

林檎(りんご)の歴史

リンゴ(西洋林檎)の原産地は中央アジア(カザフスタン南部、キルギスタンなど)エリアと考えられており、新石器時代(約8000年前)の炭化したりんごがトルコで発掘されています。栽培の歴史も非常に古いと考えられており、紀元前1300年にはナイル川デルタ地帯の果樹園で既に栽培が行われていたそう。ギリシア神話では最も美しい女神に与えられる“黄金のリンゴ”というものが登場しますし、旧約聖書でアダムとイブが食べた“禁断の果実(善悪を知る果実)”としてもリンゴが描かれています。そのほかアラビアや北欧神話などでもリンゴとみられる記述があり、古代ギリシアやローマにもりんごの品種や栽培方法が書かれた書物も発見されているそうです。

旧約聖書時代に該当地域にリンゴが無かったなど諸説ありますが、ヨーロッパ周辺エリアで人類が栽培した果物としては歴史が古い部類に属すことは間違いありません。ただし当時のリンゴはクラブアップルと呼ばれる小粒で生食に適さない酸味・苦味の強いものであり、現代りんどの祖先と言えるリンゴが発見・栽培されるようになったのは16~17世紀。17世紀前半にはヨーロッパ移民によってアメリカ大陸へ伝えられます。アメリカでも伝来当初は酒類など飲料用という扱いだったようですが、19世紀前後になると品種改良などによってより甘く大きなリンゴが作られるようになります。こうした品種が現在の主力品種の原型であり、アメリカからヨーロッパに逆輸入のような形で伝えられたそうです。

原産地を挟んで東側の中国にも6世紀頃には西洋林檎が伝わっていたようですが、中国原産のワリンゴの栽培の方が主流だったようです。日本の歴史にりんごが登場するのは平安時代中期頃。日本にも野生りんご類が存在しましたが食用には適さず、この時期に中国からワリンゴが伝えられたことで注目されるようになったそうです。鎌倉時代にはリンゴ栽培も行われるようになり、また薬学書『本草綱目』にもリンゴについての記述が見られますが、これらはすべてワリンゴなので私達がイメージするリンゴとは別種となります。

現在主に食べられているリンゴ(西洋林檎)の伝来は幕末、大々的な栽培が行われるようになったのは明治初期となります。日本で最初に西洋りんごの栽培を行ったのは青森県ではなく北海道。ドイツ(プロシア)人で農業指導を行ったR.ガルトネル氏が明治2年に「七重村農場」に植えた苗木が始まりと言われています。同じくサクランボもガルトネルが植えたのが初なのだとか。明治7年には政府によって苗の配布が行われるようになり、明治10年には青森県りんごの始祖と言われる菊池楯衛氏が栽培技術を広めていきます。

林檎(りんご)はこんな方にオススメ

  • 疲労回復・栄養源に
  • 便秘や下痢のケアに
  • 腸内環境を整えたい
  • 血圧や血糖値が気になる
  • 生活習慣病予防に
  • 身体を若々しく保ちたい
  • むくみ・冷え性気味の方
  • 肥満を予防したい
  • ダイエットサポートに
  • 肌のアンチエイジングに
  • 内側からの紫外線対策に
  • シミ予防・美白サポート

林檎(りんご)の主な栄養・期待される効果

リンゴはリンゴポリフェノールと呼ばれる様々なポリフェノールを豊富に含み、ビタミンやミネラルも少量ずつですが幅広く含んでいます。加えてペクチンなどの食物繊維・リンゴ酸などの有機酸類を含む果物として紹介されることもあり栄養豊富で健康や美容に良いという印象を持たれている方も多いかもしれません。しかし実際は“豊富”とまでは言えないものも多くありますので過信は禁物です。

疲労回復・栄養補給

風味としてはそこまで甘みが強くないリンゴですが、全体重量の15%近くが炭水化物と果物類の中でも炭水化物量が高い存在です。そのため果糖・ブドウ糖・ショ糖などの糖質含有量が高く、食べてからすぐにエネルギーに変換されやすい=エネルギー補給や疲労回復に即効性があると考えられています。加えて呼び名の通り「リンゴ酸」が含まれていることから、エネルギー代謝に関わるクエン酸回路(TCAサイクル)を活発にする働きも期待されています。

クエン酸回路というと“クエン酸”だけが注目されがちですがリンゴ酸もこの代謝の中で生成される物質であり、外側から補うことでクエン酸回路を活発化し代謝を良くする働きが期待されています。適度な糖質の補給とリンゴ酸によるクエン酸回路の活発化によりリンゴは優れたエネルギー源になりますし、クエン酸回路の活発化により筋肉痛などの原因とされる“乳酸”などの疲労物質の代謝促進にも繋がります。ちなみにリンゴにはクエン酸やリンゴ酸が含まれていると言われていますが、『日本食品標準成分表』の記載ではリンゴのクエン酸は“0”となっています。クエン酸補給源としてはあまり期待しないほうが良いでしょう。

便通改善・整腸

リンゴというとお腹に良い果物というイメージを持たれている方も少なくないでしょう。便秘の改善にお勧めされることもありますし、お腹を壊した時に食べた記憶がある方も多いのではないでしょうか。リンゴが便秘や下痢に良い食べ物と言われているのは水溶性食物繊維の一種ペクチンを含んでいることが大きいと考えられます。ペクチンは果物ジャムを作る時にゼリー状に固まる原因となる物質で、便の硬さを調節することにも作用するため適量であれば下痢止めとしても役立ってくれます。

またペクチンは腸内の善玉菌(乳酸菌)のエサとなることで増殖を助け、腸内フローラのバランスを整える働きも注目されています。粘度の高いゲル状になる成分ですから、腸の老廃物を吸着して一緒に体外へと排出することからも腸内環境改善に繋がるでしょう。これらの性質から腸の調子を整えたり、便通改善にも効果が期待されています。
ちなみにリンゴ100gあたりの食物繊維総量は皮付きで1.9g、皮なしであれば1.4gとなっており、このうちペクチンを含む水溶性食物繊維料は0.4g~0.5gと半分以下。巷で言われる食物繊維が豊富という訳ではありません。しっかりと食事を摂られる方であればリンゴばかりを食べるよりも、品目数の多さやバランスの良い食事を心がける方がおすすめです。

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老化・生活習慣病予防

リンゴの成分として注目を集めているのがリンゴポリフェノールと呼ばれる1998年に発見された様々なポリフェノール類。代表的なものとしてはプロシアニジン類・カテキン類・クロロゲン酸・ケルセチンなどが挙げられていますが、その他にも100種類以上のポリフェノールが含まれていると言われています。これらリンゴポリフェノールは高い抗酸化作用を発揮して、活性酸素による酸化を抑制する働きに優れています。外見的なアンチエイジングだけではなく、血中脂質(コレステロール)が酸化して過酸化脂質になることを抑制し動脈硬化や血栓などの予防にも役立ってくれるでしょう。

ちなみにリンゴはカリウムが豊富とも言われていますが、実のところ100gあたりのカリウム含有量は120mgと多くありません。丸ごと一つ(300g程度)食べたとしても360mgと、バナナ100g分程のカリウムが摂取できる程度です。このためリンゴが高血圧に良いとされるのは、カリウムの働きだけではなくポリフェノール類の抗酸化作用によって血液循環がスムーズになることが大きいのかもしれません。

そのほかペクチンもコレステロールの吸着・排出促進作用や糖質吸収抑制作用が報告されているため、リンゴは糖尿病など生活習慣病と言われる様々な病気の予防に役立つと言われています。しかしリンゴは糖質の多い果物であり、ペクチンやカリウムの含有量もそこまで多い訳ではありませんので、過信して食べ過ぎないように注意しましょう。

むくみ・肥満予防

リンゴはカリウムが多くむくみに良いと紹介されることが多いですが、カリウム含有量は上記の通りさほど多くありません。しかしリンゴにはカリウムだけではなくポリフェノールも含まれていますから、抗酸化作用から血液循環改善や内臓機能の活発化などに繋がると考えられます。カリウムはナトリウム濃度を調節することで利尿を促すのが主ですが、リンゴポリフェノールによる作用から血行不良や代謝低下などによって起こるむくみ軽減にも効果が期待できるでしょう。東洋医学でリンゴは“体を温める性質(温性)”の果物とされていますから、冷え性の方も安心して摂取出来る果物と言えそうです。

またリンゴポリフェノールには脂肪の分解・蓄積を行っている酵素(リポタンパク・リパーゼ)の働きを抑制し小腸での脂肪の吸収を防ぎ排出を促す働きががあることも報告されており、ダイエットにも有用であると考えられています。ペクチンにも血糖値上昇抑制や腸内環境改善・老廃物排出促進など肥満予防に役立つ働きが多く認められていますから、相乗してダイエットのサポートにも役立ってくれるでしょう。リンゴ100gあたりのカロリーは皮付き61kcal・皮むき57kcalと低めでもあり、取り入れやすいのも魅力です。ただし栄養の偏りや糖質量などの関係もありますから“リンゴダイエット”などのようにリンゴだけをひたすら食べるのは避けましょう。

アンチエイジング・美肌保持

リンゴポリフェノールは高い抗酸化作用が期待されていることから、肌細胞の酸化による老化現象=シワやたるみなどの予防にも有効と考えられています。またリンゴポリフェノール(プロシアニジン類)にはメラニン色素の過剰な生成を抑制する働きもや皮膚の光老化予防効果なども報告されていますから、内側からの紫外線ケアにも役立ってくれそうですね。リンゴポリフェノールは果皮に多く含まれていますので、美肌効果や老化予防効果を期待する場合は皮ごと食べるようにすると良いでしょう。

ちなみに野菜・果物類にお馴染みのβ-カロテン・ビタミンC・ビタミンEといった抗酸化ビタミン類もリンゴには含まれてますが、皮付き100gあたりでビタミンCは5mg・β-カロテンは27μg・ビタミンEは0.4mgと少量。皮むきの場合はさらに少なくなりますから、ビタミン類を補給したい場合は別の果物を選んだほうが確実です。

アレルギー軽減

リンゴポリフェノール(アップルフェノン)はヒスタミン遊離抑制作用などアレルギー軽減に繋がる働きが幾つか報告されています。ペクチンもアレルギー軽減効果が期待されている成分のため、これらを含むリンゴもアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー緩和に役立つのではないかと注目されています。

林檎(りんご)の選び方・食べ方・注意点

リンゴはお尻の方までムラがなくしっかり色づいているもの、手に持った時にずっしりと重さのあるものを選びます。あまり大きすぎないものの方が味の当たり外れは少ないようです。そのほか頭に枝がついているものであれば、枝が水分を含んでいるかどうかも鮮度を見分けるポイントになります。
リンゴの保存は低温高湿度の場所が好ましいそうですが家庭にはそうありませんので、水分が蒸発しないようポリ袋に入れて冷暗所へ置く・冷蔵庫に入れるなどしましょう。リンゴはエチレンガスを発生しているため未完熟のバナナなどを追熟させたりジャガイモの発芽を抑えるなど便利にも使えますが、食べごろの果物などは痛みを早めてしまうことにもなりますので注意が必要です。

りんごの表面は“油上がり”と呼ばれる油っぽいテカリがありますが、これは人が散布したワックスなどの薬剤ではなくリンゴ自身のリノール酸やオレイン酸などの脂肪酸が表面に滲み出てきたもの。水分の蒸発を抑えて乾燥しないようにという防護策であり、熟したものほど表面がコーティングされているので美味しさの目安とも言われています。表面をさっと洗えば問題なく食べられますし、皮ごと食べたほうがリンゴポリフェノールを余すところなく摂取できますよ。

りんごを切ったまま置いておくと茶色く変色するのは、リンゴポリフェノールの成分「エピカテキン」が空気と結合してしまったために起こる現象です。変色するとポリフェノールも減少してしまいますから、切ってすぐに食べない場合には塩水に浸すか・レモン果汁をかけるなど対策をしましょう。褐変してしまったものもレモン果汁に浸すと結合が解けて色を元に戻せると言われていますが、元通り綺麗にはなりにくいです。

林檎(りんご)のオススメ食べ合わせ

  • りんご+アーモンド・グレープフルーツ・豚肉
    ⇒肌荒れの予防・改善に
  • りんご+ブロッコリー・チンゲン菜・いんげん豆
    ⇒老化予防・疲労回復に
  • りんご+トマト・レンコン・エノキ・コンニャク
    ⇒肥満予防に
  • りんご+バナナ・アンズ・サツマイモ・クルミ
    ⇒便秘予防・改善に
  • りんご+ヨーグルト・ビワ・パイナップル・白菜
    ⇒胃腸を整えたい時に
  • りんご+タマネギ・アスパラガス・サツマイモ
    ⇒コレステロールが気になる方に

林檎(りんご)の活用方法・民間療法

同量のリンゴと人参を皮ごと擦りおろし混ぜたものを朝食前に飲むようにすると便通が良くなると言われています。リンゴを皮ごと擦りおろしたものは便秘改善だけではなく、下痢や発熱による喉の渇き改善にも取り入れられています。下痢の場合はリンゴを煮たものとその煮汁を飲むというものもあるようですが、下痢止めの場合は皮を剥いたものの方が適しているでしょう。

アップルフェノンは歯垢形成抑制に対する有効性が示唆されており、りんごを食べると虫歯予防や口臭予防に役立つと考えられています。歯の隙間にたまったゴミがとれる・歯茎が丈夫になるともされ、特に丸かじりすると良いと言われています。また丸かじりすることで眠気覚ましにも役立つそうです。

通常の洗顔後にりんご酢とはちみつを小さじ1~2杯ずつ入れた水で顔をすすぐと、ピーリング効果や肌のターンオーバーを整える働きが期待できるそうです。酢には殺菌作用があるのでニキビ予防にも良いのだとか。同じくリンゴ酢・はちみつを水に溶いたものをうがい薬代わりにすると喉の痛み・イガイガ感の緩和にも役立つと言われています。

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投稿日:2014/08/18 (更新)
by SlowBeauty