ニンニク(大蒜/葫)とその栄養成分・効果効能
|疲労回復や抗酸化? 気になる臭気成分の働きとは?

食べ物辞典:ニンニク

一発で分る独特な臭気が特徴的なニンニク。食欲をそそるスパイスでもありますが、食べた後の口臭が気になる食材でもありますよね。が、滋養強壮や健康維持に嬉しい食材として親しまれてきたのも、この臭気と関わりがあると考えられています。元々ニンニクに含まれているアリインは無臭ですが、細胞を壊すことで酵素と反応し生成されるアリシン・アリシンから変化するアリチアミンやスルフィド類には様々な働きが報告されていますよ。そんなニンニクの成分や働き、食用の歴史、口臭対策の方法などを詳しくご紹介します。

ニンニク(大蒜/葫)のイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:にんにく(大蒜/葫/忍辱)
英語:garlic

ニンニク(大蒜)のプロフイール

ニンニクとは

ニンニクは中華料理や韓国料理でも、インド料理でも、イタリアンやフレンチでも使用されている香辛料。生のままで刻んだりすりおろすと発生する硫黄系の鼻にツンとくる独特の臭気が特徴的ではありますが、適量であれば何とも食欲をそそる刺激的な香りがありますよね。加熱したニンニクは刺激臭だけではなく、ほのかに甘い香りを持っているようにも感じます。生のツンとしたニンニクは薬味として肉や魚の臭い消しに、乾燥・加熱したニンニクの香りは食欲を引き立てるフレーバーと言えるのではないでしょうか。

そんな香辛料(スパイス)として扱われることの多いニンニクですが、日本での食品分類としては香味野菜に属します。植物としてはネギ亜科ネギ属に分類され、学名はAllium sativum臭いがあまり気にならずホクホクと甘い“揚げにんにく”はジャガイモ百合根にも例えられますが、植物としてはタマネギやラッキョウの近縁種なんですね。ちなみに臭いの少ないニンニクとして販売されているジャンボニンニク(elephant garlic)はリーキの変種、パールにんにくなど房分かれていないシングルクローブ・薄皮がピンク色のニンニクは一見別のものに見えますがニンニクの品種です。

一般的に単に「ニンニク」と呼んでいるのは球根(鱗茎)部分。日本での旬は6~8月頃ではありますが、乾燥させたものを使用することもあって通年流通していますね。ニンニクの旬とされる時期よりも少し早め、5~6月頃に多く出回る“新にんにく”は収穫したてで乾燥していないもの。その分水分量が多くは瑞々しい食感なので、ニンニクそのものを味わいたい方にはオススメ。“新にんにく”の方が旬の食材感もありますね。鱗茎以外にも日本では“にんにくの芽”と呼ばれるシャキシャキした食感の花茎部分も広く食されていますし、高知県や沖縄件などでは“葉にんにく”と呼ばれるニンニクの柔らかく若い葉も冬野菜の一つとして親しまれています。

球根から葉まで美味しく頂けるニンニク…ですが、気になるのが食べた後の口臭ですよね。人と会う予定がある時にはニンニクの効いた料理を控えようという方も多いはず。実際に食べる際のニンニクの臭いよりも、食べた後の口臭を強く感じるようにも思います。食後のニンニク臭は世界共通のお悩みで、国によって食後に行う口臭対策も様々。なかなか消えない強い臭気が嫌われる一方で、ヨーロッパを中心に悪いものを追い払ってくれる香りだと信じられてきた歴史もあります。魔女が嫌う香りとしてお守りのように使われた時期もあったのだとか。ドラキュラがニンニクを嫌うという設定も、元々ニンニクが魔除け・厄除けなどに利用されていたという背景があったためと考えられていますよ。

日本でも青森県ではニンニクを神前に供えたり戸口に吊るす風習がある地域があるようですし、節分に鬼を追い払うために鰯の頭ではなくニンニクを使う地域もあるそう。悪霊や鬼を払うかはさておき、ニンニクの臭気の元であるアリシンには高い殺菌効果が認められています。語呂あわせで閏年の2月29日は「にんにくの日」ともされています。丁度インフルエンザの流行が収まりきっていなかったり、季節の変化で体調を崩しやすい時期でもありますので、ニンニクを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ニンニクの歴史

ニンニクは世界最古の栽培作物の一つとされる、非常に古い歴史を持つ食材。原種は中央アジアが原産と考えられていますが、紀元前4000年~3000年には西アジアからアフリカ北東部にまで広がっていたと考えられています。この時期にエジプトでもニンニクが栽培・利用されていたと考えられていますし、紀元前1500年頃とみられる医学書『エーベルス・パピルス』にもニンニクが薬として記載されていますよ。また記録としては定かではないものの、紀元前3000年以前にはインドでも栽培が行われていたという説もあります。今から6000年ほど前にはインド周辺で栽培に成功しており、貿易品としてバビロニアやアッシリアへとニンニクが広まっていったという見解もあります。

エジプトではピラミッドを建設する際にタマネギラディッシュと共にニンニクが労働者に支給されていたことも分かっています。ツタンカーメン王の墓からも発見されていますね。そしてニンニクは古代ギリシャとローマへも伝わり、薬効ある食材として、時には傷薬や魔除けとして使用されるようになっていきました。兵士はニンニクを携帯し、戦いが起こる前に強壮剤として食べていたと考えられています。また、壊疽を予防して傷の治りを早める傷薬として傷口にすりおろしたニンニクを塗ったり、天然痘などの病気を侵入させないためにニンニクをドアに吊るしたりしていたんだとか。

ニンニクは紀元前のうちにインドから中国へも伝わりました。日本へ伝わった時期は諸説あり断定されていませんが、おそらく8世紀頃には伝来していたと考えられています。『古事記』や『日本書紀』などにはもっと古くから“蒜”という記述があるのですが、当時の日本ではノビルもニラもニンニクも“蒜”と表記しており、描写内容からニンニクではなくノビルの可能性が高いという見解が主流なのだとか。かなり古くから日本に伝わっていたと考えられるニンニクですが、その使用は薬用としてが主。ニンニクをそのまま食べたり、香辛料・薬味として利用することは殆どありませんでした。

日本でニンニクが食材として使用されなかったのは、仏教の「不許葷辛酒肉入山門(葷、辛、酒、肉を食べた人は寺に入るのを許さない)」で食べることを禁じられた葷(香味野菜)にニンニクが含まれていた事が大きいと考えられています。仏教に限らず香りや刺激性の高さ、強壮作用で性欲を高めるという理由でニンニクを避ける食材としていた宗教は多いそう。日本人は獣肉を食べることが少なかったですし、清潔好き・体臭の少ない民族だったこともニンニクが食事の中に定着しなかった一因でしょう。

ニンニクが薬ではなく食べ物として普及するようになったのは第二次世界大戦後であるとも言われています。それ以前の文明開化以降、明治頃からニンニクの強壮作用や効能を研究する学者が増え「体に良いもの」という認識は高まっていました。しかし臭いの問題もあってなかなか受け入れられず、肉を食べることが一般化し、洋食や中華料理などの普及とともに肉に合うスパイスとして受け入れられたのがきっかけのようです。ニンニクを入れた焼餃子も日本独自のアレンジで、戦後に普及したもの。一度馴染んでしまえば癖になるのか、今では生姜や胡椒と並んで日本でも欠かせない香辛料になっていますね。

ニンニクの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ニンニク(鱗茎部分)はビタミンB6やビタミンB1、ビタミンC、カリウムなどを多く含んでいます。100gあたりのカロリーは136kcalで、食物繊維量が6.2gと多く、水溶性食物繊維が食物繊維量の2/3を占めていることも特徴と言えます。

そのほかアルギニンなどのアミノ酸類も含むことから栄養補給源として紹介されることもありますが、ニンニクを大量に摂取する機会はそうありません。食べ過ぎると身体に悪影響を及ぼす危険性もありますから、必須栄養素や食物繊維の補給源としては考えないほうが無難でしょう。ニンニクが健康をサポートしてくれる食材と考えられているのは、必須栄養素の補給源としてではなく、アリインやそこから変化するアリシン・スルフィド類などのイオウ化合物類の働きが大きいと考えられています。

ニンニクのイメージ

ニンニクの効果効能、その根拠・理由とは?

疲労回復・滋養強壮に

ニンニクは「精がつく」と考えられ、滋養強壮や疲労回復に役立つ食材として親しまれてきた食材です。こうした実感はニンニクに含まれているアリシン(Allicin)という成分の働きが大きいと考えられています。ニンニクにはアリインと呼ばれる呼ばれるイオウを含むアミノ酸の1種が含まれており、これが細胞が破壊されアリイナーゼという酵素に触れることでアリシンに変化します。アリシンは単体でも殺菌作用などの機能を持つ事が認められていますが、疲労回復や強壮作用があると考えられているのはビタミンB1と結合してアリチアミン(活性持続性型B1)に変化するため。

ビタミンB1は糖からエネルギーを作り出す代謝に関わるビタミン。アリチアミンに変化するとビタミンB1の時よりも吸収率が高まり、血中に留まっていられる時間も長くなると考えられています。このためアリチアミンの形でビタミンB1を補給するとエネルギー代謝が高まり、疲労回復を早めたり、スタミナ増強を効率良く行えるようになることが期待されています。ただしニンニクに含まれているビタミンB1含有量は生100gあたり0.19mgで、ニンニク自体も大量に摂取する食材ではありません。疲労回復や体力・スタミナアップを期待して取り入れる場合には、豚肉などビタミンB1を多く含む食品と食べ合わせると効果的でしょう。

疲労感やストレス対策にも

ビタミンB1は代謝に関わる栄養素であるだけではなく「精神ビタミン」とも呼ばれる存在。これはビタミンB1が脳のエネルギー源であるブドウ糖の代謝に関わることで、脳神経機能を正常に保持する働きがあるためでめです。ビタミンB1が不足してしまうと脳への栄養補給が十分に行き届かずに疲労感やイライラ、倦怠感・抑うつ症状や記憶力の低下・パニックなどを引き起こす原因となる可能性があることが指摘されています。

ニンニクに含まれているアリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンに変化することで、吸収率を良くしたりビタミンB1としての働きを継続させてくれます。このためビタミンB1不足によって起こる精神的な疲労感や集中力・記憶力の低下を予防してくれると考えられます。ニンニクには神経伝達物質の合成に必要なビタミンB6が生100gあたり1.53mgと非常に多く含まれていますから、ビタミンB6の補給からも精神・神経面での健康維持に繋がるでしょう。アリシンなどのイオウ化合物類には抗酸化作用が報告されていることと合わせて、脳の疲労回復をサポートしてくれる可能性もありますね。

食あたり・風邪予防に

ニンニクに含まれているアリインやアリシンには殺菌作用と抗菌作用が報告されています。古くは魔除け効果があると信じられていたのも、優れた殺菌作用によって病気の予防に役立ったからではないかと考えられます。昔は病気の原因が悪魔や邪気などだと考えられていましたからね。現在でもニンニクの優れた殺菌作用は認められており、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に有効と考えられています。

またニンニクのアリシンはスルフィド類と呼ばれる成分に変化します。このスルフィド類にはリンパ球の働きを活性化させることで免疫力を高める働きも期待されています。代謝を整えて体を丈夫にする手助けをしてくれることと合わせて、風邪予防にニンニクが良いと言われるのも納得ですね。アリシンは消化液の分泌を促すことで胃腸機能を高める働きも期待されていますから、生で薬味として使用すると食中毒予防にも繋がります。

抗酸化、生活習慣病予防に

強壮や殺菌だけではなく、近年ニンニクは優れた抗酸化作用を持つアンチエイジング食材としても注目されています。ニンニクに含まれているアリインやアリシン、アリシンが変化して出来るジアリルジスルフィドなどのイオウ化合物類は酸化を防ぐ働き=抗酸化力が高いと考えられています。こうしたイオウ化合物類の他にもニンニクにはビタミンCなど抗酸化作用を持つ栄養素が含まれており、ニンニク1つから15種類以上の抗酸化物質を補給できるとも言われているんですよ。

活性酸素は代謝過程の中でも発生する物質で、免疫機能のような役割なども担っています。完全悪な物質ではありませんが、増えすぎると細胞や脂質を酸化させる有害物質として振舞います。細胞を酸化させることで老化や劣化を促進する原因ともなりますし、動脈硬化やがんのリスクファクターとしても注目されていますね。このため活性酸素を除去・抑制する働きを持つ抗酸化物質の補給は、若々しく健康な身体を維持することに繋がると考えられています。

加えてニンニクに含まれているイオウ化合物類のうち、メチルアリルトリスルフィドやアホエンなど数種類には血小板凝集作用を抑制する働きが見られたことも報告されています。ニンニクが血液サラサラ食材として紹介される理由となっている成分でもありますね。血小板が固まるのを抑えることで血栓が出来にくくし、心筋梗塞や脳梗塞予防にも役立つのではないかと注目されています。アリシンには中性脂肪・悪玉コレステロールを減少させる働きも期待されていますから、合わせて生活習慣病予防をサポートしてくれるでしょう。血液サラサラ効果から高血圧予防に、アリシンがビタミンB1の働き助けて糖代謝を高めることから糖尿病予防に繋がるという説もあります。

血流改善・冷え性対策に

ニンニクは冷え性の軽減用としても取り上げられることのある食材。アリインやアリシンには抗酸化作用がありますし、スルフィドには血小板の凝固を抑制する働きや、血管拡張作用も期待されています。血液循環を整える手助けをしてくれる成分が多く含まれている、と言えますね。純粋なスタミナアップではなく男性機能の方で“強精・強壮”効果がある食材として取り入れられているもの、血液の流れを良くする働きによるところが大きいようですよ。

加えてアリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンとなることで、代謝を促す働きもあります。代謝は“燃焼”とも表現されるように、体を動かすエネルギーと共に熱を生み出しています。血流を良くするだけではなく熱生成自体を高める働きも期待できることから、冷え性の方にも適した食材と考えられているのです。生薬としての大蒜(乾燥させたニンニク)も性質は温性、体を温める性質があるものとされています。代謝と血流を高める働きが期待できる食材ですから、ダイエットのサポートにも役立ってくれる可能性があるでしょう。

美肌保持・肌荒れ予防に

アリインやスルフィド類などのイオウ化合物類・抗酸化ビタミンを含むことが注目されているニンニク。内臓機能の老化予防や生活習慣病予防としてだけではなく、お肌のアンチエイジング(老化予防)にも効果が期待されています。肌細胞の酸化はシワ・くすみ・シミなどの原因ともなりますので、若々しく綺麗な肌を保ちたい方にも抗酸化物質を多く含むニンニクは嬉しい食材と言えそうです。

加えてニンニクには末梢血管拡張作用や血流改善効果も期待されています。隅々まで血液が行き届き酸素と栄養素が供給されることは、ターンオーバーを正常に保つことにも繋がります。血行が悪く肌がどんよりとくすんでいる方、クマができやすい・消えにくいという方のサポートにも役立つ可能性があるでしょう。

100gあたりではなく実際の摂取量を考えるとニンニクはビタミンやミネラルの補給源としては期待できませんが、非常に多く含まれているビタミンB6については補給源になりえます。ビタミンB6は皮膚や粘膜の保持と関わりが深いビタミンで、不足すると湿疹や皮膚炎を起こしやすくなるビタミン。抗酸化物質の補給と血流改善、ビタミンB6の補給から、ニンニクは肌荒れ・くすみ予防にも効果が期待できる食材と言えます。

にんにくの芽について

ニンニクの花芽を早期に収穫した“にんにくの芽(茎ニンニク)”は、細いアスパラガスの茎のような見た目でシャキシャキとした食感があります。中華料理など炒めのもの際によく用いられており、若干のニンニク臭があるものの鱗茎部分より香りは薄いので食べやすいです。焼き肉のお供にも使われていますね。

にんにくの芽にもアリインが含まれていること・その一部がアリシンに変化するか可能性があることから滋養強壮や殺菌作用があると考えられています。ただし細かく切るニンニク(鱗茎)と比べるとにんにくの芽は数センチの長さで切り、炒めて使用することが多いためアリシン効果は低いと考えられます。にんにくの芽のカロリーは100gあたり45kcalと低めで、ビタミンCとβカロテンを多く含む事が特徴。ミネラルは多くないですが、葉酸やビタミンKなどビタミン類の補給に適した緑黄色野菜と言えます。

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目的別、ニンニクのおすすめ食べ合わせ

ニンニクの選び方・食べ方・注意点

ニンニクを選ぶ際には頭になる部分がキュッと締まった形をしていて、膨らみが強いく粒が大きそうなものを選びます。外皮と中身の間に隙間がなく、みっしりした感じがするものが良いでしょう。同じくらいの状態であれば手に持った時にずっしりと重く、固い張りのあるものを。

保存する場合は外皮付きであれば、風通しがよい冷暗所に置いておけばOK。高温多湿には弱いので、夏場であれば新聞紙などで包んで冷蔵庫に入れておいた方が良いでしょう。とは言え冷蔵庫に入れておくと香りが飛んだり、芽が出てしてしまう可能性が高いので長期保存はお勧めできません。しばらく使わないのであれば、1片ずつばらして冷凍保存した方が風味を保てます。

ニンニクの香りは細胞を破壊することでアリインと酵素が反応してアリシンになることで発生します。ニンニクに期待されている健康メリットはアリシンやアリシンから変化した物質(スルフィド類やアホエン)によるものが多いので、すりおろして利用した方が健康効果は高いと考えられています。と言ってもニンニクの強い香気には好き嫌いがありますから、香りを引き立てたい場合は細く刻む・おろす・潰すなどして、ふんわりと香らせたい程度であれば薄くスライスする程度でと使用方法を分けると良いのではないでしょうか。

ニンニク摂取の注意点

ニンニクは少量であれば消化を促すなど胃腸機能を高める働きも期待されていますが、空腹時の摂取や大量摂取によって胃腸障害を起こす危険性があります。ニンニクの推奨摂取量はおろしなど生状態であれば1日1片以内、加熱状態でも2~3片程度と言われています。お子さんの場合はその半分以下、胃腸が弱い方も摂取量に注意するようにして下さい。不安な方はるべく火を加えたものを食べるようにしましょう。妊娠中や授乳中も摂取は控えたほうが無難です。

またニンニクは血小板の凝固を抑制する働きがあるため、血流に関係する疾患のある方も摂取に注意が必要。医薬品、特に抗血液凝固薬や抗血小板薬を服用している方は医師や薬剤師に摂取量やタイミングを確認するようにして下さい。服用薬がなく健康な方であっても食べ過ぎは貧血や低血圧に似た症状を起こす場合もあります。何らかの不調・不快感を感じた場合には摂取を中断し、症状が重い場合は病院で診察を受けましょう。

ニンニクの雑学色々

ニンニクの臭い消しについて

体に良い作用がぎっしりと詰まったニンニクですが、やはり口臭が気になって食べるのに気が引けるものではあります。ニンニクの臭気は細胞が壊されることでアリインと酵素が反応して発生するため、細かく切らずに使用する・酵素を抑制するために加熱もしくは酢漬けにすることで抑えることが出来ます。

とは言っても自分で料理をするのではなく外食している場合や、突然人と会う予定になった時など「あ、食べちゃった…」と困ることもありますよね。日本国内でもニンニク臭対策としては様々な方法が試されており、航空清涼剤のCMにもなっているほど。日本以外にも各地でエチケットとして様々な“対策”があります。ポピュラーなものや試しやすい方法と、口臭対策になる理由をいくつかご紹介します。

  • 食中~食後に紅茶や緑茶などを飲む
    ⇒カテキンがニンニクの臭気の分解を促す。
  • 食前に牛乳を飲む・ヨーグルトを摂取する
    ⇒タンパク質とアリシンが結合して臭いを抑える。
  • 食事の終わりに皮付きのリンゴを摂取する
    ⇒ポリフェノール&酵素が消臭効果を持つ。
  • パセリやセロリを一緒に食べる
    ⇒精油成分(ピネンなど)が臭いの分解を促す
  • フェンネルシードを噛む
    ⇒精油成分の働きで消臭&消化を促す
  • 歯磨きとうがいをし、口臭清涼剤・ガム
    ⇒口内のニンニクを除去し、消臭成分を補給

個人的にはジャスミン茶(ジャスミン緑茶)が口臭軽減効果を強く実感できました。ただし多めに摂取した場合は完全に消えないケースが多いように思います。結構、ニンニク臭とミント臭が混じった臭いがしている方もいらっしゃいますよね…。

「休みだからニンニクをふんだんに使ったけど、臭いが消えるか心配」という場合には、水分を多めに摂りながら運動や半身浴などで汗を流しましょう。汗とともにニンニクの臭気成分も排出されるので、臭いが抜けるのが早まります。いつもよりも汗が臭くなる場合はありますが、何日間もニンニク臭を引っ張る事態は避けられるはず。

参考元:History of Garlicにんにく大辞典