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【菠薐草】ホウレンソウの栄養・効果

菠薐草(ホウレンソウ)イメージ

ほうれん草とは

栄養価の高い緑黄色野菜という印象があり、日本の野菜摂取量ベストテンにもランクインしているわりに焼き嫌いのある野菜とも言われるほうれん草。ある年齢以上の方であればホウレンソウ=ポパイの好物で食べるとパワーアップするというイメージがあり、不味いけど体に良いという青汁と似たような印象を持たれている方も多いかもしれません。現在は昔ほどアクが強いものは少なく食べやすい野菜になっていますが、苦みに敏感なお子さんの場合は苦手とすることも多いようです。

植物分類でほうれん草はヒユ科に属する野菜。混同されやすい小松菜はアブラナ科なので実は近い関係ではなく、甜菜や不断草・スーパーフードとして注目されるアマランサス(仙人穀)などが同科にあたります。ほうれん草の種類としては東洋種・西洋種・一代雑種(交配種)の大きく3つに大分されます。昭和中期頃まで多く流通していたのは葉は肉厚のもののアク(シュウ酸)が多くエグみが強いとされる西洋種で、現在は葉が肉厚かつエグみの少ない交配種が主に使われています。東洋種は栽培が難しいため西洋種に押されがちでしたが、近年は薄く柔らかい葉や味の良さが再評価されています。

ほうれん草は日本全国で栽培が行われていますし、輸入物も多いので通年見かける野菜ですが、旬は冬とされています。涼しいところの方が味・栄養価ともに高くなる性質を活かし、寒気にあてて生育させる「寒じめ」と呼ばれる方法で作られた“ちぢみほうれん草”は冬だけに出回る旬を感じさせる存在。ちぢみほうれん草は味・甘味が強いだけではなくビタミンの含有量も多くなっていますので、冬場の栄養源としても役立ってくれますね。
生食に適したサラダほうれん草も多く見かけるようになり、料理方法や味の好みに合わせて種類を選べるようになっています。お浸しや和え物など和食的レシピも捨てがたいですが、チーズやクリームソースと合わせたり、パンやパスタに練り込むなどすると苦手な方も食べやすくなります。

ほうれん草の歴史

ほうれん草の原産地は中央アジアから西アジア辺りの地域と考えられていますが野生種が発見させていないことなどから推測の域を出ていません。始めて栽培が行われたのはペルシア地方であったと考えられています。600年代にはベルシアからシルクロードを通って中国へもたらされ、800年~1200年頃にはムーア人によってスペインへと伝播してヨーロッパへも広まります。中国を中心に栽培された品種は「東洋種」と呼ばれる薄めで柔らかいものに、ヨーロッパへと伝えられたものは「西洋種」と呼ばれる肉厚であくが強いものへと、土地によって味や形が変化したのも中世頃と考えられます。

日本へは16~17世紀頃に中国からほうれん草が伝わっています。当初は中国から伝わった野菜という意味で“唐菜(からな)”と呼ばれていました。現在のホウレンソウというのは中国語の菠薐(ホリン=現在のネパールやペルシアなどを指す言葉)が転訛したものと考えられています。江戸時代に記された『本草書』には“菠蔆”としてほうれん草の薬効などが記載されています。
昔の日本人は現代以上に青臭さやアクの強い野菜を苦手としていましたが、当時伝わったほうれん草は柔らかくアクの少ない東洋種であったため、さほど拒否感は無かったようです。節約おかず番付『日々徳用倹約料理角力取組』にもほうれん草のお浸しがランクインし、また井原西鶴の『好色一代男』にも“ほうれんそうの浸し物”が登場するので、江戸時代の人々にも馴染みのある食材であったと考えられます。

19世紀になると西洋種が伝来しますが、アクの強さや土臭さから好まれず普及しませんでした。大正末期~昭和初期にかけて食べやすい交配品種が作られたことをきっかけにほうれん草が受け入れられ始めますが、本格的に消費が増えるのは戦後以降のこと。更に品種改良が進み食べやすくなったことに加え、アニメ「ポパイ」出てくるホウレンソウ缶詰の影響などもあり家庭の食卓の定番へとなっていきます。アニメの誇張ではなく栄養的にほうれん草は優秀で、和洋食に幅広く利用できることや価格が比較的安定していることなど様々なメリットからここまで定着したとも言えるでしょう。

ほうれん草はこんな方にオススメ

  • 便秘・腸内フローラ改善
  • デトックスのサポートに
  • 鉄分不足・貧血予防に
  • 妊娠中の栄養補給源に
  • 酸化(老化)を予防したい
  • 血圧が高めの方
  • 生活習慣病の予防に
  • 血行不良・冷え性に
  • むくみやすい方に
  • 風邪・インフルエンザ予防
  • ドライアイの方
  • 目の疲れ・視力低下予防に
  • PC/スマホをよく使う方に
  • 肌のアンチエイジングに
  • 肌荒れ・乾燥肌の改善に
  • ダイエットのサポートに

ほうれん草の主な栄養・期待される効果

ほうれん草にはβ-カロテン・ビタミンC・ビタミンB群・ビタミンEなどのビタミン類、鉄分をはじめとしたミネラルが多く含まれており、栄養価の高さとしては野菜類トップクラスと言われています。そのほかに目を酸化から守り視力を回復すると働きが注目されてる色素成分「ルテイン」なども含まれており、様々な健康メリットが期待されています。

便秘改善・デトックス

ヨーロッパでは「胃腸のほうき」という呼び名もあるほうれん草。日本でも江戸時代の本草書『本朝食鑑』に“便秘の人は適度に食べると良い”という記述がありますから、東洋医学的にも有効性が認められていたと考えられます。ほうれん草100gあたりの食物繊維送料は3.6gゴボウニラなどには劣るものの、キャベツレタスの倍以上の含有量になりますから十分に食物繊維補給に役立つ野菜と言えるでしょう。

ほうれん草の食物繊維バランスは100gあたり不溶性食物繊維2.1g・水溶性食物繊維が0.7gと不溶性食物繊維が多い傾向にあります。このため腸の老廃物を巻き込んで排出させるデトックス効果・腸壁を刺激することによる蠕動運動促進効果が期待できます。食物繊維よりもより細かい所の老廃物・有害物質を吸着し排泄させる働きが期待される葉緑素(クロロフィル)も含まれていますので、相乗してデトックスや腸内フローラの改善にも役立ってくれるでしょう。ただし便が硬くなりやすい方は水分を補給する・お腹がハリやすい方や下痢をしやすい方は食べすぎないように注意が必要です。

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貧血予防・妊娠中の栄養補給

ほうれん草の栄養というと鉄分を思いつく方も多いのではないでしょうか。ほうれん草の鉄分含有用は生100gあたり2.0mgと、水菜と並んで葉物野菜類の中ではトップクラス。また赤血球の新生に必要なことから“造血のビタミン”とも呼ばれる葉酸も100gあたり210μgと豊富で、鉄分の吸収を高めてくれるビタミンCも多く含んでいます。
このためほうれん草は貧血の予防や改善に役立つ野菜と考えられています。日本人の貧血、特に女性の貧血は鉄分不足による鉄欠乏性貧血(赤血球のヘモグロビン不足)が大半と言われています。数値的には貧血と言われるほどではなくとも鉄分不足はめまいや動悸・疲労感などの原因となりますから、食事の偏り・体調不良が気になる方は取り入れてみると良いかもしれません。

ちなみに葉酸は普通の食事で不足することは少ないですが、妊娠中や授乳中は赤ちゃんの成長のために意識的に摂りたい栄養素でもあります。ほうれん草は葉酸と鉄分が豊富ですし、妊娠中に起こりやすい便秘などの予防にも役立つので妊娠中の栄養源としても勧められることが多い存在です。シュウ酸の問題もありますからほうれん草を毎日食べ続ける・大量に食べることは避けたほうが無難ですが、栄養バランスを考えて困ったときに役立つ食材であることは間違いないでしょう。

老化・生活習慣病予防

緑黄色野菜を代表する食材の1つでもあるほうれん草は、生100gあたり4200μgとβ-カロテンが豊富な食材。β-カロテンのほかビタミンEやビタミンCなど抗酸化作用を持つビタミン類の含有量も高いので、活性酸素によるダメージを軽減して老化や病気発症リスクの低減にも役立つと考えられています。抗酸化物質は血中脂質の酸化を防ぐことで、血管内に過酸化脂質が付着して起こる動脈硬化などを予防する働きが期待できます。

加えてほうれん草には血栓の予防や血流改善効果が期待される香り成分ピラジンや、悪玉(LDL)コレステロール低下・善玉(HDL)コレステロール増加に役立つとされる葉緑素(クロロフィル)なども含まれていますから、相乗して血液・血管を健康な状態に保る働きが期待できます。高血圧予防に役立つカリウムも豊富なため生活習慣病予防食としても適していると考えられています。

冷え性・むくみ軽減に

ほうれん草に含まれている抗酸化ビタミンやピラジンなどの成分は血液循環を整えることで、血行不良から起こる冷え性の改善にも役立つと考えられます。特に毛細血管の血行を促すビタミンE含有量が多いので末端冷え性の軽減に、鉄分が豊富な野菜ですから貧血による血行不良のサポートにも繋がります。冷え性のほか血行不良から起こる肩こりや腰痛・だるさ・疲労感などの軽減にも効果が期待できます。

またほうれん草はカリウムの含有量が100gあたり690mgと非常に多く、きゅうりや冬瓜などカリウムが豊富とされる瓜科野菜の3倍程度の含有量があります。カリウムはナトリウムの排泄を促して血圧を低下させたり、余分な水分の排泄を促すことでむくみ解消に繋がります。カリウムの運搬をサポート・正常な体液循環をサポートしてくれるマグネシウムも100gあたり69mgと豊富に含まれていますし、血液循環を整える成分も多いので相乗してむくみ軽減に効果が期待できます。

免疫力向上・風邪予防

抗酸化物質は活性酸素の働きを抑えることで免疫力の低下を予防・改善する働きも期待できます。ほうれん草は食物繊維や葉緑素など腸を綺麗に保つ成分も多いので、腸内フローラの働きを高めることからも免疫力アップに繋がるでしょう。また直接的な働きとして、ビタミンCはストレスの軽減や白血球の働きを強化することで免疫力向上に、β-カロチンは体内でビタミンAに変換され粘膜強化によってウィルスの侵入を防ぐ働きがあるとされています。これらのの働きが複合することで、ほうれん草は免疫力を高めて風邪やインフルエンザ予防にも役立つ野菜と考えられています。

目の疲れ・視力低下予防

ほうれん草にはβ-カロテンのほかに、同じくカロテノイド系色素であるルテインやゼアキサンチンも含まれています。両成分ともに強力な抗酸化作用によって黄斑部や水晶体などを酸化ダメージから守り目の老化や看病予防に役立つと考えられていますし、ルテインはスマホやパソコンの画面などから発生するブルーライト(青色光)を吸収する働きも認められています。

またβ-カロテンはビタミンAに変換されることで目を健康に保ち、疲れ目やドライアイの予防・軽減に役立つと考えられています。ブルーライトを軽減する働きが期待できるルテインと合わせて、スマホやパソコンの画面を長時間見ているなど目の酷使が気になる方のサポートにも役立ってくれるでしょう。食べて目が近眼が治るというわけではありませんが、視力低下予防や低下した分の回復にも効果が期待されています。

美肌・アンチエイジング

ほうれん草は多くのビタミン含有量が緑黄色野菜での中でもトップクラスと言われている野菜です。特に抗酸化作用を持ち同時に摂取することで相乗効果があるビタミンACE(※ビタミンAはβ-カロテン)は100gで1食分の目安量をほぼカバー出来るほど豊富でなため、内側からの肌のアンチエイジングに役立つ野菜としても注目されています。

またβ-カロテンはビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜の保護に役立ってくれますし、新陳代謝向上や皮膚粘膜の維持に役立つビタミンB群も野菜の中では比較的多く含まれています。冬場の乾燥肌対策としても役立ってくれるでしょう。そのほか貧血改善や血行促進効果によって肌の隅々まで酸素や栄養を行き渡らせ肌の新陳代謝を高める働きやくすみ改善・透明感アップ、腸を綺麗に保つことでの肌荒れ予防などにも効果が期待できます。ほうれん草は総合的にアンチエイジングや美肌作りにアプローチできる野菜と言えるでしょう。

ダイエットのサポート

ほうれん草そのものに糖や脂質の吸収を抑える・脂肪燃焼を高めるなど直接的なダイエット効果はありません。ほうれん草に含まれている“チラコイド”という成分に満腹中枢刺激作用があるとの報道もありましたが、ほうれん草を食べても体内に吸収されないと言われていますので期待しない方が良いでしょう。

しかし100gあたり20kcal(※茹での場合は25kcal)と低カロリーでありながらビタミン・ミネラルを多く含むこと、便通・腸内フローラを整える働きがあることからダイエットのサポート役としては優秀な食材と言えます。ダイエット中に起こりやすい便秘や貧血予防、栄養不足の偏りによる肌荒れ予防にもなりますから、おブス痩せ対策として役立ってくれるでしょう。茹でると量が減ってしまいカサ増しには適さないように感じますが、体内で水分を吸って膨らむ不溶性食物繊維が多いので満腹感維持にも効果が期待できますよ。

ほうれん草の選び方・食べ方・注意点

ほうれん草に含まれるシュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を妨げる・膀胱や腎臓に結石を作ると言われていますが、それは一日にkg単位で接種をした場合の話で、100g~200g程度を食べる分には問題ないとされています。

食べる際はほうれん草のビタミンCを壊さないよう、加熱時間は短くすると良いでしょう。また、少量の油を加えるとβ-カロテンの吸収率がアップします。さっとアク抜きに茹でる程度か、サラダほうれん草などシュウ酸の少ないものを選ぶと使いやすいでしょう。

ほうれん草のオススメ食べ合わせ

  • ほうれん草+ゴマ・大根・もやし・小豆
    ⇒便秘予防・解消に
  • ほうれん草+ヒジキ・鶏卵・ブロッコリー
    ⇒貧血予防・改善に
  • ほうれん草+アスパラ・生姜・にんにく
    ⇒風邪予防に
  • ほうれん草+クルミ・ワイン・さやえんどう
    ⇒アンチエイジングに
  • ほうれん草+アーモンド・豚肉・なす
    ⇒美肌の維持に
  • ほうれん草+トマト・人参・ピーマン
    ⇒視力低下の予防に

ほうれん草の民間療法

りんごとほうれん草の生ジュースを朝・夕に飲むと便秘解消に効果的と言われています。

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投稿日:2014/07/25 (更新)
by SlowBeauty